第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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今回もあんまり話が進んでません、
ちょっとだけ、テム・レイさんとクワトロさんが心通じたり、アムロとマチュがイチャイチャします。
お話の流れからするとまったく余計なイチャイチャなのでここらもたぶんアニメになつまたらバッサリされるところです。




第22話 混迷の宇宙~ニュータイプ探偵出動!

テム・レイと話すのはなかなか楽しいひとときであることに、クワトロは気がついていた。

いわゆる「気が合う」と言うのとは違う。

話すのは、主にモビルスーツのことばかりだ。

互いに主張が異なる場合にはかなり喧々諤々、意見を戦わせることもある。

例えば、百式の強化パーツとして開発された「ハンマー」などがそうだ。

 

ビットを備えたニュータイプ専用モビルスーツ戦を意識した武器であり、ビットのオールレンジ攻撃をかわして内懐に飛び込んだ後、一撃で相手を破壊することをコンセプトに開発されたのだという。

 

それはともかく、百式に、ハンマーのよう鈍重な武装を加えてしまっては、その機動性に問題が生じるのでは?というクワトロの問いをテム・レイは一笑した。

 

「ハンマーそのものを推進器として利用する。

ギャンのハクジに似た発想だな。」

 

「しかし、実際の運用性は……」

「まあ、そこらへんは君自身が体験して報告をあげて欲しい。」

 

そう言われてしまうとクワトロはぐうの音も出ない。

元々百式は、可変機の性能テストのためにテム・レイから借り受けた機体なのだ。

 

「ああ……それとだな。」

 

損傷したモビルスーツの修理は終わり、改修、強化パーツはすでに取り付けが終わっている。

今日付けで、アーガマはグリーンノアを出航する予定だ。

 

「アムロについてはいろいろと世話になっている。ジオン工科大学への進学を口利きしてくれたのは、君か?」

 

「いや……それはジオン公国のアルテイシア代表が」

 

「という事はやはり、きみが口利きをしてくれた、ということだろう。」

 

実際には、アルテイシア自身が自ら乗り込んできたので、デラーズ紛争の一部始終とそのなかでのアムロたちの活躍を目の当たりにしたからなのだが、そこで起こったことのすべてを、いまの段階で話すことは出来ない。

 

クワトロは曖昧な笑顔でそれに応えた。

 

「アムロは、その、どうなのだろう。クランバトルを楽しんでいるのか?」

「彼は戦いを好むタイプではありませんよ。」

「しかし、ジオン工科大学のネオ香港キャンバスに通うということは、引き続き君のところでクラバに出るといいということだろう?

もし、アムロが学費のためにクラバを続けるということなら、費用はこちらから出す。

いろいろと苦労をさせてしまったのでな。学業に専念させてやりたいのだ。」

 

君のせいで。

とテム・レイは言わなかったが、「いろいろ苦労」は、主にクワトロがサイド7で行った行為に起因するところが大きいのは明らかだ。

 

「彼は無敵のエースですからね。正直、興行を行う側としてはクラバには出場してもらいたいのですが。

まあ、そこは彼の自由意志にまかせようと思います。

おそらく学資や生活費を稼ぐだけでしたら、現在のところは“アーガマ”のテストパイロットとしての仕事だけで十分なはずです。」

 

実はアムロはクラバどころか、まったくの実戦を戦い抜いたわけである。

テストパイロットではなく、本物のエースパイロットとしてのスカウトが殺到するのは目に見えていた。

 

その意味でもいまは「進学」という形で、アムロを表舞台から遠ざけておくことが、ジオン公国軍にとってもジオンのアルテイシア派にとっても連邦軍にとっても。あるいはアムロ自身にとっても最善の選択だった。

 

クワトロはそう考えながら、テム・レイの顔を見やった。

 

「……先生がアムロくんを案じているのは、理解できる。しかし彼は、今回のテストを通じて既にその才能を見せつけてしまった。いずれは」

 

「わかっているさ。」

テム・レイは短く息を吐き、端末のスクリーンに表示された百式の設計図へ視線を戻した。

「だからこそ私は、彼に“選べる”状況を与えたい。

クワトロ大尉。アムロはニュータイプなのだろう?」

 

クワトロはわずかに目を細める。

連邦にとって“ニュータイプ”という言葉の意味するものは、スペースノイドとは若干異なる。

ジオン・ズム・ダイクンの提唱とは別に、モビルスーツ戦闘に化け物のように特化した怪物を意味するのだ。

 

「ジオン・ズム・ダイクンのニュータイプ論は私も知っているさ。クワトロ大尉。」

テム・レイの視線はデスクに設置されたモニタのほうにさ迷っている。

彼の最大の関心事は、あくまでモビルスーツの開発であって、息子であるアムロのことは余談にすぎないのか。

 

「だが私は、ニュータイプを“能力”として切り分けるのには反対だ。あれはもっと普遍的な、人間の可能性の延長にあるものだと信じている。」

 

「……その見方は、私とて否定はしない。」

クワトロはわずかに苦笑を浮かべた。

「しかし、可能性の延長だとしたら、なおさら戦争という極限状態でしか顕在化しないというのは、皮肉なものです。」

 

「だからこそ、戦場以外の場所で育てねばならん。」

テム・レイは机を指で叩き、力強く言った。

「教育の場で、研究の場で、あるいは日常生活の中でな。……その意味では、アムロの“進学”は私にとっても希望だよ。」

 

