テラリア転生者が次はグラブルに転移した話RE   作:なかえもん

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お久しぶりです。今回の話は難産でした。

グラブル12周年をみなさん楽しんでいますか?
自分はスクラッチで初めてトリプルゼロを手に入れることができ、さらに周年スタレと縁結びによってシャトラ、アトゥム、水着ガレヲンをゲットできました。

いつも誤字を指摘していただきありがとうございます。



アルケミスト・デザイア③

sideケイン

俺以外のみながとりあえず睡眠をとり、お昼頃になったタイミングで集合する。

ちなみに俺は先にカリオストロから今回の話の真相について聞いている。

 

「いらっしゃい。今日もお願いします。」

 

「ああ、それよりリゼットはいるか?」

 

「はい、こちらに。」

 

まるで昨日のことが無かったように俺たちの前に姿を表すリゼットさん。

手には菓子が乗った盆が握られていた。

 

「差し入れを作って参りました、どうぞ、講義の間にお召し上がりください。」

 

「……これって。」

 

「…あの屋台の人のお菓子と同じだな。」

 

ある程度物を見る目はあるので断言してもいい。そっくりなのではなく同じだ。

持った瞬間土ブロックと至高の土ブロックの違いがわかる俺が言うんだから間違いない。

 

「買ってきたのではなくて作ったんですか?」

 

「はい、ミレイユ様に喜んで欲しくて見様見真似で作ってみました。」

 

「すげぇな!まんま一緒じゃねぇか!」

 

ルリアちゃんとビィが驚いている横で、なんとなく予想が着いている俺とカリオストロは苦い顔をする。

 

「それではカリオストロ様に皆様、ミレイユ様のことをお願いいたします。私は別室で家事をしておりますので何かありましたらお呼びください。」

 

そう言ってリゼットさんは頭を下げてそのまま部屋を出ていく。

 

「ケイン、見張ってこい。怪しい動きをしたら取り抑えろ。」

 

「了解。」

 

そう小声でカリオストロと話したら俺はリゼットさんに付いていく。

 

「あら…ケイン様は講義の方に行かれなくていいのですか?」

 

「うん、カリオストロの野郎に追い出されちゃったから俺も手伝うよ。」

 

適当な嘘をついてリゼットさんの家事を手伝う。

監視するのが目的だが、それとは別にリゼットさんに色々聞いてみる。

 

「そういえばさ、リゼットさんはミレイユちゃんに道具扱いされてる事に対して、思うところはないの?」

 

ミニオンやセントリーをほぼ道具扱いしている俺が言えた義理でもないが、リゼットさんに不満がないか聞いてみる。

 

「ありません。私の全てはミレイユ様の物なので、どう扱おうとミレイユ様の自由です。」

 

「……そっか。」

 

ぶっちゃけこういうのは本人が良いと言っているなら問題ないもの、と俺は認識している。

だから、これ以上俺から言うことはない。

 

「それに…ミレイユ様からしてみたら私は自分がどれだけ願っても叶えられないことを簡単に叶えていく望まずに生まれた生命なのです。外に出て、友達を作り、人と話しながら買い物をし、みんなと仲良くなる。それをできない人の前で見せつけたのは私です。」

 

一体、それを見た時のミレイユちゃんはどんな気持ちだったのだろう。

嫉妬、そう一言で済むものだが人の気持ちはそんな簡単なものではない。

 

「……ごめん。あんまり聞くことでもなかったね。」

 

「大丈夫です。私は気にしていないので。」

 

そう諦めの笑顔を浮かべるリゼットさん。

 

さて、重い話を聞いたあとで気が思いがここからが本題だ。

 

「そういえば、昨日の夜はなにしてました?」

 

「昨日は……家事を終わらせたあと就寝いたしました。」

 

うーん、やっぱり記憶が無いのか。

一切不自然な反応なく言ったリゼットさんに対して俺はそう判断する。

 

「……そういえば、少し記憶に乱れがある気がします。」

 

「!?どういう風に?」

 

「えっと、寝る前の記憶が曖昧というのでしょうか……いつの間に寝たかわからないことが多いです。」

 

