第13話 鼓動   作:ATARU 2025

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デンドロビウムとアーガマのモビルスーツ隊の死闘は続く。
ガトーは呟く。対艦隊用に開発されたデンドロビウムになぜ3機のモビルスーツがここまでなぜ戦えるのか。
混迷の戦場に新たなる戦士が舞い降りる。

次回機動戦士Gundam GQuuuuuuX「新たなる剣」。
きみは生き延びることができるか。




第17話 黒いガンダム~新たなる剣

ソム・エドワズはハイザックでコロニー内部に戻った。

ヤザンはたしかにいい所で止めてくれた。

 

あのまま、大暴れしたあとで、モニター回線を開いてリリー・マルレーンにこう言ってやるつもりだったのだ。

 

「わたしの顔を見忘れたか?」

 

……マハラジャ・カーンとランバ・ラルが怒り狂いそうだった。

 

そんなことを考えていたので、ハッチのところでちょうど発進していく金色のモビルスーツとすれ違ったときにはなにも思わなかったのだ。

 

いや。

気にはなった。

 

「金色」もティターンズに渡るのか。

 

使いこなせるのは一部のパイロットだけであろうが、アースノイド至上主義のティターンズにこれ以上に力はつけて欲しくない。

 

パイロットは誰にやらせたのだろうか。

 

たぶんジェリドだろう。

 

 

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“誰だ、今すれ違ったあのハイザックのパイロットは。”

クワトロの操縦桿を握る手に汗が滲んでいた。

“ええい。通り過ぎるだけでわたしにプレッシャーを与えるパイロットだと!”

 

 

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「マークⅡ、1機中破。パイロット負傷。」

「医務室に運べるか。意識は。」

 

ヤザンは担架に移された。

ちなみに意識はものすごくあるが、あちこち骨がイカれてる。

痛みに怒り狂ってそれがさらに痛みをまし、悪態をつきながらヤザンは医務室へと運ばれて行った。

 

カミーユはカミーユでメカニックに噛み付いていた。

 

「出撃させてください! あのモビルアーマーは全員でかからないと無理です。」

「稼働テストも満足にやってないモビルスーツだろう? ここまで無事にたどり着いただけでもラッキーなんだ。あとはアムロたちにまかせて」

 

「アムロ!? 『白い悪魔』のアムロさんがここにいるんですか!」

 

「カミーユくん。」

以前モビルスーツジュニア大会の時に、エキシビションで戦った女性パイロットが声をかけてきた。

 

「え…クリスチーナ・マッケンジーさん、でしたっけ?

なんであなたもここに? というかここはどこなんです。アーガマってなんの船なんですか?」

 

「わたしたちはエゥーゴ。ティターンズの横暴に立ち向かうために結成された連邦軍の外郭団体よ。」

 

「あのでかいのって、あれもティターンズの新型なんですか?」

 

「分からないわ。どうもティターンズはデラーズ・フリートと裏で取り引きをしているようなの。あんなものは連邦軍では作ってないから、ありえるとすればデラーズ・フリートのモビルアーマーね。」

 

「デラーズ・フリートってイオマグヌッソでなくなったジオンのギレン総帥派の」

 

「いろいろと宇宙もきな臭いのよ。」

 

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アムロは、アーガマから射出されたバズーカを受け取った。

モビルスーツ同士の戦闘にはあまり用いられない武器だ。

 

連射がきかない。弾数に制限がかかる。

主に対艦用の武器だ。

かつて作られた「ガンダム」はザクのマシンガンに耐えられる装甲を目指していた。

たがバズーカを使うまでもなく、ビーム兵器が標準化したため、ジオンでもバズーカを標準装備としたのは、ドムくらいのものだ。

アムロも使うのは初めてだった。

 

モビルアーマーは速い。

 

バズーカの弾速では…。

 

モビルアーマーはアーガマに狙いを定めている。

メガビーム砲が再び、アーガマを襲う。

マチュのジークアクスがその前面に立ち塞がる。

 

戦艦をも一撃で爆散させるビームは、またもその盾の前に消滅した。

 

 

“なんだ、こいつらは!”

