第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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シミュレーションバトル。
コウの代わりにゼフィランサスに乗るアムロ。宇宙では制御のきかない機体に、シーマ(本人 )が迫る!!

ところで、別の二次創作を初めてしまいました。

魔法少女まどか☆マギカ 廻天の残響
https://syosetu.org/novel/429133/


雰囲気はなぜか本作に似てる……





GQuuuuuuXseason2 第19話 魔女の世紀

「サイコミュへの干渉、ですと?」

 

マ・クベが呟いた。

指先が青磁の壺を弾いた。

 

「本当ならば大変な事態だ。だが本当の話ですかな。信頼に値する情報元からでしょうか。」

 

「ザビ家の生き残りの御仁からです。」

ランバ・ラルは口ひげを捻りながら答えた。

 

マ・クベの眉がピクと動いた。

 

「……ニューヤーク?」

 

「ガルマ・エッシェンバッハ様からです。」

 

「彼はいま、ニューヤークの市会議員でしたね?」

 

「そうです。北米でも力のある名家であるエッシェンバッハ家のひとり娘の婿養子です。たんなる駆け出しの新米議員ではありません。」

 

「情報源として信頼には充分か……」

 

「もちろん! 怪しげな情報や噂話で、マ・クベ総司令官の貴重なお時間を奪う訳には行きませんからな。」

 

マ・クベは、脇で待機するウラガンに飲み物を用意するよう伝えた。

一礼して、ウラガンはマ・クベの執務室を出た。

 

要するに人払いだった。

 

あとで、マ・クベからウラガンに話すかもしれないが、いまはほかのものには知られたくない。

 

「で、具体的には。」

 

「ニューヤーク市警が、違法な小型モビルスーツの取引の場面に踏み込みました。、ギャングどもは取引用の小型モビルスーツを使って反撃。

それが……突然、酔っ払ったように制御を失った。」

 

「酔っ払ったように、ですか。」

 

マ・クベは首を傾げた。

 

「ええ。ニューヤーク市警の報告では、ギャングが持ち込んだのは、ニューヤーク市が市街戦用の小型のモビルスーツ、いわゆるパトレイブです。取引の現場を押さえられたギャングが、それに乗り込んで反撃してきた。ところが交戦中に、突然、機体が酩酊したようにふらつき、その場に崩れ落ちたと言うのです。」

 

「操縦系の故障では?

あるいは」

マ・クベの唇が冷笑の形をとる。

「本当にパイロットが酩酊していたとか?」

 

「当初はその可能性考えられたようです。ですが、現場にいたニューヤーク市警の刑事がが、サイコミュを通じた外部からの操縦系への干渉の可能性を指摘した。」

 

「サイコミュをつんでいた!?

地上市街地戦専用の玩具が?」

 

「運動性の向上という意味なら有り得なくはないですよ。」

やんわりとランバ・ラルは言った。

「サイコミュそのものは、もはや高価なパーツではない。むしろ問題はそれを使いこなせるニュータイプの素養をもつパイロットの確保でしょう。」

 

「パイロットはニュータイプだったのか?」

 

「強化人間……ではないか。というのが、ガルマ議員からの情報です。彼女自身がサイコミュ干渉による被害を受けていて、そのまま入院措置となったそうです。」

 

「どこの病院かな?」

場合によっては、非合法なやり方を使ってでも身柄の確保を、とマ・クベは思ったのだが

 

「ムラサメ研究所です。」

 

という答えに肩の力が抜けた。

ある意味、アンタッチャブルな場所である。

ジオン正規軍でさえ、手を出しにくいが、それは連邦軍も一緒だ。まして、そこらのギャング風情など。

 

 

「なるほど。しかし、問題はそれをどうやってやったか、だ。

もし機械的にそれが可能だとそすると、モビルスーツ戦におけるニュータイプの優位は失われる。

それはつまり、現在ジオンが用意しつつあるニュータイプ専用機を核とした部隊編成を根本から見直す必要がある、ということになる。」

マ・クベは、立ち上がった。

 

棚には、磁器が並べられている。

古代チャイナのものが多いが、ジャポンのものもある。

ほとんどがその製法すら喪われてしまった過去の遺物だ。

 

「さらに情報がほしい。ランバ・ラル殿。お願いできるか?」

 

「もちろんそのつもりです。」

ランバ・ラルは咳払いした。

「ちなみに、その逮捕劇に立ち会った刑事ですが、ひとりはモトコ・クサヤギ。元連邦軍特殊部隊上がりの元佐官です。

外からのサイコミュ制御系への干渉を言い出したのも彼女のようです。」

 

「ふむ? そちらの専門家なのか?」

 

「彼女は、過去の事故で身体の大半を失っています。いまの身体は義体。リバース・P・システムとサイコミュで駆動させているそうです。

なので、干渉波を自分自身で感じることが出来た、と。

ちなみに義体の開発者はゼロ・ムラサメです。」

 

「また……あいつ、か。」

マ・クベは顔をしかめた。彼は政治家であり、安定と安穏を望んでいる。ゼロ・ムラサメの所業はそれとは正反対の代物だった。

 

「もうひとりは、マクレーン警部補。」

 

マ・クベはゆっくりと、振り向いた。

驚愕と。

口元には笑みがうかんでいた。

 

「オデッサで、このコレクションを人質にとった“あの”マクレーンですか?」

 

「どうもそのようですよ。」

 

「そうか……軍を除隊になって警察官か。ありうるな。

警部補、か。」

楽しそうなのに、どこか残忍に見える笑みを浮かべたまま、マ・クベは言った。

「こちらでスカウトしてみるか、な?」

 

 

-------------

 

 

 

ネオ香港大学。

話題を呼んだフロドの「スターダストメモリー」を元にしたシミュレーションバトル。

その第二弾がいま始まろうとしている。

 

