俺、○○になっちゃった!!   作:シグナー信者

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第二十二話

避難の最中、ジャック・龍可のシグナーの痣が赤く輝き始める

 

「始まったか…」

 

「遊星……」

 

「さぁ、こっちの部屋へ」

 

マーサの先導で部屋へ入れようとした女の子達が気づく

 

「タクヤくんがいないよ」

 

「ジュンとみっちゃんも」

 

「何だって!?」

 

マーサを先頭にジャック達は外へ出た

 

「あ、アレは……!!」

 

既に蜘蛛の地上絵が浮かんでいる空を見上げたマーサは、意を決して走り出す

 

「マーサ!!」

 

「任せろ!!」

 

ジャックの制止を振り切ったマーサを、牛尾が追って行った

 

 

 

 

 

「これは?」

 

マーサと牛尾は遊星が戦っている市街地にやって来た

 

「そうか……遊星たちが言っていた炎の地上絵はこれか?」

 

「子供たちは?」

 

そうして近くのビル上がる二人

 

「……遊星」

 

窓から遊星を見つけ、そして子供たちも見つける

 

「「うう…!」」

 

「あんたたち!」

 

「まずいぜ...地上絵の中に子供たちが!」

 

「マーサ!牛尾さん!【地縛神】が召喚されてしまいそうなの!そうしたら、あの子たちが生贄になってしまう!」

 

「なんだって!?」

 

「そんな!」

 

「遊星!」

 

マーサの声に振り向く遊星

 

「ふざけんじゃないよ!あの子たちを助けるんだ!」

 

その言葉に頷く遊星

 

「私のターン……フィールドに守備モンスターが1体!」

 

ルドガーがそう宣言すると、奴の後ろにある祭壇にまた1つ炎が灯った。これでカウンターは2つ

 

「くく...あの手この手で良く持ちこたえてはいるが、それもここまで」

 

「っ!ま、まさか!」

 

「トラップカードオープン!【縛られし神への供物】を発動!ライフを半分にすることで、地縛神カウンターを2つ点灯させる」

 

「なんだと!?」

 

「そんな!せっかくここまで!」

 

祭壇の炎が4つ灯ってしまう

 

「これで!地縛神カウンターは4つ揃った!」

 

祭壇の中から紫色の光が漏れ、祭壇が破壊された。そして光は上空の蜘蛛の地上絵へと延びていき、光が収束するとそこには心臓のような物体が現れ、その物体に、黒い霧が吸い込まれ始めた

 

「なんだ、あの霧は…」

 

「サテライトを取り巻くこの黒雲には、人々の魂が溶け込んでいる……人々の魂を生贄に!」

 

地上絵の中にいる子供たちが苦しみ始め、体は明滅し、その魂が紫色の光となって生贄に捧げられようとしていた

 

「ダメ!」

 

「ジュン!ミッチャン!」

 

「(また俺は……地縛神を前になすすべもなく!)」

 

とその時

 

「地縛神など、どれほどのものかああああああああ!」

 

Dホイールとともに、ジャックが地上絵の中へと飛び込んできた

 

「ジャック!?」

 

「ジャック!?」

 

「ジャック!子供たちを!」

 

「任せておけ!ジャック・アトラスは、応援してくれる子供たちを決して裏切りはしない!」

 

ジャックは地上絵の中へと炎を突き破って侵入し、そのまま子供たちの近くに着地する。そして素早くDホイールから降りると、子供たちの魂を引き留めるように子供たちを抱きかかえる。すると、シグナーの痣が光りだし、子供たちの魂は体へと戻っていった

 

「ああ!ジャック!ありがとう!」

 

「ひやひやしたぜ」

 

「フハハハハハハハハ!とんだ茶番だったな。今こそ降臨せよ!我が神【地縛神Uru】!」

 

宙に現れた物体から再び光が噴出し、そして光が収束すると、大きな地響きが鳴り始めた

 

「な、なんだぁ!?」

 

「「うわああああああああああん!ジャック~!」」

 

そして地面から紫色の炎が吹き上がり

 

「来たか!」

 

「こ、これが…地縛神!」

 

炎とともに巨大な蜘蛛が姿を現した

 

「遊星!ダークシグナーなど、さっさと潰してしまえ!」

 

「ああ!なんとしてでも!」

 

「ふっ...簡単に言ってくれるなよ。地縛神をお前がどうやって潰す」

 

「……」

 

「その効果はすべての頂点に立つ。フフフ……まるで、究極のエネルギー、モーメントのように」

 

「何を言っている!」

 

「楽しんでいるのだよ……5千年の覇権を賭けてデュエルする相手が、不動博士の息子だとはな」

 

「不動博士!?お前、親父を知ってるのか!」

 

「知っているとも……俺は17年前、お前の父、不動博士が率いるモーメント開発機関MIDSにいた。不動博士の助手としてな」

 

「なんだって!?」

 

