0079機体と0083機体と0085機体が入り乱れておりますが、マチュって劇中でビームライフル射ってましたっけ?
「やってくれる!」
ガンダムガーベラのコクピットでシーマは呻いた。
挟撃されたのはシーマたちの方だ。
トロイホースはモビルスーツは積んでいないはずだ。
つまりこれ以上の戦力は当てにできない。
敵はアルビオンを発進したゲルググ6機。それに“アーガマ”から発進した3機。まだ数の上では優位…。
シーマのM.A.Vのゲルググの頭部が突如吹き飛んだ。
アーガマを発進したモビルスーツからの射撃だ。
こんな長距離射撃を!!
新型…なのか。
「回避行動に移れっ!
敵は数が少ない! 取り囲んで始末する。」
また1機。今度は両腕両脚だ。
この距離では、ゲルググMのマシンガンよりビームライフルが有利だ。しかし…なんだ、この正確無比な射撃は。
いや単に「正確」だけではすまない。
モビルスーツはお互いに動いているのだ。
こちらがどう動くか。
それを先読みしているとしか思えない。
シーマのガーベラのメインカメラが、ようやく敵を捉えた。
相手は2機。
1機はアルビオンの直衛に残ったのだろう。
向かってくるモビルスーツのうち1機は、連邦軍が試作機によく使うトリコロールカラーのモビルスーツだった。
ツインアンテナや複眼のメインカメラなどどこかガンダムに似た意匠だった。ビームライフルをもっているところをみると、瞬く間に、シーマ隊の2機を屠った射撃はこのモビルスーツが行ったものなのだろう。
もう1機は…。
“ありゃなんだ…ゾック?”
それは水陸両用のモビルスーツだ。
まあ、モビルスーツはモビルスーツである。
独立戦争時にジャブロー侵攻用に作られた機体だ。
水路から侵入し、上陸後は移動砲台として活動する。
本体内部にメガ粒子砲を搭載した機体だが、運用はかなり特殊になる。
それを宇宙用に改修したのか。
動きは鈍い反面、装甲はそれなりだが、盾などは装備されていない。
ゲルググMのマシンガンが充分な威力を発揮するはずだ。
ゾックのメガ粒子砲が発射される。
シーマ麾下のゲルググMはそれを楽々とかわす。
マシンガンの射線がゾックに集中した。身体を旋回させるようにゾックがそれを回避する。
弾は当たっているはずだが、ゾックはダメージを受けた様子もなく、さらにメガ粒子砲を放つ。
爪か。
シーマは気がついた。
ゾックは接近戦用に巨大なクローを装備している。
実用性はともかくである。ゾックを宇宙仕様に改修した例をシーマはまったく知らないわけではなかったが、ライフルや盾を持てるように、通常もモビルスーツのような人間の腕に近いマニュピレーターに変更するケースが多い。
このゾックはクローそのものを盾として使っている。
身体を回転させているのは、火線が集中する方向にクローを振り回すことで弾丸を弾いているのだ。
それでもすべてを防ぎきれるわけではない。
少しずつダメージは与えているはずなのだが、その動きは衰えない。
ゾックは果敢にメガ粒子砲を放つが、本体にメガ粒子砲を内蔵した機体の難点であって、射角は手元の武器ほどは自由にならない。
基本的には、やつの身体の向きにさえ気をつけていれば、その攻撃範囲から逃れることは容易いのだ。
あれは部下たちに任すとして。
また一機。
真上から頭部を削るように、左肩から腰部、左脚を削り落とすような一撃だ。
機能停止になったゲルググMはいずれもコクピットを撃ち抜かれてはいない。
“クソッ! 待ってろよ、こいつらを倒したら必ず救助に行くからな。”
シーマはその瞬間、あることに気がついて戦慄した。
まさか。
あの白いヤツはわざとコクピットを避けて攻撃している?
