第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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ドレン艦長率いるアルビオンは、サイサリスの奪回に失敗!
試作1号機ゼフィランサスまでもがデラーズ・フリートに奪われてしまう!
試作ガンダムを巡って暗躍するその黒幕の正体は!!

……という内容を会話だけですませました。
途中からシャリア・ブルのせいで会話にすらなくなりました、とさ。




第15話 重力の井戸~星の屑

「ドレン少佐のアルビオンが、リリー・マルレーンと接触したそうです。」

 

目の前の“困ったひと”の抹殺を諦めたのか一時保留にしたのかシャリア・ブルは、クワトロの前にケーキとコーヒーを置いた。

 

「アルビオン??」

「ソドン級の最新鋭艦ですよ。」

 

仮面の奥から知的な光をたたえた瞳がじっとクワトロを見ている。そんなことも知らないのか、と責められているような気がして、クワトロは言い訳するように言った。

 

「ジオン公国軍の最新情報にはくわしくなくてな。」

「そうですか。ならドレン少佐についても説明が必要ですね。」

「…そちらはいい。」

「なんともいい加減で中途半端な変装ですね。」

 

そういうおまえは、と言いかけて、咳払いしてクワトロは、言い直した。

「シャリア閣下のその仮面はどういうおつもりですか?」

 

「道化の仮面ですよ、大佐殿。」

「……」

「こんな姿の外交官や政務官がいたら、まともに相手をされると思いますか。」

「…まあ、相手は嫌がるだろうな。まず信用はされまい。」

「だから、表舞台にたつ気はないと。その決意表明のためですよ。

こうでもしないとランバ・ラル閣下から軍令部か閣僚の席を用意されそうなのですよ。

ちなみにこの任を仰せつかる際に、予備役に編入されています。」

 

クワトロはため息をついた。

 

「話を続けていただけますか、シャリア・ブル閣下。」

 

「トリントンとしては、もともとデラーズ・フリートに渡す予定だったゼフィランサスと、ガトー少佐が持ち出したサイサリスを交換してことを収めるつもりだったようです。」

 

「ジオン軍令部はそこまでデラーズ・フリートに弱腰なのか。」

クワトロは顔をしかめた。

 

「これ以上、軍を弱くしたくはない。

デラーズ・フリートとはこのままなんとか妥協点をみつけて、ジオン本国に戻ってもらうしかない、とこれは軍令部も行政府も同様の考えです。」

 

「新しい時代。人の革新。」

クワトロの唇が冷笑の形に歪んだ。

「生活圏がひろがっても人はそこまで変わらないものなのか。」

 

シャリア・ブルは、自分の分のコーヒーを持ってクワトロのまえに座った。

 

場所はトリントン基地の一角である。

佐官以上のサロンになっていて、使うものは少ない。

 

「シーマ少佐とガトー少佐は、ゼフィランサスの代わりにサイサリスを返還することを断りました。」

「なるほど。」

「ですが、ゼフィランサスはもともと受け取る予定のものだったので受け取りたい、と。」

「まるで、両方よこせ、と言っているように聞こえるぞ。」

「まあ、そうでしょうね。実際にそう言ったのですから。」

 

クワトロは、コツコツと指でテーブルを叩いた。

「で?

ドレンはそれにも従ったのか?」

 

「トリントンからあがったコウ・ウラキ少尉とキース少尉がゼフィランサスと軽キャノンで出撃し、サイサリスと交戦しました。」

 

「で? シーマの隊のゲルググは3機とも損傷しているはずだ。」

 

「ザクが一機と……ガトー少佐のサイサリスがいるので一応二対二ですね。」

 

「ザクか。」

クワトロは頷いた。コウもキースも。実際の腕前は見たことがなかったが、テストパイロットをしているのだから、技術はもっているはずだ。

ザクは軽キャノンに比べても型遅れだったし、サイサリスは射撃武器を頭部バルカンしかもたない。

実戦経験の差は大きいが、アルビオンが有利に思えた。

 

