匠伝仁伝4   作:ズッキーミ

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匠伝仁伝最終章

 

13話 痛みと辛み

 

 

 

那奈羽

「よし!拘束完了!」

 

レミアード

「よくやったわみんな、さすがのコンビネーションね」

 

ギルドマスター

「みさ…さん…」

 

レミアード

「喋らないで、あなたの傷が1番ひどいのだから…」

 

リムジーナ

「王よ、こいつをどうします?」

 

仮面の男

「僕をどうするかって…?」

 

??

「それは、俺が決めること」

 

糸が容易く切れその場に崩れ落ちた仮面の男を軽々と抑えた人物は、彼らが1番信じたくなくかつ、会いたくない人物だった

 

「やぁ?随分と賑わってるね」

 

レミアード

「えぇ!?た、匠くん?」

 

全員が唖然した、彼は既に死んでいると思っていた

だが、彼の姿は以前の姿とは全く違っていた

悪に染まり、傲慢と強欲だけが渦巻いていた

 

「さて、誰からやる?なんなら一斉にでもいいよ?」

 

あとから八芒に追いついたマリーは言葉を発する前に大鎌を構えた

 

マリー

「あんたが!!マスターの体を乗っ取って!!」

 

「ん?マリー、何を言ってるんだ?まさかヤミヅカエンマのことを言っている?大違い、俺は俺自身の意志で今ここに立っている」

 

マリー

「嘘…嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘!!!!」

 

マリーの目の前に現れ目の合わせた

 

「事実」

 

マリー

「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!!!???!?」

 

頭を抱えその場に崩れ落ちそれを横目で見たのち八芒の方へ目を向けた

 

「さて、どうするかい?一斉に来なよ?」

 

レミアード

「デバフマジック、グラビティエクストラマインド」

 

匠にかかる重力を1000倍近くかけ地面に叩きつけた

 

レミアード

「アタックマジック、エクストラファイヤーアロー」

 

弓矢を引く動作をするとまるでその場に突然太陽が現れたのかと錯覚するぐらいの熱量が皆を襲った

その矢を無慈悲に連射し魔力が尽きた瞬間レミアードはその場に倒れた

 

リムジーナ

「大丈夫か!?」

 

レミアード

「私は…いい…はぁ…はぁ…早く、攻撃を…!」

 

魔阿琉

「風林火山!!」

 

匠がいるであろう場所に拳を叩きつけるとその場からハリケーンが発生し同時に炎が舞い上がった

 

カルル

「ロンギヌスの槍…」

 

力いっぱいに込め撃ち放つと空気を切り裂きながらそれは向かっていった

 

那奈羽

「カシウスの槍…オーバーロード!」

 

両手を大きく広げその後匠に向けると超巨大な槍が匠に突き刺さった

 

「いててー全く、加減を知らない人たちだなぁ…」

 

那奈羽

「全く…聞いていない…!?」

 

治療を終えたギルドマスターは立ち上がり匠を睨んだ

匠は宙に浮くと両手に漆黒の剣を生成し皆を見下した

 

「次は俺の番だ」

 

14話 苦しみと解放

 

 

「もう終わりか?貴様らの力はやはりその程度か」

 

ギルドマスター

「匠!!おまえ!!」

 

「まずはお前から殺してやろう」

 

ギルドマスター

「…俺を先に殺す…か…」

 

「まさか、君にそんなことを言われるなんてな…」

 

匠は容赦なくその黒き剣を振りかざした

だがその刃はギルドマスターに届くことは無かった

目の前に神々しい光が降り注ぎその場にいた全員の目をくらました

 

「なんだ…この…光は!!」

 

ギルドマスター

「…まさか…!!」

 

ギルドマスターは空を見上げるとその光は月から降り注いでいた

やがて姿が顕になった

少女の周りには4人の天使が現れその少女を囲っていた

そして、その天使は…

 

光を集わせ、光を放つ

神月

 

無を司り、全てを呑み込む

無月

 

禍を司り、世界を護る者

禍月

 

そして、神霊の長

カミワリカンナ

 

4人の天使の中心に居たのは、この戦いに終止符を打つ者、

 

全知全能、絶対的存在

瓶割 神奈

 

ギルドマスター

「カンナ様!」

 

匠は驚愕し焦りを見せた

そう、今目の前にいるのは実の娘

 

神奈

「どういう事なの?」

 

「か、神奈…なぜ」

 

神奈

「ギルドマスターさん、皆さんも離れててください、ここは私が抑えます」

 