「それってどのくらい前から?」

 

「ここ1週間は……最近は特に酷い気がします…」

 

なるほど、あの状態の時はそもそもリゼットさんに意識がないのか。

 

「ッ!?やってしまいました……」

 

リゼットさんが自身の手を見ながらそんなことを言ったので見てみると手から少し血が出ている。

どうやら包丁を洗っている時に間違って切ってしまったようだ。

 

「ええと…絆創膏…」

 

「ちょっとストップリゼットさん。」

 

「え?」

 

絆創膏を探そうとするリゼットさんの手を掴んで止める。

じっと傷を見る。

 

「その、どうかしましたか?……え?傷が、塞がっている?」

 

「……やっぱりか。」

 

そうだよな、多少の切り傷なら1秒も経たずに治るよな。

 

……改めて確信した。俺と同じ体質になっている。

 

「こ、これは一体?み、ミレイユ様にご報告を……」

 

「待って、今はダメ。」

 

「ッ!!何故ですか!?」

 

「今は大事な話をしてるから。落ち着いて、少し経ったらちゃんと説明するから。」

 

……ある程度カリオストロから今回の真相を聞いている身としては、今の精神状態のリゼットさんに伝えるのはまずいと思った。

 

一体どう言えっていうんだよ、リゼットさんはこの街の半数の人間を食べてるって。

 

 

_________________________

sideグラン

 

「リゼットはもう、長くない。」

 

「…え?い、いきなり何言うのよ。」

 

ケインさんとリゼットさんが2人きりで家事をしている間に、ミレイユさんに対してカリオストロさんはそういきなり言い放った。

 

「オレ様が本来、独学でホムンクルスを作ったって聞いた時点で気づくべきだったんだ。お前が情報因子をリゼットに与えてないことに。」

 

「な、なにそれ?情報因子?」

 

いきなり専門用語が出てきたことにカリオストロさん以外の皆が混乱するけど、それを察したカリオストロさんは分かりやすく説明を始める。

 

「まず大前提として、生き物の体には情報因子ってもんがあるんだ。生き物の体や魂の情報が書いてある紙みたいなもんだな。怪我をしても身体が元通りになるのも、この情報因子に元の体の情報が残っているからだ。」

 

近くにある黒板に書き込みながら丁寧に説明していく。

 

「でだ、この情報因子はホムンクルスは人間に比べて圧倒的に少ない。だから定期的に術者の情報因子を与える必要がある。与えなかったら本来はそうそうに死ぬ、いくら健康的な生活をしていようがな。」

 

「……え?」

 

「……それじゃあなんでリゼットさんは、まだ元気に生きているんですか?」

 

カリオストロさんの言うことが本当なら、リゼットさんがああやって動けるはずがない。

ミレイユさんの反応を見るに情報因子をリゼットさんに与えたことはない、けどまだ元気。

……もしかして、

 

「ホムンクルスだって生命だ、本能的に生きようとする。その結果、代替物でもなんでもいいから、とにかく情報因子を取り込もうとするんだ。リゼットの場合は人の情報因子を含むもの……人の血や肉を手当り次第に喰うようになる。」

 

昨日の夜、首を噛まれていたケインさんを思い出す。

あれは食べようとしていたんだ。

 

「結局、ヘルメスの奴らは本当に大した事をしてなかったのさ。この街の行方不明者事件の元凶はリゼットだったのさ。」

 

「う、うそ……」

 

「それだけじゃない。お前らも見ただろ、明らかに様子のおかしい街の連中を。」

 

昨日、まるでゾンビのようにゆらゆらと歩きながらルリアを襲ってきた街の人たちを思い出す。

 

「あの屋台でお菓子を売ってるドラフの男、今日の朝確認したら何事も無かったように店の準備してやがった。」

 

「き、記憶が無いとか操られてるかそういうのじゃ……」

 

「違う、もっと最悪な方だ。おそらくリゼットはこの街の住民の半数以上は喰ってる。」

 

「…は?」

 

「おい待てよ!?さすがにそこまで大人数行方不明者になったらもっと大事になってるはずだぜ!?」

 

焦ったビィの言葉に僕も頷く、街の半数も行方不明者になってるなんて話、普通なら国が動く事態になる。

なのにそんな音沙汰も無いってことがあるの?

