弟があねに…!!! 勝てるわけねェだろうがっ!!!! 作:猫蕎麦
おもいついたので書きました。
ウォッカ王国の情報がほぼない(と思われる)ので捏造します。
ウォッカ王国――
偉大なる航路と呼ばれる場所に存在するこの国は世界政府加盟国の1つである。
加盟国というのは天上金を払うことによって、世界政府に安全を保障された国である。
天上金というのは国民一人に一定の金額がかかり、それを国民全員分合わせた額を天竜人に貢ぐモノである。
しかし、この国は天上金に必要な分を自国で賄うことはできず、他国に戦争を仕掛け、そこで得た利益により"国家"として存続している。
それが軍事国家ウォッカ王国であった。
戦争により金を得る。上手く行けば良いが失敗してしまえば損失どころか国事態がなくなってしまう可能性があるだろう。大義名分もなく、戦争を起こしてしまえば報復されてしまうこともあるだろう。普通に考えれば、上手いくはずがない。
しかしこの国はそうはならなかった。
軍隊としての質が良いのか、国の運営が上手いのか。はたまたナニカの思惑が絡んでいるのか。
いずれにせよ国家として今日まで滅んでいないのは事実であった。
この国の軍隊の特徴として兵として駆り出されるのは身寄りのない人間や生活に困窮した人間たちである。
真っ当な組織なら入隊から何年もかけて育て上げ、選別を経て戦場に送り込まれるだろう。
しかしこの軍隊は数ヶ月―それも正式な教育方法などはなく―で戦場に送り込まれる。
それで生きて帰れば御の字、死んでも天上金の負担が減る。
兵士は使い捨ての駒であり、いろんな意味で金を生む道具であった。
そしてその兵士たちの中に1人年若い、いや幼い少女がいた。
年齢としては10くらいだろうか、いずれにしても女性が軍隊にいるのは珍しいことだろう。
いかに金がない国と言っても"女"が働く場所、そういう場所はある。貧困国家であり治安も悪くならず者のような男が多い国だ。
兵士など生死をかけるものも多いため、そういう場所は需要が高い。
総じてそういうモノを欲する人間が多いのだ。
当人がどう思っていようが、だいたいの女性はそこで働かせられる。
それなのになぜ彼女は兵士としてこの国にいるのか。
彼女は特にギズモノというわけでもない。
それに見目が悪いわけでもないし素行が悪いわけでもない。
彼女が兵士になったのは、偶然であった。
その少女は生まれながらに違和感を持っていた。
生まれて数年がたった時、貧困により親にすてられた。
後ろ楯のない子供が生きていくのは難しい。
この国では特に。
かといって体を売ることは、忌避感があった。
だがそうはいっても金がない。仕事のアテもない。
それでも彼女は身を売ることができず、残飯をあさり、人気のない場所に住み、息を潜め人目をしのび生活をしていた。
だが、ある日いつものように残飯を盗む際に軍隊の人間に目撃された。
この国では浮浪者と呼ばれる者はいない。
すみかを持たず、財産のない人間は全て男なら軍隊、女なら風俗で働かせる。
そういった決まりがあったからだ。
見つけた兵士もその国のルールに乗っ取り彼女を捕らえようとした。
だが彼女はそこで抵抗をした。
少女と言っていいほどの年齢の女。
対するは屈強な男たち。
普通なら捕縛など造作もないはずなのに、彼らは暴れる彼女を押さえることが出来なかった。
そしてその結果、どういうわけか彼女の力に軍隊は目を付け彼女は兵士として拾われ、育てられた。
戦場を回ること数年。
その生きた年月でこの国や世界の常識は彼女に叩き込まれた。
そのはずだった。
彼女自身も兵士となってからその
だか違和感は拭えなかった。
この国で育った兵士たちは何も感じたことがない違和感。
周りを見渡しても特に可笑しいと思っている人間は他にはいなかった。
兵士たちは、せいぜいが自分たちとは違い戦争とは無縁の安全に暮らす人間への不満など、結局はどれもが貧富の差への不満ぐらいなものだった。
その上それもしょうがないことだと諦めている人間がほとんどであった。
だが彼女はそれ以前の問題だった。
国が大手を振るって戦争をするという事、国の安全を保障するために存在する天上金という制度、この国以外でも似たような問題があるということ。
この世界全ての事柄に言い様のない不快さを感じていたのだった。
そして、例年のごとく兵士としては幼すぎる人間や、わけアリの人間が入隊し彼女にとって幾度目かの戦争。
その最中に起きた怪物の目覚め―
これにより彼女はなぜこんなにも違和感を覚えているのか。
そしてその感じていた違いは、間違っていなかったことに気づいたのであった。
○✕国近海―
曰く、以前の外交で我が国への敵対の意思を表明し、幾度となく交渉の場を設けたが、それに応じなかったため。
