ゲシュペンストの異世界渡り -Multiverse Crusaders- 作:サツキタロオ
しかし、そこで明らかになったのは「ブルーホール」がただの不可思議現象ではなく、異世界と現実を繋ぐ“門”そのものだったという衝撃の事実であった。
アインズやシャドウのような勢力の影もあり、次なる戦いを予感する面々。
その頃、艦隊司令部では新たな作戦会議が開かれる。
東京方面の調査に向かうハガネ部隊と、新潟方面のDBD反応を追うシロガネ部隊。
こうして二つの部隊は別行動を取ることとなり、響・球磨・瑞鳳はハガネへ、御影・星・ヴァーリ・ケリュドラはシロガネへと同行する。
次なる戦場は東か、それとも北か――。
運命の分岐が、いま静かに幕を開ける。
……そうして、ゲシュペンストは新潟ルートの部隊に配属となった。
御影「なあ、新潟方面には何があるんだよ。」
ケリュドラ「パンフレットによれば……新潟には超大型の都市学園があるらしい。」
パンフレットを読みながらケリュドラは肩をすくめる。
鷹真「都市学園? 普通の学校じゃないのか?」
ケリュドラ「名前はY学園*1と言うらしい。」
御影は腕を組み、窓の外に広がる街並みを見下ろす。そこには、巨大なキャンパスを中心に広がる近代都市があった。
御影「……あれが学園か。まるで一つの城塞都市だな。」
そして、シロガネはY学園の上空を通過し、その中心にそびえる巨大な白亜の塔を確認する。学園全体の象徴であり、まるで要塞の司令塔のような存在感を放っていた。
――数時間後。
シロガネは港に停泊し、艦長・正敏をはじめ数名が学園側の案内で校舎中央の塔へと向かう。大理石のように磨かれた床、精緻な装飾が施された回廊……その雰囲気は、学園というより王宮に近かった。
重厚な扉が開き、彼らは校長室へと通された。
そこには、一人の壮年の男が椅子に腰掛け、威厳ある眼差しで彼らを迎えた。
キンヤ「……ようこそお越しくださった。私はこのY学園の校長――大王路キンヤである。」
正敏「シロガネ艦長、小野寺正敏です。」
二人は互いに歩み寄り、固く握手を交わした。
キンヤ「話は横須賀鎮守府の提督殿から聞いている。DBDから来た来訪者であり、DBDの調査をしていると。」
正敏(この学園の校長にも話を通してあるとは…響の言う未来視と言うのは本当らしいな。)
キンヤ「…ふむ、ところで人数が少ないようだが…」
正敏「現在、他の面々はY学園に行っております。」
キンヤ「まあよい。疲れただろう。ゆっくり話をしようではないか」
その頃、ケリュドラ達はY学園の街に降り立った。
目の前に広がるのは、ただの校舎やグラウンドではなかった。ビル群のように聳える学舎、電光掲示板に映し出される講義予定、さらには路面電車まで走る広大な区画――それは「学園」の名を冠したひとつの巨大都市そのものだった。
御影「すげぇ…街じゃねぇの? 本当に学園なのかよ…」
驚きに口を開けたまま、御影は行き交う人々を目で追った。制服姿の学生たちが談笑しながらカフェに入り、商店街の露店では学生証を提示して買い物をしている。中には研究用のロボットを歩かせている学生もいて、どこを見ても普通の学園の規模を逸していた。
鷹真「……これがY学園か。規模が違いすぎる…」
ケリュドラ「パンフレットによると、在籍者数は数万人。学園都市の住民すべてが生徒か職員、あるいは研究者らしい。教育だけでなく、防衛・研究・産業まですべてここで完結しているとか。」
御影「……そりゃ街にしか見えねえわけだ。」
まるで未来都市に迷い込んだような光景に、誰もが息を呑んだ。
ヴァーリ「……なんか視線を集めてるな。」
星「やっぱり制服を着てないからじゃない? それに服装も目立つし。」
御影「ああ、だな。」
そんな中、御影たちに二人の少年が近づいてきた。
タツヤ「よ、見ない顔だな。ここらの奴じゃねぇだろ?」
茶髪の少年が気さくに声をかけてくる。
ラント「他校から来たのか?」
黒髪の少年も続けて問いかける。
御影「えっと……」
鷹真「俺たちは大王路キンヤ校長に会いに来たんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、茶髪の少年は納得したように頷いた。
タツヤ「なーんだ。あの頑固オヤジの知り合いか。驚かせやがって。俺は龍騎タツヤ。で、こっちが相棒の霧隠ラント。」
ラント「よろしくな。」
……………………
タツヤは腕を組んだまま、じっと御影たちを見つめていた。
タツヤ「……なるほど、異世界から来たってマジか…」
ラントは半信半疑といった顔で、ヴァーリたちの姿をしげしげと観察する。
