第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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一応、「おおっ」て驚いて欲しかったのですが、みなさまの感想を読むとけっこう予想されてたみたいで。お恥ずかしい限り。
一応、イゼルローンとガイエスブルクのオマージュだったりします。
ちなみにセイラさんのハンマーのあだ名が「トゥールハンマー」だったりします。












GQuuuuuuX season2 第6話 激突~宇宙(そら)の欠片

「Nフィールド。ビグ・ザム出現!

艦艇に偽装して、艦隊内部に潜んでいた様子です。」

アッテンボローは、口早に言った。

「対ビグ・ザム用の実弾仕様のモビルスーツ部隊の損耗率……68%!

クワトロ隊にだいぶ落とされました。」

 

戦局は変化しながらも、概ね、彼らの思う通りに推移していた。

とにかく、戦力は連邦軍があまりにも優位なのだ。個々の戦術的敗北はあっても、連邦軍は前進を続け、最終的にはア・バオア・クーを落とす。

 

それが。

クワトロ隊の突撃から一気に変化した。

 

「え……こ、これはS、E、Wフィールドのジオン艦隊が転進!

すべてが、Nフィールドに集結するようです。各艦隊に追撃を命じます。」

 

「だめだよ、アッテンボロー。」

ヤンは紅茶のカップを撫でるように回しながら、静かに言った。

「危ないから。それ以上ア・バオア・クーに近づいちゃダメだ。」

 

「いったい何を……」

 

よっこらしょ、と二十代半ばの若者には相応しくない声をあげて、ヤンは立ち上がった。

 

「そろそろ……気づいたってことなのかな。さすがは大戦の英雄シャリア・ブル閣下! いやそれより早く気づいて、退避路を確保しようと動いたクワトロ氏を褒めるべきなのかな。」

 

そのまま、指揮AIに話しかけた。

 

「SフィールドとEフィールドの連邦艦隊には撤収命令を。」

 

「了解しました、提督。」

AIが『生きて』いるのかどうかは諸説ある。

だが、ユーモアを解することができることについては異論があるものは少なかった。

「しかし、艦隊単位の運動プログラムですと、このミノフスキー粒子下では、細かな指示はいたしかねますが。」

 

「プログラム『ソロモンショック』を起動、それだけでいい。」

 

ソロモンという言葉に、アッテンボローは顔を上げた。

『補給基地として機能する』予定でア・バオア・クー空域にまで連れてきたソロモンは。

いまだに減速しながらも移動を続けている。

 

「ヤン! このままだと、ソロモンはSフィールドに突っ込んでしまいます。」

 

「アッテンボロー。」

ヤンは宥めるように言った。

「ソロモンはそのままでいい。」

 

 

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「ビグ・ザム前方に展開中の連邦軍モビルスーツ発見。これを排除する!」

グレーに塗装されたガルバルディのシン・マツナガはそう命じたが、部下はしごくあっさりと命令を拒否した。

 

「ありゃ、ホワイトベース隊のモビルスーツだろ? 俺とジェリドに任せて、先に行け。まだ別のモビルスーツが出てくるかもしれねえし、撤収のときにもおまえさんの力が必要だ。」

 

「ヤザン・ゲーブル殿……?」

 

ヤザンは自信たっぷりににやにや笑いを浮かべている。

内心、“ホワイトベース隊なら姫さんがいるだろう。おまえが落としちまうといろいろと面倒くさくならねえかな?”と思っているのだが、そんな説明はしてやらない。

 

「むこうは軽キャノン改と追加武装つきのガンダムタイプの2機。あとはザコだ。

敵にとっては不足はない。まあ、任せときな。」

 

そう言ってバーニヤをふかす。

 

ヤザンとジェリドのガルバルディは、一直線に、ビグ・ザム迎撃のためにあがったモビルスーツを迎え撃つ。

 

なにかが起こってやがる。

ヤザンは胸のなかにゾワゾワするものを感じていた。

 

「ジェリドぅ! おまえはあのパーフェクトガンダムってやつを任す!