 

「リゼットが隠蔽してるんだよ。ミレイユが錬金術で失敗したホムンクルスの素体を街の住民に化けさせてるんだ。」

 

「っとことは昨日の夜襲ってきた人達は……」

 

「アイツらは全員、素体を住民に化けさせたホムンクルスもどきだな。」

 

背筋が凍る。昨日見た様子がおかしい人達は10人20人という規模ではなかった。

あれだけの人間を喰ったの?リゼットさんが?

 

「ありえない!!リゼットはホムンクルスよ!教えたこともない錬金術でそんなこと出来るわけ……」

 

「ホムンクルスは、血液を提供した錬金術師の特性を受け継ぐことがある……」

 

なにかに気づいたように、ふとそんなことを言い出したクラリスを見てカリオストロさんは頷く。

それが正しいというように。

 

「冴えてるな。その通りだクラリス。リゼットはミレイユの特性、製作の特性を受け継いでいる。」

 

あの錬金術の開祖であるカリオストロさんが認めるほど、こと錬金術による製作の才能は優れているミレイユさんの特性をリゼットさんも受け継いでいる。

ジョブの関係で錬金術を勉強したことがある僕の頭の中で、すぐに最悪の答えが浮かんできた。

 

「もしかして……リゼットさんは食べた人の情報因子を使って、街の人間を複製してるんですか!?」

 

辻褄はあう。情報因子に、出来損ないとはいえホムンクルスの素体、さらに製作に関する才能があれば街の人間作るくらい訳無い。

 

「じゃあ昨日リゼットちゃんが存在崩壊を使えたのも、習ったことのない剣術や体術を使えたのも……」

 

「存在崩壊はクラリスの血、他はこの街にいるある程度剣や体術が使える人間の血や肉を喰って情報因子から再現したんだろうな。」

 

「う、嘘よ!リゼットがそんな、そんなことする訳ない!」

 

ここにいる誰よりもリゼットさんのことを知っているミレイユさんは否定する。

たしかに、もしリゼットさんが正気ならば、こんなことすることはない。

 

「全ては本能、無意識でやってることだ。だからこそ本人も自覚していない。食い散らかすんじゃなく、ホムンクルスもどきを作るのも無意識だろうな。人を、友達を喰ったことに対する罪悪感から逃げるための。」

 

そうすれば、一見被害者はいないからな。

そう付け足すカリオストロさんの説明を聞いてから、途端にこの街がおぞましいものに思えてきた。

段々と気づかないうちに人がホムンクルスもどきに変わっていくこの街が。

 

「長くなったが、ここからが本題だ。さっきも言った通り、リゼットはもう長くない。」

 

「ど、どういうこと?」

 

「情報因子ってのは身体や魂の情報が書いてある紙みたいなもんだ。これを取り込めば相手の身体や魂、技能や経験の一部を自分のものにできる。」

 

実際、対峙した僕からすると厄介で仕方ない。

今はまだ僕の情報因子は吸われてないから何とかなるけど、ケインさんがガッツリ血を吸われているので、存在崩壊を使えるケインさんを相手にするような……いや、道具が無い分リゼットさんの方が楽かな?

まあとにかく、面倒な相手なことに変わりは無い。

 

「だが裏を返せば、それだけ自分の存在が曖昧になるんだ。近いうちに自分を保てなくなる。」

 

「な、なら私の血をあげれば!」

 

「無理だ。」

 

なんで!

 

「もうちょっとやそっとで血を与えてどうにかなる段階は過ぎてる。」

 

「じゃあリゼットを助ける方法は無いって言うの!?」

 

声を荒らげるミレイユさんに対して、カリオストロさんは終始冷静だ。

 

「リゼットを道具って言ってた割には、随分と必死だな?」

 

言葉につまるミレイユさん。

ついこの間までミレイユさんは明らかにリゼットさんを毛嫌いしていた挙句、道具とまで呼んでいた。

いずれカリオストロさんの元で学び続ければホムンクルスを偶然ではなく、確実に作れるようになる。

 

なら、替えがきく道具が壊れそうになっているなら処分した方がいいんじゃないか?

