ゼク・ツヴァイが動いてるとこはみたことないので、想像です。重装甲、大火力。「Zガンダム」のカミーユ、「ZZ」のジュドーならなんとかするんでしょうが本作上はかれらはまだ子ども。これがなんだったら初陣です。
ブライトはシャングリラのクソガキどもを怒鳴ろうと思っていたが、先に一番年下の女の子がすでに口火をきっていた。
「なんで! お兄ちゃんたちを出撃させたの!?」
「そりゃあ…」
リーダー格のビーチャもリィナが本気で怒ると分が悪いようだった。
「なんつーか。ジュドーがアムロにいっつもやられっぱなしだから、シュミレーター以外で力を試したいって言って…」
「そんなっ! だってこれはホンモノの戦いよ? 死んじゃうかもしれないのよ?」
シャングリラのガキどもは筋がいい。
と、アストナージは褒めていた。実際、自分たちでモビルスーツもどきをジャンク部品から組み上げることもできたくらいだから、一定以上の技量は持っているのだろう。
勝手にゼータを実戦装備を換装し、勝手にカタパルトデッキを開いて、ゼータとマークⅡを発進させるくらい容易いことだったわけだ。
「おまえたちは全員、キャビンに戻れ。指示があるまで謹慎だ!!」
「え、あの軍法会議とかでは…」
大人しそうな顔の少年…たしかイーノとかいった…がおずおずと尋ねた。
「アーガマは連邦外郭団体の所属で、おまえはたちは軍属ではない。」
ブライトは、わざと平坦な口調で言った。
「ジュドーとカミーユが無事に帰れるように、これから全力を尽くす。おまえたちに構ってる暇はない、ということだ。」
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ただのモビルスーツじゃないのか。
ジュドーは舌打ちしながら、ゼータを人型に変形させた。
遠距離から正確な射撃で、相手を削っていけとアムロからアドバイスをもらったばかりだが、接近する相手の機体は、信じられないような角度でジグザグ軌道を描き、とてもあてられるような気がしない。
ゼータの傍らをビームの光条がはしる。
カミーユのマークⅡの射撃だ。
それは見事に、敵をとらえ…四散した。
「効いて…ない?」
「ジュドー! 相手は識別不能、新型だ。たぶんIフィールドを装備している。」
「あ、あいふぃーる、ど?」
「ビーム用のバリヤみたいなものだ。
ビーム兵器主体のゼータじゃ不利だ。
いったん後退して実弾兵器を…」
相手のモビルスーツから高熱源体が分離する。
「ミサイル…多数!! 迎撃する。」
くそっ!
カミーユのほうが、冷静だ。
少なくとも、なんていうか。セオリー通りの対応ができてる。
だが、ジュドーにはわかる。
ミサイルは攪乱だ。相手の狙いはその次にある。
迎撃――相対速度を合わせて、ミサイルを狙撃するか。
回避――素早く動くことで、ミサイルの追尾を振り切るか。
カミーユは前者を選択した。
ということは、相手の行動は。
機体は更に加速。そして鋭角に進路をかえた。
カミーユのマークⅡに向かって!!
その進路に向けてジュドーは突っ込んだ。
「うおおおおっっ!!」
ビームサーベルを!
振りかざし!