ラント「信じらんねぇ…マジ…人間のまんまだもんな…」
その視線の鋭さに御影が肩をすくめた。
御影「なんか新鮮だな。」
横で星も苦笑いを浮かべる。
星「こんなにじっくり見られたの、初めてだもんね。」
二人の会話にタツヤとラントは顔を見合わせ、何かを言おうとしたが――
突然、遠くから爆発音が響き渡った。地面が微かに震え、近くの生徒たちが悲鳴をあげて逃げ惑う。
タツヤ「なんの音だ!?」
タツヤが振り返りながら叫ぶ。
ヴァーリはすでに冷静な眼差しで音の方向を睨みつけていた。
ヴァーリ「行ってみるか。」
全員がうなずき、一斉に爆発音のする方角へ駆け出す。
校舎を抜け、広場に飛び出した彼らの目に飛び込んできたのは巨大な影。
そこに立っていたのは、四十メートルはあろうかという巨体の怪獣…その名はソラス。鋭い爪と歪な角を持ち、怪光を放つ目が彼らを睨みつけていた。
ケリュドラが険しい表情で怪獣を見上げた。
ケリュドラ「なんて大きさだ…40mはある……僕の40倍か…」
鷹真「仕方ない…ここは食い止める!」鷹真が前に出ると、ゲシュペンストのアーマーが装着され、金属の重厚な音が響いた。
だが、その横でタツヤとラントも迷うことなく動いた。二人は腕に装着していたウォッチ状のデバイスを取り出し、手際よく構えを取る。
御影は目を瞬かせ、怪訝そうに彼らを見た。
「…?お前ら何してんだ。」
タツヤは口元に笑みを浮かべ、ウォッチを起動させながら答える。
タツヤ「へっ、この学園を守ってきたのは、誰だと思ってんだ?」
ラントも同じ動きを取り、視線を怪獣に向けたまま声を張り上げる。
ラント「俺たちも手伝うぜ!」
鷹真はわずかに眉をひそめ、彼らの動きを見ていたが、状況が状況だ。言葉を挟む暇もない。
鷹真「しかし…そのままでは…」
タツヤが鋭く言葉を遮った。
タツヤ「任せな。俺たちは――妖怪HERO*2だ!」
タツヤとラントは互いに目を合わせ、迷うことなくメダルを取り出した。手の中で光を反射するそのメダルは、ただの金属片ではなく、彼らの力そのものの象徴だった。
二人は息を合わせるように叫ぶ。
「変身!」
メダルが装填され、装置のベゼルが勢いよく回転した瞬間――轟音とともに光のエネルギーが解き放たれ、二人の体を包み込んだ。
銀と黒を基調にした装甲が次々と形成され、肩から胸部、脚部にかけて分厚いプレートが装着されていく。最後に兜のバイザーが閉じられ、妖しく光る紋章が額に刻まれた。
タツヤが拳を握りしめ、戦闘態勢を取る。
タツヤ「よっしゃ、ぶちのめしてやる!」
一部始終を見ていたヴァーリが感嘆の声を漏らした。
ヴァーリ「おお…凄いな。完全に変身したぜ…」
ケリュドラも思わず息を呑み、変身後の二人をまじまじと見つめる。
ケリュドラ「僕もびっくりだ。このような変身方法があるとは…まるで別人だな…」
しかしタツヤは振り返りもせず、ソラスを睨みつけたまま短く言い放った。
タツヤ「話は後だ!今はソラスをぶちのめすぜ!」
変身の光を纏ったまま、タツヤとラントは疾風のように走り出し、怪獣ソラスの足元へと突進していった。
地面が揺れ、ソラスが咆哮を上げる。四十メートルの巨体が二人の前に立ちはだかるが、彼らの目には恐怖はなかった。
鷹真たちの猛攻撃が続く中、ソラスの巨体が次第にぐらつき始めた。地面に爪を打ち付けるたびに大地が揺れ、破片が四方に飛び散る。
タツヤ「よぉし、トドメだ!」
タツヤが叫ぶと、ラントも横から連携して突進した。
タツヤは鬼面の装甲を展開し、炎がほとばしる。光と熱が周囲を包み込み、戦場の空気が灼熱で歪む。
タツヤ「フェイス!オープン!イグニッション!」
全身の力を込め、タツヤは炎の拳をソラスの腹部に叩き込む。轟音とともに衝撃が体を突き抜け、巨獣の咆哮が空に轟いた。
ソラスの巨体は炎と衝撃で吹き飛び、最後に大地をえぐるように崩れ落ちた。土煙と破片が舞う中、戦場は一瞬静まり返る。
響は目を丸くして呟いた。
響「すげぇ…」
タツヤは息を整えながらも誇らしげに言った。
タツヤ「これが、妖怪HEROの力だぜ。」
ラントも笑みを浮かべ、炎の残光に包まれたソラスの跡を見つめる。
ラント「俺たち二人でも、ここまでやれるってわけだ!」
鷹真やケリュドラ、御影、星もその迫力に圧倒されながらも、それぞれ次の行動を考え始めていた。戦いは終わった――しかし、この街に潜む異変はまだ完全には解消されていない。
キャラ名が無いと誰喋ってるか分かんないのでつける事にしました。
別の分岐ルートも…
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