けいおん!【Be Feverish】   作:薺《Nazuna》

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 第六話【入学】

天気も良く、桜の蕾(つぼみ)が開き、木々が桃色に染まり始める今日。

今日という日に最適なのではないだろうか。

 

そう、入学式である。

 

 

 

冬弥

 「おーい、なずなー。そろそろいくぞー。」

 

 

薺

 「今行くから、まってー。」

 

 

 

今日から薺は桜ヶ丘高校の後輩になるのだ。

学校まで一緒に行く約束をしていたので、薺が来るまで玄関で待っていた。

 

 

 

薺

「おまたせー」

 

 

 

薺が来たので、学校へと向かうことにした。

二人で並んで歩いていると、後ろから声をかけられた。

 

 

 

秋太

「おっす、おふたりさん。」

 

 

 

秋太の横には風音もいた。

 

 

 

薺

「あ、秋太さん、風音さん、おはようございます。」

 

 

薺の制服は今日から桜高の制服

秋太と風音は薺が同じ学校の後輩になったのが嬉しいようだ

風音は学校に着くまでずっと薺と喋っていた。

 

 

学校に着くと同じような制服を着た、見慣れない生徒で賑わっていた。

 

 

 

薺

「初日に遅刻するのは嫌だから、そろそろ行くね。」

 

 

 

薺と別れた後、俺達も二年生の教室へと向かうことにした。

俺達は今年も同じクラスだった。

2年1組のドアをくぐって教室へと入っていった。

 

 

 

風音

「みんな同じクラスで良かったね。」

 

 

秋太

「思ってたよりもみんなクラスバラバラになったし、結構運いいかもな。」

 

 

 

俺達は1年の頃と何の変わりもなく、授業が始まるまでずっと喋っていた。

 

 

4時間目の授業が終わり、昼休みに入った。

いつも通りの流れで冬弥の席の周りに集まって昼食…と思った瞬間

 

 

 

秋太

「あ…弁当忘れた」

 

 

 

久々の登校で弁当を持ってくるのを忘れてしまったようだ。

俺も風音も忘れずに持ってきているのに忘れてくるとは…これは休みボケに違いない。

 

 

 

冬弥

「なら購買にでも買いに行くか。まだ残ってるかは知らないけど。」

 

 

 

俺達は三人揃って秋太の昼食を買いに購買へと足を運んだ。

購買に着いたところで、秋太と風音が列に並んだので俺は人混みの外で待っていることにした。

すると、聞き覚えのある声に呼び掛けられた。

 

 

 

梓

「あれ、もしかして柊さん…ですか?」

 

 

 

ふと声のした方へ顔を向けると、見覚えのある女の子が桜ヶ丘高校(うち)の制服を着て立っていた。

 

 

 

冬弥

「あれ、もしかして中野さん?」

 

 

梓

「はい。覚えていてくださったんですね。」

 

 

冬弥

「今ここで出会うって事は無事合格したみたいだね。中野さんなら大丈夫って思ってたけどね。おめでとう。」

 

 

 

梓は合格したことを冬弥に伝えられ、冬弥は梓が合格したことを知ることが出来た。

二人は自然と笑顔になった。

 

 

 

冬弥

「それじゃ頑張った中野さんにはご褒美をあげないとね。」

 

 

梓

「え?」

 

 

 

冬弥の言葉に梓はキョトンとした。

冬弥は笑顔のまま言葉を続けた。

 

 

 

冬弥

「合格できたら何かするって約束してたしね。なにがいい?」

 

 

 

梓は冬弥に会ったことによって、その約束が頭から飛んでいた。

 

 

 

梓

「いえいえ合格できましたし、その約束は忘れていただいていいですよ。約束を覚えていて下さっただけで嬉しいので。」

 

 

 

梓の言葉に冬弥は頭を横にふった。

 

 

 

冬弥

「ダメだよ、それは。約束は守るためにあるんだよ。それに合格を祝ってあげたいし、何かさせて欲しいんだ。なにがいいかな?」

 

 

 

冬弥は優しい表情と口調で梓に問いかけた。

すると梓は申し訳なさそうに答えた。

 

 

梓

「お気持ちはすごく嬉しいんですけど、何も考えていなかったので、何も思い浮かびません…すみません。」

 

 

冬弥

「そっか、確かに再会していきなりだもんね。こちらこそ気を使えなくてごめんね。それじゃあ、何かして欲しいことが決まったらその時言ってくれるかな?」

 

 

梓

「はいっ。」

 

 

 

梓は嬉しそうに頭を縦にふった。

 

 

 

冬弥

「ところで、中野さんは昼食買いに来たの?」

 

 

梓

「あ、はい。私は買ったんですけど、友達がまだだったので待っていようかと思って人混みの外に出てきたらたまたま柊さんをお見かけしたので。柊さんもお昼ご飯ですか?」

 

 

冬弥

「俺は弁当持ってきてるんだけど、秋太が……あーこの前のOC(オープンキャンパス)で一緒にいたもう1人の男の方が弁当忘れてきたからそれの付き添い。」

 

 

 

双方の相方が帰ってくるまで少し世間話をしていると、先に梓の友達が帰って来た。

 

 

 

真冬

「あずさー、遅くなってごめーん。ってあれ?」

 

 

咲夜

「この間のOCの時の」

 

 

彩祢

「柊さんだー」

 

 

 

誰かと思うと、OCの時に中野さんと一緒にいた3人組だった。

みんな無事に合格できているのを確認できてホッとした。

 

 

 

冬弥

「久しぶりだね。みんな無事に合格出来てて良かったよ。」

 

 

 

ここでまた会話が始まってしまうと、みんなご飯を食べる時間もゆっくりする時間もなくなるので、積もる話はまた今度という事で四人は教室へと戻っていった。

 

 

 

冬弥

「二人が戻ってきたらあの子達が合格していた事を伝えようかな。」

 

 

 

 

――― Azusa Side ―――

 

 

彩祢

「梓ちゃん、あの人柊さんだよね?」

 

 

梓

「うん、そうだよ。」

 

 

咲夜

「会えて良かったね、梓。」

 

 

 

みんなが私の方を見てニヤニヤしている。

 

 

 

梓

「っ、だから違うってばぁ」

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