テラリア転生者が次はグラブルに転移した話RE   作:なかえもん

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古戦場とテラリアアップデートがあるので次の投稿は遅れると思います

あと余談ですが最近デジモンタイムストレンジャーをクリアしました。
完走した感想ですが今までデジモンシリーズひとつもやったこと無かったので、払ったお金分楽しめるか不安でしたが神ゲー過ぎて普通に面白かったです。

誤字修正ありがとうございます!!


アルケミスト・デザイア②

sideクラリス

 

「カリオストロの錬金術講座、はっじまーるよー!」

 

「おっー☆」

 

「お、おー!」

 

「おー?」

 

「無理しないでいいですよリゼットさん。」

 

今日は初めてのウチ以外の弟子の人と一緒に授業を受ける!

姉弟子としていいとこ見せなきゃね。

 

「まず最初にミレイユ。お前の手に入れたい元気な体についての定義からだ。」

 

「え?定義?」

 

「言うならば……完全であることを選ぶか、自然であることを選ぶかだな。」

 

い、いきなり難しい話になった!?

普段よりも真剣な表情でししょーはミレイユちゃんに問いかける。

 

「例えばだが、オレ様の体は完全な体の区分だな。錬金術によって素体を入れ替え続けることで擬似的な不老不死を実現した。完全であることを選ぶ場合は錬金術で量産した素体を自身の身体として扱うんだが……」

 

見定めるようにミレイユちゃんを見ながら続ける。

 

「素体は厳密には生物とは呼べない。何故なら命を繋ぐ機能がないからだ。成長しない、老いない、子孫を残すことができない。まっとうな生物の体じゃねぇ。」

 

ウチには分かるけどししょーは意外と繊細だから、多分自身の体のことを気にしてる。

おおよそまともな生き物ではなくなった自分のことを。

 

……でも何でだろう。ししょーはともかく。なんでケインさんまで目を伏せているんだろう。

 

「でだ、自然であることって言うのはまあざっくり言うとそのまま普通の人間の体を用意するってことだな。成長するし老いるが命を次の世代に託せる。その代わりこっちの方が錬金術的には難しいがな。完成した賢者の石が必要になるからな。」

 

「け、賢者の石?なにそれ?」

 

「詳しい話は省くが……まあオレ様でも造るのに少々手間取る特殊な物質だ。」

 

復習もかねてししょーに言われたことを思い出す。

 

賢者の石は錬金術の絶対である等価交換に当てはまらない唯一の物質。

本によるとこれを手に入れた者は万象を知り、あらゆる叡智を手にできるとまでを言われてるけど、歴史上でも作れた人が限りなく少ない物質。

 

ウチが知ってる限りだとパラケルススが作ってたのが賢者の石だったはず。

けどあれは完全な賢者の石じゃなくて、まだ途中だったらしい。

 

「ま、つまるところ、最大の違いは『元気な身体』を得た後にお前は何がしたいのかだ。不老不死の素体で一人生き続け、その命を己のためにだけ使うか、ただの人としての生を終えるか……ミレイユ、お前が望むのはどっちだ?」

 

「そのふたつなら答えは決まってるわ。私が欲しいのはただの人の身体、不老不死なんて必要ない。」

 

ししょーに聞かれたミレイユちゃんは一切迷わずに答えた。

 

「私が元気な身体が欲しいのは病弱な身体が疎ましいからだけじゃないの、私は家族が欲しい……家族を作りたいの。」

 

ひゃー、顔を赤くしながらもキッパリというミレイユちゃんを見てウチとグランも顔が少し赤くなっちゃう。

でもいいなぁ、ウチもいつか、グランみたいな人と結婚とかして家庭を持って……って!今はそんなこと考えるような明るい雰囲気じゃない!

 

「そうか、それがお前の本当の望みか。」

 

「ま、やっぱりそっちの方がいいさ。」

 

何故かそれを感慨深けな顔で見るししょーとケインさん。

そんな顔をしていたので思わずウチは2人に聞いてしまう。

 

「ししょー?ケインさん?どったのそんな顔して?」

 

「……なんでもないよ。」

 

「……そうだな、なんでもない。」

 

な、なんで二人共そんなしんみりしてるのさ!?