「いえ、まったく勝負にならなかったそうです。」

 

心をよんだシャリアがすらすらと言った。

 

「軽キャノンはともかく、ゼフィランサスは実際に戦闘をしているところを見ている。パイロットがニャアンではなかったにしろかなり有利に戦えたはずだ。」

 

「いえ。」

シャリアはコーヒーを一口のんだ。

「ゼフィランサスの機動性はもともと地上戦に特化しているそうです。

宇宙用にはバーニヤを全面改装しなければなりません。ろくに抵抗も出来ずにゼフィランサスは損傷。二対一になった時点でドレン艦長は戦闘を停止させました。」

 

「それで? ゼフィランサスも奪われた、ということか!」

 

「それだけではありません。

破損したゼフィランサスの修理とフルバーニヤンへの改装のために、トリントンの技術者ニナ・パープルトンの同行を求められドレンはこれを承諾したとのことです。」

 

フッ

と、クワトロは笑った。

 

「おかしい……ですか?」

 

「ああ。コウたちが交戦したのを除けばすべてが出来レースだよ。

ゼフィランサスを渡すことも。その改装のためにニナ・パープルトンがデラーズ・フリートに行くことも。」

 

「そ、それは。

まさか。ニナ・パープルトンさんが最初からガトー少佐と繋がっていたとでも言うのですか!?

サイサリスに実弾が装填された状態で置かれていたのも!」

 

「そうだ。わたしたちが追撃に使用したドムが模擬戦仕様のままだったのも、な。」

クワトロはコーヒーを飲んだ。苦い。

「わたしたちを殺させることまでは考えていなかったのだろう。むしろ模擬戦用ならばガトーも命まではとらないと思ったのかもしれない。一応は追撃をかけたとの面目はたつし、な。」

 

「ここから先をどう読みます?」

 

シャリア・ブルの瞳孔が開いている。まるで心のなかを見透かさせているようだった……いやようだったではない。

彼は相手の心の内を言語化出来るまでに明確に読み取ることが出来るのだ。

 

「……なるほどたしかにサイサリスの開発にも携わったニナさんがデラーズ・フリートにいれば、特殊バズーカやその砲弾、盾を作り直すための時間は大幅に短縮できるでしょうね。

こっそりデータを渡していれば、あとでいろいろ問題になりますが、ゼフィランサスの修理と改装のために出向した技術者が『たまたま』その知識をもっていたということなら、仕方がないでしょう。

しかし、その特殊砲弾をどう使います?

たとえ、ズムシティを壊滅させようが、そのような暴挙を働くものにマ・クベ中将が協力するとも思えない。」

 

シャリア・ブルの目が大きく見開かれた。

 

「……なるほど!

地球連邦軍の過激派と組んで、それぞれ宇宙と地上での実権を握るための出来レースを行う、と。

例えば、イオマグヌッソにかわる超破壊兵器として再びコロニー落としを敢行する……それを阻止するために集結したマ・クベ艦隊が動けばサイサリスの核バズーカを使用し一時的にこれを無力化する。コロニー落としそのものは、ティターンズが阻止してみせることで、ティターンズは地球連邦内での中心的な地位を占める。」

 

そこまでとうとうと語ったシャリアは、済まなそうに少しだけ頭を下げた。

 

「……すいません。」

 

いや、心を読むのもいいが少しはしゃべらせろ。

と、クワトロは思ったが、どうせそれも読まれていると思ったので、黙ってコーヒーを飲んだ。

 

実に苦かった。

 

 




あーテンポが悪い。なにしろアムロくんが大気圏突入してる途中ですよ。
だいたいマチュたちがトリントンの家財道具を実家に送ったりしてるから、なん日かソドンがトリントンに釘付けになり、みんなそこでなにしてるのかなーという描写をいれとこうと思ったらこんな話になりました。
もし、こんな流れでアニメが作られたらバッサリ全部カット回です。、
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