第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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機動戦士ガンダムGQuuuuuuXが13話以降も続いていたら...と妄想で書き始めた本作ですが、とうとう26話まで来てしまいました。
考えてるオチまでにはもうひと展開あるつもりなので、ワンクール追加するか、劇場版があったと仮定して続けるか、というどうでもいいところで悩んでいます。









第26話 ペズン攻略戦~戦を拒むもの

よう。イカれたクランバトルの世界へようこそ!

いやあらためて挨拶も必要ないか?

わたしはポメラニアンズのアンキーだ。

この世界を勝ち抜いてきたオマエらなら顔も名前も知っていると思う。

 

この通信が届いているのはいずれもクランバトルの強者ばかりのはずだ。

 

わたしが、選んだんだが、まあここいらが当代クランバトルの最高峰、トップランカーってことで依存はねえだろう?

まあ、天使の中立意見ってやつだ。

 

「あくまで独断、です」

 

細かいことはいい。

それでそろそろ、クランバトルでもちゃんとランキングを決めて、ついでにチャンプを決めてしまおうってことで、声をかけたんだが。

 

……

…………

 

すまん。ぜんぶ、ウソだよ。

 

(アーガマのモニターで、これを聞いていたアムロは頷いた。

なにを仕出かすかはわからないにせよ、アンキーがなにかを企んで居ることは察知していた。)

 

まあ、これだけクランバトルが盛り上がってる以上、公式ランキングを決めるってのは興行上、アリなんだが。

もっと有効な手がある。

 

わかるか?

所詮は試合、ルールの保護、馴れ合い、ショー…とまあいろいろ言われてはいる。正直、合法化まえのクラバなんぞ機体は払い下げのザクか軽キャノン。ビームは危なすぎて使わせない、じゃなくてはなからそんな高級兵器を装備してる機体なんてまず無かったからな。

 

まあ、ここんところはモビルスーツのテストでデモンストレーションも兼ねて最新鋭機や試作機も珍しくないね。

 

さあて。

 

戦いを見世物にするってのは、どこからかこんな疑問にかならずぶちあたる。

――ホントにこいつら強いのか?

ルールに守られてるだけじゃねえのか?

やらせじゃねえのか?

それに対抗するために、興行主はランキングを作り、チャンプをまつりたてて権威づけをするもんなんだが…。

 

もっといい方法はもちろんある。

 

試合場以外の場所で。普段のルールが使えない状態で、相手をぶちのめしてやることだ。

 

(「宇宙海賊でもやれというのか」ネオ香港のホテルの一室で、ビンクの髪の少女が険しい顔で吐き捨てた。)

 

宇宙海賊でもやれというのか?だと。

それも面白いがやったら犯罪者時代に逆戻りだ。

 

でもなあ。

 

いい具合に暴力でぶちのめしても、どこからも文句の出ない相手がいたんだよ。

 

どこだと思う?

 

ペズンだよ!

 

エイノー提督が「連邦軍の改革」を訴えて蜂起したのは知ってるな。

 

過激派であるティターンズとエゥーゴを廃して、あるべき連邦軍の姿を取り戻す。

結構だな。自分たちも過激派であることを除けば、だが。

 

いまんとこ、やつらはペズンに居座ってる。

戦艦がトロイホースしかないからそうするしかないんだが。

連邦軍は宇宙での戦力がないから、動きがとれない。

ジオンもイオマグヌッソで大兵力を失っちまってるし、そもそも連邦軍の内紛に首を突っ込む気もない。

なら、わたしらがやってやろうじゃないか。

 

(「馬鹿言え!」「やつらはホンモノの軍隊だぞ?」「ルールもねえ」)

 

やつらは月面都市のいくつかと交渉して、物資の支援を受けている。

つまりほっといて立ち枯れにさせるわけにはいかんのだ。

 

(「ふざけんな!」「戦争だ、こいつは戦争だぞ!?」「なんでクランバトルの選手がでばらねえとならないんだ?」)

 

人間なんてな。

最終的には暴力で決着するしかねえんだよ。

戦争。あれだってルールはある。だが戦争ってやり方はどうにもルール以外で無くすものがお多すぎる。

この前の戦争を見てればわかるだろう?

ジャブローに落っことすはずのコロニーが軌道をそれた?