内容的にはやや、地味だ。

サイサリスの加藤大佐は今回は出場しない。

 

代わりに、ディラスフリートのガラル・ハウ隊が、宇宙にあがったアルビオンを攻撃する。

そのガラル・ハウを、モデルになったシーマ・ガラハウが演じるというのが話題になっている。

そして、体調不良のコウ・ウラキに代わって、ゼフィランサスに乗り込むのが―――

 

 

「浦木豪少尉。発信準備、よろしくて?」

 

「大丈夫です、セイ……あ、いえ」

 

「構わないわよ。たまたま追撃に宇宙に上がったアルビオンに、元連邦のパイロット、セイラ・マスがオペレーターとして乗っていてもなんにも不自然ではないわ。」

 

いや違うだろう。

と、アムロは思った。

そもそもここは、フロドの小説を舞台にしたシミュレーションである。彼女の小説に出てこないキャラを勝手に出す訳にはいかないのだ。

 

パイロットとして出演するのは諦めてもらったが、せめてオペレーターでも、と言い張られるとさすがにダメだとは誰も言えない。

なにしろ、彼女は覇権国家ジオン公国の国家元首なのだ。

 

「アムロ、いきま……いえ、浦木豪、ゼフィランサス、発進します。」

 

ペガサス級の強襲上陸艦に備えられたカタパルト付きの発進ハッチ。

ガクンと、シミュレーターコクピットが揺れる。

 

発進の勢いのまま、アルビオンが離れていくが、あまり離れても不味い。

こちらの敗北条件には、アルビオンの撃破も入っている。

 

「白い悪魔。」

バニング中尉の声だ。配信でも拾われてしまうので、ほんとうは浦木少尉と、呼ばなくてはいけないのだろうが。

 

「なんです、バニング“大尉”。」

 

作中ではサウス・バニング中尉は、ノース・バニング大尉になっている。

 

「だいたいの設定はきいている。おまえが落とされたら負け、だろう?」

 

「そうです。」

 

「俺もデータを見せてもらった。

その機体じゃ、宇宙での機動は無理だ。」

 

そうなのだ。

地上で無類の機動力を誇るゼフィランサスは、宇宙では姿勢制御すらままならない。

宇宙用には、バーニヤを換装した「フルバーニアン」にすることが必要だったが、“浦木豪”少尉はそれをしないまま、ゼフィランサスを出撃させてしまったと。そういう設定になっている。

 

「出来るだけ後方に下がれ。俺たちでなんとかする。」

 

「相手はガラル・ハウ艦隊。精鋭ですよ。

おまけにその―――本人がカラル・ハウ機に乗ってる。」

 

「俺たちは、演習中にシーマに落とされててな!」

バニングは闘志あふれる声で言った。

「やり返すチャンスを待ってたんだ。こんな舞台でやりあえる、とはな。」

 

そういえば、そんなこともあった。

 

当時、デラーズの旗下にあったシーマは、連邦の大気圏外のテストに、ちょっかいを入れまくっていた。

その犠牲になったのが、バニング小隊。

奇襲をかけられたせいもあってあえなく、全機撃墜されている。

 

それでパイロットの死亡ゼロ、というのはそれはそれですごいことなのでは、と思うアムロである。

 

「分かりました。ぼくも無理はしませんが、みなさんも!

とにかく一定時間、落とされなければこちらの勝ちになるんですから。」

 

「あとはシーマ機を落としても自動的にこちらの勝ちだったな!」

 

いや……それはキツすぎるのでは?

とアムロは思ったが、反論しにくい。

シーマとは実際にやり合ったことがある。

 

むこうの乗機は試作ガンダム4号機ガンダムガーベラだった。

高機動からビームマシンガンで弾幕を張ってくる。

アグレッシブな機動。正確な射撃。

実にやりにくい相手だった。

(シーマにとってはその弾幕の真ん中を潜り抜けてくるアムロに恐怖すらいだいたそうだったが)

 

とにかく、今回は違う。

 

ゼフィランサスは―――ほとんど動けない。

宇宙用にバーニヤを弄ることは、小説からの設定変更になるので許されない。

 

アムロに出来たのは―――

 

「アムロ! 突破された! 三機そっちに行っぞ。」

 

は、早すぎる。突破されるのが。

 

ザンジバル級機動巡洋艦リリーマルレーンの搭載機はゲルググM。海兵隊用に機動力を重視し、ビームライフルを90mmマシンガンに切り替えた機種である。

 

その火線が、ゼフィランサスに向かって伸びた。

 

 

 

--------------

 

 

 

「ヨルさんをシミュレーションバトルに出したんだって?」

ヤンの声に、わずかに咎めるような響きを感じて、フレデリカは首を竦めた。

「シミュレーターコクピットの振動や体感は、すべてオフにしてあります。

とんなものか体験してみたいと言うので……」

 

「実際の戦闘に参加するわけじゃないのか……それなら」

ヤンはまだ少し心配そうだった。

「まあ、アクシズ育ちなんだし、モビルスーツそのものは操縦したことはあると言っていたから……まあ」

 

「ごめんなさい。相談もなしに。」

 

「いや。構わないよ。きちんと配慮もしてくれてるみたいだし。

でも機体は……?」

 

「実際に戦闘に加わるわけではないから、ヨルちゃんの希望通りにしたんだけど」

 

「まあ、それなら……」

ヤンは首をひねった。

「まあ、たしかに高性能のニュータイプ機ではあるんだけど。まだ設計図段階だったこれをどうして選んだんだろう?」

 

 

 

 

 

 

 




誰も待ち望んでいない!!
アムロvsワルプルギスの夜

「この……白い悪魔め!」
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