第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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戦いの筋道も書きながら考えてる感じですが、そういえば、この戦いどっちが勝つのがいいのだろうかってことを全然考えてないのに気が付きました。
途中「修羅の門」が隠し味にはいってます。









GQuuuuuuX season2 第9話 クランバトル~美姫と荒鷲

 

「派手にやられやがって!!」

ヤザンが呻いた。

「もともと、空中機動ができねえ、キュベレイとおまえじゃあ、比較になねぇんだよ!」

 

「注意しとけばよかったですかねえ……キュベレイを落とした瞬間に気をつけろって。」

ポプランが、レイダーの銃撃をかわしながら行った。

 

「そんなにいろいろ覚えられるはずがねえよ。みんながみんな、てめえみたいな天才じゃねえんだ。」

 

うおおっ!!

 

ポプランが叫んだ。

彼は後方に回り込みつつあるレイダーを牽制すべく、飛行形態から人型に変形をかけようとした。

その瞬間を、シャリア・ブルのスパルタニアンに突かれたのだ。

 

変形途中での急加速の禁止。

 

可変機を扱う際に、誰もが学ぶ第1条第1項に書かれた禁則事項を、シャリア・ブルはやすやすとやってのけた。

機体制御を完全に失いながらも、正確に放たれた銃撃。

 

油断してしたわけでもないポプラン機の腕のシールドを穿つ。

シールドとはいうが、ギャプランの場合、それは腕やそこにマウントされた機銃と一体化しており、シールドの破壊はイコール、腕と攻撃兵器の破損に繋がる。

 

「ヤバいな……」

ポプランはひとりごとのように言った。

「これが、ジオンのエース……“灰色の幽霊”かよ。ほんとに……怖くなってきたんで……」

ニヤとその唇が笑みの形をつくった。

「そろそろ、本気になっても……」

 

変形中の急加速。

 

機体への負担ばかりではない。

そんな機動を設定されていない機体は、完全に制御を失う。

かつて、月面のデモンストレーションバトルで、カミーユや強化人間たちが行った禁断の技を、シャリア・ブルははるかに洗練された形で使いこなしていた。

 

「ジオンの英雄。シャリア・ブル閣下。」

接近するレイダーを嘲笑うかのように、距離を稼ぎながら、ヤザンも笑った。

「可変機は初めてのはずだがな。変形中の高速機動までこなすのは、ニュータイプならでは、か。

たしかに、ニュータイプならではの先読みや空間把握能力はオレたちオールドタイプにはねえ……」

笑みがいっそう濃くなった。

「だがな―――その才能! その操縦技術だけでそれを上回れるやつもいる。

オレをビビらせたオリビエル・ポプラン!

その天才の底なしを見ろや!」

 

 

強いな―――

シャリア・ブルは呟いた。

変則機動からの射撃。

一回目は、腕を掠めたが、二回目は鮮やかに回避された。

 

“この動きも二回目は見切るのか”

 

パイロットのデータは取り寄せている。

元連邦軍パイロット。オリビエル・ポプラン。

モビルスーツを断固として拒み、戦闘機で戦い抜いたという変わり種だ。

生き残っただけでも、たいしたものなのに、彼は戦闘機のみの戦闘でザクやドムを落とし、エースの称号を手にしている。

 

ギャプランの機銃が、シャリア・ブルのスパルタニアンを掠めた。

飛行時間を除けば、段順な加速、旋回、そして攻撃力でもギャプランがスパルタニアンを上回っていた。

そして、兵器として重要な攻撃力。

 

スパルタニアンは、携行した機銃一門に対し、ギャプランは両腕に計二門の機銃を搭載している。

 

何のよりまずいのは、防備だ。

もともとが、練習機であるスパルタニアンの装甲材は最新のものではない。

 

彼の元上官はよく言っていた。

“当たらなければどうということはない”

 

だが、それは技量が圧倒的に上回っているから言えるセリフだ。

こちらが当てられるより、早くいかに当てるか。

そこは刹那の世界なかでのせめぎ合いであり、危険を省みずに踏み込むことを恐れる者には、勝利は決して輝かないのだ。

 

 

「ヤザン・ゲーブル!!」

 

急接近するレイダー。

 

モビルスーツ形態をとったヤザンは、ヒート剣を抜き放つ。

ハンマーを掻い潜って、首をはねる!

