第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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久しぶりに、GQuuuuuuXを見直してます。
あんなにキレイにたたんだアニメの続きをみたいなんて、やっぱり蛇足だよなあ。








GQuuuuuuX season2 第2話 ジオン襲来~対決

ソムは、ゆっくりと息を整えた。

視線の先――ココ・シャロン。

彼女が、そう認識しているニュータイプ。

 

ジオンからの再三の要請にも関わらず、ヘルムコングロマリットが頑として口を割ろうとしなかったクランバトルのパイロット。

 

なるほど。

アレが、この世界におけるシャロンの薔薇の現し身を庇護していると。

 

それが、ココ・シャロン。

いや。

ララァ・スン。

だと。

 

ソムの微かなため息は、心の動揺を隠すためのものだった。

 

イオマグヌッソの再建。

それが、人類から争いを無くし、飛躍的発展の鍵となる。

ジオン工科大学のさる教授からその話を聞かされたのは、最近である。

理屈としてはわからなくもない。

だが、仮に膨大な予算と歳月を掛けて、それを再建できたとして、起動の鍵となるシャロンの薔薇はもうないのだ。

 

それが。

目の前にいる。

 

たしかに厳密に言えば、ララァ・スンは「この世界」の人であり、シャロンの薔薇ではないのだろう。

だが、このタイミングで、ココ、いやララァと再会できたことに、運命を感じざるを得ない。

 

部屋の空気が、わずかに重くなる。

 

マチュが小さく首をかしげ、ニャアンは無意識に背筋を伸ばした。

理由は説明できない。だが、本能が理解している。

 

――ジオンの元首アルテイシア・ソム・エドワウ・ダイクンが感じているのは怒りでもない。

もっと深く沈んだなにか、だ。

 

「……ずいぶん探したのよ。」

 

ソムが先に口を開いた。

声音は穏やかだ。

だが、その瞳だけが笑っていない。

 

ララァは、ふわりと首を傾げた。

「わたしは、ヘルムコングロマリットに雇われの身ですから。

……きちんとご挨拶が遅れたことは、お詫びします。」

 

やわらかな声だった。

だが、ソムの眼光を真正面から受け止めて、逃げない。

 

ソムの眉が、ほんのわずかに動いた。

「そう。“ララァ・スン”としては――初めまして、になるのかしらね。

アレとはいつから一緒にいるの?」

 

「そう言えば、そう長くもありませんでしたね。イオマグヌッソ事変のあと、地球に降りた大佐が、わたしを難民キャンプで見つけてくれてからですから。」

 

「立ち入ったことを聞くようだけど、一緒に暮らしているの?」

 

アムロの喉がごくりと鳴る。

 

(まずい……)

 

理屈ではない。

ニュータイプの直感が、警鐘を鳴らしていた。

ララァは、困ったように微笑んだ。

 

「あなたは、とてもあの人に似ています。」

 

「わたしのどこが?」

声は静かだったが、その声を維持するのに、ソムはいままてで、最大の努力を払った。

 

それには答えずに、ララァは口元に手をやった。

「わたしは夢を見るのです。」

 

「夢?」

 

「そう。夢。

夢のなかで大佐は何度も何度も殺されます。どんな戦場を用意しても。どんな機体を用意しても。」

隣に座るアムロにほんの少し体を寄せる。

「この人に。」

ララァの瞳が、静かに細められる。

 

「アムロに!?」

 

ララァがなにを言い出したのか理解できない。

だが、それは単なる「夢」ではないのだろう。

 

ソムは小さく頷いた。

 

怒りも驚きも見せない。

むしろ、なにか計算を終えた政治家のような顔だ。

 

「夢の話は、あとでゆっくり聞かせてもらうわ。」

 

そう言うと、紅茶のカップを静かにテーブルへ戻す。

 

カチャ、と小さな音がした。

 

その音を合図にしたかのように、部屋の空気が張り詰めた。

 

シャリア・ブルは気づいている。

 

――ああ、これは始まる。

 

元首の交渉だ。

 

ソムはララァをまっすぐ見つめた。

 

「ララァ・スン。」

 

穏やかな声だった。

だが、その声には一切の迷いがない。

 

「あなたをスカウトしたい。」

 

マチュが「え?」と小さく声を漏らした。

 

ニャアンも思わず目を見開く。

 

アムロだけが、「そう来たか……」

と嫌な予感に背筋を強張らせていた。

 

ソムは続ける。

 

「ジオンに来なさい。」

 

ララァは、瞬きを一つした。

 

驚いた様子はない。

ただ、少しだけ首を傾げた。

 

「……わたしを?」

 

