第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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お色気回です。







GQuuuuuuX season2 第2話 ジオン襲来~錯綜する思い

一旦返事は保留にさせてもらったが、これは断るしかない、とアムロは決めていた。

たぶん、ものすごく名誉なことなのだろう。

ジオン公国のアルテイシア・ソム・エドワウ・ダイクンのM.A.Vに選ばれるのだから。

 

しかし、この試合。

勝っても負けても恨まれる。

アムロとしては、わざと負ける気などはまったく無かったから、そうすると連邦から目をつけられることになる。

彼はいま、やっと念願の大学に通い始めた。ネオ香港に腰を落ち着けたところなので、これは願い下げだった。

 

「てっん、パー!」

へんな抑揚をつけて、マチュが試着室からアムロを呼ぶ。

 

「あ、ああ」

 

さっきからマチュとニャアンが交替で、アムロを呼ぶのだ。

 

……別にぼくに服のセンスなんてないのになあ。

ぼやきながら、アムロは試着室に向かう。

こんどは、オーバーサイズのシャツだ。

わざと経年劣化したような加工を施していて、生地はかなり薄く、くたっとしていた。

 

小柄なマチュをアムロは、上から覗き込むような姿勢になる。

胸元のボタンをいくつか外しているので、胸の谷間や下着まで見えてしまっている。

 

大人の余裕でゆっくり目を逸らしながら

「……ま、いいんじゃないかな。」

と、ブティックの照明を見上げた。

 

 

「天パさーんっ?」

こんどはニャアンである。

一緒に買い物に来てるだから、一緒に買い物をすればいいと思うのだが、ニャアンはニャアンでブティックの別のコーナーで試着をしている。

 

行ってみて、アムロは頭を抱えた。

 

下着のコーナーである。

 

このブティックでは、ジェンダーレスの商品構成をとっていて、アムロが愛用しているようなトランクスも置いているので、そこに「いる」こと自体は場違いではないのだが……

 

ニャアンは、恥ずかしげもなく……ではなくて、ちょっと頬を赤らめている。

だったら見せるな!とアムロは思うのであるが、ニャアンはアムロの手を取って、試着室のなかにアムロを引き込んだ。

 

うわあああっ!

 

アムロは心の中で叫んだ。

ここはけっこう高級なブランドブティックで、試着室のなかはかなりひろい。

だから別に密着するほどではないのだが、下着姿の女性と個室にいることにはまったく免疫のないアムロである。

 

「……天パさんには、マチュが合っていると思います。」

とにかく、戦場で血の匂いを嗅がない時の、ニャアンはわりとおどおどしていることが多い。

クランバトル界にその名を轟かす「白い悪魔」と「病み猫神」は互いを互いにびびり散らかしながら対峙する!!

 

「あ……、そ、そうかな。」

 

「マチュと、その将来は一緒になるといいと思います。」

 

「あ、あ、あのうん、わかった。でもそれは試着室でする話ではないからっ!」

 

「もしそのときにも、わたしとも仲よくしてください。」

 

なにを言っているのか。

常人にはとてもわからないと思うが、アムロにはなんとなく理解できた。

ニャアンは―――マチュを信頼している。悪く言ってしまえば依存している、

ひょっとしたら、以前、マチュとニャアン、タイプは正反対だがなかなかの美少女たちは、だれか男性をめぐって険悪になったことがあるのかもしれない。

 

二度とそんなことにならないように。

 

引き続き、三人でも仲良くしてね!

 

これはそういう意味の言葉だった。

……よく、理解できたな……とアムロは自分で自分を褒めた。

この洞察力……ひょっとすると!

 

彼が自分を「ニュータイプではないか」と思い始めたのはこのときである。

 

しかしながらそれは、試着室でする話ではない。そして、そういう「仲の良さ」はもうそれだけで、いろいろと問題なのだ。

 

現に―――

 

試着室のカーテンが開いた。

例のオーバーサイズシャツのマチュが、腰に手を当てて仁王立ちである。

 

「ちょっと! なにやってんの!!」

 

「お願いごと」

 

「はあ?」

 

マチュはそのまま、試着室に入り込んできた。

ためらわずに、シャツのボタンに手をかけると。

勢いよく脱ぎ捨てた。

 

ニャアンが下着になると、マチュも脱ぎたがる―――サイド6のニュータイプには、そんな風習でもあるのだろうか。

 

「ち、ちょっと、なにが!」

「それはこっちのセリフで」

「天パさんと仲良くなれるようお願いしてただけ」

「あんた、それって!」

 

もちろん二分後、一行はブティックから追い出された。

 

「なにをやってるんだか!」

 

 

 

---------------

 

 

 

クワトロは、アルテイシアのために、ネオ香港の最高級ホテルのワンフロアの貸し切りを手配しようとしたが、彼女は断った。

防犯に不十分、というがその理由だった。

 

ジオン元首の地上への来訪は。戦後はじめてである。

そして、今回は公式な訪問ではない。

 

ソドンとグレイファントムで降下したものの名簿にはアルテイシアの名前はなく、ただ折衝の席に、ジオンを代表するクランバトルのパイロット、ソム・エドワウが参加する、とだけある。折衝ごとの責任者は、ジオン公王府シャリア・ブル准将が行う。

 

「ハヤト・コバヤシはよいパイロットでしょう?」

空港から市街地へのシャトルカーのなかで、ララァはそう言って、クワトロ・バジーナに笑って見せた。

 

「……ああ。」

クワトロはあまり楽しそうではない。

彼の妹との会見は、限りなく彼を消耗させるのだった。

「……ハヤト君は、ぜひ、ネオ香港のクラバに欲しい人材だ。いまデニムに交渉させている。」

 

