けいおん!【Be Feverish】   作:薺《Nazuna》

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 第四話【受験前】

受験勉強をする人が多くなってきた頃の話。

 

冬弥は買い物をするため近くの大型総合スーパーに来ていた。

 

 

 

冬弥

 「(なずな)、何だったら喜ぶかな…」

 

 

 

今日は妹の薺が受験勉強をしている為、何か手料理を差し入れをしようと買いだしに来ていた。

 

 

 

冬弥

 「薺は普段から勉強してるし心配ないけど、やっぱりトンカツとかがいいのかな。」

 

 

 

冬弥は何を作ろうか迷っていた。

すると何やら奥の方で野蛮な声が聞こえたので行ってみることにした。

 

 

 

 

――――梓 Side――――

 

私は受験勉強の息抜きに買い物に来ていた。

 

 

 

 

 「手荷物になるから、お母さんに頼まれた物は帰る時に買っていこうかな。」

 

 

 

今日だけは一日楽しもうと意気込んでいる梓。

まずはぶらついてみることにした。

 

 

 

 「何か甘いもの食べようかな。」

 

 

 

女の子は甘いモノが好きだけど、それよりも気になるのがカロリー。

私はカロリーという見えないものと戦っていた。

そして結果は……

 

 

 

 「き、今日くらいは良いよね!」

 

 

 

久々の息抜き。

何か買うことに決めた。

しかし、次はクレープ、ソフトクリーム、ケーキ、いろいろある中で何を買うか迷うこととなった。

 

 

 

 

 

 

―――――数十分後

 

 

 

 「きめたっ」

 

 

 

私はふわふわもちもちの生地に生クリームとバナナがたっぷり入っている"クレープ”を買うことにした。

 

 

 

私はクレープを買った後、座って食べれる場所を探していた。

私は席を探していると、人にぶつかってしまった。

 

 

 

 「ご、ごめんなさいっ!大丈夫ですか?」

 

 

 

 

ぶつかってしまった相手に平謝りした。

しかしぶつかってしまった相手が悪かった。

とにかく怖そうなお兄さんだった。

 

 

 

怖そうなお兄さん(怖い人)

 「いってーなぁ」

 

 

 「す、すみません。私がよそ見していたせいで…」

 

 

 

怖い人

 「誤って済むわけねーだろ、服にクリーム付いてんじゃねえかよ。」

 

 

 

見ると、手に持っていたクレープは床に落ち、その生クリームが怖い男の人の服にべっとりと付いていた。

 

 

 

怖い人

 「この服買ったばかり何だけど、どうしてくれんの?」

 

 

 「すみません…その、クリーニングのお金出させていただきます…すみません」

 

 

 

ぶつかったのは私の不注意だけかは分からないが、私も悪いのは事実なのでただひたすらに謝るしか無かった。

 

 

 

怖い人

 「クリーニング代だけですまそうとしてんじゃねぇよ。この服の金払えよ。」

 

 

 「そ、そんな…」

 

 

 

周りを見渡しても、誰もが見てみぬふりをして過ぎ去ってゆく。

誰も助けに来てくれる人は居ない。

私が泣いてしまいそうなくらい困っていると、見覚えのある人が声をかけてくれた。

 

 

 

 

 

――――Side End――――

 

 

 

怖い人

 「クリーニング代だけですまそうとしてんじゃねぇよ。この服の金払えよ。」

 

 

 

 

冬弥が野蛮な声がする方へ行ってみると、そこには見覚えのある少女がいた。

その少女はとても困っているようだったので声をかけることにした。

 

 

 

冬弥

 「梓ちゃん、こんな所にいたのか。探したよ!」

 

 

 

 「え…ひ、柊さん?どうしてこんな所に…」

 

 

 

こんな状況の自分に声をかけてくれる人が居た、助けてくれる人がいた、その上それがこの前オープンキャンパスで1度会っただけの人だということ。梓は心の底から驚いた。

 

冬弥は梓の耳元で"お願い、今だけは話を合わせて"と(ささや)いた

 

 

 

冬弥

 「心配したよ、見つかってよかった。じゃあ行こうか。」

 

 

 「え…あ、はい…」

 

 

冬弥

 「彼女がご迷惑をかけてしまったみたいで、本当に申し訳ありませんでした。こんなものしかありませんが、受け取ってください。」

 

 

 

冬弥は、財布からこの街の商店街の商品券を取り出して渡した。

その後、このショッピングモール内のクリーニング店を紹介した。

 

 

 

冬弥

 「本当に申し訳ありませんでした。クリーニングはそこのクリーニング店を使用してください。しっかり綺麗に仕上がりますので。お代は後から支払っておきます。それでは買い物が有りますので、コレで失礼します。」

 

 

 

梓はどうしたらいいか分からなかったので直感で冬弥の言うとおりにすることにした。

すると心配していたことが起こった。

そう、あの男である。

 

 

 

怖い人

 「おい待てよ、てめぇら」

 

 

 

この声に梓は体を震わせた。

梓が怖がっていると、冬弥は直感した。

少しでも安心させるために、冬弥は梓の手を握った。

 

 

 

冬弥

 「本当に申し訳ありませんでした。」

 