 

「さて、方針は決まったな、そしたら必要なのは素体と賢者の石だ。そこで質問なんだが……素体はリゼットを使うのか?」

 

「………え?その、リゼットさんを使うっていうのは?」

 

嫌な予感がしたルリアちゃんが慎重にししょーに聞き返す。

なんとなく、ウチはししょーの言うことが理解できちゃった。

出来たからこそ、納得ができない。

 

「ホムンクルスっていうのは素体に意思、または精神を宿らせたものだ。つまりホムンクルスの身体は素体として扱うことができる。ミレイユの精神をリゼットの身体に移すって選択肢もある。そうするとリゼットの精神は消えちまうがな。」

 

「ししょー!さすがにそれは……」

 

ウチは思わず声を荒らげちゃったけど、ミレイユちゃんは一切気にした様子も迷いもなく

 

「そもそもお断りよ。偶然できた素体なんて、信用出来ないもの。」

 

「……え?」

 

ミレイユちゃんのあんまりな言い方に思わずじっと見つめてしまう。

 

「そもそも、身体はそのものは頑丈だけどいつボロが出るか分からないし、オマケに生まれたばかりのリゼットは使い物にならないガラクタだったし、こんな身体を素体として流用する気は無いわ。」

 

「ま、そこがお前の限界だな。誰にも師事してないにしちゃお前はよくやってるよ。おそらくお前は製作、造ることに関しての才能がピカイチなんだろう。」

 

ししょーとミレイユちゃんが話してるのを横目にウチはグルグルと頭の中で考えちゃう。

え?リゼットちゃんのことをガラクタって……リゼットちゃんはおつきって聞いてたけど、まるで家族みたいな距離感だったのに。

 

ミレイユちゃんとししょーの話が一段落したタイミングで思わず聞いてしまった。

 

「あのさ、ミレイユちゃん……その……リゼットちゃんがガラクタってどういうこと?」

 

「そのままの意味よ。産まれたばかりの時はゴーレム以下の出来損ないで、成長してようやく便利になってくれた道具よ。」

 

「そうじゃなくてさ……!リゼットちゃんはミレイユちゃんの家族じゃないの?家族に対してガラクタなんて言うのは……」

 

「……家族?これはただの便利な道具よ。それ以上でも以下でもないわ。」

 

そうあっけらかんに言うミレイユちゃんにウチもグランも呆然としちゃった。

 

「で、でも。ホムンクルスは作る時に血液を使うでしょ?それならある意味血が繋がってるんじゃないの?」

 

「ああ、そういう意味なら血が繋がってるとも言えるけど……でもコレはホムンクルスよ?私が欲しいのは私が心から求めた人と作る家族よ。私に付き従うだけの存在であるリゼットは要らない。コレは家族じゃないのよ。」

 

ミレイユちゃんのあんまりな言い方に思わず絶句しちゃった。

ビィやルリアちゃんも言葉を出すことすら出来ない。

 

「そ、そんな言い方!!」

 

熱くなって言い返そうとしたところでケインさんが思いっきりバアルさんが持っていたようなギターを鳴らす。

全員ケインさんを見たタイミングでししょーが口を開く。

 

「落ち着け、お前らからしたら思うとこはあるだろうが、コレは術者とホムンクルスの問題だ。オレ様達にどうこう言う権利はねぇ。」

 

「で、でも……」

 

リゼットさんはそれでいいの?そう思ってリゼットさんに視線を送るも、気にしないでと言うように微笑むだけだった。

 

__________________________

 

後日、さっそくししょーの授業が始まった。

 

「おい。」

 

「ほれ。」

 

「ん、でだ。この反応を示す場合、素体の錬成に足りてないのは……」

 

ししょーの長い上に難解な講義を聴きながら必死に覚える。

姉弟子としていいとこを見せたいウチと意外と講義についていけてるミレイユちゃん。それて最近アルケミストのジョブになり始めたグランの3人で講義を受けていた。

 

