第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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会話ばっかり続いたのでちょっとアクション。
「第??話」なんてタイトルになってるのはほんとにアニメになったときを想定してふってます。おかげで、自分が書いてるのがほんとは何話だか分かりにくいこと!
誤字修正機能はほんとに助かっています。
皆さま、ありがとうございます。


第17話 黒いガンダム~荒鷲と美姫

迅えなあ。

 

ヤザン・ゲーブルは、コクピットで小さく口笛を吹いた。

彼の乗るのは、ハイザックだ。

ザクに似せたガワを被せただけで、実際には別物と言ってもよい。

 

ジオンが、連邦のガンダムを量産化したゲルググを正式に採用したように、連邦がザクを改造したモビルスーツを投入する。

 

なかなかおもしれぇが。

 

「こいつは面白くねえなあっ!!」

 

モニターには、ヤザンのハイザックの放ったビームライフルの光条が、「金色」に向かうのが見えた。

 

相手は楽々とそれをかわした。

 

「金色」……仮称「デルタガンダム」のかわし方。

そいつが気に入らなかった。

 

遮蔽物……デブリに身を隠すのではなく、不規則な機動によって狙いをつけにくくするのではなく。

 

『こちらが撃つ瞬間、狙った場所をあらかじめ予測したように』

避ける。

 

ソム•エドワズ。

 

ジオニックから来たというあの女パイロット。

 

「ニュータイプかよ、クソッタレが。」

 

ああ、クソッ。いい女だと思ったのに!

俺はもう金髪まで嫌いになりそうだぜ。

 

「金色」のビームが放たれた。

正確な射撃だ。

ジェリドと同じくらいの歳なのに、実戦慣れしてやがる。

 

当たれば、それはハイザックの頭をぶち抜いていただろう。

だが、デブリがちょうどビームの軌道を遮らなければの話だが。

 

「金色」が慌てているのがわかる。

明らかに、いまの一撃で「終わった」と思っていたのだろう。

 

だが、実戦慣れしてるのはこちらも同じだ。

 

ここはなにもない試合場ではない。

戦場だ。

デブリも流れてくれば。

 

爆散したデブリの破片が飛び散る。

 

その中にヤザンは飛び込んだ。

 

ザクの装甲を破片が削っていく。

たぶんメカニックは文句を言うだろうが

かまうものか。

 

破片をつき抜いて敵が突進してくることもあるんだぞ!!

 

すでに間合いはサーベルだ。

ヤザンは、サーベルを引き抜いた。

 

射撃戦は「先読み」に長けたニュータイプが圧倒的に有利とされているが。

 

接近戦ならば。

 

「金色」はハイザックに背を向けた。

戦場においては最悪な選択だ。

 

「もらった!!」

加速するヤザンのハイザックの前で、それは姿をかえた。

 

鳥……いや戦闘機か。

 

その変形はほんの一瞬であり、ヤザンの目にもどこがどう折りたたまれて、どこから翼が生えたのかはさっぱり分からない。

ただ、そうしたことによって、「金色」はバーニヤを一方向にまとめることができるのだ。

 

加速!

 

ヤザンの剣は虚しく空を切った。

 

まるでその場から消失したのではないかと錯覚させるような急加速。

 

そして急旋回。

 

ヤザンがビームライフルを構え直すよりも早い。

 

ヤザンは別に自分がニュータイプだと思ったことはない。

だが、相手が自分を狙っているときのあのゾワゾワする感じは分かるのだ。

 

戦闘機がビームを撃ってきた。

 

肩をかすめた。まだ戦うことができる。

相手は戦闘機だ。速度は早いが接近してしまえば!

 

ヤザンは相手のビームに体当たりでもするように突っ込んだ。またも当たり判定。今度は腰部を掠めている。

だが、ヤザンが回避行動を取らずに突っ込んできたのは、明らかに予想外だったようだった。

 

もらった!!

 

振り上げたサーベルの下で、またも相手は変形した。

人型へと。

 

その腕にはすでに、サーベルが抜かれている。

 

タイミングは。

もし本物のビームサーベルを使っていたなら「相打ち」だったろう。

だが、その直前。

ヤザンは凄まじい衝撃とともに後方に飛ばされた。

 

蹴飛ばされたのだ。

 

「人型」はしていてもモビルスーツは人ではない。

たとえば指は高性能なマニュピレーターだったりするのだ。それを使って殴る蹴るのはいかがなものか。

 

だがそれによって相手のバランスを崩すことはできる。

 

「……っタレがあっ!!」

 

ヤザンは姿勢を立て直そうとはしなかった。

それがスキとなり、その間に相手は悠々とこちらに致命傷を与えることができる。

ヤザンがとったのは、再びの突進だった。

 

サーベルを振るう「間」すらも潰された「金色」は体当たりされて後方にはね飛ぶ。

 

ヤザンの目が野獣の光を帯びた。

 

「ここからだ!!

新型かなんだか知らねえが!!目にもの見せてやる!」

 

ゾクッ。

背中に生じた寒気はホンモノだった。

そのまま、突っ込もうとしたハイザックを急制動させる。

 

「金色」は構えもとらない。

 

だか、その体が帯びた殺気は、百戦錬磨のヤザンを躊躇させるに相応しいものだった。

 

 

そのとき。

「5分経過……5分経過……ヤザン・ゲーブル、ソム・エドワズ。演習は終わりです。

すべての武器使用プロセスは停止されました。ただちに帰投してください。」

 

 

 

------------------

 

 

慌ただしい休憩の時間をとったあと、ヤザンはブリーフィングルームに集められた。

当然、あの「金色」のパイロット、ソム・エドワズも一緒である。

 

「技術的な部分はどうでもいいや。」

所長であるフランクリン・ビダン、開発責任者のテム・レイをまえに、ヤザンは嘯いた。

「ありゃあ、いい。

実にいい。使いこなせるパイロットはひと握りだろうが、モノになる。

あれもティターンズに渡すのかい?