そんなもんじゃない。

どこに落ちようと軍人以外の、なかにはスペースノイド差別に反対してたやつも居たかもしれない。一緒くたに消滅だ。

 

 

この先もほっときゃあ、ペズンに合流する戦力は増えるだろう。

なにかとテロと暴力で評判の悪かったティターンズや、スペースノイドよりと見なされているエゥーゴよりはマシにうつるからな。

 

最終的には、ヤツらは自分たちの主張を通すため、そうだな。質量弾による地球攻撃に踏み切るだろう。

 

そうなればジオンも動く。

 

だが、そのころにはペズンも戦力を整えている。

 

かくしてまた何百万人かが死ぬわけだ。

誰かの「大義」のために、な。

 

まあ、そうなってもわたしらには関係ないちゃあ、関係ない。

 

そうだ。わたしらのやってるのは所詮はショービジネスだ。

ヒールとして元ティターンズや元ニューディサイズを、登場されるプランも練ってる。いや別に変な仮面でも被せてやればいいんだから、ホンモノである必要すらないしな。

 

......話がそれた。

 

つまり、いまの段階ならペズンは、わたしらで叩くことができる。

 

おまえらの多くは退役軍人だろう?

たしかにこんなところで、また戦に巻き込まれて生命を落とす必要はない。

 

まあ、わたしたちが戦うことでその後の人死はだいぶ減るだろうし、クランバトルの選手が現役の軍人より戦闘スキルが高ければ、クランバトルという興行の権威付けとしてこれに勝るものはない。

 

 

 

-----

 

 

 

最初は、50を越えていた回線は次々と切断され、このときには30を切っていた。

 

「面白いことを考えるな。」

 

通信回線は相互に開いていたが、大半が罵詈雑言のたぐいだったので、アンキーは無視していた。だがこれは。

 

「“大佐”かい?」

 

「わたしは大尉だよ、アンキー。」

 

残ったものたちの間に動揺が走る。

「大佐…ネオ香港のクワトロ・バジーナ…」

「まさか!…元ジオンの赤いす…」

「言うな! 殺されるぞっ!」

「でも…ってことは、ジオンの…キャスバ…」

「やめろ! 潰されるぞっ!!」

 

 

「妙なことをはじめたな、アンキー。」

「変かね? クランバトルの権威付けにはこれ以上ないイベントだと思うんだが?」

「参加するものにも多大な被害が出ることを無視すれば、不可能ではないだろう。

――だが、目的はなんだ?」

「目的?」

「人類は完全な存在ではない。意見の対立はしばしば暴力をもってしか解決に至らん。これはきみがたったいま言った言葉だ。そして国家間の交渉における暴力的解決が戦争だ。

――きみはクランバトルの選手たちを戦争に巻き込むつもりか?」

 

カラカラとアンキーは笑った。

 

「あんたはいくつかの点で間違ってるよ。

ペズンは『国』じゃない。だからペズン攻撃は戦争じゃなくて、テロリストの鎮圧だ。

それにわたしは、クランバトルを一気に戦争に代わる解決手段として提言しようなんて、思っちゃいない。

ただ、クランバトルの選手が、ただ戦ってみせてるだけのショーマンじゃなくてホンモノの軍人より優れてるってことを見せつけてやりたいだけた。」

 

もう接続しているものは、20をきっていた。

 

「それが――おまえの目的なのか?

『戦争』の代わりに『クランバトル』を紛争解決の手段とすること。」

 

「あれ? 言ってなかったかね?

あんたも同じ意見だと思っていたよ。コロニー落としまでは戦略とスベースノイド優性説でなんとか言い訳が出来ても中立コロニーへの毒ガス注入!!

あれはいただけなかったねぇ…」

 

通信は声だけだ。映像はない。

だが、その一言に込められた苦渋は、聞くものの魂を凍えさせるものがあった。

 

「軍においては命令したものにこそ、責任がある。」

クワトロの声はどこか宥めるような穏やかさがあった。

 

「クラバだって血は流れる。生命を落とすものも大勢でるだろう。だが、散る命は戦争よりもずっと少ない。

別にこれが理想の解決とは思わない。

だが、今後何十年か。疲弊した人類のためには大規模な武力衝突のない時代が必要だ。

どうだ、“大佐”。わたしの考えに乗るか?」

 

「私は参加しよう。」

渋い大人の男の声だった。

「グラナダのアナベル・ガトーだ。

己の勝手に作り上げた『大義』のために無辜の血を流すことを是とするものは、私の敵だ。」

そこでわずかに声のトーンを落とした。

「だが、コウ・ウラキの参加はお断りする。彼はまだリハビリ中の傷病兵だ。クラバはともかく戦場には出したくない。」

 

 

 

 




あとアンキーはジオンの海兵隊上がりだというのは、作者の脳内設定です。
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