グランが錬金術師!?って最初は驚いたし、ウチの存在崩壊がグランも使えればお揃いなのになーと思ったりしたけど、グランは戦闘中にポーションを作ったりするのが得意だったみたい。

次はドクターだなって言ってたけど、正直錬金術師から医者は関係ないと思う。

 

途中ツンツンとミレイユちゃんがウチになにか聞きたいことがあるのか腕をつついてきたから耳を貸す。

 

「その、ケインさんって実はカリオストロ先生のホムンクルスだったりするの?」

 

「……それ、ケインさんに聞かれたら怒るだろうから言わない方がいーよ。」

 

「というかカリオストロさんが煽り散らかしますよね。」

 

もう目に浮かぶもん、ししょーが調子に乗って煽ってまた言い合いが始まるところが。

 

たしかに、今みたいに呼びかけただけですぐに欲しいものを察知して渡すところを見るとおつきの人に見えなくもないけどね。

 

「ミレイユ様、私も同じことができます。」

 

「別に聞いてないわよ!?」

 

リゼットちゃんが張り合うようにミレイユちゃんに自分も出来ることを伝えるのを見ると、やっぱり家族みたいな仲に見える。

それなのにどうして……そうやって講義中もモヤモヤしてばっかりだった。

 

そうしてまたずっと講義を手伝っているケインさんとししょーを見ながら話を聞き続けて2時間。

そろそろ頭から煙が出てきそうだけど、姉弟子としてミレイユちゃんより先に休憩を言い出しにくい……。

それに、そろそろのはずなんだけどなー?

 

「クラリスさん。ちなみに休憩とかって……」

 

「そろそろボロが出るからそしたら休憩出来ると思う。」

 

「え?ボロが出るって……?」

 

「ケイン。」

 

「はい。」

 

「……あ?違ぇよこっちじゃねぇよ。」

 

「は?」

 

あ、そんなことを話してれば早速出た。

 

「オレ様が欲しいのはこれじゃなくてそっちだ。ったく。ミスんじゃねえよ。」

 

「そもそもお前が口に出して伝えるのが一番楽なんだが?」

 

「はぁ、まったくこれだから最近の奴らは。普通こういうのは言われる前に察するもんなんだよ。少しはスカスカな脳みそで考えてみたらどうだ?」

 

「なに?脳みそと口を錬成し忘れてるから物の名前が言えないのか?錬金術の開祖様が自身の素体に異常が出てるようだな?ついにボケが始まったのか?」

 

「んなわけないだろ!!残念ながらこの錬金術の開祖様で超絶天才美少女のオレ様でもお前みたいな自分の愚かさに気付けないバカをどうにかすることは不可能だな、オレ様がボケてるんじゃなくてお前がバカなだけなんだ。」

 

「知ってるか?老害ってまずは否定から入るらしいぜ。アレ?おかしいな?カリオストロと一緒だな?」

 

「よぉし!良かったなクラリス!今日はお前の大好きな崩壊の授業だ!まずはここに居るケインの野郎の顔面をグズグズに拳で崩壊させてやるよ!!」

 

「グラン良かったな!今から目の前のボケ老人が怪我をするからポーション生成の練習ができるぞ!それかミレイユちゃんホムンクルスの勉強でこいつを解剖するか?」

 

一瞬、無言でししょーとケインさんは睨み合った後

 

「「オラ死ね!!」」

 

拳を振り上げ殴り合いを始めた。

 

「はぁーやっと休憩だ〜。」

 

「いやいやいや!?この状況で休憩できるほど精神図太くないわよ!?」

 

「と、止めなくていいんですか?」

 

ししょーとケインさんが殴り合いの喧嘩を始めたタイミングで休憩に入る。

ミレイユちゃんとグランが慌ててるけど正直ウチからしたら見慣れた光景なんだよね。

 

