俺、○○になっちゃった!! 作:シグナー信者
避難の最中、ジャック・龍可のシグナーの痣が赤く輝き始める
「始まったか…」
「遊星……」
「さぁ、こっちの部屋へ」
マーサの先導で部屋へ入れようとした女の子達が気づく
「タクヤくんがいないよ」
「ジュンとみっちゃんも」
「何だって!?」
マーサを先頭にジャック達は外へ出た
「あ、アレは……!!」
既に蜘蛛の地上絵が浮かんでいる空を見上げたマーサは、意を決して走り出す
「マーサ!!」
「任せろ!!」
ジャックの制止を振り切ったマーサを、牛尾が追って行った
「これは?」
マーサと牛尾は遊星が戦っている市街地にやって来た
「そうか……遊星たちが言っていた炎の地上絵はこれか?」
「子供たちは?」
そうして近くのビル上がる二人
「……遊星」
窓から遊星を見つけ、そして子供たちも見つける
「「うう…!」」
「あんたたち!」
「まずいぜ...地上絵の中に子供たちが!」
「マーサ!牛尾さん!【地縛神】が召喚されてしまいそうなの!そうしたら、あの子たちが生贄になってしまう!」
「なんだって!?」
「そんな!」
「遊星!」
マーサの声に振り向く遊星
「ふざけんじゃないよ!あの子たちを助けるんだ!」
その言葉に頷く遊星
「私のターン……フィールドに守備モンスターが1体!」
ルドガーがそう宣言すると、奴の後ろにある祭壇にまた1つ炎が灯った。これでカウンターは2つ
「くく...あの手この手で良く持ちこたえてはいるが、それもここまで」
「っ!ま、まさか!」
「トラップカードオープン!【縛られし神への供物】を発動!ライフを半分にすることで、地縛神カウンターを2つ点灯させる」
「なんだと!?」
「そんな!せっかくここまで!」
祭壇の炎が4つ灯ってしまう
「これで!地縛神カウンターは4つ揃った!」
祭壇の中から紫色の光が漏れ、祭壇が破壊された。そして光は上空の蜘蛛の地上絵へと延びていき、光が収束するとそこには心臓のような物体が現れ、その物体に、黒い霧が吸い込まれ始めた
「なんだ、あの霧は…」
「サテライトを取り巻くこの黒雲には、人々の魂が溶け込んでいる……人々の魂を生贄に!」
地上絵の中にいる子供たちが苦しみ始め、体は明滅し、その魂が紫色の光となって生贄に捧げられようとしていた
「ダメ!」
「ジュン!ミッチャン!」
「(また俺は……地縛神を前になすすべもなく!)」
とその時
「地縛神など、どれほどのものかああああああああ!」
Dホイールとともに、ジャックが地上絵の中へと飛び込んできた
「ジャック!?」
「ジャック!?」
「ジャック!子供たちを!」
「任せておけ!ジャック・アトラスは、応援してくれる子供たちを決して裏切りはしない!」
ジャックは地上絵の中へと炎を突き破って侵入し、そのまま子供たちの近くに着地する。そして素早くDホイールから降りると、子供たちの魂を引き留めるように子供たちを抱きかかえる。すると、シグナーの痣が光りだし、子供たちの魂は体へと戻っていった
「ああ!ジャック!ありがとう!」
「ひやひやしたぜ」
「フハハハハハハハハ!とんだ茶番だったな。今こそ降臨せよ!我が神【地縛神Uru】!」
宙に現れた物体から再び光が噴出し、そして光が収束すると、大きな地響きが鳴り始めた
「な、なんだぁ!?」
「「うわああああああああああん!ジャック~!」」
そして地面から紫色の炎が吹き上がり
「来たか!」
「こ、これが…地縛神!」
炎とともに巨大な蜘蛛が姿を現した
「遊星!ダークシグナーなど、さっさと潰してしまえ!」
「ああ!なんとしてでも!」
「ふっ...簡単に言ってくれるなよ。地縛神をお前がどうやって潰す」
「……」
「その効果はすべての頂点に立つ。フフフ……まるで、究極のエネルギー、モーメントのように」
「何を言っている!」
「楽しんでいるのだよ……5千年の覇権を賭けてデュエルする相手が、不動博士の息子だとはな」
「不動博士!?お前、親父を知ってるのか!」
「知っているとも……俺は17年前、お前の父、不動博士が率いるモーメント開発機関MIDSにいた。不動博士の助手としてな」
「なんだって!?」
