俺、○○になっちゃった!! 作:シグナー信者
「モニター……出ます」
しばらくして、深影から緊急招集の声があり、遊星達はモニターのある部屋にいた
「これは…ッ!?」
キーボードを操作し終えた深影が映したモニターには、黒い霧に覆われたサテライトが一面に映された
「これがサテライト?……こんなに霧が深いの?」
驚きながらモニターを見る遊星
「いや、こんなハズは……」
遊星が呆然と呟く隣で
「おい、一体何があった?」
ジャックは深影に聞く
「詳細は不明ですが、サテライト最深部に何か異常が発生したようです」
深影はモニターを操作し続ける
「最深部だと?」
「現在、サテライトのセキュリティとは全く通信が繋がりません。この映像もいつまでもつか……」
深影が言うと同時に、映っていたモニターの映像は消えた
「こんな所でぐずぐずしてはおれん!!すぐにサテライトに飛ぶヘリを用意しろ!!」
「は、はい!!」
そう言うと、深影はゴドウィンに電話をする
「 (ラリー・クロウ・皆……) 」
「失礼します、長官!!」
「分かっています」
「え…?」
「ただちに出発の準備をするよう、シグナー諸君に伝えてください」
「りょ、了解しました!!」
「それと、シグナーの諸君に伝えて下さい……カードの完成は出来なかった。申し訳ないと」
「はい!」
しばらくして、遊星達は治安維持局の屋上にあるヘリポートへと来ていた
「いよいよね」
龍可は【パワー・ツール・ドラゴン】を取り出し、胸に当て祈る
「(龍亞………私を守って)」
「…アトラス様」
「何だ?」
「アトラス様は何故、サテライトに行くのですか?」
「知れた事、オレにはやらねばならん事がある」
「 (それはシグナーとして?それとも……) 」
「サテライトを覆った霧は、旧モーメント跡地が発生源のようです」
「旧モーメント?」
「何ですかそれ?」
アキと龍可がゴドウィンのセリフを繰り返すと、ゴドウィンは遊星の方を見た
「…やはり運命が導いているのでしょう……旧モーメントの開発者、不動博士の息子……」
「開発者の、息子?」
「遊星が?」
「運命の歯車は大きく旋廻し始めています。あなた達の使命はダークシグナーを倒し、旧モーメントを正しい方向へと回転させる事なのです」
バラバラバラバラ…とけたたましい音を立てて空からヘリコプターが着陸し、中から1人のセリキュリティが出て来た
「……牛尾捜査官、只今到着しました!!」
「ご苦労」
「何だ、お前か」
牛尾を見た遊星は、呆れたように吐き捨てた
「なんだとはなんだ!?お前達をあの忌々しいゴミ溜めまで送り届けるよう、長官から直々に仰せつかったんだ!!」
「あなたも同行するの?」
深影が牛尾の前にやって来る
「はい、深影さんのお役に立てて光栄であります」
「早朝任務、大変ね牛尾捜査官」
「い、いえ……」
鼻の下を伸ばす牛尾
「さぁ皆さん!!こちらへどうぞ!!」
「行きましょう」
「うん」
アキに続いてジャックと龍可もヘリコプターに乗り込んで行く
「待ってくれ!」
最後に残った遊星は、ゴドウィンに振り返る
「ゴドウィン、1つ約束してほしい事がある」
「何ですか?」
「……オレ達がダークシグナーを倒し、全てを元に戻す事が出来たら……ダイダロスブリッジをシティに繋ぐと約束してくれ」
「(ダイダロスブリッジ…) 」
「サテライトとシティを結ぶダイダロスブリッジ……あの橋をかけようと戦った伝説の男…あなたはならうつもりですか?」
「お前の話が本当なら、サテライトを差別する理由は無くなるハズだ」
ゴドウィンは少し考え
「……よろしい……約束しましょう」
ゴドウィンの返事に遊星は頷き、ヘリコプターに乗り込んだ
「 (必ずシティとサテライトを1つにしてみせる……この命に代えても!!) 」
シグナー達はヘリコプターに乗む
「龍可!!」
「あんちゃん!龍可ちゃん!!」
ヘリの中から外を見ると氷室と矢薙のじいさんと天兵がいた
「頑張れよ!!」
「無事に帰ってくるのじゃぞ!」
「死ぬなよ!遊星!!」
3人に見送られサテライトへ飛び立った
「(皆のためにも、この戦い必ず勝つ!!)」
「もうすぐ始まるのか」
ある場所から空を見ている龍亞
「…………行こう」
そう言うとD・ホイール(漫画版で龍亞と龍可が乗っていた)を起動させ、それに乗り、ある場所に向かうのであった
シグナー達を乗せたヘリコプターは暗い雲が立ち込める中、サテライトへと向かっていた
「……」
誰も話さない中、アキはゴドウィンの言った言葉を思い出し深影に訊ねた
「…詳しく聞かせて、旧モーメントと遊星のお父さんの事」
その一言で深影は、小さく頷いて話し出した
「17年前に起こったサテライトとシティを隔てるほどの地殻変動…『ゼロ・リバース』は、実は現在のサテライト最新部に設置された最初のモーメントが暴走した事によって引き起こされたものなのです。そのモーメント開発部『MIDS』の責任者が遊星さんの父親」
「じゃあ遊星のお父さんは、その時の事故で……」
「(遊星のお父さんが……だからあなたは、家族の大切さを知ってるのね)」
「ちょっと待ってくれよ!!何でサテライト出身者が、そんなでけぇプロジェクトの責任者に?」
「……遊星は元々シティの生まれだ」
「何だって!?そんな、コイツがサテライトのクズ野郎じゃなかったなんて…」
「オレはサテライトの出身だ、それがどうした?」
「いや……」
ジャックにピシャリと言われ、牛尾は操縦に専念した
「まずいなぁ…尋常じゃないぜ、この雷は……直撃されたら終わりだ、戻った方がよくないですかね?」
「私達には後戻りは許されません」
「(俺は貴方のことが心配なんだよ)」
身を乗り出した遊星が、一点を指差した。そこはマーサがいるハウスだった
「あそこに着陸するんだ」
「え?」
「着陸して」
「へ~い」
深影に言われた牛尾は、渋々指示に従ってヘリコプターを操作した