ししょーの講義でケインさんも一緒にいる時は、大体こうやって喧嘩し始めたタイミングで休憩に入る。

少ししたらグランは慣れたのか喧嘩している2人に野次を飛ばしているけどミレイユちゃんだけは不安そうに二人を見ている。

 

「大丈夫かしら……カリオストロ先生はその。華奢じゃない?男の人と殴りあったら大変な目に……」

 

「大丈夫だよ。ほら、今ケインさんが馬乗りにされて殴られてるから。」

 

「大丈夫なようで大丈夫じゃない!?」

 

何故か分からないけど、ケインさん素手の殴り合いがめちゃくちゃ弱いんだよね。

多分ウチでも勝てるくらい。

最初こそ多分喧嘩とか言いつつ美少女に叩かれたいちょっと変わった性癖の人だと思ってたけど……

 

「うわ!?殴られながら目がガン開きで睨んでる!?」

 

「怖い怖い!?目に殺意が籠ってる!!」

 

多分あれは性癖とかじゃないだろうなぁ……

ある程度したら気が済んだのかししょーが息を絶え絶えにしながら立ち、ケインさんは大の字で寝転がっていた。

 

「ペッ!雑魚が。」

 

「その手は人を殴るためでなく人と手を繋ぐため この口は人を罵倒するためではなく人と愛を語り合う為にある……」

 

「罵りあいながら殴り合いした後に言うとすごいダサいですね。」

 

むぅ……もう少し粘って欲しかったのに。

休憩が終わっちゃったからまた講義か〜。

 

そうして外が暗くなるまで講義は続いた。

途中、ししょーはケインさんとグランの2人を名指しで席を外せ、と言ってきた。

 

「でだ、今から体の勉強に入る。まあ野郎共に聞かせる話でもないしな。」

 

「あ、そういう事ね。」

 

たしかに男子がいると色々恥ずかしいかも。ミレイユちゃんの素体は多分女性の身体だろうし……

 

そうして相変わらず頭が痛くなる講義を受け続けた。

 

_________________________

sideケイン

 

なんとなく保健の授業で男女別にされたことを思い出したケインです。

 

今はグランに誘われたので夜中に散歩をしている。

 

ルリアちゃんとビィもいるのでもしパラケルススの野郎が襲ってきても大丈夫なように今は三人称視点になっている。

 

しっかし人が少ないな。幽霊が出そうで怖いとか言う気はないが、普通の町と比べても夜中に出歩いてる人が少ない。

 

「あ!あれ、お昼に見た飾り切りの人じゃないですか?」

 

「お、ほんとだな。こんな夜中になにしてるんだ?」

 

屋台でお菓子を売っていたお店の人だ。男性のドラフの人だったのでこんな夜中でも目立つな……

 

「こんばんわー!こんな時間に何してるんですかー?」

 

元気よく挨拶して男に近づいたルリアちゃん。

ほんとコミュ力高いなあの子……

 

「ミツ……ケタ……ヨコ……セ!!」

 

「危ない!!」

 

何故か急にルリアちゃんに襲いかかってきた。

グランが咄嗟にルリアちゃんを庇いながら男と距離取ると同時に、俺は銃を出して男に向ける。

別に本気で撃つ気は無いが、脅しとしてはこれで十分なはず。

 

が、銃を向けてもまるで気にした様子もなく、フラフラと次は俺の方に向かってくる。

 

「な、なんで急に……」

 

「……グラン気をつけろ、囲まれてるぞ。」

 

「タリナイ……モット……モット……」

 

「モットチョウダイ……」

 

いつの間にか周りにまるでゾンビのようにこちらに向かってくる街の人達。

 

「ルリア!これって星晶獣!?」

 

「……いいえ、星晶獣の力を感じません!」

 

「ど、どうなってんだ?なんでオイラ達を襲うんだ?」

 

「……グランはカリオストロとクラリスちゃんを呼んできて。俺はもうちょっとあいつらを探ってみる。」

 

「そんな!危険……でもないですね。よくよく考えたらケインさんなら大丈夫ですね。」

 