「そしてもう一人助手がいた。それが、私の弟……レクス・ゴドウィン」
「「「っ!」」」
ルドガーの言葉に、遊星やアキ、ジャックは驚きを隠せないでいた
「最後にもう一つ教えておいてやろう……モーメント開発はその後、不動博士によって中止が進言された。モーメントがたびたび逆回転現象を起こし、重大な事故が起きるのではないかと博士が懸念したためだ。だが、スポンサーやネオドミノシティはそれを許さず、開発はこの私に引き継がれた。そして……ゼロ・リバースが起こることになる」
「っ…まさか、お前……あの爆発を故意に!」
「さあな!フハハハハハハハハ!」
奴の言葉に、ここにいるすべての人間が言葉を失っていた
「答えろ!何のためにそんなことを!親父と、ゴドウィンと!お前の間で何があったんだ!」
「その問いに答えられるほどの時間は、お前には残っていない……【地縛神Uru】!!」
攻撃態勢を取る地縛神
「【地縛神Uru】はダイレクトアタックができる!たった一撃で、遊星…お前を潰す!くらえ!ヘルスレッド!」
攻撃が遊星に襲い掛かる
「トラップカードオープン!!【アイアン・リゾルブ】!ライフポイントを半分にして、戦闘ダメージを0にしバトルフェイズを終了する!」
攻撃は反射されるが、その衝撃は消えることはなく、周囲が大きく揺れる
「カードを1枚伏せて、ターンを終了」
「うわああああああああああ!」
後ろから悲鳴が聞こえ振り返ると、子供が建物の屋上から落ちそうになっていた。しかも建物が斜めになっているせいで、そのまま落ちると地上絵の中に落ちてしまう
「タクヤ!」
「タクヤ!ああ!」
「マーサ!牛尾の兄ちゃん!」
「そんな……」
「今行くよ!」
そんな子供を助けようと、マーサが子供の元へと歩いていく。マーサは何とか子供の元へ辿り着き、子供を支えながら牛尾の元へと戻っていく
「マーサ!」
「ほらタクヤ!行きな!」
マーサは子供を先に牛尾へと引き渡す
「うわあああああ!」
だが再び地響きが起き、今度はマーサが建物から落ちそうになる
「マーサ!」
マーサも何とか登ろうとするが滑って登れない
「マーサ!」
「……」
マーサは牛尾に対して首を振った
「ダメだ!あきらめんな!」
「タクヤを頼んだよ……あんたは、タクヤのヒーローなんだから」
「何が…ヒーローだ……俺は、あんたたちサテライトの人間を侮辱して……」
「「マーサ!」」
遊星とジャックの呼びかけに、マーサは俺たちの方に振り返った。
「あんたたちは...本当に良い子だったよ!きっとだよ!あんたたちが、サテライトとシティの架け橋になるんだよ!」
「マーサ!」
ついにマーサは建物から滑り落ちそうになった
その時
「なっ!!」
ロープの付いたU字形の金属がマーサに向かって行き、腰に当たるとガッチリと捉え、落ちるのを阻止された
「うわあ!!」
「これは!!」
牛尾が後ろを振り向くと、
「おい!お前!?」
誰かがその場にいたが、姿が見えなくなった
「今のは?」
「牛尾の兄ちゃん!早く!」
考える暇もなく、ロープを引っ張る牛尾。そしてマーサの引き上げられた
「遊星!こっちは大丈夫だ!だからお前は早くデュエルに勝ちやがれ!」
「っ....頼むぞ、牛尾!」
「遊星!『地縛神』など、さっさと蹴散らしてしまえ!」
「ああ!!」
「大丈夫か?マーサ!」
「ええ……これよりこれは?」
マーサは外したU字形の金属を見る
「わからん……ただ後ろに誰かが居たんだが……一瞬だったから」
「とりあえず、早く出るよ」
そして牛尾達は無事、ビルから脱出する
「響け!シューティング・ソニック!」
「トラップカードオープン!【スパイダー・エッグ】!この効果により、攻撃を無効にする!その後、3体の【スパイダートークン】を特殊召喚する!」
「くっ....カードを1枚伏せて、ターンエンド!」
その後、遊星は【スターダスト・ドラゴン】を召喚するが、ルドガーのトラップにより、ダメージを与えられなかった
「遊星!」
脱出した牛尾達が声を掛ける。その姿を見た遊星は
「よし!あとはお前を倒すだけだ!」
「フフフ...フハハハハハハハハ!果たしてそうかな?」
そう言うと、ルドガーは紫色の光だし、違う人物へと変わった