 

怖い人

 「だから、それだけで済むと――――」

 

 

 

この男が"クリーニング代だけでは許さない”と言った所で、近くの店のおばさんが出てきて声をかけてきた。

 

 

 

おばさん

 「冬弥、あんたどうしたんだい?」

 

 

冬弥

 「こんにちは。いや、ちょっと人とぶつかって服を汚してしまって……」

 

 

 

冬弥がおばさんに、事の主旨をを伝えると、おばさんは笑って言った。

 

 

 

おばさん

 「あっはははははは。そんな事で怒るなんて気が小さいねぇ。そんなのどっちも悪いんだからお互い謝って、それでおしまい。」

 

 

怖い人

 「おい、クソババアなめてんじゃねえぞ!」

 

 

 

おばさんに説教され、男が逆上してきた。

すると周りにはそこら中の店から出てきた人でいっぱいになっていた。

 

 

 

怖い人

 「な、何なんだよ。この人だかりは…変な目で見やがって……くそっ、覚えてろ―」

 

 

 

周りからの目に耐えられなくなった男は、その場を立ち去り帰っていった。

梓はその終始を見て、きょとんとしていた。

 

 

 

冬弥

 「ここの人たちはお互い支え合ってるんだよ。」

 

 

 「なんだかいいですね、こういうのって。」

 

 

 

おばさんが、落ちたクレープは処理してくれると言ってくれたので、言葉に甘えその場を後にした。

 

 

冬弥と梓は2人でショッピングに行くことにした。

 

 

 

冬弥

 「そうだ、クレープごちそうするよ。さっき落としちゃったみたいだしね。」

 

 

 「そんなっ、いいですよ。私の不注意なんですから。」

 

 

冬弥

 「せっかく会えたんだし、それくらいさせてよ。」

 

 

 

2人はクレープを買って、座って食べながら会話をした。

 

 

 

冬弥

 「今日は買い物?」

 

 

 「あ、はい。お母さんに買い物頼まれて、折角なんで久々の息抜きをしようかと思いまして。」

 

 

 

梓は、冬弥から聞かれたことに極力丁寧に答える。

 

 

 

冬弥

 「そっか、受験生だもんね。勉強(はかど)ってる?」

 

 

 「一応、普段からしているので順調な方だと……でも、やっぱり息抜きしないとダメですね。」

 

 

 

梓は笑顔で答えた。

普段から勉強をしているしっかり者の梓でも、息抜きは必要なようだ。

 

 

 

 「柊さんはどうしてここへ?買い物ですか?」

 

 

 

梓は少し気になっていたことを聞いた。

 

 

 

冬弥

 「妹も受験生でね。何か手料理でも振る舞おうかと思って買い出しに来たんだ。妹も中野さんと同じで勉強は普段からしてるから心配はしてないんだけどね。」

 

 

 「そうだったんですか。妹さんいらっしゃるんですね。桜ヶ丘高校を受けるんですか?」

 

 

冬弥

 「そうだね。まぁ、家から一番近いしね。そういえば中野さんは山吹女子だっけ?順調に行けそう?」

 

 

 

梓は冬弥に伝えたかったが、逆に一番聞かれたくなかったことを聞かれ、少し困惑の表情を浮かべた。

 

 

 

冬弥

 「あ、ごめんね。聞かないほうが良かったかな…」

 

 

 

梓は慌てて否定した。

 

 

 

 「い、いえっ、そんなことないです!あ、あの…ずっと考えてて最近決めたんですけど……私、桜ヶ丘高校受けようと思って……」

 

 

 

梓は進路を山吹女子高校から桜ヶ丘に変えていた。

 

 

 

冬弥

 「驚いたよ。そっか、じゃあ無事合格したら同じ学校だね。」

 

 

 「は、はいっ!この前のOC(オープンキャンパス)で桜ヶ丘に行きたいって思うようになったんです。合格できるか分からないですけど、合格できたらよろしくお願いします。」

 

 

冬弥

 「大丈夫、中野さんなら合格できるさ。合格できるように祈ってるよ。学校で会ったら声かけてくれたら嬉しいかな。」

 

 

 

梓は満面の笑みで頷いた。

"同じ学校”この響きが梓には心地よく、より一層頑張ろうと思った。

その後、2人で買い物をして外に出た。

冬弥は梓を家の近くまで送った。

 

 

 

冬弥

 「ここでいいの?」

 

 

 「はい、今日は本当にありがとうございました。受験頑張ります。」

 

 

 

冬弥は梓に1つ提案した。

 

 

 

冬弥

 「じゃあ、桜ヶ丘高校(うちのがっこう)に合格したら、合格祝いに何かするよ。あ、出来る範囲だけどね。」

 

 

 「え、いいんですか?」

 

 

冬弥

 「それで、やる気出してもらえるんならお安い御用さ。」

 

 

 

梓はすでに合格する気満々であった。

 

 

 

 「それじゃ、ここで失礼しますね。」

 

 

冬弥

 「うん。じゃあまたね。」

 

 

 

2人は各自帰宅した。

 

その後

梓は机に向かい、冬弥は台所へと向かった。

どっちの家も晩御飯は"とんかつ"だった。

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