透明化に即テレポートがあるからね。

納得してくれたのでさっそくヒーローシールドを持ってすぐに街の人の目に着くように、引き離しすぎない程度に逃げる。

しっかし、挙動を見る限りまるっきりゾンビだな。

 

一応操られている可能性があるため下手に手を出す訳にはいかず、どうしたもんかと悩む。

 

その時、後ろの路地裏に人がいるのを察知した。

すぐに誰なのかと目をこらすと、そこに居たのはリゼットさんだった。

あれ?なんでこんなとこに……リゼットさんはミレイユちゃんと一緒、つまりカリオストロの講義の方にいたはずだ。

 

それにリゼットさん1人だけでいるのも変な話だ、グランと別れてからほんの少ししか時間が経ってないから増援が来るにしても早すぎる。

 

まあそれは全部後回し、とりあえずリゼットさんも避難させなきゃ

 

「リゼットさん。今町の人達が変だから逃げてくださ─」

 

言い切る前にリゼットさんはもたれ掛かるように俺に体を預けながら路地裏の壁に押し付ける。

 

なんで急にリゼットさんが?

うわ、リゼットさん美人だな。

あ、すごいいい匂いする。

 

「頂戴。あなたのすべてを私に頂戴。」

 

そう言って俺の頬に手を添える。

えっえっえ、り、リゼットさん!?

腕を俺の背中に回すと目をじっと見つめてそんなことを言ってきた。

 

……あー、抵抗できないな〜これはなすがままにされるしかないな〜。

そう思って抵抗せずに……間違えた。

抵抗できずにいると、身体と身体が密着してドキドキしながら次に何をしてくるか楽しみ……また間違えた、警戒していると。

徐々に顔をこちらに近づけてくる。

えっえっえ、まじですか?そんなことしてもらってもいいんですか?

 

そう期待して……首筋に噛み付かれた。

そんなオイシイ話があると思うのか?お前のような人間に。

そう心の中で自分で自分をバカにする。

期待してなかったといえば嘘になるが、まさかこんなゾンビみたいに噛みつかれるとは、それに血を吸われてるな。

うーん、どうしたもんかこの状況、そう考えていると……

 

「ン……オイシイ……ミタサレテ……」

 

「2人まとめて死ね。」

 

俺ごと巻き込むように錬金術による爆発が起きた。

ぜってぇカリオストロだな、邪魔しやがって。

 

「うわー!?ししょーケインさんも巻き込んでるよ!?」

 

「必要な犠牲だ、それよりもあいつが血を吸われた方が問題だ。あのバカ、まんまと吸われやがって。」

 

「誰がバカだ。ちょっと抵抗できなかっただけだよ。」

 

「おかげで面倒なことになったぞ。」

 

面倒なこと?そう思ってリゼットさんを見ると、普段は青い目をしていたリゼットさんの目は赤くなっている。

周囲には誰のかわからない血で出来た腕が無数にリゼットさんの周りを飛び始める。

オマケに……さっきのカリオストロの一撃によってボロボロになっていた体が急速に再生していく。

 

「クダサイ……アナタノイノチヲ……スベテヲ。」

 

「なんでリゼットちゃんが……!?」

 

「話は後だ!今は取り押さえるぞ!」

 

俺たちを押さえつけるように上から落下してきた血の手を躱しながらすぐに何かいい感じのアイテムがないか探す。

 

「クラリス!お前は周りの有象無象共の足を止めながら手が空いたらこっちを手伝え!オレ様とグランとケインの3人でリゼットを止める!」

 

「わかりました……!」

 

「了解!」

 

「うう、優しめにどっかーん!!」

 

クラリスの錬金術による爆発を横目に3人でリゼットさんの前に立つ。

 

「いいか。できるだけ血を出すな。あいつに血を吸われると面倒くさいことになる。」

 

「アアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

「2人とも飛べ!!」

 

挙動を見てなんとなく下から攻撃と察せた俺は2人に声をかけ、高く飛ぶ。

地面から何本もの腕が生えてこちらの足をつかもうと腕を伸ばしてきた。

 