そうカリオストロさんは目で言っている。

 

「そ、そうだけど……その、もしかしたらまだ利用出来るかも…」

 

「無理だ。それにアイツはもう何人も人を殺してる。それをずっとリゼットに隠したまま、お前は普段みたいに暮らせるのか?」

 

「ッ…!!」

 

キュッと唇を噛んで俯くミレイユさん。

理論立てて話すなら、絶対にカリオストロさんには勝てない。

だから、もし今のカリオストロさんに反論できるのなら……。

 

「……ずっとわかってたのよ。結局、私のリゼットに対する態度は醜い嫉妬だって。」

 

それは、感情に任せた言葉しかない。

本来こんな話し合いで感情論は不要かもしれないけど、感情論はそのまま自分の気持ちを伝える行為でもある。

自分の感情に従うように、ミレイユさんはポツポツと話す。

 

「羨ましかった、疎ましかった。私の人生を掛けた願いは、ホムンクルス程度に叶えられるような願いって言われてるみたいだった。」

 

ただ、元気な体で外に出たい。

 

たったそれだけの、ほとんどの人が、自分の創造物ですら出来ることが出来ずに家で見ている気持ちは僕達には計り知れなかった。

 

「昔あの子に言ったことがあるわ、なんでずっと私の傍に居るのって。道具扱いしてくる創造主に対して反抗のひとつも無いのって。」

 

「ホムンクルスはある程度の自由意志はある。予めそう作らない限り、嫌なことは嫌と言って断れるし好きなことは好きと好んですることもある。」

 

「ええ、正直、あの子が出ていってもおかしくないと思ってたわ。けど、あの子は一言こう言ったの。」

 

『親の傍に居たい、親の力になりたい、ただそれだけです。』

 

それはホムンクルスとしての言葉でもなく、家族としての言葉だった。

 

「ずっと分かってたの。あの子は私が製作者だからでも、ホムンクルスの性で従ってる訳でもなくて、私を親として、家族として想ってくれてるって。」

 

「虫のいい話だな。今更、それに気付いてやっぱりリゼットが死ぬのは嫌ってことか?」

 

「ええ、嫌よ。」

 

「お前の胸先三寸で都合良く扱いを変えられて、リゼットはどう思うかな?」

 

「ししょー!!そんな言い方は…」

 

「わからない…けど、それでも私はリゼットを助けたい!」

 

ミレイユさんの意志の強さを見たカリオストロさんは、歯切れが悪そうに、少し目を逸らしながら言う

 

「じゃあ……お前はリゼットのために死ねるか?」

 

「……私の体丸ごと分の情報因子をあげないとダメって事ね?」

 

「ああ、もう2択になっちまったんだ。リゼットか、ミレイユの。」

 

「そ、そんなの……」

 

思わず絶句してしまう。

 

こんな、こんな最悪な2択なんて……

 

「……オレ様としては、リゼットは諦めた方がいい。仮にお前を喰っても次は定期的に補給する分のお前の情報因子が無くなる。それに、お前が死んだことを知ればリゼットの奴は後を追いかねない。」

 

誰も、何ももう喋れなかった。

ハッピーエンドはない。

 

あるのは二択だ、リゼットさんかミレイユさんか。

 

「……私は───」

 

ミレイユさんが言い切る前に、爆発音と共に部屋の壁を突き破るようにケインさんが吹き飛んできた。

 

「ケインさん!?一体なにが…」

 

「ヘルメス錬金術学会の奴らが攻めてきやがった!」

 

「お前が苦戦するほどの相手でもないだろ?パラケルススが来てるのか?」

 

「ご明察。その通りだ開祖よ。」

 

そこに立っていたのは錬金術師パラケルスス。

それと服装が色違いのカリオストロさんだった。

 