ギルドマスター

「全員!!武器を持て!!残党兵共を始末するぞぉぉぉ!! 」

 

全員離れそのには強い光と闇を放った2人だけが残った

 

神奈

「答えて…父さん…どうして?」

 

「…神奈、お前もこちら側に来ないか?」

 

神奈

「なにを…」

 

「俺ら2人でこの世界を支配してやろう!そして俺らだけの楽園を作るんだ!!」

 

神奈の目の紋章が変わり匠を囲うように結界を作った

 

神奈

「父さんはそんな事考えない…自分だけの事なんか…考えない!!」

 

「仲間にならないなら…敵と見なすだけ」

 

結界から放たれた光線をアークダークネスで弾き神奈の目の間に現れた

瞬時禍月が目の前に現れ強力な衝撃波を与えた

 

「チッ…おい!ペルソナ!天使共の相手をしろ!!」

 

仮面の男

「はいはい、人使いが荒いんだから」

 

仮面の男は3大悪魔全員をテレポートさせ自らもテレポートした

 

神奈

「父さん!もうやめて!!」

 

「神奈…俺の仲間になれ!!」

 

神奈の頭部をつかみ地面に叩きつけた

 

「洗の…」

 

匠には理解出来なかった

気がついた時には空高く舞っていた

 

カンナ

「あらあら…いけないわね…よそ見は良くないよ?」

 

「カメワリ…カンナ!!!」

 

鬼の形相で睨み付けアークダークネスで一体を灰にした

だがそのカンナと神奈は必死に抵抗し押し返した

匠は神奈を隔離しカンナと一騎打ちになった

 

カンナ

「光の長と闇の王…どちらが勝つか見ものだねぇ」

 

「その余裕も今のうちだけだ」

 

匠ば武具種刃と武具種刀の柄同士を繋げツインサーベルにすると一瞬にしてカンナの体が真っ二つになった

 

神奈

「カンナ様!!」

 

カンナ

「大丈夫〜」

 

胴体が繋がった瞬間カンナの頭部をつかみ地面に叩きつけた

間髪入れずに攻撃を加えた

余裕顔のカンナに初めて焦りを見せた

武具種弾を装備する一瞬のすきを着きカンナは匠に強力な結界魔法陣をかけた

 

「グッ…ガハッ!!」

 

血反吐を吐き蹲った

 

神奈

「カンナさま…あれは…」

 

カンナ

「私だって光の長よ…闇に対抗する為の力をつけるべく色々研究したんだから!」

 

「おれを…俺を…俺を!!!」

 

「舐めるなぁ!!!」

 

結界魔法陣を破り衝撃波でカンナと再び吹き飛ばした

両腕がちぎれ再生が追いつかなくなっていた

 

カンナ

「我が子孫よ…」

 

神奈

「ふぇ!?」

 

「これで…最後だ!!!」

 

カンナと神奈が目を合わせた瞬間カンナの身体は以前のバレンタインの様に弾け飛んだ

 

「…ハハ…HAHAHA!!!ついに殺った!!この俺こそが!!!天下なのだァァ!!!!」

 

高笑いをし神奈を見た

 

「さぁ…どうする?こちら側に来るか?」

 

神奈

「父さん…」

 

匠が気づく時には周囲が既に光で包まれていた

驚いていると背後から神奈の声がした

振り向くと驚愕した

あの一緒にいた頃の小さな神奈が悲しい顔をしながら匠を見ていた

 

「か…神奈…」

 

神奈

「パパ…1人で抱え込むなっていつも私に言ってたでしょ…」

 

「パパの計画はすべて知っちゃった…」

 

「自分が闇の王になり暗黒を自分に取り込みそして…自害する」

 

「…知ってどうする…いまさら後戻りなんて出来ない」

 

神奈

「なんでパパはいつも固定概念に縛られちゃうの?」

 

「たまには…私にも活躍させて…」

 

神奈が匠に抱きつくとどこからともなく暗黒の闇が現れ2人を取り囲んだ

そしてそれは全て神奈の中に取り込まれていった

 

「お、おい!!神奈やめろ!そんな事したらお前!!」

 

神奈

「パパは私のこと全く信じてない」

 

「朝奈と霊奈の力と私の力…」

 

「覚醒と操と受」

「…違う!お前の体が持たないって言っているんだ!!」

 

やがて全ての闇を吸い終えると神奈の姿は以前見たあの姿になっていた

 

「…そういうことかよ…」

 

