第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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誤字修正を指摘してくれる機能がとってもありがたい!皆さま、お世話になっております。

さて、連邦系モビルスーツが軽キャノンしかないGQ世界。ハイザックは試験的導入でまだ本格的に配備されておりません。少し絵的なバリエーションを付けたくて、軽キャノンの改修機を今回の戦闘で投入しております。
主に重力下の機動性を確保するために、肩のキャノン砲を排除、代わりにビームサーベルとビームガン、盾を装備しております……え、それってGMでは?
いえいえ、ジオンのゲルググの要素を取り入れた軽キャノン改修機です。





第15話 重力の井戸~ガンダム破壊命令

 

「テロリストはモビルスーツを保有している。」

バスクは、口早に命令を下した。

「ネオホンコンシティ南側の港湾施設内だ。抵抗の意思ありとして、これを速やかに撃破する。

交戦が長引けば市街地への被害が拡大する恐れがある。

大戦力で一気にこれを撃滅する必要がある。」

 

「最寄りの基地より、ドダイ付き軽キャノン、6機。あと10分で到着します。」

 

これで勝ったな。

バスクは思った。

合計12機のモビルスーツは通常艦隊単位で運用する数だ。

シャトル破壊に派遣したハイザックは、運悪く撃破されたが、戦いは数だ。

それこそ。キケロガやサイコガンダムでもない限り、相手にならない。

 

だが。

 

「ソドンからモビルスーツ、発進します!」

 

バスクは怒鳴った。

 

「どういうことだ! 説明させろ。」

 

ほどなく、再びソドンの艦長と名乗るジオンの佐官の顔がモニターに映った。

 

「テロリスト逮捕を妨害するつもりか、ジオン。」

 

「テロリストについては、さっきデータをもらっている。」

女艦長は淡々と答えた。

「髪の長い少女で、名前がドゥー・ムラサメだったな。だが昨日、ネオホンコンに着陸したパイロットはまったくの別人だ。」

 

「ばかな、そんなはずは……」

 

「我が艦のクルーが昨晩接触している。名前はアムロ・レイ。」

 

「偽名だろう! そんなものに誤魔化されるか――」

 

「ご存知ないかもしれんが、『白い悪魔』アムロ・レイの名はクランバトルの世界では有名でな。」

女艦長の口元に冷笑が浮かんだ。

「わざわざ、ネオホンコンのクラバ組織が鳴り物入りで招聘した選手だ。」

 

「し、しかし我々は実際に、衛星軌道上でモビルスーツ2機をあの白い出来損ないに撃破されて……」

 

「そもそもそこから、勘違いしていたのではないか?」

女艦長は首を傾げた。

「テロリストなど載っていないシャトルを撃墜しようとして『白い悪魔』に返り討ちにあったのが実状だろう。

連邦軍内部のことに口を挟むつもりはないが、教導隊に警察権などないはずだ。

ごっこ遊びはやめてとっとと帰投することをお勧めする。」

 

バスクは通信を切った。

バイロットに命じる。

 

「全機帰投する!」

 

「い、いえしかし! モビルスーツは出撃済みです。彼らを回収しなければ。」

 

「近くの海域に待機中の潜水艦隊にやらせる。」

 

不味いことがおこったとき。

現場にいないことがなにより優先される。

いなければあとでいくらでも言い訳はたつのだ。

バスクの処世術はその程度のものであったし、これまではそれでなんとかなっていた。

 

------------

 

アムロは、ソドンがモビルスーツを射出するのを見た。

まずい。

事情はともかく、これではジオンと連邦軍が再び戦端をひらいたことになってしまう。

 

幸いにもティターンズのモビルスーツは、こちらに気を取られていて、ソドンのモビルスーツに気がついたものはいないようだった。

 

そのまえに!

 

アムロはガンダムをジャンプさせた。

 

お、重い!

 

コロニー内では一定の高さまで飛べばそこからは重力は大幅に軽減されるものだ。

だがここでは。

 

アムロはさらにバーニヤをふかした。

 

落下してくる軽キャノンはかなり改修を受けている。

地上戦闘ではその動きをかなり鈍くしてしまう肩のビームキャノン砲は取り外され、代わりにビームサーベルがマウントされていた。ビームライフルを一回り小型にしたような射撃武器は手に持っている。

 

おそらくは、ジオンのゲルググを参考に改修を施した機体だった。

 

アムロはガンダムをさらに上昇させた。

ビームガンを下向きにうてば地上のどこかに被害が出る。

狙わせるのなら上空にその火線をむかせるしかない。

 

来る!

 

ビームはガンダムの脇腹を掠めるように、後方へ消えた。

 

怖い。

これは試合ではなくて本当の命のやり取りだ。

殺しても罪に問われるどころか、賞賛される。

 

「うわあああぁぁっ!!」

 

アムロは叫んだ。

軽キャノンのビームガンを持った腕を肩口から両断する。

先日は、さらにメインカメラのある頭部を潰して勝ったつもりになったのだが、同じ轍は踏まない。

反対の腕も。

両足も。

メインカメラも。

 

瞬時に切断された。

 

クランバトルの選手であるアムロにコクピットは攻撃しにくい。

だからといって。

 

コクピット以外を全部破壊するのはいかがなものだろう。

 

物見高いネオホンコンの市民。とくにクラバファンは、あるものは双眼鏡を使って直接に。あるものはドローンからの中継でこの様子を眺めていたが。

 

全員がちょっとひいていた。

 

両手両足を切断。メインカメラまで破壊して、放置する。

やられたパイロットはまるで、生きながら埋葬されたような恐怖を感じるだろう。

そこまでして己の強さを誇示したいのか。

 

あくま……

 

まさしく「白い悪魔」だ!!

