けいおん!【Be Feverish】 作:薺《Nazuna》
冬弥は、携帯で連絡を取り合い、秋太・風音と合流した。
合流したのち、これといってやることもない為、校内を三人で歩いていた。
まぁ……今は駄弁ってるだけなんだがな。
風音
「スゴく緊張したんだよ?」
秋太
「お前は学生スタッフぐらいで緊張するやつじゃないだろ。」
学生スタッフをして、風音が緊張したかどうかという話をしている。
秋太
「第一、学生スタッフやろうって言って、俺らまで巻き込んだの風音だろ?」
風音
「確かにそうだけど、学生スタッフに立候補したからって、緊張しないって訳じゃないんだよ?―――巻き込んだのは悪いと思ってるけど………」
はたから見たら、この二人は喧嘩しているように見えるかもしれない。
でも、俺達はずっと一緒にいるから言わなくても分かることがある。
秋太は風音を心配して、最終的にこのボランティアを断らなかった。
風音も言わなくても、ソレを分かっている。
いつものことだ。
冬弥
「まぁ、いいんじゃねーか?どっちでもさ。俺も緊張したし。あと、風音一人に学生スタッフやらせるのは、心配だから丁度良かったさ。」
風音
「冬弥くん………やっぱり、冬弥くんは優しいね。」
冬弥
「そんなことないって。」
秋太
「(自覚なしに優しさを見せるから、モテるんだろうな、コイツは……。風音にも、な。)」
冬弥達が駄弁ってると、少し離れたところから、女の子に声を掛けられた。
咲夜
「あの!……すみません!」
声のした方を向くと、四人の女の子がいた。
秋太
「ん?見たところ、体験入学生じゃね?」
冬弥
「あぁ、俺と鳥花が担当してた子達だ。」
風音
「なら冬弥くん、行ってあげないと。あと、篁先生の事そんな風に言ったらダメだよ?目上の人なんだから。」
風音に促され、冬弥は少女達の元へ向かった。
その後を、秋太と風音が付いていく。
冬弥
「どうしたの?迷子?」
冬弥は、笑顔で話しかけた。
やっぱり、無愛想だと失礼だしな。
咲夜
「あ……いえ。迷子とかではなく……。」
冬弥
「なら、う~ん………なにかな?」
真冬
「迷ってるのではないんですけど、どこに何があるのか分からなくて……」
彩祢
「地図とか無いですか~?」
パンフのどれかに校内地図載って無かったかな?覚えてねーや。
冬弥
「地図か………わからないな。――――なら、もし良かったら案内しようか?俺達3人で。」
真冬
「いいんですか?」
冬弥
「大丈夫だろ。――――いいよな?」
冬弥は後ろの秋太と風音に問う。
二人ともOKを出してくれた。
冬弥
「俺ら特にやること無いから構わないよ。」
彩祢
「やったぁ!!」
今まで黙っていた梓が口を開いた。
梓
「ホントにいいんですか?」
冬弥
「俺達は構わないよ。それに、こういうのが学生スタッフなんだし。それとも迷惑、かな?」
冬弥は優しい笑みを浮かべ、優しい口調で梓に答える。
すると、梓はそれに対し、ほんの少しドキっとし、激しく否定をした。
梓
「い、いえ!迷惑なんて、そんな!」
冬弥
「じゃあ案内するね。」
梓
「は、はい!」
この時、梓が頬をほんのり赤く染めていたことは言うまでもない。
―――数十分後
冬弥
「へぇ~。じゃあ、中野さんは、山吹女子(高校)に進学する予定で、山峰さんと朱鷺島さんと三沢さんは、うち(桜が丘高校)に進学する予定なんだ。」
梓
「はい。そ、その…すみません。」
冬弥
「気にすることはないよ。いろんな学校見て回って、一番やりたいことが叶う所に進学するのがいいと思うから。」
もしかして、元気が無いように見えたのはコレが原因かな?
冬弥
「まぁ、元から決めていた高校があるなら、そこを目指すのが一番だね。」
梓
「はい。ありがとうございます!」
俺が体験入学生と話していると、秋太が声を掛けてきた。
秋太
「もうそろそろ14時だぞ?戻らなくて良いのか?」
冬弥
「そういや、もうそんな時間か。―――戻るか。」
こうして俺達はそれぞれの持ち場へ、少女達は冬弥と共に1年2組へと入っていった。
そして少し鳥花が話をして、玄関に向かった。
俺と鳥花は今、玄関の外で体験入学生と向かい合っている。
篁先生
「では、皆さん気を付けて帰ってください。それから、桜が丘高校をよろしくね~!」
鳥花は少し間をおき、深く息を吸って言った。
篁先生
「それじゃ、解散!!」
その声を聞いた体験入学生達は、鳥花に挨拶をして次々に帰っていった。
梓
「あの……」
次々と帰っていく中、一人の女の子が話し掛けてきた。
冬弥
「ん?」
梓
「今日はありがとうございました。楽しかったです。」
礼儀正しくて律儀な子だな。
冬弥
「楽しめてもらえたなら良かった。」
梓
「では……」
冬弥
「あぁ。」
彼女はそういってペコリと頭を下げて帰っていった。
こうして今日の桜高の体験入学は終わった。