神奈

「そう…私の力は神と妖と魔」

 

神奈

「最強の私にこの程度の闇、全部受け入れちゃうもんね!」

 

「そして…パパのも」

 

匠と額を当てると匠は自然と眠りについた

 

「ありが…と…う…」

 

神奈

「おやすみなさい…ゆっくり休んでね」

 

匠伝仁伝最終章

15話 寝返りと裏切り

 

 

仮面の男

「え?」

 

無月

「どうしたのかな?我々を転送させといて怖気付いてるのかな?」

 

仮面の男

「(おかしい…匠くんの神力が一瞬で消え去った…)」

 

「…悪いね3大悪魔達、すぐに終わらせてもらおう」

 

禍月

「アナタニワタシタチヲタオスコトハデキナイ」

 

倍速で飛び禍月の目の前に現れるとその瞬間姿が消えた

 

神月

「なに!?貴様!禍月をどこに!!」

 

仮面の男

「…簡単な話さ、僕の能力を応用したのさ♪こんなに上手くいくとは思わなかったけど」

 

無月

「神月離れろ!!」

 

仮面の男

「こうしてね〜」

 

神月の目の前に現れ手を触れた瞬間禍月同様消え去った

 

無月

「…クソ!!」

 

仮面の男

「僕の能力は霧になる能力…これを相手に強制的に発動させる…そうすると?」

 

無月

「2人は…霧になり…元に戻れなくなる…」

 

仮面の男

「正解♪」

 

??

「それなら強制的に能力を解除されたらどうする?」

 

無月の姿が消え背後から聞こえたその声は1番聞きたくない声だった

 

仮面の男

「お、おお、おおお!神奈ちゃん!素晴らしい姿になっているねぇ!」

 

第1パラレルワールドの絶対神…そしてこの第2パラレルワールドですらその存在になろうとしている者が目の前に立っている

つまり匠はやられ残すは自分だけとなっていた

 

神奈

「3人は返してもらった」

 

仮面の男

「あぁ…全く…僕には運がないようだね…また日を改めさせてもらうよ」

 

仮面の男の姿は消えたが闇の気配は消えなかった

そう、敵は仮面の男だけではなかった

神奈は天使達をギルドマスター達の方へ送りたった一人でそれに立ち向かおうとしていた

 

エンマ

「さてさて、君だけが私の相手をするのかな?」

 

神奈

「舐めないで、悪いけど、私は貴方より強いよ」

 

エンマ

「HAHAHA…面白い冗談だ…では先手は取らせてもらおう」

 

宙に浮いた腕が2つから4つに増えそれが神奈の四点に並んだ

 

エンマ

「悪いが私の最大の力封印だ…お前がいくら力が強かろうとこの私には叶う物か」

 

その四点から天高く黒い光が上り地面には刻印が敷かれた

神奈は構わずエンマをじっと見つめていた

 

エンマ

「どうやら負けを認めたようだな…この私が、闇が、この世界を支配する」

 

神奈

「なんて可哀想…」

 

エンマ

「な!?」

 

その四点の光が神奈にぶつかった瞬間それは弾け飛んだ

刻印の上にさらに大きく瓶割の刻印が敷かれた

 

エンマ

「なんだ!?なんだと言うのだ!」

 

神奈

「教えてあげる…私の種族…瓶割はね…代々封印術に長けてるの…貴方のちっぽけな封印術と違ってね」

 

エンマ

「No…NoNoNo」

 

「NOOOOOOO!!!!!!!!」

 

エンマの周り八点に光が現れその瞬間エンマは自身の闇で半分を消した

だが残り四点でエンマの5割が封印された

 

神奈

「まだ戦う?」

 

エンマ

「この私が!!!お前如きにぃ!!!」

 

エンマは最大限の力で神奈に攻撃を仕掛けた

その攻撃が神奈に触れる前にエンマの姿が消えた

 

神奈

「おやすみなさい…」

 

匠伝仁伝最終章

 

16 娘と父と戦友

 

神奈はエンマを完全に封印するために行動していた

そんな中、ギルドマスター達は…

 

オーク

「ニンゲンヲコロセェ!」

 

アリミスの王

「よっと」

 

軽々とオークの首をへし折り心臓を蹴り潰した

 

ギルドマスター

「はぁぁ!!」

 

剣を構え走り来るオークに狙いを定めそして突く

 

??