もちろんそうするんだろうな。」

 

「それはテストパイロットのおまえがとやかく言う筋合いのものではない。」

 

フランクリン・ビダンが冷たく言った。

 

「冗談じゃねえ。俺はティターンズからの命令で、おめえたちの開発に協力してやってる身だ。

関係ねえどころかまさにそのために俺とジェリドは来てるようなもんなんだ。わかれよ、そのくらいは。」

 

「……アレは可変機構の実験機だ。ティターンズからの要望は、次期モビルスーツの基準となるような量産をも視野に入れたフラグシップ機だぞ。

あれではコストがかかり過ぎて、量産は出来ん。」

 

「問題点をもうひとつ。」

ソム・エドワズが手を挙げだ。

 

「なにかな、ソムくん。」

テム・レイが興味深そうに身を乗り出した。

「実験機である以上コストの面はいったん置こう。それ以外になにか問題があるかね?」

 

「わたしも、コストの面はいったん保留でよいかと思います。」

ソム・エドワズは、白い腕を組んだ。

「あれは……決定的な攻撃力が不足しています。」

 

「まあ、あくまでも主眼は可変機構の実用化だったわけで」

もともとの図面をひいたナガノ技師が言い訳をするように言った。

「ビームライフルとビームサーベルは確かにゲルググからの流用だ。だが」

 

「あれだけのコストを掛け、エース中のエースにしか扱えない機体ならば、目標とすべきは、単騎で戦場を塗り替えるような超高性能機です。ビットを装備したガンダムやキケロガのような。」

 

「サイコミュを搭載しろと?」

 

「それだと操縦できるのがニュータイプだけになってしまいます。アースノイドが中心のティターンズにそれは現実的ではないでしょう。

逆にわたしは、今後開発されるであろうサイコミュを搭載したワンオフ機にも対抗できるような武装が必要だと考えます。」

 

うーん、とナガノは唸った。

言いたいことはわかる。わかるどころかこの美人のテストパイロットさんはすでに彼の構想より先を行ってしまっている。

 

「たとえば、ビットで多方向からオールレンジ攻撃を受けたときの対処とか?」

 

「要は使い方になるでしょう。」

ソム・エドワズは、冷静に言った。

「変形による高機動は、ビット攻撃に対しても有効であると考えます。

例えば高速移動により、ビットから囲まれることを避けつつ、隙をみて距離をいっきに詰めて接近戦に持ち込む……」

 

「良いじゃねえか。」

ヤザンがパンパンと手を叩いた。

「俺も同じことは考えてたんだ。

近づいてビームサーベルか。」

 

「ビームサーベルでは決め手に欠けるのです。」

ソムは答えた。

「ビームサーベルはすでにモビルスーツの標準装備になりつつあります。ビームサーベルはビームサーベルで対応される。」

なので、

とソムはその先を言うのを迷ったようだったが、意を決したように続けた。

「ニュータイプが乗った超高性能モビルスーツに接近のチャンスがそうそうあるとは思えません。1度の接近戦で確実に相手を仕留められる質量兵器を提案いたします。」

 

 

技術者たちは騒然となった。

 

そんな質量のものを持たせたら、機動性に難が出る。

いや兵器そのものにバーニヤとしての機能を持たせたら。ギャンのハクジなどはそれですな。

ならいっそハンマーなどはどうです?

 

 

いろいろとパイロットたちからは意見が出たが「金色」……デルタガンダムの作動テストは概ね良好だった。

技術陣がもっとも心配していた変形に伴う脆弱性はクリアできたようだった。

 

テム・レイはジオニック社のアレクサンドロ・ピウスツキとナガノを呼んで早速に追加武装の検討を始めながら、ブリーフィングルームを去った。

 

 

「どうだい、このあと酒でも。」

ヤザンはダメもとと思いながらもソム・エドワズに声をかけた。

 

ソムはサングラスを外した。

 

思いもかけず唇に浮かんだ笑みを見て、ヤザンは柄にもなく心が踊るのを感じた。

 

「わたしはM.A.Vを探していてね。」

と、ソムは言った。

「あなたがそれになってくれる、と言うのかしら?」

 

ヤザンが答えるまえに、ジェリドが袖を引っ張った。

 

「てめっ……俺はいま最高のお姫様を口説いてる最中なんだぞっ!……」

「俺たちは任務がある。ソムがなんでM.A.Vを探してるか知らんが面倒を背負い込むことはない。」

「どんなM.A.Vかまだわからんだろう。

ひょっとするとベッドの中でのM.A.Vかもしれんし……」

 

パァン!

 

ヤザンの頬が派手な音をたてた。もちろんソムの平手打ちである。

歴戦のヤザンが避けることのできない一撃。

 

ヤザンはニヤッと笑った。

 

「いいじゃねえか! 実に好みだぜ。

いや……おまえ、ひょっとすると、なんだが」

 

ヤザンはソムの腰を抱いて嫌がる彼女を引き寄せた。

耳元で傍らのジェリドにも聞こえないような声でささやく。

 

“おまえ、ドズルのビグ・ザムを落とした『戦鎚』じゃねえのか?”

 

 

 

 

 




予想を裏切り続けるのが機動戦士Gundam GQuuuuuuX。
と思っておりますので、今回も予想を外して見ました。
さあ、次の展開は、とにかく「マークⅡ」が完成しないと進まない。頑張れ!もっと頑張れ!フランクリン・ビダン。このままだとZETAのほうが先に完成しちまうぞ。
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