俺は軽キャノン改をやる。」

 

「え? M.A.V.戦をやらないんですか?」

 

「ひさびさの姫さんとのランデヴーだぜ? ジャマすんなよ!」

 

 

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ガトーは、ビームライフルの三連射をなんとかかわした。

ガンダムは優秀な機体だ。

そして、パイロットはニュータイプ。

 

ガルバルディを無心すればよかったかもしれない。

あれならば、スぺック上はガンダムを凌ぐ。

だが、ガトーは大戦中に乗ったこともない機体に手を出すのはフェアでないように感じていた。

 

「もう! ジャマしないでよ!」

一般回線を通じて、マチュが話しかけてきた。

本当の戦場では有り得ないことなのだが。

ガトーは苦笑しながら返答した。

「それは違うな。連邦艦隊へ攻撃をしようとしているのは、わたしで、それをおまえがジャマしている。」

 

「そんな屁理屈……っ!」

 

「屁理屈ではないな。おまえの目的は艦隊防衛で、わたしの目的は艦隊攻撃だ。

こうして、おまえがわたしを引き付けて、艦隊を攻撃させないようにしているだけで、おまえの勝ちだ。」

 

ほえー

と、マチュは変な声を出した。

その発想はなかったのだろう。

これが「兵士」と「クランバトル選手」の差だ。

 

ガトーは戦いを心から楽しみながら、チラリと視界の隅にうつる小惑星に目をやった。

 

……ソロモン。近づきすぎでは?

 

 

 

 

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「アムロ……」

ララァの息が荒い。

全身が水でも被ったように汗で濡れていた。

ビットの微細な操作の連続が、頭痛となって、彼女を襲っている。

顔を歪めながら、相手を睨む。

 

ララァの心象世界のなかでは、アムロは15、6の少年の姿をしていた。

連邦軍のパイロット候補生の制服に身を包んでいる。

それは……ララァが『夢』でみた彼の姿でもあった。

 

ビットは。

すべて破壊されていた。

 

ガンダムはビームライフルと盾を失いながらまだ健在。

 

「あの……」

おずおずとアムロが話しかけた。

「今日はこれくらいってことで。」

 

「わたしは落とされてない! 大佐もよ! このまま勝ち逃げするの?」

 

「いや、だから引き分けでいいよ。」

 

ひ、ひきわけ!?

 

ふざけるなあっ!

 

と思いつつ、妙に納得するララァであった。

夢の中の世界―――独立戦争のころの彼には絶対に出てこない発想だった。

あのころ。

アムロは本当にこどもで。

わたしも大佐も若すぎた―――

 

 

ポン。

と、宥めるようにガンダムの手がとんがり帽子にふれた。

「ララァは、生き物でないものに意志を感じたことはあるかい?」

 

「そうね。モビルスーツと対峙したときのことかしら。」

 

「それは相手のパイロットの意思だろう。そうじゃなくて、例えば小惑星とか。」

 

「アムロ、勘弁して。

あんまり変なことを言うとニュータイプ全部が変なひとと思われるわ。」

 

アムロは指さした。

 

そこには目視できる大きさになったソロモンの姿があった。

 

「ああ……たしかになにか感じるわ。」

ララァは首を振った。

「殺意……悪意……とも違う。ただ、そうね、強いて言うなら『進みたい』って意志。」

 

「ララァ。クワトロ大尉は、気づいていたのかな。」

アムロはゆっくりと言った。

「ヤンさんは、ア・バオア・クーにソロモンを」

 

 

 

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シャリア・ブルはまだ笑っている。

怯えたときにも人は笑うのだ。

「まったく! 完全にやられたよ。

ヤン氏の目標は、最初からソロモンを」

 

 

 

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ゴップもまた笑っている。

美人秘書官は怯えたように、一歩だけゴップから遠ざかっていた。

 

「ヤン・リー! ヤン・リー! ヤン・リー!!

そうか、だから5年前、おまえはソロモンをグラナダに落とすことに反対したのだな!

ジオンの軍事設備とインフラをズタズタにして、五千万の一般市民を道連れにするよりも、もっといい使い道があるのだと!!

ジオンの宇宙における最終防衛ラインと戦略拠点を潰してしまうことを選んだのだ。

さすがは“奇術師”ミラクル・ヤンだ!」

 

 

 

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「これを予測していたのですか、大佐!」

ケリィがジオングに「触れ」ながら言った。

 

「どうだろうな。いや、わたしは予知能力者ではないし、正直なところヤンの戦略には完全に脱帽したよ。まあ、精々、いやな胸騒ぎがしたのでそれに従った……というところか。」

クワトロは、目の前の光景を見つめている。

 

 

ソロモンは。

 

ア・バオア・クーへの衝突コースへと入った。

 

 

「だが、まだだ……まだ終わらんよ!」

 

 

 

 

 




で、ここからは逆シャアのオマージュだったりします。
今度は小惑星をとめるのは、クワトロさんの番。
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