「随分とやってくれたじゃぁないか」

 

リムジーナ

「誰だ…」

 

崖の上からギルドマスター達を見下ろしていたのは闇に身を包まれた男性だった

 

新生鬼神の月

マリオネット

「僕の素晴らしいぃあやつり人形をよくも壊してくれたねぇ」

 

ギルドマスター

「俺がやろう」

 

アリミスの王

「硬いこと言うなよォ」

ギルドマスターと肩を組むとニヤリとマリオネットを見た

 

マリー

「いえ、私が相手をしましょう」

 

アリミスの王

「あら珍しい、なら任せるよ」

 

アリミスの王とギルドマスターは離れマリーは大鎌を握った

 

マリオネット

「きみぃ…面白い姿をしているねぇ…操りがいがありそうだァ」

 

マリー

「あなたには負けない!!」

 

眼を開眼し容赦なく大鎌を振った

マリオネットの体に傷をつけると一瞬驚いたが余裕の表情だった

 

マリー

「ちぃ…浅いか…」

 

マリオネット

「操り人形よ…僕のものになぁれ」

 

ふたたび構えた姿のまま体の自由が奪われた

 

マリー

「うごけ…ない…」

 

右手を大きく上げるとマリーもそれに合わせて上げた

その手には大鎌が握られていた

そして大鎌を首元に当てると血が滴り落ちた

 

??

「させないよ」

 

マリオネット

「なっ!?」

 

マリオネットの手は弾かれマリーの自由が戻った

そしてマリーの背後にいたのは…

 

操りの心霊

瓶割 霊奈

「あなたの力なんて、私に敵わないもん!」

 

マリオネット

「鬼神を舐めるなよぉ…小娘…って」

 

マリオネットが一瞬上をむくとつまらなそうか表情をした

 

マリオネット

「どうやらここまでの様だ…また遊ぼう」

 

姿が消えるとオークの姿も消えた

 

マリー

「霊奈ちゃん!!」

 

マリーが突然強く抱き締めると思わず驚いた

 

霊奈

「ま、マリーお姉ちゃん!くっ苦しい!」

 

マリー

「ごめんごめん…嬉しくってさ」

 

「色々聞かせて?」

 

霊奈

「もちろん!まずねぇ…」

 

 

ミリアス

 

 

ベットの上に横たわっているその姿はまるで死んでいるかのようだった

 

ギルドマスター

「…匠くん…」

 

レミアード

「様態は安定してるけど…なんで意識を取り戻さないのだろう…」

 

ライナー

「心理的外傷なのか…」

 

マリー

「とりあえず私がマスターをみておきますので皆さんはお休みになってください」

 

その言葉を聞いた一同は部屋から出て行った

そして残ったのたギルドマスターとマリーだけだった

 

ギルドマスター

「匠くんの処罰は後で我々が決める」

 

マリー

「…はい」

 

ギルドマスター

「抵抗しないのかい?」

 

マリー

「…どうすればいいのか…分かりません…」

 

「マスターが一体何をしたのか…何があってのこんな姿になったのか…」

 

ギルドマスター

「…わかった…では匠くんを頼んだよ」

 

ギルドマスターが部屋から出るとマリーは匠の顔を見た

 

マリー

「マスター…」

 

「…」ボソッ

ぼーっと匠の顔を見ていると眠くなってきた

 

マリー

「…マスターのお嫁さんに……!?」

 

自分が発した言葉に一瞬戸惑った

 

??

「それはさせないもん!」

 

マリーは上をむくとそこには口をふくらませた少女がマリーを見ていた

 

神奈

「父さんのお嫁さんはお母さんだけだもん!」

 

マリー

「そ、そんな気は!!」

 

神奈

「…父さん…まだ目を覚まさないの?」

 

マリー

「…うん」

 

神奈

「…そうだ!マリーお姉ちゃん!父さんを借りてくよ!」

 

匠を抱きかかえた瞬間姿が消えた

 

匠伝仁伝最終章

 

17話 あいたい

 

 

世阿

「…」

 

ピッ…ピッ…ピッ…

 

世阿の心臓の鼓動がコンピュータに映し出されているのをじっと見つめていたのは全身包帯で巻かれたあいだった

 

ライナー

「かぁさん…世阿さんはどうだい?」

 

あい

「…」

 

あいの声帯は既に切り取られ今では話すことが出来なくなっていた

だがその眼差しはか確かなものだった

 

ライナー

「…そうか」

 

コクっと頷くとふたたびモニターを見つめていた

 

那奈羽

「いるか!!?」

 