「じ、冗談じゃないよっ!」
ガンダムガーベラは、加速。後方をビームが掠める。
「こっちは最新のガンダムなんだ。おまえみたいなガンダムもどきに!」
ガンダムガーベラの主兵装はビームマシンガンだ。
中距離での攻撃で最大の効果をあげる武器だ。パルス状に圧縮されたメガ粒子を連続発射し広範囲を破砕する。
その弾幕を、ガンダムもどきは真っ直ぐに突っ込んできた。
あ、当たらない。
当たらない。
なぜ。
シーマの脳裏にある噂が浮かんだ。
非合法のモビルスーツの闇仕合。そこで無敗を誇る白いモビルスーツがいるという。
こちらの攻撃はまったく当たらず、やつの攻撃は百発百中。
まるでかつてのガンダムを簡素化したようなそのモビルスーツは、こうよばれていたと言う。
ヤンマーニ…
もとい、白い悪魔。
「うわああああああっっ」
とっさにシーマは、ビームマシンガンと腕の機銃を同時に発射した。
照準はとれないがいまはこのほうがいい。
はじめて白いヤツが、まともな回避行動をとった。
追撃に固執せずに自らも回避機動に移ったのは歴戦のシーマだからだ。
白いヤツのビームが掠める。スラスターが一部破壊された。
距離をとった射撃戦では、殺られる。
機銃とビームマシンガンを乱射しながら、ふところに飛び込むタイミングをはかりつつ…
ゾックとゲルググの闘いを見やる。
三機を落とされたゲルググMは残り2機である。
だが、巧みな操作でゾックの火線軸をはずしながら、マシンガンを浴びせている。
そのとき。
虚空から発射されたビームが一機の頭部を吹き飛ばした。
“な、ほかにも敵がいるのか!?”
白いモビルスーツのビームをかろうじて回避しながら、シーマはビームを発射した物体をなんとか視認した。
三角の形状をした物体がふたつ。
まるで意志を持ったように、ゲルググの死角に潜り込み、ビームを放つ。
まさか。
あれは…ビットか。
シーマ・ガラハウの知るビットからははるかに小さい。
おそらくはジェネレーターを省いて内部にエネルギーパックを内蔵しているのだろう。
威力は落ちるのだろうし、そう何発も連射は出来ない。
だが、思いもよらない方向からの不可視の一撃に抵抗できるものがいるだろうか。
あのゾックはサイコミュを。
ビットを内蔵しているのか。
ならば、パイロットは。
ニュータイプ。
そして、シーマ・ガラハウがいま相手にしている白いモビルスーツのパイロットもまた。
“こ、こいつらは連邦軍のニュータイプ部隊なのか!”
残ったゲルググMは、マシンガンを破壊されながらも、果敢に接近戦を挑んだ。
その機体を2機のビットから発射されたビームが貫く。
爆散。
「ガトーおおおっ!!」
シーマの脂汗に塗れながら叫んだ。
白いモビルスーツのビームが肩部のバインダーを破砕した。
「ガトー!!!
アーガマを射てえっ!!!」
アムロは、その存在を「感じた」。
まるで、武道の達人のように、そいつはその瞬間まで存在を隠していたのだ。
その意志を。
その殺意を。
「高熱源体、接近!」
アーガマのブリッジでブライト中尉が叫んだ。
「型式データなし…艦艇…いやこの加速は、モビルスーツ…いや識別不能のモビルアーマー接近!
ジークアクス!」
「まかせろ! クロメ!」
マチュは、叫んだ。
「ジークアクス! いくよおおっっ!!」
オオオッオオッヲ!!
ジークアクスの口が開かれた。
両肩、腰周りに球を中心に円形の光が現れる。
だが遅かった。
識別不能のモビルアーマーは、高出力のビームをアーガマ目掛けて発射していた。
モビルスーツのビームライフルとは比べ物にもならない。
戦艦でも一撃で葬るメガビーム砲。
試作ガンダム3号機。
モビルスーツ「ステイメン」を核に武装を満載したアームドベース「オーキス」が合体した姿である。
射線上に立ちはだかったジークアクスは。
まったく引かなかった。
だが、メガビーム砲はその身体を微塵に砕いてさらにアーガマをも粉砕するだろう。
“これがガンダムがララァを殺さなかった世界か”
アムロは。
その声をたしかに聞いた。
それはジークアクスの声だった。
少なくとも彼はそう認識した。
そしてそれは。
彼自身の声だった。アムロにはそう聞こえた。
“きみはこの世界を守ってくれ。そして出来ればニュータイプにとって、人類のためによりよい世界になるように。”
「なんでそんなとんでもない責任をぼくに。」
“と、きみなら言うだろうな。ぼくもそう思った。”
声は楽しげにそう言った。
“だがきみならできる。きみひとりでは無理でもシャアやララァやマチュや…セイラさんやみんながいる。”
ジークアクスの身体に浮かび上がった円状の光。
それはひとつにまとまり。
ジークアクスの前方に光の盾を形成した。
モビルスーツ単体なら蒸発させるであろうメガビーム砲は、そこに当たって。
霧散した。
なんか最終回でいいんじゃね?と書いてて思いました。
でもこれってアニメにするとたぶん5話ぶんしかないんすよ。もうちょっと続けてみます。