「この前に貴様を取り込んだデータを使って戦闘用のホムンクルスを2体仕上げた。開祖には大きく劣るが、並の錬金術師を遥かに上回る実力だ。」

 

「なるほど、こいつが苦戦するのにも納得だぜ。強く可愛い俺様の偽物に手も足も出なかったのか。」

 

「いや普通に不意打ちで一体はサクッと殺したぞ。吹っ飛んだ原因は自爆機能がこいつにあったからだな。」

 

「まったく。こんなに早く死ぬとは思わなかったぞ。使えない開祖だ。」

 

「よしクラリスやれ。そこの中年とカメムシの背中みてぇな顔してる冴えない男を存在崩壊しちまえ。」

 

「ちょっとししょー!?」

 

「つーかオレ様に無許可でパチモン作ってるじゃねぇぞパラケルスス!!権利侵害で金取るぞ!!」

 

「無駄だ。そもそも貴様の体は貴様の創造物のようなもの、この場合だと著作権が適応されるが、1000年間封印されほぼ死んだ扱いの貴様はとっくに切れている。ヘルメス錬金術学会の間ではフリー素材のようなものだ。」

 

「マジかよそのうち劇かなんかで殺人錬金術師カリオストロって物語でも作られそうだな。」

 

「似たようなものが作られたが興行収入と内容はカスだったな。ひたすら開祖が錬金術も使わずに凶器で人を殺していく劇だったからな。」

 

「クソ演劇じゃねーか。……それはそうとして気になるから後で見にいこっと。」

 

「そもそもオレ様なら適当なホムンクルスを作って鉄砲玉に……って違う!そもそもオレ様の許可なくパチモン作るな!」

 

なんで敵の前なのにこの人達はふざけ始めるんだろう。

 

「ねぇ、リゼットはどこ?」

 

「リゼットさんならあそこに伏せてもらって……」

 

指を指した方を見るとリゼットさん立っている。

目が赤くなり、昨日の夜のようにじっと周りを見たあと微笑む。

まるで食べ物がいっぱいあるのを喜ぶように。

 

瞬時に僕とケインさん。カリオストロさんの偽物とリゼットさんで動く。

 

最初にケインさんがリゼットさんを仕留めようと自身の身体ほどあるハンマーを投げたが、それを錬金術による壁を作ったカリオストロさんの偽物に妨害される。

リゼットさんは一目散に僕の元に駆け出すと血を啜るために驚異的な膂力で組み付いてくる。

 

「耐えろグラン!すぐにパチモンぶっ殺してやる。」

 

「ケインさんこそやられないでくださいよ!?」

 

「オレ様とクラリスはグランの援護だ!グランとオレ様が1番血を吸われると不味いんだ。絶対に攻撃を食らうんじゃねぇぞ!」

 

そうして僕達はリゼットさんを、ケインさんはカリオストロさんのクローンと戦闘を始めた。

 

__________________________

sideケイン

 

早くこのパチモンをぶっ殺してあっちに合流しないと、そうと決めたからには速攻で攻める。

そう思っていたが、お得意の錬金術で固定砲台を何個も作ると一斉に周りの建物ごと壊すように発射してくる。

 

「おま!?周辺のこと考えろよ!?」

 

「どうせ生きているのは貴様らくらいだ。建物の1つや2つ崩れても何もないさ。」

 

面倒だ、さっきみたいにテレポートして首を跳ねる。

そう思いロッドオブハーモニーを振るが、反応しない。

 

「は!?」

 

「当然、貴様の厄介なテレポートも対策したぞ?」

 

テレポート出来ないなら仕方ないそう思い、すぐに避けようとして後ろでグラン達が戦っているのを見て迎撃する。

 

"ドリル格納ユニット"からドリルユニットを出して乗る。

 

マウントの一種で、弱点としてこれに乗りながら他のアイテムを使えないという戦闘においては致命的な弱点があるが……その代わりに驚異的な速度で壁とブロックを破壊する。

 

パチモンの出した銛を、俺に当たる前に全てユニットから出てくるレーザーによって分解させる。

 

「引き出しの多いヤツめ……だが、どうする?貴様はテレポートが使えない以上、開祖の偽物には近づけない。このまま貴様を近づけさせずに一方的に遠距離から攻撃し続ける。いつまで耐えられるか見物だな?」

 

チッ、この距離だと変に壁貫通の武器使っても届く前に避けられるな。いやらしい距離を維持しやがって。

 

何故だ?何故、テレポートを発動できなかった?