飛び出してきたのは小さな盲目少女だった

 

ライナー

「ど、どうしました?」

 

那奈羽

「絶さんとランドレッドさんの行方が…完全に途絶えた」

 

あい

「…」

 

あいの表情は曇ってきた…と言うよりも呆れていた

あの夫婦は何をやっているのだ、と言う表情だった

 

ライナー

「最後の行方はどこですか?」

 

那奈羽

「…ミリアス…のはずだけど…座標がおかしい…」

 

ライナー

「とは?」

 

那奈羽

「xとyは間違いなくミリアス…だけど高さのzがマイナス値を表している…」

 

ライナー

「地下って言うこと?」

 

那奈羽

「だけど…-200っておかしい…どんだけ深いところに…」

 

ライナー

「まって…それって」

 

世阿

「あぁ…冥界だろう」

 

突然の声に一同が飛び上がる様に驚いた

 

ライナー

「世阿さん!!体は大丈夫!?痛いところは?」

 

世阿

「あぁ…全くない…」

 

ライナー

「それは良かった…んで、冥界って…なぜ!?」

 

世阿

「俺がわかるかよ…というかすまない…俺が寝ている間に色々あったみたいだな…教えてくれ」

 

ライナーと那奈羽はこれまでの経緯を全て話した

匠の事、ミリアスの事、死亡者のことも

 

世阿

「…流石だな、あれだけ大きくなると思われていた戦争がこれだけの規模に抑えられたのは…」

 

那奈羽

「我々は何も出来てない…結局、神奈ちゃんが止めたのよ」

 

世阿

「…そうか」

 

 

L世界

 

 

このL世界は1部の限られた純粋な瓶割だけが立ち入ることが許された聖域

そこに現れたのは、今回の戦争の発端となったものだった

 

神奈

「っんよいしょっと」

 

神奈は抱き抱えた匠を花畑の上に寝かせた

 

神奈

「…先人様達はなんだかんだ分からないことだらけだったのね…カンナ様も結局あまり伝えてなかったみたいだし」

 

??

「わ、悪かったわね!あまりそういうの得意じゃないのよ!」

 

背後に現れたのはいつもの気の抜けた服装のカンナだった

神奈はニコッと笑い再び匠に目を向けた

 

カンナ

「確かにここに瓶割の血が流れているもの以外が立ち入ったのは初ね…」

 

神奈

「きっと、父さん自身瓶割に近い存在なのかもね」

 

溜息を一つつき微笑んだ後にカンナの姿は消え去った

 

神奈

「ほら、私に送った能力の事も話さずにいなくなっちゃった…」

 

「んっ…」

 

神奈

「起きた?」

 

匠の目には一瞬嶺秦が写った

 

「かん…な?」

 

神奈

「うん!おはよ!」

 

頭の中が全く整理出来ていなかった

やがて目が冴えてくると匠の顔が青ざめていった

 

「か、神奈…お願いだ…俺を…殺してくれ…俺は…やっては行けないことを…」

 

クスッと笑うと神奈の額は匠の額と触れた

 

神奈

「もういいの…」

 

「い、いや!だからな!」

 

神奈

「ん?」

 

「ほ、ほら!俺は!何人も大切な人を傷つけてしまった!!」

 

神奈

「誰を?」

 

「神奈とか…ミリアスのみんなとか…カンナ様とか…」

 

神奈

「ミリアスの人達はともかく私とカンナ様は無傷だよ?」

 

「んなわけないだろう!だってカンナ様の体は!!」

 

神奈

「あれくらいじゃカンナ様は死なないよ…それにここでパパを殺したら私は私のことを許せなくて自殺しゃうかも」

 

「とは言っても復活には長い年月が必要だけどね〜」

 

匠は頭を抱えた

自分でパニックになっていることは分かっていたがこれ程とは思っていなかった

 

神奈

「とにかく、パパはまたミリアスに戻ればいいの、それでギルドマスターさん達に謝ってくればいいの」

 

神奈は匠の頭を胸に当て撫でた

 

神奈

「おかえりなさい…」

 

「…ただいま…」

 

匠の眼には涙が浮かんでいた

 

匠伝仁伝最終章

 

18話 しぶとさ

 

??

「フフフ…ますます面白くなってきましたねぇマリオネットさん」

 

マリオネット

「どうなのでしょう、最後のあの少女、どうやら瓶割と思われるのですが」

 

??