王国としての立場上、仕方なく今回の事は起こった。
という風にいつもの戦に駆り出された。
どう考えても軍事国家であり、数多くの戦争を起こす火薬庫のような国とドンパチやろうなんて馬鹿なことは考えないだろうに、嫌に頭の回る我が国の上層部によって戦争の動機付けをされてしまった。
可哀想だとは思うがそんなことを私が思っていてもどうしようもないため、私たちウォッカ軍は○✕国へ戦いに赴くのだった。
そして今回も新兵として色々な人間が配属されている。
ひっきりなしに戦争をしているため、兵士はすぐ死ぬ上、人数が少なくなってもまるで消耗品かのように補充されるため、新兵に対してなにも思うことはない。当然だが新兵はすぐ死ぬしそんなのに気を取られていたら自分が危ない。情を感じないようにするためにもなのか、それとも誰も興味がないのか、新兵たちとの交流は、名前と配属される部隊の紹介のみで終わる。
それはいつもの事であるし、最初はいつものように特に思うことはなかった。
だが数人が自己紹介と配属先を言う最中、私は1人の幼いが目付きの悪い少年に目が行った。
その少年の醸し出す雰囲気に私の中の何かがざわつく気がした。
「俺の名前はカイドウ。年は7。イズモ隊だ。」
その少年の声にもやはり幼さを感じたが思っているよりも若かった。
だが彼の風格は私よりも年上のようにに感じる。
これで7歳なのか。
話し方に粗暴さを感じるが、まだ若くこういった場所でから敬語は苦手なのだろう。
軍隊としては上官を敬う空気すら出さない少年に何か言った方がいいのかもしれないが、この軍に規律なんて立派なもんは無いようなもんだ。
ちなみにだがイズモは私の名前だ。
なので彼は私の部隊にはいるということだ。
そんなぶっきらぼうな少年の自己紹介を聞き終えたがやっぱり何かがひっかかる。
たがそんなことを考えている暇は今はない。
あと数時間後には戦場に赴くのだ。
気にはなるが死んでしまうかもしれない人の事を考えている余裕はない。
そんなものに気をとられていたら自分の命を落とす危険があるのだ。
私は頭からいつもの違和感を振りほどき兵士としての自分に切り替えるのであった。
人間というものは慣れてしまうものである。
心の中で嫌悪していた戦争、そこで人の命を奪う感覚。
戦場に響きわたる悲鳴や怒号、命乞いをする声、敵の声、仲間の声。
慣れたくはなかったしそのつもりもなかったのだが、今やその声が生活音かのように耳を通り抜けていく。
なにも感じず考えず、ただ目の前のモノを壊していく。
ゲームや漫画を読むようにどこか自分とは別の視点で物事が進んでいく。
人間とは慣れるものである。そして慣れてしまったときこそ注意が必要なのである。
ソイツは突然現れたかのように思えた。
怒号が飛んだかと思うとすぐに悲鳴に変わり、
周囲にいた他の仲間たちの声は全て途絶えた。
その瞬間私は夢から覚めたように現実に引き戻された。
その男は私の数人分はある背丈があり、持っている獲物は大きなこん棒のようなものだった。
戦場に似つかわしくないその武器だとそう思ったのもつかの間、彼はそのこん棒を振るうと私の隊の仲間たちを薙ぎ倒していった。
大降りの一閃。
それだけで周りの人間はほとんどやられてしまった。
私は運良く少し距離が離れていたため、避けられただけで、彼らと位置が逆であればやられていただろう。
かわしたその状態で背から銃を引き抜き放つ。
この世界の軍人は銃弾があたっただけで死ぬ。
ことは少ないが多少のダメージは受ける。
そして弱らせ隙ができた際に私は彼の首を狙う。
そのはずだった。
彼に放った弾丸は驚くことに彼の体に通ることはなくまるで蚊でも刺されたかのようにうっとうしそうにするだけであった。
「なんだァ?今なにかしたか?」
その台詞とともに彼は私の姿を目に止める。
「オイオイこんなところに嬢ちゃんみてーのがいるのかよォ。場違いだぜェ」
その呑気な言葉を聞きながらも私は彼に切りかかるが、それでも彼にはダメージを与えられていないのだろう。
刀で切り付けているのに堪えた様子もない。
かすり傷という程度だ。
ここにきて上層部が言っていた言葉が嘘ではなかった可能性に気づく。
コイツは明らかに私たちの手に負える敵ではない。
「ハハァ~。おいたが過ぎるぜェ、嬢ちゃんよォ~。」
油断した。何時ものようにただ相手国に痛手を与え戦力を弱らせ帰ってくる。それだけの任務。なぜ戦争をそう甘くみていたのか。今更ながらに後悔をする。
それでも攻撃の手を止めないでいると、彼はこん棒を振りあげ、
「あんまりお転婆が過ぎる子にはァ、躾をしてやらねェとなァ?」
こん棒を横薙ぎに振るってきた。
あまりの速さに避けられず、モロに喰らってしまい吹き飛ばされる。
