第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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いくたの運命が引き寄せ、また引き裂いた運命の女性たち。
ネオ香港での彼女達の邂逅は、世界をどう変えていくのだろうか。
しばらくまた、会話パートかな。








GQuuuuuuX season2 第2話 ジオン襲来~公王と黒薔薇

「武器なし」の特別ルールによるクランバトルの試みは、興行的には成功したと言ってもよい。

 

観戦やライブ配信の売れ行きも好調だ。

 

賭けのほうは若干、低調だったが、これは「武器なし」クランバトルが、はたして「賭け金」を投じるに値する見世物なのかどうか、観客がいったん保留した……という程度にすぎないだろう。

 

と、まあそんな風にデニムとジーンは、クワトロに報告した。 

 

「細かなルールの追加が必要になるな。」

クワトロは、立ち上がりながら言った。

 

「ルール……ですか?」

 

「そうだ。最初から腕部がクローアームになっているズゴックなどの扱いをどうするか。

あと、これほどの技量をもつパイロットは、そうそう確保できない。

ククルス・ドアン氏に見舞金を。

ハヤト・コバヤシには、ボーナスと、ネオ香港への移籍を勧誘してみてくれ。」

 

「ハヤト・コバヤシのクランは、機体はあの一機のみの弱小クランです。

たぶん、否応なく、うちに勧誘できますよ。」

 

デニムはもう少し打ち合わせをしたかったのだが、クワトロ・バジーナには次の予定が入っている。

 

希少資源の輸出を巡り、連邦とジオン。

そのジオン側の代表チームが、地球に降りて来ているのだ。

 

おそらく、会場のセッティングなどは、クワトロ・バジーナが行うことになるのだろう。

その配信収益だけでも膨大なものになるのは予想できたが……

 

すべては命あっての物種である。

これからの会見は、出場選手ではなく、興行主の命が賭けられる。

 

 

-----------

 

 

アルテイシア……いや、パイロットスーツ姿のままだから、ソム・エドワウと呼んだ方がいいのか。

 

スタジアムから、そのままレイダーで空港まで移動し、ソドン、グレイファントムと合流した彼女は、空港ラウンジに設置された貴賓室で寛いでいる。

 

窓の外には、ソドンとグレイファントムの姿がある。

 

もともと、ネオ香港空港はあくまで「空港」であり、宇宙用の艦船を収容できる「宙港」ではない。

だが、ソドン、アルビオンともにミノフスキークラフトを装備しているため、着地することなく、浮いていられるのだ。

 

ソム・エドワウの周りは、シャリア・ブル、エグザベ・オリベ、コモリ・ハーコートの三名が固めている。

 

彼女を守っている風であるが、実際にはこれから来る人物に対して、ソムが発砲、殴打、首絞めなどの行動に出たときにこれを止めるためである。

 

「遅い……のね。」

紅茶を嗜みながら、ソムは言った。

「あれは速いのをよく自慢していたのではなくて?

ほら……あの、通常の三倍とか何とか。」

 

「それは、周りが勝手に吹聴しただけで」

シャリア・ブルが穏やかに返した。

「彼の使っていた赤いザクの実際の加速は、ノーマル機の30パーセント増し、程度だったそうです。」

 

「……なんにしても、客人を待たせるとはずいぶんと失礼だと思います。」

 

僅かに眉間にしわを寄せる。

 

シャリア・ブルは心の中でため息をついた。

完全に嫌がらせである. 

 

急遽到着すら連邦には、事前に告知していない。

まして、クランバトルの試合会場への乱入など。

 

そこまではまだいい。

彼女はVIPであり、特別な待遇は受けてしかるべきだ. 