一先ず、手加減も兼ねてサンドガンを出す。

 

「グラン!俺とカリオストロで援護するからお前が取り押さえてくれ!」

 

ヒーローシールドを持ってこっちにヘイトが向いたのを確認したら、サンドガンを撃つ。

砂なら痛いくらいで死にはしないはず……そう思っていたが。そもそも血液で壁を作るせいで届かない。

厄介だな。あの血液をなんとかしないとそもそもグランが近づけない。

 

「OKカリオストロ、ホムンクルスの血液の突破方法教えて。」

 

「テメェのスカスカ脳みそで考えろカス。」

 

「言ってる場合ですか!?ぐっ危な!?」

 

横から伸びてきた血の腕を避けながら、一先ずこの血の腕をなんとかしようか考える。

 

「チッ、1番楽なのは凍らせることだが……出来るか?」

 

「……わかんないけどやってみるか。」

 

少し強めになるが仕方ない。

"スタッフオブザフロストヒドラ"を出す。

 

全身が氷の、人よりも大きなヒドラを召喚する。

 

「うわ!?ちょっと出すなら一言言ってくださいよ!?僕未だにヒドラがトラウマなんですよ!」

 

「あ、ごめん。」

 

そういえばヒドラに1度殺されたんだったね、普通に申し訳ないことしたな。

 

気を取り直して、ヒドラはギロリとリゼットさんを睨むと口を開けて氷の弾丸を発射する。

リゼットさんによる血液の塊とぶつかり、相殺し合う。

何発も何発もヒドラは氷弾を撃つ。

こいつのいい所は短い連射感覚で結構強い攻撃をするとこである。

まあ1度出したら相手が死ぬまで撃ち続けるので途中から消すかどこか適当なところに召喚し直すけど。

 

「近づきすぎるなよ。下手すると凍傷になる。」

 

「え?けど僕今からあそこに突っ込むんですか?」

 

「うん。頑張れ。」

 

グランなら行けるだろ、"カタナ"を取り出しながらそう思った。

それよりも問題は……リゼットさんが徐々に血を集め始めてる。

 

急いで止めるか。

 

「よし行くぞグラン!」

 

「ああもうどうにでもなれ!!」

 

「よぉし、お前ら飛んでけ!!」

 

カリオストロの錬金術により伸びるようにリゼットちゃんに向かっていく石柱に捕まりすぐに距離を詰め、俺は後ろから、グランは前からそれぞれ剣を抜きリゼットさん目掛けて振るが……

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()と同時にグランに真正面から……まるで拳法家のような正確な打撃を浴びせる。

 

「ちょ!?リゼットさんって戦えるの!?」

 

峰打ちとはいえ本気で振るがまた後ろを見ずに避けると同時に振り返り、次は俺に打撃を浴びせてくるので慌てて避ける。

ちょ、ミニスカなのにハイキックしないで!?

援護のカリオストロの錬金術により壁を俺とリゼットさんの間に作ってくれたのでその隙に俺もグランも距離をとる。

 

「おかしいですね、ミレイユさんの話を聞く限り戦闘できるとは言ってなかったし……なにより、部屋で見た時のリゼットさんの動きは間違いなく素人でした。」

 

「意識的に消してた可能性は?」

 

「そんな簡単に消せるものじゃないです、ほぼ癖みたいなものなので。それに死角からの攻撃の対処も完璧です、まるで全部見えてるみたいに。」

 

どうなってんだ?そう二人で首を傾げる。

 

「チッ……まさか、相当食ってやがるなコイツ……お前ら!とにかくなんでもいいから動きを止めろ!」

 

ゾンビのように寄ってくる街の人の1人が剣をリゼットさんに投げると、それをリゼットさんは抜いて構える。

 

「堂に入っていますね。とはいえ単純な剣技なら負ける気がしないですよ、最低でも剣の賢者か天星剣王でも連れてきてもらわないと。」

 

そう不敵に笑って頼もしくリゼットさんと同じく剣を構えるグラン。

頼もしい団長だよほんとうに。

 

二人で距離を詰め、俺は高くジャンプして後ろに回り込み挟み撃ちにする。

 

俺の後ろからの首目掛けた峰打ちをしゃがんで避け、結構遠慮なく顔面に蹴りを入れようとするグランのキックを手で逸らすとまず後ろの俺を一切見ずに足の腿と首に切りつけようとするため咄嗟に高くジャンプして避ける。

さっきから本当に後ろを見てないくせに位置情報と攻撃の仕方が完璧だな!?