「それはよかつた。」

 

ララァの笑みはときに謎めいていて、クワトロはそれをあまり好まない自分に気がついている。

まるで、その掌のうえで転がされているような気分になるのだ。

そんなときに考えてはいけないのだが、考えてしまう。

 

ララァが、「カバスの館」と呼ぼれる高級士官用の娼館にいたことを。

 

「どうされるおつもりですか?」

ララァは尋ねた。

 

「場所と日時の設定……いやその前に、ルールを決めねばな。

ジオンの元首に万が一のことがあってはならない。かといって、今回ハヤト君たちがやったようの武器なしのクランバトルではダメージは、パイロットに蓄積される。」

 

「ヘルムコングロマリットのモビルスーツのコクピットの安全性は、かなり優れたものです。」

 

「そのようだな。至近距離の爆発やビームの直撃にも耐えると、カタログスペックにはあった。だが、あくまでもそれは安全性が『高い』というだけだ。」

クワトロは考え込んだ。

「……連邦との折衝は、まだしばらくかかるだろう。

連邦政府としても、やりにくいはずだ。

ソム・エドワウがアルテイシア・ソム・ダイクン自身であるということは、もう情報部は掴んでいるだろう。

あくまで試合とはいえ、クランバトルでジオンの国家元首にもしものことがあれば…」

 

それから急に気がついたように、ララァに言った。

 

「ララァをM.A.V.にするという話はわたしから、断っておく。」

「なぜですか?」

「ララァは戦いをするひとではないからだ。」

 

ララァは少し考えた。

夢の中で。いやカンチャナの書いた架空戦記のなかで読んだセリフだった。

その架空戦記のなかでは、ララァはア・バオア・クーの決戦前に、アムロのガンダムによって命を落とす。

そして、ア・バオア・クーで対峙したシャアに、アムロが言ったセリフだ。

 

「あなたが、それを言うのですね?」

楽しそうに、ララァは言った。

 

「もちろんだ!」

大佐は力強く言った。

「ニュータイプは戦いの道具ではない。」

 

「……でも……」

ララァは首を傾げて、愛しい男を見やった。

「わたしはあなたが、戦場に飛んでいってしまうのが怖いのです。

ならばせめて同じところに身を置きます。そのためにわたしはクランバトルのパイロットになりました。」

 

「わたしが詫びるべきなのだろうがな。」

クワトロは、ややそっけなく言った。

「せめて相談して欲しかった。

すでにヘルムコングロマリットや、ジオンでは、ララァ・スンがあまりにも強大なニュータイプであるということが、知られてしまっている。」

 

「それはいつかどこかでわかってしまうことです。」

ララァはつぶやいた。

外の景色はそろそろ暗くなっている。

市街地のネオンや3D広告が鮮やかさを増す時刻だ。

「街が光に埋もれていくわ……」

 

「面白い表現をするのだな、ララァは。」

 

「そうね。イルミネーションが美しければひとはイルミネーションに目をやるわ。建物をわざわざ見ようとするひとはいないのよ。

たとえば、わたしが“シャロンの薔薇”に繋がる者であることで、わたしという個人が消滅してしまわないように。」

ララァはまっすぐにクワトロを見つめた。

「あなたとアムロだけは、きちんとわたしを見ていてね?」

 

 

---------------

 

 

 

「これはもともと強化人間用のモビルスーツだ。」

 

「わあってるよ、んなこたあ。」

ヤザンは乱暴に答えた。ヤザンとジェリドを迎えた研究員の態度は冷たく、二人を見やる視線は、猜疑心の固まりといったところだ。

だが、たぶんそうだろう、というのは、ヤザンも予測していた。

 

「可変機は、いままで君たちが使っていた機体とははっきり言って別物だ。

使いこなすことは、はっきり言って無理だ。

クランバトルに使うのなら、ハイザックをオススメする。いまのところ、連邦が提供できる、もっとも高性能で安定した機体だ。」

 

「可変機がいいんだよ。」

ヤザンは、部屋のモニターに映し出された機体を眺めながら言った。

両腕に巨大なバインダーを装備した機体は、見るからに精悍で、凶暴さすら感じさせるほどだ。

つまり―――ヤザンにはビッタリということになる。

 

「可変機を甘く見すぎだな、ヤザン大尉」

 

「そっちこそ、俺を甘く見すぎた。

この前まで、俺はハンブラビに乗ってたんでな。可変機ははじめてじゃねえんだよな。」

 

驚いたように研究員は、ヤザンを見返した。

 

「……本当か?」

 

「ペズンで、クラバをやってたんだよ、俺たちはな!」

ヤザンは意気揚々と言った。

「ハイザックはいい機体だ。そいつは認める。だが、ジオンは可変機の“レイダー”を出してくるぞ? ハイザックじゃあ、完全に力不足だ。」

 

「しかし、だな!」

研究員は、ヤザンを見直したようだが、なおも、言い張った。

「ギャプランは、まだ稼働テストも行ってないんだ。主にムーバブルフレームの再調整に手間取ってたせいなのだが。

これから、アーガマに送ってテストを始めるところだっのに……」

 

「おう、知ってるぜ。俺たちはいままで、アーガマにいたんだ。」

 

「……」

 

「どうせテストに送られれば、俺が乗ることになるんだ。試運転と実戦テスト。一回で終了できるんだ。悪い話じゃねえだろうが?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで書いてて、今回のクラバの参加メンバーすら決まらない!
アムロを出したら機体がないし!
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