振り下ろ…。
そのときになって、相手の巨体に気がついた。
でかい。
通常、モビルスーツは15メーター前後だ。この相手はその倍近い。
モビルスーツは基本人型なので、そのフォルムは甲冑をきた兵士に例えられる。
最近はその上からさらに強化パーツを装着するので、鎧の上から鎧をきこんだようにややずんぐりしたフォルムになることも多い。
だが、この機体は。
さらにさらにその上から大荷物を背負わせたようだった。
肩に四基。大型のバインダーがあり頭部はそのなかに埋もれているようだ。全身に追加装甲を施し、その分機動性が悪くなるのをこれでもかと言わんばりに増設したバーニヤで補っている。
脚はずんぐりと太いが、このサイズで地上戦は考えていないだろうから、実際にはこれもバーニヤとブロペラントタンクなのだろう。
さらに腰のあたりからほとんど本体ほどの長さのある補助推進器(いやこちらがメインスラスターか)が尾のように突き出していた。
ミサイルはどこから発射されたのかは分からない。
というより全身の各所にミサイルポッドらしきものがあり、まだまだ弾数には余裕たっぷりのようだった。
「でもなあっ!」
ジュドーは叫んだ。
「そこまで装甲を増設したら、手が届かない場所も増えるよなあ。」
敵機の腕はしっかりとロングレンジのビームライフルを握っている。
肩部の追加装甲や大型バインダーのために腕を上にあげるのは難しいだろう。
だが――
バインダーのひとつが弾けた。
先端にビームソードを備えたマニュピュレーターが飛び出してゼータのビームサーベルを受け止める。
さらにもう一基。
バインダーから放たれた近接戦闘用のマシンガンをジュドーはからくもかわした。
とっさにジュドーは、相手の巨体を蹴りつけた。
それでダメージを狙った訳ではない。
蹴りつける動作を反動として、いったん距離を取ろうとしたのだ。
そのジュドーのZガンダムに。
敵機のビームライフルの銃口が向いた。
「このっ!」
反射的に、ジュドーもビームライフルを向ける。
同時に放たれた光条は、ぶつかって消滅した。
ビームの威力はほぼ互角。
可変に一撃必殺の攻撃力を付与したZETAと互角の威力をもっている。
さらにミサイルを発射。
「カミーユ!!」
ジュドーは叫んだ。
迎撃しきれなかったミサイルが、マークⅡを襲う。
とっさに盾を掲げるが、爆炎のなかにマークⅡは
飲み込まれていく。
「カミーユ...」
だが爆炎のなかから、マークⅡは姿を現した。
盾は失ったようだが、健在。
ビームライフルにかわりバズーカを握っていた。
高速で機動するモビルスーツ同士の戦いでは、かならずしも一般的な武器ではない。どちらかと言えば対艦用の武器だ。
「ジュドー、離れて!」
砲弾が発射された。
ジュドーは回避したが、それは敵機も一緒である。
砲弾はだが途中で分裂した。
散弾である。
Iフィールド対策…ということなのだろうが。
数発は敵機の巨大をとらえたはずだが、ダメージは感じられない。
くそっ、どうすれば。
“…すごいわ、あなたたち…”
声が聞こえた。リィナとあまり年齢の変わらない。少女の声だ。
同時に視界がキラキラと輝く破片に満たされた。
“とってもステキ。わたしたち…親友になりましょう。”
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「なんだ…この声は。」
アムロはつぶやいた。
クワトロは顔をしかめた。
「声、だと。たしかに強烈なプレッシャーは感じるが…」
「敵意…じゃない。敵意じゃないけど」
アムロは立ち上がる。
「このパイロットは相手を壊すことを喜んでいる。そうすることが親愛を示すことだって。
そう思い込んでいるんだ!!」
「ううん…」
いつの間にブリッジにやってきたのか。
白衣の女性は困ったようにうなっている。
「ムラサメ博士!」
「ゼロ・ムラサメ!!」
ブリッジの視線が彼女に集中した。
「ああ、これは、あのわたしんところのアン、だね。」
「ムラサメ研究所の強化人間…」
エマが青い顔でつぶやいた。
「肉体的な強化や空間認識能力の拡大もさることながら、戦いに対する恐怖や忌避感をいかになくすかということについて、当時いろいろ試行錯誤をしていてねえ。」
たんたんとゼロ・ムラサメは答えた。
「アンの場合は、戦場で相対した敵を“友だち”として認識し、そしてそれを壊すことを“遊び”として刷り込んだのけれど。まあ、なにがどうなってニューディサイズの手に渡ったのか…」
全員の視線を浴びていることに気がついたゼロ・ムラサメはこほんと咳払いをして言った。
「…わたし、失敗しないので。」
“ま、まさか、『失敗』って言葉がない辞書!?”
“失敗の意味知らない?”
“それ言っとけば失敗じゃないって思い込めるヒト?”
全員の視線が絶対零度に下がっていく中、冷静にクワトロが言った。
「援護のモビルスーツを。すぐ出られるものは!?」
あわてて、エマはモニターに視線を落とした。
「マチュが発進許可を求めています。」
「わかった。急いでカミーユたちの救援に向かわせるんだ。」
「本当に発進しても…よろしいですか?」
「任せる。」
エマはすばやくエアロックの解除をすすめる。
「機体は? マークⅡか?」
「いえ、マチュです。」
「エマ少尉。パイロットはわかった。機体はなにを使うんだ?」
「ぇぇ…強いて言うなら、ANE0086Sモデルでしょうか。」
「なんだ、それは。」
「たぶんノーマルスーツの型番じゃないかな?」
アムロ・レイがつぶやいた。
「“マチュ”発進します!!」
「生身で出撃してどうする!!?」
「ソドンより。モビルスーツ急速接近!」
エマが叫んだ。
「ジークアクスですっ!」
ひさびさに
マチュ×ジークアクス
かな?