 

惚れた相手にでもそうして「倒す」ためのシミュレートをしてしまうヤザンは、骨の髄まで戦士なのだろう。

だが、愛する姫君もまた。

 

レイダーは航空機形態のまま、突進してきた。

 

体当たりか!

いや、わずかに角度をかえて、ヤザンの脇を駆け抜ける。

バキッ!

 

腕のシールドを機銃ごと持っていかれた。

 

レイダーのクローアームに引っ掛けられたのだ、

 

「クソっが!」

 

レイダーが反転して再び襲いかかる。

すれ違いざまにクローアームに引っ掛けられないために、距離をとるヤザンだが、その距離は。

 

レイダーが人型に変形する。

濃紺と黒の禍々しい機体。

 

「撃滅!!」

 

トールハンマーが、ギャプランの腕を粉砕した。

 

すでに先程、クローアームに引っ掛けられてシールドと武装を失った腕だ。

だが、片腕とはいえ、完全に粉砕されてしまうことは、ギャプランにとってはあることを意味している。

 

―――飛行機形態に戻れない。

 

宇宙空間なら、致命的な問題ではない。

だが、大気圏内、地球の重力下においては。

 

それはもはやギャプランが、飛行ができなくなった事を意味する。

 

「終わりだ、ヤザン―――」

 

ぐわしゃ。

 

レイダーの顔面を、ヤザンのギャプランが踏みつけた。

そこを足場に、上空に舞い上がる。

 

「てめえが、先におちろ! ソム・エドワウ!」

 

いきなりの、踏みつけ攻撃は予想外だったのだろう。

 

レイダーは大きくバランスを崩した。

 

そこにヤザンは容赦なく、銃弾を浴びせる。

レイダーの素体であるヘルマコングロマリットのコクピット周りの防備は万全だ。

 

もし、これが機銃ではなく、もともとギャプランが装備していたビームガンでも、うち抜けない。

 

ヤザンが狙ったのはバーニヤだ。

重力下の飛行が不可能になるだけ、バーニヤにダメージを与えられれば……

 

そして、それは成功したかに見えた。

 

「ヤザン!」

 

鎖付きの鉄球が、ギャプランの足に絡みついた。

 

火線が互いのモビルスーツを穿つ。

 

安全性を考慮され、威力を落とされた弾丸ではあるが、装甲が貫通され、モニターがブラックアウトしていく。

 

「ソム!」

 

「ヤザン!!」

 

2機のモビルスーツは、絡み合うように落下。

戦闘空域を越えた。

 

 

 

 

------------

 

 

 

 

「ランバ・ラル殿。」

酔いがまわったのか、マ・クベの表情が、少々怖い。

「あの二人は」

 

「さて。姫がグリーンノアに潜入したころからの付き合いなのは、存じておりますが個人的なことはなんとも」

ランバ・ラルは肩をすくめてみせた。

「婿入りともなれば、いろいろと意見はありますが、個人的な交際については、臣下が口をお出しするものでもありませんからな。」

 

 

 

------------

 

 

 

 

全員の視線が、自分に集まるのを感じたアムロは、またかと思いながら、いまの一連の戦闘について解説をはじめた。

 

「レイダーはもともと接近戦が得意な機体なんだ。

本気で接近されたら、今回のクラバで許可された火器では、撃破は難しい。

だから。ヤザンさんはギャプランで接近戦を受けて立つつもりで、剣による戦闘モードに切り替えた。

ところが、ソムさんはそれをよんでいて、レイダーを飛行形態のままで、突っ込ませた。

狙いはクローアームによるすれ違いざまの一撃だ。

これは功を奏した。

さらに反転してもう一度、追撃を仕掛けようとした。ヤザンさんはすれ違いざまのクローアーム攻撃を警戒して、中途半端に距離をとったんだけど……そこが、レイダーのハンマー攻撃には最適な距離だったんだ。ソムさんの読み勝ちだね。片腕を失ったギャプランはもう飛行形態になれないから、落下しかない……そこで」

 

 

「あの2人って、付き合ってたっけ?」

マチュが尋ねた。

 

は?

 

アムロは、周りを見回したが、全員がコクコクと頷いている。

ララァやユリアン……ヤンさんまでも!!

 

「もし、付き合ってんのなら、姫さんが、ちょいちょい天パを誘うのはとってもまずいのではないか―――ってガンダムが言っている。」

 

 

 

 

 




ニュータイプ対オールドタイプ
独立戦争の英雄対孤高の天才
はたして、勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか?
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