ゲシュペンストの異世界渡り -Multiverse Crusaders-   作:サツキタロオ

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DBD――次元歪曲現象によって、異世界へと転移したシロガネとハガネの艦隊。
ブルーホールと呼ばれる謎の次元穴の調査中、艦隊は再びDBDに呑まれ、転移先は鬱蒼とした森林地帯だった。

そこから最寄りの街への偵察に向かったケリュドラとヴァーリは、統制された不穏な街並みと、魔族の影を察知する。
豪邸への潜入任務を開始するが、同じ頃、響たち艦娘部隊も戦闘音に反応して屋敷へと突入していた。

屋敷の奥では、魔族との戦闘に巻き込まれた赤髪の少年・シュタルクと出会うヴァーリ。
そして突如現れた魔族エルガーによって、戦局は一気に緊迫する。


第5話:遭遇

 

「そらっ!」

 

エルガーの叫びと共に、魔力で形成された漆黒のクローが宙を薙ぐ。

圧倒的な質量と速度。

ヴァーリは剣で受け止めつつ、紙一重で回避を続けていた。

 

(速い…!)

だが、エルガーの攻撃は止まらない。

鋭い拳撃がヴァーリを追い詰めていく。

戦闘を見守るリーニエは、呆然としていた。

「……すごい……」

 

 

一方その頃――

「凄いと思わないか、ツノの男」

冷ややかに告げるケリュドラ。

槍を構え、対峙するのは魔族・リュグナー。

「………それは――」

「抜いてから言ってもらおうか」

槍閃一閃。

ケリュドラの光槍がリュグナーを瞬時に貫いた。

 

「な――」

 

言葉すら許さず、リュグナーは両断され、絶命した。

 

「……ボクのヴァーリが、あんなに苦戦するなんて……」

ケリュドラはヴァーリとエルガーの激戦を睨む。

(…だが……敵はまだいる……)

その頃、ヴァーリは押されていた。

 

「ヴァーリ!!」

 

通信越しに鷹真の声。

ゲシュペンストがニュートロンビームを発射し、スプリットミサイルを次々と撃ち込む。

「チッ、邪魔だ!!」

エルガーは振り返り、

一瞬でゲシュペンストへと詰め寄った。

「!?」

振り下ろされる魔力のクロー。

ゲシュペンストの頭部に直撃。

機体は大きく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

「ぐっ……!」

「もう一撃……!」

トドメの一撃が迫る――その時。

 

「……させるかッ!!」

響が割り込む。

跳び蹴りが炸裂し、エルガーの体勢を崩す。

「大丈夫か、鷹真?」

「……まあ、な。ヘルメットが無ければ即死だったけどな……」

吹き飛ばされたゲシュペンストのマスクは破損し、鷹真の素顔が覗いていた。

「クソッ!あの爪野郎……」

怒りに震える響は、構えを取り直す。

「覚悟しろよ……!」

響が突撃を開始した――その刹那。

 

『おおっと――そいつはいただけねぇな』

 

「!?」

聞き覚えのない声。

次の瞬間、空間が歪んだ。

ブラックホール状の何かが、突然響へと放たれた。

「なッ!?」

バク宙で回避する響。

「チッ……誰だお前!」

響が警戒しつつ声を上げる。

その問いに、男は涼しげな声で答えた。

「俺の名は――エボルト」

「……ま、今は知らなくていいんだよ」

月光の下、エボルトと名乗った黒ずくめの男は、笑みを浮かべたままリーニエとエルガーの前に立ち塞がる。

「というわけだ。コイツらを、ここで失うわけにはいかないんでね」

エボルトは何の迷いもなく、指先を軽く振った。

「チャオ!」

 

次の瞬間。

 

ブラックホールが空間を捻じ曲げるように展開され、

リーニエと傷ついたエルガーはエボルトと共にその闇の中へと呑み込まれていった。 

 

――完全消失。

誰もその痕跡すら捉えることはできなかった。

 

静まり返る戦場。

「……なんだったんだ、アイツ……」

ヴァーリの声が夜空に響いた。

だが、誰も答えられない。

 

謎を残して敵は消えた。

 

………………

 

フリーレンは静かにアウラへ杖を向けた。

「……終わりだ、“断頭台のアウラ”」

しかし、その瞬間。

「……!?」

突如として、横合いから現れた黒い影がフリーレンの手を弾く。

「そこまでだ、魔法使い」

現れたのは、先ほどの“あの男”――エボルトだった。

「お前は……」

「おい、断頭台のアウラ。お前にもついてきてもらう」

「なっ、何を――ッ!?」

問答無用だった。

彼女が何かを叫ぶ間もなく、空間が捩じれ――ブラックホールがアウラを飲み込んでゆく。

エボルトもそれに続き、まるで闇に溶けるようにその場から消え去った。

 

残されたのは沈黙のみ。

「……なんだったんだ、アイツは」

誰もが答えを持たないまま、ただ敵の狙いを探ることはできなかった。

 

 

――そして数時間後。

 

戦闘を終えたヴァーリたちは、ようやく前線から離脱し、母艦シロガネとハガネのもとへと帰還する。

 

その表情に疲労の色は濃く、だがそれ以上に、新たな“黒き存在”への不安が広がっていた。

「この先に大きな街があるそうです。」

「なるほどな…ヴァーリ、ボクたちの次の目的地は決まったかもよ?」

ケリュドラはヴァーリを見つめる。

「かもな。」

(この世界に関する情報が少ない…)

(一体何があるっていうんだ…)

 

鷹真は静かにそう考えた。





補修とか色々で遅れました。

別の分岐ルートも…

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