もうモビルアーマーサイズです!
なんかこんなにサイズが違うとアムロガンダムとかとは絡みにくいなあ。
「実にまずい知らせだ。しかも断りにくい。」
アムロたちはカミーユを迎えに行ったまま、まだ帰っていなかった。
ブリッジに入ったクワトロとハマーンを見るなり、ヘンケンはそう言った。
「なにがどうまずいのか、説明してくれないか、ヘンケン艦長。」
クワトロの声にはやや疲れがあった。
彼とハマーンは、ヤザンが急に初めたクランバトルのせいで中断させられた例のVIP用宙港へ再度聞き込みをしてきた所だった。
結局のところ、ララァの居場所についての手がかりは得られなかった。
「ジオン公国から、ガンダムマークⅡを時期主力モビルスーツとして採用したいとの打診があったらしい。」
「かつて、ガンダムを量産化してゲルググが誕生したように、か。なんの工夫もなくて嫌になる。」
クワトロは途中で気がついた。
「しかし、もともとのガンダムマークⅡの発注元はティターンズだったな。それは連邦としてもはいそうですかとは言わんだろうな。」
「そうだな。だがジオン公国はかなり強引でな。武力衝突も辞さない構えだったようだ。」
「本気か?」
「本気ではあるらしい。だが『戦争』をする程でもないという判断で、なんとクランバトルで決着をつけることになったらしいのだ。」
「いったい誰が代表選手になるんだ―――」
「ティターンズが手を挙げたそうだ。」
ヘンケンは、嫌そうに言った。
「だが、やつらはだいぶ軍内部でも評判が悪くてな。統合作戦本部では対抗馬として『アーガマ』を押してきたらしい。」
「面白いな。」
「確かに面白くはあるよ、我が君。」
ハマーンが口を挟んだ。
「ジオンの英雄“赤い彗星”が連邦の代表として出場するんだ。しかもその正体は、ジオン・ズム・ダイクンのわすれがたみ、キャスバルだという噂もある。」
「わたしはクワトロ・バジーナだ!」
「それはわかっているよ、“大佐”殿」
ヘンケンがだだをこねた子どもをあやす様な口調で言った。
「だが、連邦の代表になってクランバトルには出たくはないだろう?」
「それは確かにそうだな!」
クワトロは憮然とした。
「かと言って、ティターンズを勝たせてやるのも癪にさわる。統合作戦本部の正式な要請だから、『アーガマ』としては断ることもできない。幸いにもパイロットまで名指しされているわけではないから、いったん身を隠すことをおすすめする。
どこか当てはありそうか?」
「………地球に降りるのがいいだろうな。しかし、ティターンズはずいぶんと力を削いだはずだが、まだしゃしゃり出でくるのか?」
「それについては、ブレックス・フォーラ准将から別に指示が来ている。」
准将から?
彼は軍を退き、次回の選挙で連邦政府議員に立候補するはずだ。ティターンズの悪例に習うことなく、エゥーゴを自分の私兵と見なされることを恐れ、彼から直接アーガマに連絡をとることはなかった。
「ペズンの研究所のことはご存知かな、クワトロ大尉?」
「独立戦争中にモビルスーツの統合化計画のために設立された組織だ。」
「連邦」の「大尉」であるクワトロ・バジーナがあまりすらすらと答えない方が良い事柄ではあったが、たしかにそこに引っかかって話を妨げるのもどうかと思われた。
「ザクの次世代機の開発にもあたっていた。実際は『ガンダム』をベースにしたゲルググが開発されたことで、計画そのものがなくなっている。
戦後も軍やいくつかの企業、月面都市からの補助で研究を続けている。自らも有望なラボには資や人材を派遣したりしているはずだ。
キシリアの親衛隊用モビルスーツのコンペにも参加している…ギャンの採用でコンペには落選したがかなりの技術力はいまもあるはずだ。」
「わたしよりもずっと詳しいな、クワトロ大尉。」
ヘンケンは笑った。
「なら話も進めやすい。ティターンズはそこと手を組んで、最新鋭のモビルスーツを手に入れるつもりのようなのだ。」
「最新鋭、か?」
ハマーンが機嫌を損ねたように言った。
「資金も人材も足りない小規模な研究所にどれほどのことが出来るのだ?」
クワトロ・バジーナは考え込むように言った。
「あそこで開発していたのは、ザクをビーム兵器に対応するように正統進化させた機体だ。
両肩のラッチに用途に合わせて様々武装を接続できる。ゼク・アイン…だったかな?
ギャンとのコンペには破れたが、それはギャンが、ギレンの親衛隊の抱えるビグ・ザムに対抗できるように特化した機能がおおきく評価されたからだ。
ムーバブルフレーム構造も取り入れているし、拡張性や操縦の安定性も高いはずだ。」
「それだけでは、おそらくはゲルググやや軽キャノン改と大差はないな。」
ヘンケンは言った。
「ペズンへ向かい、彼らが開発中の機体を調査するように准将からの指示が来ているのだが、考えすぎ………か?」
「行ってみる価値はあるだろう。ティターンズに新機種が渡らないように出来れば、そのこと自体には意味はある。だが………」
「わかっている。クワトロ大尉は、いったんアーガマを離れて、行方が知れないココ・シャロンの追跡を優先してください。」
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「ダリル・ローレンツ少尉です、ケリィ・レズナー。」
差し出された手をケリィはしっかりと握った。
「義手」だということだが、不自然さは感じない。
おそらく戦争中はもっと無骨な、いかにもメカニカルなものだったのだろうが、5年たった現在はだいぶ、マシになっている。
「俺がクランバトルに参加していたのは、クラバが合法化される前です。
“白い悪魔”にとっては数多い対戦相手のひとりでしかなかったはずですが、よく覚えていてくれました。」
「“白い悪魔”に撃墜されなかった数少ないパイロットのひとりだからな。」
「―――断っておきますが、リユース・P(サイコ)・デバイスの技術を提供することは出来ますが、あまり楽しいものではありませんよ?」
「わかっている。」
ケリィは義手をつけていない。だがもしその技術がモビルスーツパイロットとしての彼の往年の技前を取り戻させてくれるなら、喜んで義手を装着するつもりだった。
「―――現在“リビングデット”はペズンに身を寄せています。資材や技術的な供与も受けている。
もし、ケリィさんがリユース・P(サイコ)・デバイスを試したいなら、ペズンへしばらく滞在いただく必要があります。」
「構わない―――それに対するそちらの要求はなんだ?」
ダリルは、ドッグの窓から駐留スペースを見た。
旧式の輸送艦だ。ジオンが独立戦争中に使用していた船だがあまり今日では見かけない。
「ペズンの新型にリユース・P(サイコ)・デバイスを搭載したものを積んでいます。
グラナダのクラバで、できる限り実戦に近い形でのテストをお願いしたい。」
サイコゼク・アイン対ガンダム!
ダリル対アムロ。
ということになるのでしょうか。