 

弱めの武器その2、"ストームスピア"を出す。

槍の1つで突くと同時に電撃が出てくる武器。

かなり速い速度で飛んでいくため初見で避けるのはほぼ不可能なはず。

リゼットさんに明らかに届かない地点から突いて雷撃を飛ばし……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

が、それが隙になったのか、同じくしゃがんだグランは渾身の力でリゼットさんの剣をかち上げると、体を縦に回転させてかかと落としを剣に叩き込んで折る。

すると剣が無くなったリゼットさんはすぐに血を集めて大技を放とうとする。

 

「ちょ!?ケインさん何とかしてください。」

 

「無理!多分殺しちゃうから。」

 

「ウチに任せて!!」

 

ある程度余裕ができたのかクラリスちゃんが術式を出して存在崩壊の球体を出してリゼットさんの周りの血を消す。

 

グランが駆け出したタイミングでカリオストロにお願いをする。

 

「カリオストロ、砂に錬金術の罠って仕掛けられるか?」

 

「あ?まあ出来なくはねぇが……サイズにもよるな。」

 

「よし、ならこれに……」

 

「おいおい、さすがに小さすぎで無理だ。」

 

「あー、天才と言ってもその程度か……」

 

「は?出来ねぇとは言ってねぇよ寄越せ。」

 

俺が出した砂に繊細に小さく錬金術の陣を書く。

 

「少ない分できる錬成も小せぇぞ。」

 

「大丈夫。合図に合わせて突き出すように石かなんかでも出せればいい。」

 

相手はホムンクルス……つまり人間だ。

なら、人間の弱点はホムンクルスの弱点でもある。

 

素手と血の腕で押されているグランに当たらないように…わざとリゼットさんの顔の真横に飛ぶようにサンドガンを撃つ。

 

これは経験談だが、飛び道具は見切れている人ほどギリギリで避けようとする。

だって大きく避けたらさらにそれが隙に繋がるかもしれないしな。

今回みたいに自分にギリギリ当たらないような弾なんて気にせずまっすぐ突っ込んでくるよな?

 

普通ならそれが正しいんだが……さっきカリオストロの術式を書いた砂はそう動くと思って細工してある。

 

「今!」

 

俺の合図でカリオストロは砂に錬金術を起動する。

小さな、それこそ痛いくらいで済むであろう威力とスピードの拳のオブジェクトがちょうどリゼットさんの顎にカスるように飛び出す。

 

俺の狙いは脳震盪。

身体が人間ベースである以上、脳が揺れたら体の動きが鈍るだろ。

 

「ウグ!?」

 

「グラン!今のうちに!!」

 

「分かりました!」

 

苦し紛れにリゼットさんが近くにあった先程グランに折られた剣を投げるがグランは軽く避けるとそのまま暴れるリゼットさんを押さえつける。

 

「ぐっ…どこからこんな力が…」

 

「暴れんなよ…暴れんなよ…ぐへ!?」

 

「傍から見ると犯罪現場にしか見えないな…じゃなくて!!そのまま抑えてろよお前ら!!」

 

なんとか俺とグランでリゼットさんの体を抑えている間にカリオストロがよく分からん術式を出していく。

 

その時、後ろからカリオストロを刺すように折れた剣が向かってくる。

どうやってここに飛んできて……さっきからずっと出してる血液の腕で操作してるのか!!