「そしてもう一人助手がいた。それが、私の弟……レクス・ゴドウィン」

 

「「「っ!」」」

 

ルドガーの言葉に、遊星やアキ、ジャックは驚きを隠せないでいた

 

「最後にもう一つ教えておいてやろう……モーメント開発はその後、不動博士によって中止が進言された。モーメントがたびたび逆回転現象を起こし、重大な事故が起きるのではないかと博士が懸念したためだ。だが、スポンサーやネオドミノシティはそれを許さず、開発はこの私に引き継がれた。そして……ゼロ・リバースが起こることになる」

 

「っ…まさか、お前……あの爆発を故意に!」

 

「さあな!フハハハハハハハハ!」

 

奴の言葉に、ここにいるすべての人間が言葉を失っていた

 

「答えろ!何のためにそんなことを!親父と、ゴドウィンと!お前の間で何があったんだ!」

 

「その問いに答えられるほどの時間は、お前には残っていない……【地縛神Uru】!!」

 

攻撃態勢を取る地縛神

 

「【地縛神Uru】はダイレクトアタックができる!たった一撃で、遊星…お前を潰す!くらえ!ヘルスレッド!」

 

攻撃が遊星に襲い掛かる

 

「トラップカードオープン!!【アイアン・リゾルブ】!ライフポイントを半分にして、戦闘ダメージを0にしバトルフェイズを終了する!」

 

攻撃は反射されるが、その衝撃は消えることはなく、周囲が大きく揺れる

 

「カードを1枚伏せて、ターンを終了」

 

 

 

 

「うわああああああああああ!」

 

後ろから悲鳴が聞こえ振り返ると、子供が建物の屋上から落ちそうになっていた。しかも建物が斜めになっているせいで、そのまま落ちると地上絵の中に落ちてしまう

 

「タクヤ!」

 

「タクヤ!ああ!」

 

「マーサ!牛尾の兄ちゃん!」

 

「そんな……」

 

「今行くよ!」

 

そんな子供を助けようと、マーサが子供の元へと歩いていく。マーサは何とか子供の元へ辿り着き、子供を支えながら牛尾の元へと戻っていく

 

「マーサ!」

 

「ほらタクヤ!行きな!」

 

マーサは子供を先に牛尾へと引き渡す

 

「うわあああああ!」

 

だが再び地響きが起き、今度はマーサが建物から落ちそうになる

 

「マーサ!」

 

マーサも何とか登ろうとするが滑って登れない

 

「マーサ!」

 

「……」

 

マーサは牛尾に対して首を振った

 

「ダメだ!あきらめんな!」

 

「タクヤを頼んだよ……あんたは、タクヤのヒーローなんだから」

 

「何が…ヒーローだ……俺は、あんたたちサテライトの人間を侮辱して……」

 

「「マーサ!」」

 

遊星とジャックの呼びかけに、マーサは俺たちの方に振り返った。

 

「あんたたちは...本当に良い子だったよ!きっとだよ!あんたたちが、サテライトとシティの架け橋になるんだよ!」

 

「マーサ!」

 

ついにマーサは建物から滑り落ちそうになった

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

「なっ!!」

 

ロープの付いたU字形の金属がマーサに向かって行き、腰に当たるとガッチリと捉え、落ちるのを阻止された

 

「うわあ!!」

 

「これは!!」

 

牛尾が後ろを振り向くと、

 

「おい!お前!?」

 

誰かがその場にいたが、姿が見えなくなった

 

「今のは?」

 

「牛尾の兄ちゃん!早く!」

 

考える暇もなく、ロープを引っ張る牛尾。そしてマーサの引き上げられた

 

「遊星!こっちは大丈夫だ!だからお前は早くデュエルに勝ちやがれ!」

 

「っ....頼むぞ、牛尾!」

 

「遊星!『地縛神』など、さっさと蹴散らしてしまえ!」

 

「ああ!!」

 

 

 

「大丈夫か?マーサ!」

 

「ええ……これよりこれは?」

 

マーサは外したU字形の金属を見る

 

「わからん……ただ後ろに誰かが居たんだが……一瞬だったから」

 

「とりあえず、早く出るよ」

 

そして牛尾達は無事、ビルから脱出する

 

 

 

「響け!シューティング・ソニック!」

 

「トラップカードオープン!【スパイダー・エッグ】!この効果により、攻撃を無効にする!その後、3体の【スパイダートークン】を特殊召喚する!」

 

「くっ....カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

その後、遊星は【スターダスト・ドラゴン】を召喚するが、ルドガーのトラップにより、ダメージを与えられなかった

 

「遊星!」

 

脱出した牛尾達が声を掛ける。その姿を見た遊星は

 

「よし!あとはお前を倒すだけだ!」

 

「フフフ...フハハハハハハハハ!果たしてそうかな?」

 

そう言うと、ルドガーは紫色の光だし、違う人物へと変わった

 