「っ...ラリー!」
「ラリー!?」
「ど、どういうこと!?」
ラリーに困惑しながらも、ラリーのもとへと駆け寄ろうする遊星
「フハハハハハハハ!」
声がした方に視線を向けると、そこにはルドガーがいた
「皮肉だなぁ…もう一人助けなければならない仲間がいたとはな」
「貴様!ラリーを操って!」
「だが、今はその小僧の意思は解放した。そいつが勝ちたいと思えば戦い、負けたいと思えば負ければいい。だがこのデュエルにサレンダーは許されない。さあ小僧!好きにするがいい!」
「どういうことだ!?」
「遊星……このデュエルに敗れた方は、消滅しちまうんだ」
「なんだって!?」
「ブリッツも、タカも、ナーヴももういない!こいつらに!」
「ふぅん」
「貴様ぁ!」
「お、俺のターン!」
カードを引くラリー
「やめろ、ラリー!」
「小僧、戦うのだ!お前が生き残るために!」
「【地縛神Uru】の効果!自分フィールド上のモンスター1体をリリースして、相手フィールドのモンスター1体のコントロールを得る!」
そう宣言すると、【スパイダートークン】をリリースして【ワンショット・ブースター】のコントロールを得た
「【ワンショット・ロケット】を召喚!」
「っ!!やめろ、ラリー!俺を攻撃しろ!俺を倒すんだ!」
「ダメだ!遊星…遊星は俺たちサテライトの希望なんだ!だから!」
「ダメだ、ラリー!」
「ラリー!」
「レベル1の【ワンショット・ブースター】に、レベル2の【ワンショット・ロケット】をチューニング!シンクロ召喚!【ワンショット・キャノン】!」
「(あの子…まさか…)」
「やめろ、ラリー!」
「【ワンショット・キャノン】の効果……フィールド上のモンスターを破壊し、そのモンスターのコントローラーに、その攻撃力分のダメージを与える!」
「ラリー!!」
「ごめんよ……遊星。ごめん、こうするしか……俺が選ぶモンスターは……【地縛神Uru】!ファイナル・ショット!」
【ワンショット・キャノン】が【地縛神Uru】に攻撃する
「う、うわああああああああああ!」
そして【地縛神Uru】は粉々に砕け散り、ラリーのライフは0になり、衝撃襲う
「ラリー!」
遊星はラリーを抱き起こす
「遊星……サテライトを…守っ……て……」
そう言うと、ラリーは黒く染まりまるで砂のように散っていった
「っ……ラリーいいいいいいいいいいいいい!!」
決着がついたことで、ソリッドビジョンと地上絵の炎が消える
「「「「遊星」」」」
遊星のもとに仲間たちが走り寄ってきた
「面白い見世物だったな……だが、これからがダークシグナーとシグナーの戦いの本番だ」
ルドガーの元に、色違いの黒衣を着た6人のダークシグナーが揃っていた
「それぞれの闘いは、宿星によって決められる」
「宿星?」
「地縛神の恐怖を克服したなんて思うなよ、遊星!まだまだたっぷり恐怖は残っているはずだ。俺への恐怖がよ!ヒャーッハッハッハッ!!」
狂ったように笑う鬼柳に、俯いていた遊星はゆっくりと顔を上げた
「ああ、俺は恐ろしい!貴様たちを倒すことを、これほど欲している俺自身の怒りが!」
遊星を筆頭に、シグナー達はダークシグナー達を睨みつけた
「ダークシグナー…俺はお前たちを許さない!」
「少女よ」
ダークシグナーの一人が、1枚のカードを見せてきた
「あ、それは!」
そのカードは【エンシェント・フェアリー・ドラゴン】
「これはお前が持つべきカードだったな……カードを取り返したければ、私に戦いを挑むがいい。私は逃げも隠れもしない」
そうして猿の痣を見せる
「我が名はディマク!Cusilluの痣を持つダークシグナー」
「っ!」
「では、それぞれの宿星……その宿命の地で会おう」
ダークシグナー達が去って行く時、牛尾は気付く
「おい!待て!!紫の奴!!」
その言葉にダークシグナー……いや龍亞は止まる
「やっぱりそうだ……あの時あの場に居た」
「えっ?じゃあ」
「こいつがマーサを助けた奴だ」
「何だと!!」
その言葉に遊星たちは驚く
「貴方は一体?」
仮面とフードを被っているため、遊星たちは素顔が見えない。そして龍亞は再び歩きだし、そして霧の中に消えた。仮面の隙間から涙を流しながら