 

"トリマラン"を咄嗟に出すと剣に向かって投げる。

ノーマルモードの武器とはいえかなり強い方のブーメラン武器のトリマランは剣を弾くのではなく、ただでさえ折れていた剣をさらに砕く。

 

よし、これで…そう思ったがなぜか血の腕は剣の破片の一部を握るとリゼットさんの顔の近くに落ちるように投げた。

そして無理矢理体を動かして…剣の破片に付いていた血を舐めた。

しまった、カリオストロを刺すのはついで、狙いはこの血液か。

 

「ごめーん!それウチの血!!」

 

少し離れたとこでクラリスの謝る声が聞こえた。

まさか、あの時剣を投げたのはグランを狙ってるんじゃなくてクラリスちゃんを狙ってたのか!?

 

「アアアアアアアアッ!!!!」

 

「まずい!?下がれお前ら!!」

 

押さえつけるのをやめすぐにカリオストロの言う通りにグランと俺は距離を取ると、クラリスちゃんと同じ万物を崩壊さしめる錬金術がさっきまでいた場所に展開される。

 

「これって…ウチの存在崩壊!?」

 

「リゼットさんは……逃げたか。」

 

おかしいな、シェルフォンに反応がない。

思わず舌打ちする、これじゃ探す方法がない。

 

「クソ、ここまでの失態は久しぶりだ。なんでオレ様はすぐに気づいてやれなかったんだ…」

 

「今回の件、とりあえずお前は全部わかったのか?」

 

「ああ、一先ず帰るぞ。今日はもうリゼットによる被害は起きない、断言してもいい。」

 

一先ず俺達はミレイユちゃんの家に帰ることになった。

 

警戒しつつ歩きながらも、俺はある1点がずっと気になっていた。

 

ストームスピアによる雷撃を避けた時、明らかにリゼットさんは俺が雷撃を撃つ前からこちらを見てもないのに避ける動作をしていた。

まるで何が来るか知っていたかのように、そして見えていたように。

 

それに、思い出してみると横からの攻撃に対して少し鈍いところがあった。

俺はその特徴をよく知っている。

 

なんせ……()()()()()()()()()()()()

 

俺の予想が正しければ……リゼットさんは俺とクラリスの能力をコピーしてる。

いや、能力もそうだが、多分知識もコピーしてるのか。

だから俺の武器もすぐ反応できた、ってとこか?

 

まあ俺の場合は道具ありきの性能だが、それでも再生能力と三人称視点くらいなら出来るのかもしれない。

確定では無いから言わないが、もしそうなら早く対処しないとまずいことになる。

だって、あの拳や剣技は俺には使えない、つまり、俺以外の誰かからコピー…つまり血を取り込んだってことだよな。

 

そう危機感を抱きながら、ミレイユちゃんの家へと戻った。





"スタッフオブフロストヒドラ"

氷原バイオームの敵から超低確率で手に入るバイオームキーを持ってダンジョンにあるバイオームチェストを開けることで確定で手に入るセントリー武器
これより強いセントリーはラスボス討伐時まで手に入らないほど強い。
とりあえず出し得だし光源にもなるし壁越しにも出せるとめちゃくちゃ優秀なので是非とも入手を狙ってみよう。

"カタナ"

旅商人が確率で売ってくれる武器、普通の剣よりもクリティカル率が異様に高い剣。
入手時期によっては強い剣だが、対抗馬に釣りをするだけで手に入るファルコンブレードやスターフューリーなど強い剣が多いので見た目は好きだがあんまり強くないため使わないことが多い剣である。

"ストームスピア"

砂漠地下のチェストから手に入る槍。
最序盤で手に入るが壁越しでも攻撃可能な上に遠距離攻撃も可能な近接武器のため序盤はめちゃくちゃ頼りになる。
欠点をあげるとすれば全体として見るとそこまで強くないのでそのうち使わなくなるのと砂漠地下は結構罠やサボテンにキモイ虫など過酷なとこなので何回も死ぬかもしれないので注意。

グラブルとテラリアは知っている?

  • 両方とも知っている。
  • グラブルだけ知っている。
  • テラリアだけ知っている。
  • 両方とも知らない。
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