 

だが、待たされたくないのなら……いや、ある程度、向こうも準備に時間がかかるのは当たり前なのだから、ソドンに戻って、パイロットスーツを着替えてからくればいいのだ。

それもせずに、ラウンジに直行して、相手が遅いとなじる。

 

おそらく、アルテイシアには特に嫌がらせをしているという意識はないはずだ。

無意識のうちに、息を吸うように嫌がらせをしている。

 

 

ドアがノックされた。

 

ソム・エドワウは腰のホルスターに手を伸ばした。

 

無意識の動作である。

彼女用のパイロットスーツには、携帯の銃器などは備え付けられていない。

 

「どうぞ。」

シャリア・ブルが言った。

 

ドアが開いて、赤毛の小柄な少女が顔を出した。

 

 

「マチュ!」

笑みを浮かべて、ソムは立ち上がった。

「さっきはずいぶん、活躍だったわね。」

 

マチュはなにか言い返そうとしたが、続いて入ってきたアムロが制した。

「や、やあ、ソムさん。」

 

 

 

「アムロ!! 元気そうね。

ジオン工科大学はいかが?」

「周りは、技術屋や退役軍人ばかりで、浮かなくてすんでます。」

 

アムロは少し疲れているように見えた。

たしか敬語を使うなと言った気もするが、周りをジオンの軍人が囲んでいるいまでは、普通に話しにくいのだろう。

 

とても昔のような気軽に呼んでくれたらいいのに!

いや……もともとサイド7にいたときでさえ、セイラ・マスはアムロにとって「近所の憧れのお姉さん」であったため、挨拶くらいは交わすが馴れ馴れしく会話が出来る関係ではなかった。

 

「マチュも」

 

「……なんとかやってます。」

 

「ニャアン?」

 

「崇められてます。」

 

一部よくわからないところがあったが、ソム・エドワウは、三人に座るようすすめた。

 

「これから、わたしは―――というかジオンは、クランバトルのことでここのクラバ責任者と合わなければならないの。」

ソムは言った。

「あらためて……そうね。明日のランチはとうかしら。」

 

「クワトロ大尉とお会いになるまえに」

アムロが緊張した面持ちで言った。

「紹介したいひとがいるんです……」

 

「まあ? だれか新しいお友だちなの?」

 

「いえ、まえからの知り合いなんですが、たぶんソムさんに紹介するのははじめてです……」

 

ドアが開いた。

 

現れたのは、二十歳を超えたくらいの美女だ。

貫頭衣のようなゆったりとした衣服を身につけ、黒い髪をお団子に結んでいる。

彼女は。

ゆっくりと唇の端を持ち上げた。

蠱惑の瞳。

 

ソムは立ち上がった。

 

「ココ・シャロン!!」

叫んでいた。

「ネオ香港にいたのね! 探していのよ、わたくし。アムロたちと知り合いだったのね?

……ねえ、アムロ。ココは初対面じゃないの。わたし、サイド6で彼女とMA.Vを組んでクランバトルに出たことがあるの……」

 

「そう聞いてるけど」

マチュが胸を張って言った。

「ララァ・スンとして会うのははじめてですよね?

このひとは、シャアさんの彼女のララァ・スン。」

 

ソムがなにか言う前に、シャリア・ブルがその肩に手を置いた。

 

「“シャロンの薔薇”のこの世界における現し身、です。」

シャリアは静かに言った。

「その彼女の恋人であることも含め、大佐には目下、『利用価値』の方が、上回る……と判断いたしました。」

 

「いましばらくは、泳がせろ、ということですか、シャリア・ブル准将。」

 

「彼が危険な人物であることは、いまも否定はいたしません。ですが、彼が暴挙に走るのは一定のルールがあるように感じました。」

 

「その条件を満たさなければ……ということですか? それはどんな」

 

「まだ具体的には。ですが、アムロくんたちやララァ嬢がいる限り、大丈夫な気がいたします。」

 

 

 

 

 

 

 




忘れてましたが、地球圏に移動中のアクシズって、いまどこらへんなのかなあ。
もともとジオン「残党」が亡命してるわけでもないただの小惑星基地ですが、時間もあったし、変なモビルスーツを開発してくれてたらうれしいな、と思います。
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