「ええ。」

ソムは頷く。

「あなたの力は、クランバトルの見世物に使われるようなものではない。」

 

その言葉には、わずかな棘があった。

 

クランバトルのオーナーをしている兄への皮肉である。

 

シャリア・ブルは、内心で苦笑する。

 

――容赦がない。

 

ソムは続けた。

 

「あなたはニュータイプ。

しかも……ただのニュータイプではない。宇宙にただひとりの存在です。」

 

ララァの瞳が、わずかに細くなる。

 

ソムはゆっくりと言った。

「世界の壁を越え、刻をみることができる存在。」

 

部屋の空気が、さらに重くなった。

マチュは、くちゃと顔をしかめた。

 

「ララァさんもわたしも姫さんも、誰だって宇宙にただひとりの存在だよ?」

マチュの言葉の棘は、ソムのものより遥かに鋭い。

「クランバトルから引き抜いて、こんどは政治の道具に使うのかな?」

 

ソムの後ろに控えたエグザベとコモリの顔色が変わった。

シャリア・ブルは、2人を制した。

 

ララァは、しばらく黙っていた。

 

やがて、ふっと微笑む。

 

「……あなたは、やはり大佐によく似ています。」

 

ソムの眉が、ほんのわずか動いた。

「どういう意味かしら。」

 

「意志のままに世界を動かそうとするところです。」

ララァは静かに言った。

「大佐も、同じ目をしていました。」

 

その言葉に、ソムは一瞬だけ視線を落とした。

 

ほんの一瞬。

 

だが、それをシャリア・ブルは見逃さない。

 

――兄の影。

 

ソムはすぐに顔を上げた。

 

「答えは?」

 

ララァは、少しだけ考えるように視線を泳がせた。

 

そして――

 

隣のアムロを見る。

 

アムロは、ぎこちなく肩をすくめた。

 

「ぼ、ぼくに聞かれても……でも、おそらくはララァの思う通りにするのがいいと思う。」

 

ララァはくすっと笑う。

 

それから、ソムに向き直った。

 

「大丈夫ですよ。」

柔らかい声だった。

「わたしとアムロがいる限り、あなたの心配するようなことは起きません。」

 

ソムの肘掛をつかむ指に力が入る。

 

「なぜそう言い切れるの?」

 

「わたしは、この世界を見つけました。」

ララァは歌うように言った。

「わたしも大佐もアムロも死んでいない世界です。わたしはこの世界が大事です……ほかのなによりも。」

 

「わからない!」

ソムは不快そうに言った。

「それは“夢”の話でしょう!?」

 

「そう……この世界もまた夢かもしれない。」

 

その声は、先ほどまでよりも低かった。

 

「あなたが望むなら――」

ほんのわずか間を置く。

「ジオンは、世界のすべてを用意できる。」

 

「ひとの用意出来るものなどは、しょせんその程度のものだ。」

 

沈黙。

 

ノックはなかった。

ドアをあけて、部屋に入る。

 

―――ただ、それだけの動作で、その男は、部屋の全員の視線を集めていた。

 

「未来とは“可能性”だ。

ひとはそのすべてを用意することはできない。

たしかに、ジオンはいまの覇権国家ではあるがそれだけのものだ。

ひとの革新と可能性をつぶすことは出来ない。」

 

「兄上も……意外と甘いようで」

 

「冗談はよせ。」

 

ソムは、決められた合図を、エグザベとコモリに送った。目の前の人物を排除するようにという命令だったが、ふたりは完全に無視した。

 

気まずい沈黙が流れた。

 

その沈黙を破ったのシャリア・ブルだった。

 

「……世界のすべて、ですか。」

その瞳は、木星宙域の深淵を映したよう。

ひたすらに静かで深かった。

「おそらくはクワトロ氏のおっしゃることが正しいのでしょう。」

 

「シャリア・ブル准将!!」

 

「ララァ殿の勧誘は、あらためてゆっくりいたしましょう。

それよりも我々は目の前に差し迫ったことを片付けるといたしましょう。」

 

シャリア・ブルは、クワトロを席に座るよう案内した。

 

「……ニュースなどで。ご存知だとは思いますが、ジオンは希少資源の輸入権を巡って連邦とクランバトルを行います。

こちらの代表は、『謎のテストパイロット、ソム・エドワウ』。

ただし、まだM.A.Vが未定です。」

 

アムロとララァは顔を見合わせた。

 

「わたしとしては、それをアムロくんか、ララァさん。どちらかにお願いしたい。」

 

 

 

 

 

 

 

 




地上でクラバというのとになると、やっぱりビーム兵器なしかなあ。
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