俺、○○になっちゃった!! 作:シグナー信者
「もう追ってこないか……っ!」
「レグルス!」
何とかレグルスに追いつき、龍可はレグルスを呼び止める
「グルルルル!」
レグルスは、臨戦態勢に入っていた
「……」
杖の針をマイナスに変え、大木でできた橋を渡し始める
「お願い、レグルス!私の本当の声を聞いて!一緒にエンシェント・フェアリーを助けに行きましょう!」
「来るな!これ以上近づけば容赦はしないぞ!」
「……」
近づくことをやめなかったので、レグルスは再び私たちに襲い掛かった
「ウガァァァ!!!」
「龍可ちゃん!!」
そのレグルスに向かって、龍可はカースド・ニードルを差し向ける
「うわぁぁぁ!!!」
龍可とレグルスのカースド・ニードルが近づくと、お互いの針はプラスとなり、凄まじい力の爆発が起きる。それにより丸太の橋は砕け散り、橋の上いたレグルス、龍可、トルンカは崖下の川へと落ちてしまう
「龍可ちゃん!!」
川の流れは激しくて、簡単に流されてしまうが
「レグルス! レグルス!」
龍可は声を張り上げ、レグルスの名を呼ぶ
「ぐっ……ハッ!」
龍可の呼び掛けにより、その声の方向を向くと
「(あれは、シグナーの痣!)」
レグルスは急いで二人の下へ泳ごうとするが、大量の水が落ちる音を聞き取るとその方角へ顔を向ける
「滝じゃ!」
「レグルス!」
レグルスは何とか二人を助けようと近くに寄る……だがそのまま全員で滝に落ちてしまう
「っ!?」
だが、ここで龍可が機転を利かし、手に握っていたカースド・ニードルの指針をマイナスに変更すると、龍可達は滝を登り始めた
「死ぬかと思った」
レグルスは二人を背に乗せて川を泳ぎ、何とか川岸まで辿り着く
「レグルス……大丈夫?」
「……やっとお会い出来ましたね」
「えっ?」
レグルスは、龍可の前に移動し、頭を低くする
「シグナーの少女よ……あなたがこの世界に来られる時を、心待ちにしておりました」
レグルスは先程の様に獰猛で攻撃的な様子ではなく、礼儀正しく落ち着いた様子を見せる
「レグルス!!」
龍可は歓喜で眼を輝かせた
少し休んで、龍可とトルンカはレグルスと話しをする
「それじゃあ、私をこの世界へ呼んだのはレグルス……貴方だったの」
「はい……あなたの事は、エンシェント・フェアリー様から聞いていました。私は戦いを続けながら、持てる能力を駆使し、あなたを精霊界へとお導きする為の術を掛けてまいりました」
ここで、レグルスが今よりも頭を低くする
「どうかお許しを……呪いによって惑わされていたとは言え、あなたの事を敵と認識してしまうとは……」
「まったくじゃ!わしはレグルス殿に食われてしまうかと思ったわい!」
「もういいよ。さっき滝に落ちた時には、私たちのことを守ってくれたんだもの……ありがとうレグルス!」
そして龍可の表情が変わる
「さあ、次はエンシェント・フェアリーを助ける番よ!」
「エンシェント・フェアリー様は猿魔王ゼーマンの呪いによって、岩山に封印されています。城に乗り込み、ゼーマンを倒せば呪いは解かれ、マイナス化されていたものたちも、それでもとに戻るでしょう」
レグルスは私に背を向けて座り込む
「さあ私の背中に」
「うん!トルンカ!」
「あいよ」
レグルスの背中に乗る龍可たち
「さあ、しっかり捕まっていてください」
そしてレグルスが走りだし、ゼーマンの城へと向かいだした
やがて森を抜けると、広い草原に出た
「どうしたのレグルス?」
ここでレグルスが足を止め、空を見上げる
「龍可!!……あれを!」
レグルスが見上げているのは太陽。その太陽の周りには黒い雲が漂っている
「あの太陽……何か変………あ!?」
龍可はそんな太陽に違和感を感じる
「あれは!?」
そしてトルンカが気付く。太陽にカースド・ニードルが浮かび上がっているのを。そしてシルエットの一部が動き出す
「……一体何が起こっているの?」
龍可とトルンカに辺りを見回すと、周りの植物が全て消滅し、緑豊かな大地が、一瞬にして無残な荒野と化してしまった
「雄大な自然が、原始の世界へ戻ろうとしている」
「大変!?このままだと、精霊達が帰れる場所が無くなっちゃう!?」
レグルスの言葉に驚く龍可
「どわぁぁぁ!?」
その横でトルンカも驚きの声を上げる
「どうしたのトルンカ!?服がダブダブになってる!?」
龍可が見たトルンカの服装は、肩まで捲っていたローブの袖は完全にずり落ち、長帽子は目元を隠してしまっている
「違う!またわしの体が小さくなってしまったんじゃあ!」
「えっ!?」
「このままだと、わしも龍可ちゃんも、何時か赤ん坊になってポン!と消えてしまうぞ!」
「そんな」
「もはや一刻の猶予も無い!我々が戦える内にゼーマンを倒さなくては!急ぎましょう龍可!」
「うん!」
再びレグルスの背に乗ると、ゼーマンの居城目指してレグルスが駆け出す
「(龍亞……力を貸して!猿魔王ゼーマンと戦う力を!)」
そしてゼーマンの城が見える位置までやって来た
「あそこに、猿魔王ゼーマンがいるのね」
「何やら警備が厳重そうじゃのう」
「うむ……迂闊に近づけばたちどころに捕らえられてしまうだろう」
「どうしよう?」
レグルスは少し考えると
「一つだけ城に潜入する方法があります」
「「え?」」
果たしてその方法とは……