数m飛ばされ、壁に叩きつけられた衝撃で意識が朦朧とする。
向こうから男が近づいてくるが手に力が入らない。
更には先程の一撃で武器も壊れてしまったのだろう。手に持っていた刀もなく、背中の銃の重みもない。
「ハハァ~よく見るとコイツは俺好みだなァ~?戦利品とさせて貰うかァ??」
そう言い私に手を伸ばしてくる。男。私はそれを見ていることしかできない。
私はこんなとこで死にたくはなかった。
いつかはこの国を出て世界を見て回りたかった。
私のこの違和感という問題を解消したかった。
こんな世界でも夢を持ちたかった。
他にもしたいことがいっぱいあった。
そう思い意識が消えかけていたときその声が響いた。
それはなぜか私の耳に大きく聴こえてきた。
「ウォロロロロ!!そこの女がやられたってことは、てめえが大将首かァ!?」
轟音と共に"上"から現れたその少年とそこから発せられる謎のオーラに飛びそうだった意識が引っ張られた。
「ハハァ~ン?なんだァてめェ~??」
私の目の前まで迫っていた男は急に現れた存在に振り返り、その少年をみる。
「ガキが粋がってんじゃねェよォ。命が押しけりゃ帰ンなァ。」
しかしすぐ興味をなくしたかのように私に向きをかえた。
が
「オイオイ、つれねェじゃねェか!俺とも戦えよ!!」
そう言いながら少年は男に殴りかかる。
一直線で大振りなパンチ。
それを男はガードもしないままでいた。
男と比べて余りにも小さい体から放たれるただの子供のパンチ。
男にとっては先程のように痛くも痒くもないだろう。
そう私と男は思った。しかし。
その
「ガフゥッ!」
あれだけの私が攻撃しても傷1つすらつかなかった男が、ただの少年の拳によって大ダメージを受けていた。
というか私の目の前で吹き飛ばすなよ。 危ないだろ。
そう思いつつ吹き飛んだ男の方を見ると先程とは顔つきが変わっていた。
明確に敵と相対した兵士の顔になっていた。
「やるなァ、クソガキィ。今のは少しばかりィ、効いたぜェ 」
「なかなか頑丈じゃねェか!これで倒れねェなんてよ!さっきまでの雑魚共とはちげェようだな!!」
少年たちからびしびしと得体の知れないオーラが放たれていくのを感じる。何かわからないが意識が持ってかれそうな迫力がある。
というか
子供で新兵とはいえ、流石に武器くらい支給されているはずだが?
「ちょうどこの戦争に飽き飽きしてたところだ。退屈させんじゃねぇぞ!!」
「なめんじゃねェぞォ!クソガキィ!!」
そう言って男と少年は殴りあいを始める。
ノーガードで相手の拳を食らいながらぶつけあっている。
さっきの一撃で吹っ飛んだ私からすると少年がなぜ吹き飛ばないか不思議でしかない。私より小さいくせに。
しかしどちらもタフネスマンなのかダメージは入っているようだが倒れない。
何か決め手になる一撃を先に与えないとまだ若い少年であるカイドウの方が危ない。
そう思っているとついに男の拳が大きい一撃を与えたのか少年が膝をついてしまう。
「ガハッ!ぐぐ。」
「ハァハァ。ハハァ~なかなかだぜェ~オメェこの俺とここまでやりあうなんてよォ。」
「だがまだ青いなァ~。育てばかなりの驚異になるとこだったかもしれないが、残念だったなァ。これで終わりだぜェ~」
そう言って男は止めを刺すために、こん棒を振るおうとする。がそのこん棒は手元になくほんの少しだが、隙ができる。
ここで私は自分の足元に男のこん棒があることに気づいた。
そしてなぜかわからないが少年にこの"こん棒"が必要な気がした。
なぜかはわからない。
なぜかはわからない。が。
今これを少年に渡すことでこの状況を"壊せる"気がする。
さっきまで指すら動かなかった体からなぜか力が沸いてくる。私は全力でこん棒を拾い彼に投げる。
「カイドウ!!!」
少年の名前を目一杯叫びながら投げると、少年は少し驚きながら投げられたこん棒を手に取る。
「なッてめ」
そう言って男は私に注意を向けてしまう。
その瞬間カイドウはこん棒を振るった。
「ウォォォォォオオオ!!!」
雷鳴八卦!!!
その少年よりいくぶんか低い声でそんな技名が聴こえた気がした。
その威力は凄まじいもので喰らった男はついに倒れた。
そして、こん棒を投げただけで力を使い果たした私は、今度こそ意識が薄れていく。
朦朧とする視界の中、男を倒した"彼"の姿が、男よりも随分と大きく見えたのだった。
というか私の部下なのに今までどこ行ってたのキミ…。
ヤーマン
ご覧の通りめちゃくちゃ捏造です。
タイトル詐欺でもあるかもしれません。
というかカイドウの強さ盛ってない?
この話だと7歳で大男倒してるけども。
10歳で軍事国家の最強少年兵です…
じゃあこんぐらいおかしくないね?
ウォロロロロ