第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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キュベレイは全体的なデザインも、武装も、幼少期のハマーン自身の手によるものです。
こよなく、キュベレイを愛するハマーン。
閃光のファンネルミサイルが、ジェリドを追い詰める。






GQuuuuuuX season2 第9話 クランバトル!!~一瞬の勝者

「ファンネル残り4基。」

ゼロが繰り返した。

「ハマーンは、どうする。」

 

モニターの中で、ジェリドのギャプランが高度を下げていた。

 

機動は続けている。自由落下ではない。

だが、ファンネルの直撃を受け続けた機体は、動きが鈍くなっていた。

 

バーニヤの損傷か?

 

「実体剣でファンネルを切り払うのは限界がある。」

ゼロが言った。

 

「つまり——」

 

「剣のほうが持たない。」

 

ランバ・ラルは、前のめりのまま黙っていた。

 

キュベレイは高度を下げている。自ら飛翔できるわけではないキュベレイは、基本「落ちながら戦う」しかないのだ。

一定以上に高度が下がれば、それは『撃墜』されたと見なされるルールである。

 

そのキュベレイを救うように、潜り込む形で、レイダーが、その背にキュベレイを乗せる。

 

ジェリドのギャプランも変形して高度を稼ぐために上昇……

 

「来るぞ!」

モビルスーツ戦闘については必ずしもエキスパートではないはずのシェーンコップが呟いた。

 

 

 

 

--------- -------

 

 

 

 

ともに高度をかせぐための上昇。

 

いったん仕切り直し。

そう思った。思わせた瞬間にこそ、仕掛ける意味がある。

 

 

 

「ハマーン! ファンネルを!」

アルテイシアが命じた。

 

ハマーンは先ほど、レイダーの背から離れてファンネルを射出している。

つまり、

「ファンネルを発射するには、レイダーから離れなければならない」

そうジェリドに思い込ませたのだ。

 

だがハマーンは、レイダーに乗ったまま、ファンネルを射出してみせた。かなり難易度はあがる。射出角度を誤れば、レイダーに当ててしまうかもしれない。

だが、ハマーンはやってのけた。

 

残った4基のファンネルは、ミサイルとなってジェリドのギャプランに殺到する。

 

 

ジェリドは。

少なくともカンのいい彼は、この瞬間にハマーンたちが仕掛けてくることを予想していた。

飛行形態のまま、反転。

 

一直線にレイダーとキュベレイ目掛けて襲いかかる。

 

最大加速だ。ほとんど体当たりに近い。

 

ハマーンの反応が一瞬、遅れた。

脳波に誘導されるファンネルの動きもまた。

 

接近戦!!

 

ギャプランのヒート剣の一本は、ファンネルを薙ぎ払ったさいに折れている。

残りの一本を振りかざし、ジェリドは突進した。

 

レイダーは接近戦に強みを発揮するモビルスーツだ。だがキュベレイを背に乗せている限り、人型になれない。あの鉄球攻撃もクローも使用できないのだ。

 

「誘導ミサイルは余計だったがな!」

ジェリドは叫んだ。

「ここまで、ぜんぶ読み通りなんだよ!」

 

ハマーンの取り出した柄の両側から薙刀のように婉曲した刃が飛び出た。

 

「言葉は行動で実証しろ、俗物!」

反応速度も十分。ギミックとしてみた場合とジェリドの剣よりもリーチは上回っているはずだ。

だが。

 

噛み合ったヤイバの勢いに押され、体勢を崩したのはハマーンのほうだった。

 

“クっ! 最新機の出力差か?”

だがそんなものは、技量でカバーしてみせる。

 

ハマーンは鍔迫り合いをはずして、ギャプランに切り込む。相手は剣を持たぬほうの腕でガードした。

一応、シールドもついてはいたが、シールドごと深々と切り込む。装備された機銃も破壊した。

勝った―――

そう思った。

 

「ハマーン!」

アルテイシアが叫んだ。

 

ギャプランは。

 

「こいつも読んでたぜ。ジオンのお嬢様」

 

ギャプランの剣が、キュベレイの頭部を貫いていた。

そのまま、体当たりでもするように、キュベレイを押し込む。

レイダーの背を離れ、2機は宙に舞った。

 

“最初から腕を一本犠牲にするつもりで、特攻を”

ハマーンは痺れるような感覚で、落下していく。

“押されたのは……気迫にか!”

