第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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善戦しながらも、ニューディサイズに押されるクラバのモビルスーツたち。その矛先は一直線にソドンに向かっていた。





劇場版 GQuuuuuuX第二部 回天の宇宙~私の最高の友だち1

「ロベルトのハンブラビが被弾しました!」

 

「脱出しろ、ポッドは拾ってやる!」

 

ロベルトは躊躇なく、ハンブラビから脱出ポッドを分離させた。ヤザンはそのカプセルを受け止めた。

次の瞬間に、ロベルトのハンブラビの身体に、ビームが突き刺さった。

 

爆散。

 

「ちいっ!」

ヤザンのハンブラビのビームライフルが虚しく「エネルギー切れ」の赤ランプの点滅を始めた。

 

ロベルトの脱出カプセルを抱き抱えているため、変形はできない。

 

右から。

左から。

 

狙う火線をかわし続ける。

 

しつこいゼク・アインの頭部が吹き飛んだ。

次の一機もビームライフルを持つ腕ごと、撃ち抜かれる。

 

「ヤザンの旦那」

イオ・フレミングのフルバーニアンだった。

「助かるぜ! そっちはどうだ?」

 

「ビームライフルの残量ゼロ。バルカンも打ち尽くした。」

 

「ダリルは?」

 

「3対1だ。接近戦に持ち込まれて、手一杯だ。」

 

「クソがっ! 突破されるぞ!!」

 

--------------

 

「全砲門、発射。対空戦闘! 弾幕はれ!

ここを抜かせるなよ!」

 

重巡洋艦アレキサンドリアの艦長席で、ガディ・キンゼーは口早に命令を行った。

クルーの大半はジオン軍ではあるが、伝達はスムーズだ。

軍隊というものは、そうあるべきだし

 

“なにしろ、これはソドンを守るための戦いだからな。”

 

アレキサンドリアはモビルスーツ時代に合わせて設計された艦だ。プランは連邦が作り、実際の建造はジオンが行った。

モビルスーツ運用実験艦アーガマを、監視する目的で、随伴することになったのだか、なかなかに数奇な運命に巻き込まれている。

 

「モビルスーツは20機を超えます。

全て新型のゼク・アイン!」

 

あいにくと、アレキサンドリアには直衞のモビルスーツは一機のみだ。

ガンダムマークⅡ。パイロットはジェリド。

ガトーのディープストライカーが、いくつかのブロックに分けてなお、スペースを取りすぎたので、搭載数は制限されていた。

ダリルのリバース・P・デバイス搭載のゼク・アインとイオのフルバーニアンも預かっていたが、いまは迎撃に出てしまっている。

しかし……

 

当初の連絡では、旧型含め50機を超える大部隊だったはずだ。

それをここまで削れるとは。

 

ダリルたちやヤザン隊は奮戦したに違いない。

 

ゼク・アインは、アレキサンドリアの弾幕を避けて散開した。

発射されたミサイルが、左舷に着弾。大きく船体を揺らす。

 

「左舷スラスター出力30%ダウン!

負傷者が出ています。」

 

アレキサンドリアの機銃は、なんどかゼク・アインをとらえているはずだが、目立った損傷はない。

戦艦の主砲が当たれば、一撃で粉砕できるのだろうが、さすがに主砲の射線軸に飛び込んでくるマヌケはいなかった。

 

「ジェリド機は後退。このまま、後方のソドンの防衛に回れ。」

 

「なにを言ってる!」

 

ゼク・アインの放つビームを掻い潜りながら、ジェリドは叫んだ。

 

「たとえ、一機でも直衞がいなければ、アレキサンドリアがもたない!」

 

ゼク・アインのミサイルがマークⅡを直撃。

爆炎の中に沈んだ機体は次の瞬間、その中から躍り出た。

盾を失っているが、まだ健在。

 

そのまま、距離をつめて、ゼク・アインに切りかかる。

 