 

 

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「いくよ! ジークアクス!」

片膝をついて座ったジークアクスの差し伸べた手を走って、マチュはコクピットに収まる。

 

来る!!

 

マチュは盾を上げた。軽キャノンのビームガンは、独立戦争時のビームライフルよりも威力自体は落としている。

その代わり、軽量で取り回しがよく、連射がきくのが特徴だ。

 

この数年で格段に進歩した対ビームコーティングを貫けるものではない。

 

初撃を散らしたあと、マチュは着地寸前の軽キャノンにダッシュした。

 

「ぅおりゃあぁっ」

 

抜きはなったビームサーベルは刃の形状を斧にかえた。

地面にふれる寸前の、軽キャノンの両足を切り飛ばす。

 

アムロほど、明確に判断しているわけではないが、マチュだってもし軽キャノンをこんなに市街地に近いところで爆発させてはまずいことくらいわかるのだ。

 

地面に転がった軽キャノンの頭を踏み潰しておくのも忘れない。

 

SNSは大盛り上がりした。

 

“な、なんなんだ、あいつ!!”

“あれはイズマコロニーで半年ばかりまえにデビューして連戦連勝してたモビルスーツだよ!”

“そ、そういえばこの前、CMで復帰するって……”

“パイロットは……『狂犬』マチュ、か!”

 

「白い悪魔」と「狂犬」の揃い踏みか!

クラバファンは歓声をあげた。

まさか。あのふたりがM.A.Vを組むとか!

それって無敵じゃん!!

 

アムロは空中機動で向きを変えながらさらに一機の軽キャノンを屠った。

 

無事に着地できたのは、三機のみ

いや、「狂犬」が信じられないような速さで近づいて、頭部から肩口まで両断したからあと二機だ。

 

そのとき。

 

増援部隊が到着した。

 

戦況を見てとった指揮官は、悪魔的な発想を行った。

猛威を振るう2機のモビルスーツと対峙するのに、ネオホンコンの市街地をバックにとったのだ。

 

こうすれば、もし白い悪魔とその増援が射撃を行えば、自動的にネオホンコンを破壊してしまう。

その間、こちらは好きなだけ相手に砲撃を浴びせられる。

 

だが。

 

モビルスーツはその巨体も相まって隠密行動には向かない。

だから見通しの良い場所での奇襲などありえないはずだ。

 

指揮官機の背後にぬぅと現れた機体の接近はだれも気が付かなかった。

 

それでも指揮官機はビームサーベルを抜いたのだ。

そして切りかかった。

 

いつの間にか背後に現れたザクは。

ゆっくりにすら見える動作で半歩、斜め後ろに下がった。

振り下ろすビームサーベルを持つ腕を掴み。そのまま引きずり倒した。

腕の関節が破壊される。

 

その身体を抱えたまま、ザクは残る片手でヒートホークを振りかざして。

振り下ろした。

赤熱したヒートホークの刃が、メインカメラを破壊した。

 

周りの機体がそのときやっと動いた。

 

肩のキャノン砲を残した機体はそれで。

ビームガンを持つものはビームガンで。

 

現れたザクを狙う。

たがその火線はザクの頭上を通り過ぎた。

 

身体を沈めながらダッシュしたザクは、軽キャノンをかち上げるように肩口から跳ね飛ばした。

飛ばされた軽キャノンは僚機を巻き込んで吹っ飛んだ。

 

「ああ……あ」

 

“ドアンだ! ククルス・ドアンの旦那だ!”

“さすがは隠れチャンプ!”

“野生のラスボス!!”

 

そのザクは、独立戦争から5年後の今、さまざまな改修を施された機体ではない。

ごく初期型の素のままのザクだ。

 

だがそれが後発機の軽キャノンを圧倒している。

 

ビームガンを構えた残った軽キャノンの腕を。

ガガガガガッガッ!

破壊したのは「白い悪魔」の頭部バルカンだった。たくみに位置を移動して流れ弾がホンコン市街地を直撃しない射角をとっている。

 

同時に。

「狂犬」が切り込んだ。

足を。腕を。頭部を。

次々に切断された軽キャノンが地面に転がる。

 

増援は瞬く間に制圧された。

 

残った軽キャノン2機は逃走に移った。

すでに彼らを運んできたガンペリーも増援機を輸送してきたドダイも撤収している。

帰還するには……海!

そこに撤収用の潜水艦が来るはずだった。

 

だが彼らが海辺まで移動したとき。

ザバアッ。

海が割れて異形のモビルスーツが現れた。

 

首のない丸い頭部はそのまま胴体に繋がっていた。両手は鋭い爪が生えている。

一応は両手両足をもった人型ではあるが、それは深海から現れた奇怪な甲殻類を思わせた。

それが鮮やかなピンクを基調に塗装されていたから、いっそう、そう感じられたのかもしれない。

 

異形のモビルスーツは、爪を開いて、ビームガンを四連射。

それは一機の軽キャノンの両手両足の関節を正確に貫いていた。

 

さらに。

かろうじて、もう一機が発射したビームガンを掻い潜ったそのモビルスーツは。

軽キャノンの頭部にクローを突き立てていた。

 

 

 

 

 




うーん。アムロとシャアが出会ってしまう……
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