「っ...ラリー!」

 

「ラリー!?」

 

「ど、どういうこと!?」

 

ラリーに困惑しながらも、ラリーのもとへと駆け寄ろうする遊星

 

「フハハハハハハハ!」

 

声がした方に視線を向けると、そこにはルドガーがいた

 

「皮肉だなぁ…もう一人助けなければならない仲間がいたとはな」

 

「貴様!ラリーを操って!」

 

「だが、今はその小僧の意思は解放した。そいつが勝ちたいと思えば戦い、負けたいと思えば負ければいい。だがこのデュエルにサレンダーは許されない。さあ小僧!好きにするがいい!」

 

「どういうことだ!?」

 

「遊星……このデュエルに敗れた方は、消滅しちまうんだ」

 

「なんだって!?」

 

「ブリッツも、タカも、ナーヴももういない!こいつらに!」

 

「ふぅん」

 

「貴様ぁ!」

 

「お、俺のターン!」

 

カードを引くラリー 

 

「やめろ、ラリー!」

 

「小僧、戦うのだ!お前が生き残るために!」

 

「【地縛神Uru】の効果!自分フィールド上のモンスター1体をリリースして、相手フィールドのモンスター1体のコントロールを得る!」

 

そう宣言すると、【スパイダートークン】をリリースして【ワンショット・ブースター】のコントロールを得た

 

「【ワンショット・ロケット】を召喚!」

 

「っ!!やめろ、ラリー!俺を攻撃しろ!俺を倒すんだ!」

 

「ダメだ!遊星…遊星は俺たちサテライトの希望なんだ!だから!」

 

「ダメだ、ラリー!」

 

「ラリー!」

 

「レベル1の【ワンショット・ブースター】に、レベル2の【ワンショット・ロケット】をチューニング!シンクロ召喚!【ワンショット・キャノン】!」

 

「(あの子…まさか…)」

 

「やめろ、ラリー!」

 

「【ワンショット・キャノン】の効果……フィールド上のモンスターを破壊し、そのモンスターのコントローラーに、その攻撃力分のダメージを与える!」

 

「ラリー!!」

 

「ごめんよ……遊星。ごめん、こうするしか……俺が選ぶモンスターは……【地縛神Uru】!ファイナル・ショット!」

 

【ワンショット・キャノン】が【地縛神Uru】に攻撃する

 

「う、うわああああああああああ!」

 

そして【地縛神Uru】は粉々に砕け散り、ラリーのライフは0になり、衝撃襲う

 

「ラリー!」

 

遊星はラリーを抱き起こす

 

「遊星……サテライトを…守っ……て……」

 

そう言うと、ラリーは黒く染まりまるで砂のように散っていった

 

「っ……ラリーいいいいいいいいいいいいい!!」

 

決着がついたことで、ソリッドビジョンと地上絵の炎が消える

 

「「「「遊星」」」」

 

遊星のもとに仲間たちが走り寄ってきた

 

「面白い見世物だったな……だが、これからがダークシグナーとシグナーの戦いの本番だ」

 

ルドガーの元に、色違いの黒衣を着た6人のダークシグナーが揃っていた

 

「それぞれの闘いは、宿星によって決められる」

 

「宿星?」

 

「地縛神の恐怖を克服したなんて思うなよ、遊星!まだまだたっぷり恐怖は残っているはずだ。俺への恐怖がよ!ヒャーッハッハッハッ!!」

 

狂ったように笑う鬼柳に、俯いていた遊星はゆっくりと顔を上げた

 

「ああ、俺は恐ろしい!貴様たちを倒すことを、これほど欲している俺自身の怒りが!」

 

遊星を筆頭に、シグナー達はダークシグナー達を睨みつけた

 

「ダークシグナー…俺はお前たちを許さない!」

 

「少女よ」

 

ダークシグナーの一人が、1枚のカードを見せてきた

 

「あ、それは!」

 

そのカードは【エンシェント・フェアリー・ドラゴン】

 

「これはお前が持つべきカードだったな……カードを取り返したければ、私に戦いを挑むがいい。私は逃げも隠れもしない」

 

そうして猿の痣を見せる

 

「我が名はディマク!Cusilluの痣を持つダークシグナー」

 

「っ!」

 

「では、それぞれの宿星……その宿命の地で会おう」

 

ダークシグナー達が去って行く時、牛尾は気付く

 

「おい!待て!!紫の奴!!」

 

その言葉にダークシグナー……いや龍亞は止まる

 

「やっぱりそうだ……あの時あの場に居た」

 

「えっ?じゃあ」

 

「こいつがマーサを助けた奴だ」

 

「何だと!!」

 

その言葉に遊星たちは驚く

 

「貴方は一体?」

 

仮面とフードを被っているため、遊星たちは素顔が見えない。そして龍亞は再び歩きだし、そして霧の中に消えた。仮面の隙間から涙を流しながら

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