今一度ロッドオブザハーモニーを性能を思い出す。

 

……テレポート条件は一定の空間、もしかして、そういうことか?

 

慣れ親しんだ三人称視点をやめ、1度一人称にしてよく目を凝らす。

……ビンゴ、やっぱりそうだったか。

 

「なるほどね、常に空中に撒菱みたいな石ころを大量に設置してるのか。」

 

「そうだ。貴様のテレポートはもし転送先に物体があったらどうなる?そう思って仕掛けた。」

 

なるほどねぇ。

もしテレポートしてあれが体の中に入るようなら致命傷に繋がるし、やるだけ得な戦法だな。

少し目をこらせば気付ける小細工だが、三人称視点の欠点として、遠すぎるもの、細かいもの、自身から近すぎるものが見れないんだよな。

 

テレポートの条件、ブロックにすると2×3の空間に何も無いことが条件だが、あの小さい石ころのせいでその条件を満たせず、テレポートが出来なかったんだな。

 

「なんだ。種さえ分かれば簡単だったな。」

 

「ほう?そうは言うが、貴様はこの条件ですぐにホムンクルスを殺せるとでも?」

 

「そうだなぁ、ざっと30秒測ってみろ。お前が作ったパチモンなんてそのくらいで充分だよ。」

 

ピクっと侮辱されたからか眉を顰めるパラケルススをせせら笑う。

 

「そうか……なら測ってやるとするか……やれ。ホムンクルスよ。」

 

その言葉と共に飛び道具を錬成すると一気に俺に発射してくる。

 

人間誰だって便利なものがあるとそればっかり利用して昔のような苦労をしたくなくなる生き物だ。

今の俺だってそうだ、今でこそ瞬間テレポートによって一瞬で攻撃を避けているが、昔は違った。

 

「久しぶりに、泥臭く頑張るか。」

 

とか言いつつ"十字架のネックレス"を付ける。

かつてテラリアにおいてボス戦の難易度を大きく下げることになった原因のアクセサリー。

それとノーマルモード終盤どころがハードモードでもお世話になる"シールドオブクトゥルフ"を持つ。

 

武器は……"デスサイス"でいっか。

もっと強いのを使ってもいいのだが、パラケルススを巻き込みかねない。

パラケルススに見せつけるように黒い死神の鎌を持つ。

ちなみに死神の鎌は比喩とかでなくテラリアの死神が落としたマジの鎌である。

 

俺の中のパラケルススは別に殺す程のやつでもないよな〜って感じの男なので、今のところは生け捕り予定である。

まあ、生け捕りされた後カリオストロやクラリスがなにかするかもしれないが、そこまでは俺の考える事でもないし。

 

視点を慣れ親しんだ三人称にする。

 

銛があたる瞬間にシールドオブクトゥルフの効果、ダッシュ攻撃をする。

ほぼ静止状態から高速で、無敵時間が少しだけある状態で体を低くしながらダッシュでパチモンに向かっていく。

 

「正面から来るか!ならそのまま死ね!!」

 

三人称のメリットは近すぎると見えないが、ちょうどこういう範囲攻撃や程々の距離感で戦う時はやりやすい。

全部見えているため、一つ一つ避ける。

 

この視点になると、ある程度予備動作や予兆が見えるようになる。

 

だからこそ、攻撃がどこを通って向かってくるか、その攻撃は俺に当たるか、そして見えないところから来る攻撃が全てわかる。

 

錬金術によって周囲の物は様々な形を取り、全て俺に向かってくる。

それを全て見た後、絶対に食らっては行けない攻撃、できるだけ避けたい攻撃、避けにくい攻撃、当たってもさほど問題ない攻撃を見極めすぐに行動に移す。

 