 

 

「よし! 一機撃破だ!」

ジェリドは叫ぶ。

 

「バカが……」

ヤザンが呟いた。

 

「あちゃー」

ポプランが目を被った。

 

ジェリドの目の前に。

 

人型に変形を終えたレイダーの姿があった。

すでに、その象徴的武器である“トールハンマー”を構えていた。

 

「滅殺!!」

 

 

-------------

 

 

 

 

マチュが。

ニャアンが。

ヤンが。

ユリアンが。

ララァとカンチャナとヴァーニが。

 

全員がアムロを見ている。

 

とにかくひとの出入りが多くなったので、アムロは広いリビングのある部屋をもうひとつ借りていたが、まあ、よかった。

 

視線の意味はわかる。

 

いまの一連の流れを解説しろ、という事らしい。

 

「……つまり、ジェリドもハマーンさんも高度を確保するために上昇を行った……んだけど、それはわざと隙をつくる意味で」

 

「お互いに?」

 

「そうだね。ここは読み合いだ。

ハマーンさんは、スキが出来たと思って不意をつく形で、ファンネル攻撃をしかけた。

レイダーに乗ったまま、ファンネルを射出したのははじめてだろ?

だから充分相手の意表をつけた、と判断したんだ。」

 

真剣にきいてるものもいるし、そうでないものもいる。

 

ニャアンとヴァーニは、まえにシュウジが持っていた箱型ロボットと一緒に餃子を作り始めている。

集まったものたちにあとでふるまうつもりらしい。

 

“なら、ニャアンの手料理を食べたがってたエグザベさんも呼んでやるかな?”

とアムロは思う。

 

「だが、ジェリドはそれをよんでいた。

いや正確には、どんな攻撃までは分からなくても、ハマーンさんが仕掛けてきた瞬間を狙って、接近戦を仕掛ける気だったんだ。」

 

「それってかなり危ないのでは?」

ララァが言った。

 

「レイダーは飛行形態のままだ。ハンマーは使えないし、機銃は進行方向をむいたまま。

キュベレイの腕の機銃は口径も小さいし、弾丸もほぼ撃ち尽くしてる。

危険はないわけじゃないけど、仕掛けのタイミングとしてはわるくない。

とにかく、レイダーが自由に人型に変形して戦えないうちに、一機を落としたかったんだ……」

 

「それって、ヘンだよ、天パ。」

マチュが言う。

 

「どこが変かな、マチュくん」

ヤンが笑みを含んで言った。

 

「レイダーが人型に変形しにくいのって、キュベレイがいるからだから!

キュベレイを落としてしまったから、レイダーは自由に動けて、」

マチュはいま、目の前で見たことを反芻した。

「……ああ、まさにそれが起こったのか!」

 

「こうなればいい、とソムさんが思ってたと、までは言わないよ。」

アムロは補足した。

「でも少なくとも、ソムさんはキュベレイが脱落した瞬間、その相手に大きなスキが出来るであろことは理解していた。

そして、ジェリドは、ソムさんの予想の範疇で動いてしまった。」

 

画面のなかをバラバラになったギャプランが落下していく。

コクピットは……たぶん無事であるが、なにしろハンマーで首から上を粉砕されている。

衝撃だけでもかなりのものだ。

 

「……ぼくがファンネルをミサイルに使うなんてへんなことを言ったから……」

ユリアンが肩を落とした。

 

「もし、だれかの責任にするなら、無理やりキュベレイでの参戦を可能にしてしまったぼくのせいだよ。」

アムロが慰めるように言った。

「モビルスーツそのものは汎用性の高い兵器だけどね。重力下での飛行による戦闘にはやっぱり向き不向きはあるんだよ。」

 

「じゃあ、さあ。天パがキュベレイに乗ったらどう戦うの?」

 

「そうだなあ」

アムロは腕組をして考え込んだ。

「モビルスーツは『まったく』飛べないわけじゃない。高高度からバーニアだけで、安全に着地できるくらいの推力はあるんだ。だから、なにか踏み台にできるものがあればそれを足がかりにして、ジャンプをくりかえせば一定時間、高度は稼げると思うんだ。」

 

「レイダーがいるじゃん?」

 

「レイダーだけをたよりにしてると、レイダーがモビルスーツに変形できないんだよ。

だから、相手のギャプランを足場にして」

 

アムロは全員がまた、自分を見つめているのに気がついた。

 

「……つまりは、アムロ。あなたが出場してればなんとかなったってことね?」

ララァの声は優しくて怖い。

 

 

咳払いをして、アムロは続けた。

 

「……たぶんだけど、キュベレイの早い段階での脱落と、そのときに出来るスキを狙っての一撃までは、ある程度考えていたと思うんだ。

その一撃をくらうのが。たぶんジェリドになることも。」

 

「―――つまりはここからが本番ってことだだね……と、ガンダムが、言ってる。」

マチュがよくわからない締め方をした。

 

 

 

 

 




出自の異なる登場人物たちが、出自の異なるモビルスーツで大乱戦!

ところでこれのオッズはどうなっているのでしょうか?
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