ガトーはデンドロビウムの中で呟いた。

 

全周囲モニターは採用されているが、火器の制御も合わせるとやるべきことは無限大だ。

ビーム兵器はあの光の盾で弾かれる。

 

どんな構造かはわからないが、ビームサーベルをも遮ったところをみるとIフィールドではない。もっと別の技術だ。

 

イオマグヌッソ。

 

デラーズ・フリートが誕生するそもそものキッカケとなった事件が頭をよぎる。

 

あれは…地球環境の改善のための装置と言われていたが、実際には地球を自在に狙いうてる超大型の攻撃兵器だった。

ギレン総帥はそれを地球からの反攻に対する抑止力として使用するつもりだったようなのだが。

実際にはその第1射はア・バオア・クーへ放たれたのだ。

 

その威力は。

いや威力と呼ぶのもバカらしい。

 

その一撃はア・バオア・クーとその周辺に展開していた艦隊を、転移させ。

さらにバラバラに分解。これを消滅させたのだ。

兵器をこえた兵器。

ゼクノヴァ。

 

ガトーの武人としてのカンは、アーガマの守護神のごときそのガンダムタイプのモビルスーツの理不尽なバワーに、ゼクノヴァに通じるものを感じたのだ。

 

とはいえ、それが展開した盾が遮ることのできる面積には限界があるようだ。

 

爆導索のような多方面からの一斉攻撃には、対処しきれない。

 

“ならばこれか。”

 

ガトーが選んだのはミサイルポッドだった。

ミサイルそのものではなく、マイクロミサイルを詰め込んだカートリッジを射出する。

用途は、複数の動きの早いモビルスーツ群を相手にするものだ。

ひとつひとつのミサイルは小型で1発では大形の艦艇には、致命の打撃は与えられない。

 

だがこれだけの数を集中させれば。

 

発射ボタンに手をかけたガトーは、だが瞬時に、デンドロビウムを旋回させた。

 

さっきから何度もビームを命中させていた白いモビルスーツ。

それがいつの間にか、危険な距離まで接近していたのだ。

 

ガトーが咄嗟にふるった対艦用のビームサーベルは、虚しく空を切る。

 

デンドロビウムの主兵装であるメガビーム砲。その砲身が白いモビルスーツの振るったビームサーベルに、半ばから切断された。

白いモビルスーツの接近にギリギリで気づいたガトーがデンドロビウムを急旋回させたからそれで済んだのだ。

 

ガトーはデンドロビウムを加速させた。

 

白いモビルスーツはバズーカを射ったが、加速についていけず、弾は後方にそれた。

 

 

Iフィールドにビームの直撃。

もちろん、はじいたもののガトーはそれがどこから射たれたものかわからなかった。

 

アーガマのモビルスーツ隊は3機。

アーガマの直衛にはりついたガンダムタイプ。

さっきからビームを何度も命中させ、メガビーム砲を切り落とした白いモビルスーツ。

それと。

 

頼りなげにフワフワと浮いているゾックだ。

 

あの謎の光の盾を展開するモビルスーツは、アーガマから離れないから、攻撃したのはゾックのはずだったがビームは、明らかに違う方向から射たれたのだ。

 

“ビット兵器? まさかっ!”

 

ガトーは決断した。

ここでミサイルポッドを使ってアーガマを落とすのには、距離があり過ぎる。だが、迫ってくるアーガマのモビルスーツ隊をなんとかするのが先だ。

 

ミサイルポッドを射出。

 

一瞬のちにマイクロミサイルがばら撒かれる。

 

白いヤツはともかく、ゾックにはかわしきれないはずだ。

これで向こうの数を削る。

 

だがガトーは舌打ちしていた。

 

デンドロビウムは単体で、艦隊を相手に出来る機体だったはずだ。

それがこの苦戦。

あの3機のモビルスーツに艦隊並みの力があるわけでもあるまいに!