「幻妖達がミスを犯した…という事になりますね…第1パラレルワールドには近づかない方がよろしいでしょう」

 

マリオネット

「カメワリカンナも照夜もいなくなりエンマ様の力は貴方に還元された…なんと素晴らしい事でしょう、つまり…瓶割に恐れることはないのデス!」

 

??

「さて、以前の鬼神の岸を排除して行きましょう…そして我々新生鬼神が…この世界を支配する!」

 

 

奇岸アジト

 

 

既に荒廃しそこにはもう誰も居ないと思われていた

 

ラスト

「やぁ…スロース…」

 

スロース

「…」

 

椅子に座り目を瞑っていたスロースに背後から声をかけ紅茶を差し出した

スロースはゆっくり目を開けラストをチラ見してからその紅茶をすすった

 

スロース

「…アンタにしては…美味しく作れたわね」

 

ラスト

「まぁ、色々研究しましたから」

 

「…っとそうだ、その茶葉を切らしてしまったんだ…また買ってきて調合しないと」

 

スロース

「ん?ほら、私の飲みかけでよければあげるよ」

 

ラスト

「いやいや、それはスロースのだよ、俺は水でいい」

 

不貞腐れた顔をし再び紅茶をすすった

その後ラストの方を向き重力操作をし無理矢理ラストの顔を近づけた

 

ラスト

「ちょ!?スロース!!何を…!?」

 

ラストの唇とスロースの唇が触れラストの口の中に紅茶が注ぎ込まれた

 

スロース

「…これでいいでしょ」

 

ラスト

「…あぁ」

 

スロース

「…」

 

ラスト

「…」

 

2人は顔を合わせられなかった

スロースも自分のした事に恥ずかしさを感じ顔を伏せていた

 

ラスト

「…日奈」

 

スロース

「ふぇ!?」

 

ラストはスロースを抱き寄せ頭を撫でた

 

ラスト

「俺でよければ…これからも…ずっと…一緒に居てくれないか?」

 

スロース

「…い、いや!?逆にいいのかよ!?わ、私なんかで…」

 

優海斗

「あぁ…日奈がいい」

 

日奈

「…ばか」

 

「ってかさ、私妖狐よ?あんた違って寿命も遥か長いし…結局…」

 

優海斗

「…?あぁ…俺の能力、そういえば誰にも明かしてなかったね」

 

「これを明かすと間違いなく兄貴に殺されるから黙ってたんだよ」

 

日奈

「え?それはどう言う…?」

 

優海斗

「俺の能力は…」

 

 

ミリアス

 

 

「申し訳ありませんでした」

 

ギルドマスターの部屋に入るなり土下座をした匠をギルドマスターとアリミスの王はドン引きしていた

 

アリミスの王

「待たれ待たれ、頭上げてくれ」

 

ギルドマスター

「そうだよ、匠くん、とりあえず座ってくれ」

 

渋々と頭を上げ下を見つめながら椅子に座った

 

ギルドマスター

「さて、私と王で話し合った結果、匠くんの処罰を決定した」

 

「…はい」

 

匠の脳裏には死刑の文字が並んでいた

 

ギルドマスター

「瓶割 匠、君にはハンターを辞めてもらう」

 

「はい」

 

ギルドマスター

「言いたいことはあるかな?」

 

「甘いです…俺は…死刑でもいいのに…」

 

ギルドマスター

「ライナーさん、八芒の皆さんに話を聞いたところ、どうやら今、光と闇の均衡が崩れているようだね」

 

「実際依頼が殺到している…そこでだ」

 

「匠くんにはハンターを辞めてもらい、光と闇の均衡を保つ役割をしてほしい」

 

「照夜様の様に…ということですか?」

 

ギルドマスター

「その通り、どうやら適任は匠くんだけらしい」

 

「光を極めし者だった匠くんは闇の世界を知りそしてそちらも極めこちらに戻ってきた…つまり今の匠くんは光寄りではあるが両方を極めている…ということらしい」

 

「この…俺が…?」

 

不意に思いつき匠は目を閉じた

そして立ち上がり目を開くと匠の姿は神気モードになっていた

そして窓の外に向けて手を突き出すとそこの空間が一瞬歪んだ

そう、現在の匠は神気モード、つまり光の力とアークダークネス、闇の力、両方を扱うことができるようになっていた

これは照夜にすら扱えなかったことである

 

「…はい、ぜひこの俺にその役をやらせてください」

 

アリミスの王

「とは言っても具体的にどんなことをするんだい?」

 

ギルドマスター

「それは…時期にわかるらしい」

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