狙い目は崩れた家の骨組みであっただろう木材で作られた剣山のような複数の槍

 

石に比べたら木材の方が遥かにダメージは少ないはず、そう思い右斜めに突撃し、盾を前に構えて突撃する。

当然だが仮にも剣山に突撃しているので、盾で守れない足や肩に木片が刺さるが、まあ多少は仕方ない。

どうせ再生するから構うだけ無駄、痛みはパチモンに倍にして返すからここは我慢。

 

 

そうして走り始めてすぐに、なんとなく地面が危ない気がしたので飛ぶと同じタイミングで地面を武器に錬成して生やしてきた。

危なかった、あのまま残ってたら串刺しだったな。

 

「くっ、なぜわかったのだ!?」

 

「なんとなく、結構団長の団にはできる人多いよ。」

 

直感に逆らわない方がいいって色んな人が言ってた。

まあ後は、錬金術の弱点とも言える等価交換のせいだな。

 

まあカリオストロと素の殴り合いしたら負ける俺が言えた義理でもないが、そもそも錬金術の近接戦闘はカスと言ってもいい。

だから錬金術を駆使するのだが、さっきも言った通り錬金術は等価交換。

 

無から有を生み出すことが基本できないのだ。

ある意味魔法みたいな魔力によって氷や火といった有を生み出すのとは対照的とも言える。

 

だから、等価交換の素材になる地面にいるよりも限りなく物が少ない空中にいた方が安全だろうと思って飛んだというのもある。

 

パチモンの真上に行くとそのまま落下しながら死神の鎌を構える。

 

当然、錬金術によって作成したボウガンで矢をこちらに発射してくるので、ここで十字架のネックレスの出番だ。

 

最初の1発が俺の体に刺さったあと、残りの発射された何発もの矢が俺に刺さろうとして、()()()()()()

 

「な!?どうなっている!?いや、防御だホムンクルスよ!」

 

元がカリオストロとは思えないほど律儀に命令を聞いて防御のために周りの土をまた錬金術で操作しているが……

 

「この距離まで近づけた時点で俺の勝ちだよマヌケ。」

 

死神の鎌を振るう。

テラリアの死神の鎌の効果は振った時に紫色の回転した鎌の形をした魔法弾を放つ。

 

さらにこの鎌で放つ魔法弾は地形貫通出来る、錬金術による防御を通り抜け、そのままパチモンを切り刻む。

トドメに心臓目掛けて鎌を刺した後パラケルススに向けて死体を投げる。

もう自爆されちゃたまらないしね。

 

「何秒だった?パチモン殺すまでに。」

 

「ッ……!!29秒だ!!」

 

「な?30秒くらいで充分だったろ?」

 

そう嘲笑った後、すぐにリゼットさんの方に向かう。

パラケルススは最悪どうにでもなるが、あっちはグランの戦闘能力とカリオストロの知識と錬金術までコピーしたら本当に手がつけられなくなる。

 

その間、昨日の夜にカリオストロと話したことを思い出す。

__________________________

 

「単刀直入に聞く、お前はいざとなったらリゼットを殺せるか?」

 

「殺せる。」

 

「……即答かよ。」

 

この場合の質問はお前の実力で出来るかを聞いてるのではなく、短い期間ではあるが話して仲を深めた知人を殺せるか、と聞いている。

 

「まあ、俺だって気持ちだけでいえば好きでやる訳でもないし、なんとも思わない訳でもないさ。」

 

特に少し仲良くなれた美人を手にかけるなんて普通に嫌だわ。

もし、殺さないで済む方法があれば迷わずそっちにシフトするし、多分手にかけた後はしばらく引きずるだろうけど。

 

「けど、本気の殺し合いになったら俺は絶対に迷わず殺す。直前になって躊躇うとかはない。」

 

俺は殺し合いをする時は一種のスイッチを入れるようにしてる。

 

死や痛みによる恐怖も、相手に対する気持ちも全て殺意に変換するようになる。

だから本当にこと殺し合いに関しては俺は自身の意志による歯止めが効かない。

だから、例え知人が相手でも迷うことはない。

 