「いても大差ない。」

ガディ・キンゼーは呟いた。

ソドンには、アルビオンから発進したバーニング隊のゲルググが着いている。

あとは、あの白い悪魔の駆るガンダムもどき、新型のジークアクス。それにレイダーもいるはずだ。

ここで少しでもニューディサイズ部隊の数を減らしておけば、充分対抗出来る数になる。

 

またも激しい衝撃。

 

「ビームが直撃しました……主砲、作動不能。モビルスーツ発着デッキ損傷。」

 

「もたせろ! まだ沈むな!」

 

-----------

 

ソドン艦長ラシットは、相変わらず指揮官席に座ってくれない国家元首を振り返った。

 

「アルテイシア様。そろそろレイダーにお移りください。」

 

「あなたがそう勧めてくれるなんて意外だわ。」

アルテイシア・ソム・エドワウ・ダイクンはそう言いながら立ち上がる。

もう、パイロットスーツは着用済みだ。

 

「強化人間たち、ヤザン。ダリルたち。

それぞれ一定数の敵を引き付け、足止めしています。」

ラシットは淡々と報告した。

「現在、前方のアレキサンドリアに対し、ゼク・アイン20機が交戦中。そう長い時間はもたないと思われます。

アルテイシア様はここを脱出し、後方のアルビオンに。そのまま戦場からお逃げ下さい。」

 

「逃げる?」

 

「アレキサンドリアが抜かれれば、新鋭モビルスーツの攻撃に晒されます。いくらアムロくんたちが優秀なパイロットでもキリがありません。

逃げるという言葉がお嫌なら、戦略的転進です。」

 

アルテイシアは、腰に手をあてて、笑う。

 

「わたしの命令は逆です。

ソドンは前進。アレキサンドリアと合流し、敵の本隊を叩きます。」

 

「たかが、一介のクラバのパイロットが軍の進退をどうするおつもりですか?」

 

うーん、そう来るか。困ったわね。

と言うように、アルテイシアは眉間に皺を寄せた。

そうだ、戦術的判断で困った時は……

 

「アムロ、聞こえて?」

 

いつもはすぐに応答があるのだが、数秒間があった。

 

「姫様!」

聞こえてきたのは、マチュの声だった。

「アムロの様子がおかしい!」

 

「い、いや、大丈夫ですよ。」

追いかけるようにアムロの声がきこえたが、だがその声にはどこか、アルテイシアを不安にさせる物があった。

「ソムさん……ガンダムを発進させてくれませんか?」

 

「かまわないわ、アムロ。アレキサンドリアの応援に行くのね。」

 

「い、いえ。そうではなくて。」

アムロは自分の感じている「なにか」をどう表現したらいいのか、困っているようだった。

「なにかが、ソドンを狙っているのです。」

 

「だからそれはニューデイサイズの部隊ではなくって? 」

 

「そうじゃなくて。いえ、そうなのかもしれないけど、もっと歪んで禍々しいものです。

戦うこと、破壊を振りまくことを楽しい遊びとしか感じないなにかが、ソドンをじっと見つめているような気がするんです。」

 

「出撃するなら、一緒よ?」

アルテイシアは言った。

「わたしたちはM.A.V.なんだから。」

 

「その件はまたこんど……」

アムロの目は宇宙の暗闇を見透かすように細められた。

「ガンダムをカタパルトデッキへ移動させます。たぶん……敵を発見してからだと手遅れになる。」

 

「わかったわ。ガンダムをカタパルトへ。

発進準備、よろしくて、アムロ?」

「了解です。セイラさ……ソムさん。」

 

オペレーター役をとられたコモリは不思議そうにアルテイシアを見つめた。

なぜか、アムロもアルテイシアもこんなやりとりを何度もしたことがあったような気がする。

 

「アムロ、行きます!」

グン。

と、ガンダムが加速する。

 

その瞬間。

チリリ。

軽い痛みのようなものが、アムロのこめかみを走った。

 

 

「上……?」

アムロは固く唇を噛んだ。

「邪気が来たか!」

 

 

 

 

 

 




ゼク・ツヴァイ対ガンダム!!
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