 

ゾックはビームを乱射した。

いくつかのミサイルがそれに撃ち落とされる。

白いモビルスーツがバズーカを投げ捨てた。

再びビームライフルに持ち帰え、ゾックに迫るミサイルを迎撃する。

 

だが手数が足りない。

 

ゾックにミサイルの群れが集中。

これで落とせた…

 

そのとき。

 

金色の閃光が駆け抜けた。

 

その通り道にあったミサイルはすべて破壊されていた。

 

“新手!? 戦闘機か。”

 

金色の機体はミサイルの間を駆け抜けながら、ビームマシンガンをばらまいていったのだ。

 

“これもグリーンノアの新型か?”

 

加速性能は、デンドロビウムにも匹敵するだろう。

モビルスーツ並の火力を備えた戦闘機。

 

油断ならない相手だがそれはそれで戦いようが―――。

 

戦闘機は。

一瞬で人型に変形した。

 

「可変モビルスーツだと!?」

 

 

----------------

 

 

「パイロットの救助は完了いたしました。」

 

部下からの報告にシーマはうなずいた。

 

「よくやった。じゃあとっととここを引き上げるよ。ガトーにも撤収を指示するんだ。」

「あ、姉御。よろしいんですか。デラーズ閣下の命令では、アルビオンを落とせと。」

「馬鹿野郎。物事には潮時ってもんがあるんだよ!

アルビオン隊と交戦中のゲルググは?」

「はい。中破が2。あとは健在です。相手も2機損傷して後退しました。」

「アルビオンは?」

「砲撃可能距離には近づいてきません!」

 

シーマはにやりと笑った。

 

「向こうもここで本格的なドンパチやる勇気はないようだね。よし!てった―――」

 

僚艦、ムサイ級巡洋艦トクベル。

三条の光線がそれを貫いた。

 

ダメージコントロールなどやりようもない。

 

爆発。

轟沈。

 

「なん―――」

 

「モビルアーマーです! 識別信号…」

部下が息を飲んだ。

「ノイエ・ジール!」

 

リリー・マルレーンのメインモニターに男の顔が映った。

でっぷり太って口ひげをたくわえたその顔は、軍人と言うよりもファンタジーに出てくる悪徳貴族のようであった。

 

「コンスコン―――」

 

「やあ、シーマ・ガラハウ。久しぶりだな。」

 

コンスコン中将はにやにやと笑った。

ミノフスキー粒子が厚くまかれた戦場では、画像は荒い。だが、それほど鮮明に見たい顔でもなかった。

 

「民間コロニーへの攻撃。とくと拝見させてもらった。いかんなあ。実にいかん。民間施設への無差別攻撃など。」

 

「おまえには関係ない。文句があるなら、デラーズに言え。」

 

「たまたま、ノイエ・ジールのテスト中にこれを発見してしまったからには、うむ。コロニーの治安を守るジオン公国軍としては見過ごすわけにはいかんのでなあ。」

 

観測手がデータを解析する。

 

「チベ級重巡1、ムサイ6。モビルスーツ隊発進しました。大型モビルアーマー“ノイエ・ジール”。加速!

接近します。」

 

コンスコンは喜劇俳優のような見た目とは裏腹に優れた指揮官だ。

その戦法はとにかく手堅い。

 

マ・クベはかつて彼をこう呼んだことがある。

 

「有能な臆病者」

 

そう。彼はかつて傷ついた戦艦1隻を沈めるのに、当時配備されはじめたばかりのドムを12機もつぎ込んだことがある。明らかにオーバーキルである。当然のことながら、戦艦は3分も持たずに沈んだが。

 

 

「ガンダムガーベラでるよっ!」

 

「あ、姉御!! ガーベラは損傷してて...」

 

「構わない。ここが正念場だよっ! 生き残りたければ出来ることはぜんぶやるんだっ!!」

 

 

 

 




ついに、ジオン公国正規軍がデラーズ・フリート潰しに動き出す。
と言うか、精鋭中の精鋭シーマ艦隊と、エースのガトーを潰してしまえばあとの処理がラクだろう、くらいの感じ。
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