知り合いが、友達が、団長が人を殺して思い悩むくらいなら先に俺が殺す。

こう見えても人型の相手の生き物を仕留めるのは慣れてるしな。

 

……ミレイユちゃんに嫌われるかもなぁ、そう思いながらも俺はリゼットさんの方に走って行った。

 

 

 

 

 

 





演劇 殺人錬金術師カリオストロ

著作権切れたらとりあえずホラーになりがちの例に漏れず、殺人鬼となった錬金術の開祖の劇。
演者が錬金術を使えないのもあって普通に凶器を持って殺害するため、錬金術師要素はほぼ死んでいる。
見所は男ドラフの集団にカリオストロがナイフ1本で襲い掛かるシーン。普通に返り討ちに会いそうだが某弓兵みたいな見せ筋ばかりの集団だったようで殲滅されている。

ちなみに後にケインはカリオストロを誘って2人で見に行ったようだが、ずっと役者に対してオレ様を演じるには可愛さが足りないとグチグチ言っていたようだ。

ちなみに原作にはこんなものありません。

"ドリル格納ユニット"

6種類の鉱石を使って作成可能なマウント。
素材にルミナイトがあるためラスボス撃破後に作れるマウントで、乗っている最中は一切攻撃が出来ないが代わりに高速でブロックや壁を破壊できる。
これを使って整地する時の音がたまらない。
注意点は本当に一切攻撃ができないので戦う時は一々降りるかミニオンを呼ばなきゃ行けない点とブロックを破壊するだけなら地形破壊ロケットを使ったセレブレーションMk2の方が早い点である。
コストが重いので作る時はよく考えてから作ろう。

"シールドオブクトゥルフ"

エキスパートのクトゥルフの目玉討伐時に入手出来る盾アクセサリー。
エキスパートでテラリアをプレイした方はほぼ全員お世話になるであろう強アクセサリーで序盤にありがたい守備力アップとジャンプ中でも使える高速ダッシュによってボス戦における回避行動が一気に楽になる。
さすがに終盤にも行けば出番はなくなるが、それでもお世話になる時期の長いアクセサリーである。

"デスサイス"

日食時に出現する死神を撃破時に貰える魔法剣。
特徴は壁貫通できる鎌を飛ばすことで、これがまあ使い勝手がよく、昔はテラブレードよりこっちの方が強くね?と言われている時代もあった。
難点はジャングルテンプルに行くまでは日食ランダムで起こるので運に任せて待機するしかないことである。

"十字架のネックレス"

テラリア程々に古参プレイヤーなら誰もが知っているあのアクセサリー。
効果は無敵時間を約2倍にするという効果、これだけならまあ強いねですむ話なのだが、これとホースマンブレイド、石像にスパイクを使ったスパイク戦法と呼ばれる戦い方がすごいインチキだった。

仕組みは簡単で常にスパイクを踏み続けることによってダメージを受け続け、それを十字架のネックレスによってダメージ間隔を延ばすことで万が一にも死なないようにし、石像を使ってモンスターを出し続け、出てきたモンスターをホースマンブレイドで切ることでカボチャ弾を出して周りにいる敵を攻撃させる戦法。

これにより常に無敵時間だからプレイヤーにダメージは通らず、攻撃ボタン長押しにしているだけでホースマンブレイドのカボチャ弾が敵を倒し続けるというクソコンボができる。

実際この戦法を使うと本当に死なずに楽に倒せるが、あまりにもズルすぎたため運営に対策された。
現在はスパイクによる無敵時間は発生しない上にホースマンブレイドが石像で出たモンスターでカボチャ弾を出せなくなったため、この戦法を再現不可能である。

ちなみにあえて十字架のネックレスの理由は、複合アクセサリのスターベールがあるが、あっちはダメージを受けた時に星を落とすのだが、それで石像のモンスターが死んだり体力が減ることがあるため、あえて単品のアクセサリーを持っているという設定です。

グラブルとテラリアは知っている?

  • 両方とも知っている。
  • グラブルだけ知っている。
  • テラリアだけ知っている。
  • 両方とも知らない。
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