クワトロはしばし黙した。

テム・レイの言葉は理想論にすぎないかもしれない。

だが、その理想がなければ、アムロはこれまでの戦いを生き延びられなかっただろう。

 

「……わかりました。いずれにせよ彼の選択を尊重することを約束しましょう。」

 

クワトロはゆっくりとうなずいた。

「ただし――ニュータイプを巡る動きは、すでに戦場の外にも及んでいます。ジオンも、連邦も、そしてクランバトルを牛耳るスポンサーたちも……。

大規模な軍が動く紛争は、おそらくはデラーズのもので終わり。あとは少数精鋭のパイロットがカスタマイズされた超高性能機を駆る戦場となる。

あなたのモビルスーツもあなたのご子息もその渦中にあるのは避けられない。」

 

「その時は、その時だ。」

テム・レイは眼鏡を外し、目頭を押さえた。

「……君にも、お願いしたい。あれがよりよい方向へ導かれるよう、力を貸してやってくれ。父としてだけではなく、技術者としての願いでもある。」

 

クワトロは目を伏せ、わずかに逡巡した。

 

「……考えておきましょう。

ところでそれは?」

 

テム・レイのデスクのモニターには、放射板の集合体を背負った異形のモビルスーツが映っていた。

 

「ハマーンくんのキュベレイのファンネルを一部改修したものだ。」

うれしそうに、テム・レイは答えた。

「モビルスーツの性能強化のためのバックウエポンシステムの一種だ。ドラグーンシルエットと名付けた。そもそもこれを扱えるパイロットがいない以上、これ以上設計をすすめようもない欠陥品であるのだが……」

 

 

なぜそこでパイロットとしてのアムロを除外してしまうのだろうか。これも一種の親バカなのだろうか。

クワトロは礼を言って立ち上がった。

 

--------------

 

 

不道徳な撮影会は、中断された。

正確にはマチュとニャアンは、アンキーの毒牙から逃げおおせたのだ。

功労者は、アムロの昔馴染み、カイ・シデンだった、

アンキーたちに軟禁されていたと主張する彼は、なによりも行方不明のクラバパイロットたちを探すのが急務であると、至極真っ当なことを訴え、ニュータイプの素養のあるアムロたちと現場検証することをもちかけたのである。

 

「カイがモビルスーツを操縦できたなんて驚きだよ。」

 

モビルスーツはケリィさんがかき集めてくれた。

 

クラバの試合会場に指定されたクレーターは、モビルスーツが単体で移動できる程度の距離ではある。

 

「まあ、軽キャノンはオレも乗ってたんだよね。」

それだけカイは言った。

ということは、連邦軍にいたことがある、という事なのだろうか。

それ以上、話そうとはしない。

 

シャアの奇襲以来、連邦軍はサイド7の研究施設をそうそうに引き払ったから、あのあとカイがどうしたのか、アムロは詳しくは知らないのだ。

だが、彼がかつてセイラさん――アルテイシア閣下にインタビューをしていたところを見ると、単なるサイド7のご近所さん以上の関係はあったようである。

 

とすれば医療班として、連邦軍に配属されたセイラさんとともに従軍した時期があるとでも言うのだろうか。

 

カイの軽キャノンの扱いは、アムロの目から見ても見事なものである。

かくいうアムロは。

 

ケリィが貸してくれたザクだった。

いわゆる攻撃能力をオミットしている「払い下げ」ザクである。

 

コクピットの改修もしていない、いわゆるほんとのザクで、アムロは少し戸惑ったが、なんとか動かすことが出来た。

教習用に副座になった特殊なザクで、ニャアンは教官席に。

マチュは、アムロの膝のうえに乗っかっている。

小柄なマチュなのでなんとなおさまってはいるのだが、かなりやりにくいことには違いない。

 

「マチュ、大丈夫か?」

アムロは途中でたずねた。

コクピットなどは基本狭いものだし、アムロの膝のうえにわりとよい感じにおさまってくれてはいるのだが、なんとなくマチュをうしろから抱きしめているような姿勢であって、アムロにしては大変落ち着かない。

 

「まあ、慣れてるし。」

マチュは明るく答えた。

 

「慣れてる?」

「ジークアクスてね。マニュピレーターがあって操縦を補助してくれたりね。あと大気圏突入の時なんかは抱きしめててくれたんだよ!?」

 

どんなAIだよっ!

アムロはかつて似たようなアイデアをテム・レイが出した時にもそう思ったのだが、ジオンの技術者はだれも止めるものがいなかったのだろうか。

いや、ジークアックスのサイコミュは、「特別な」サイコミュだときいている。

そこに宿った人格がコクピットを勝手に改造したということもありうるのだろうか。

 

ジークアクスが時として展開する円形の盾に似たバリア。

およそビームにも通常弾にも有効な装置なのだが、ほかに採用したモビルスーツが、未だにほかにないのである。

 

ニャアンに見られているので、とくになにも進展もないまま、一行はクレーターに到着した。

 

 

 

 

 




GQuuuuuuX見ててもなんだかわからなかったのが、エンディミオンユニットが、なぜマチュにそんなに肩入れしたのか。
まあシュウジのやろうとしてたことを強引にでも止めてくれるニュータイプというとマチュしか選択肢がなかった訳ですが……。
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