9月・・・かな。それくらい。夏休みが終わって二学期になる。夏休みは特に何も・・・ほぼ家に篭りっきりだったし・・・海とか山とか行けば良かったんだけど・・・そういう行事に行くと俺が大多数に晒されてしまう。それはマズイと却下された。代わりに家にたづなさんや中村トレーナーを呼んで焼肉したりした。楽しかったな。
「ふぅ・・・明日から二学期か。」
カバンに教科書等を詰めて学校の準備をする。準備よし。
「寝よ。」
そしてベッドに入った。そして俺は謎の夢を見るのであった。
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「ふふ・・・」
「みぃつけた。」
「ほう・・・」
「えっ。」
俺は縛り付けられている。十字架に。というか体を見たら着てるのはトレセン学園指定の女子の水着。なんで?
「初めまして。牡バちゃん。」
「私達は三女神と呼ばれている。」
「君とはお話ししてみたかったんだー」
「えっ?えっ?えっ?」
「そう怯えないで・・・」
青い髪のウマ娘が俺の太ももを指でなぞる。やめて!!!くすぐったい!!!
「うふふ!かーわいい!」
「おいゴド。あまりいじめてやるな。」
「えー?いいじゃないちょっとくらいダーレちゃんもやったら?」
「俺は・・・まぁ興味が無いと言ったら嘘になるけど・・・」
「でしょ?初めてのウマ娘の雄・・・もう早く触りたくてうずうずしちゃう!!」
「たすけて・・・」
「まぁまぁそう慌てないで。」
赤い髪のウマ娘と青い髪のウマ娘が俺の足をさわさわと触り始める。絶妙な手つきで、なんかいやらしい。そしてその手は上半身にも伸びてきて胸を撫でたり腕を撫でたり。好き放題されている。
「あっ・・・!うう・・・!」
「もう!そんな可愛い声で鳴いたら興奮しちゃうじゃない!」
「あははは・・・これ以上はやめとこうか。」
スッと手が離れ、解放される。助かった・・・
「おい。お前ら。そろそろ本題に入れ。」
目に傷のあるウマ娘がそう切り込んだ。なんだろう本題って。
「はーい。」
「そうだね。はい。」
急に十字架から解放され、地面?に落とされる。痛い・・・お尻打った・・・
「それでなんだけど・・・まず君の事。」
「君はウマ娘の雄として生を受けているよ。」
「通常ならお前のような者を人為的に生み出すのは不可能だが・・・私達が手を貸した。」
「えっ?」
「君の事、雄だけどちゃんとウマ娘って認めるわ。」
「名前はティガだったな。その名前を祝福してやろう。」
「このまま雄として生きてね。」
「は、はぁ・・・?」
「そしてだ。君に、やってもらいたい事がある。」
「真剣に聞いてね。」
「重要な事だから。」
三女神はキッと表情を引き締めて雰囲気が変わる。な、なんだろう・・・やってもらいたい事って。
「ティガ、君に使命を与える。」
「君は多くのウマ娘を娶って、多くの子を成しなさい。」
「ウマ娘の血を濃くするんだ。」
「ええええーーーーーー!?!?」
「声が大きい。」
「そんなに驚くこと?」
「トレセン学園に居ればお嫁さんは取りたい放題じゃない。」
「だ、ダメですよそんなの!」
この人達なに言ってるの?!?!日本は一夫多妻制じゃないんだよ!?!?
「お嫁さんをたくさん取る方法なんていくらでもあるわよ。」
「正直、ウマ娘は人間と交わらないと子供を産めない。だから血は薄れる一方なんだ。」
「ここらで1発。ウマ娘同士で子供を作って、血を作ろうと思って。」
「えぇ・・・?!」
「大丈夫よぉ。君の体は健康になるようにしといたから。」
「元気な子供を作ってくれ。」
「もう完全にウマ娘だから君は。」
「ひぃ・・・!!」
「どうしてそんなに怯えるの?」
「いいじゃないか子沢山は。」
「たくさんの子供に囲まれて余生を過ごす・・・良いと思わない?」
「女の子こわい・・・」
「ダメだぞーそんなんじゃ。」
「まぁでも一理ある。」
「世界で、いや、他の世界でも類が無いウマ娘の雄だしね。」
「俺以外の雄を作るじゃダメなの・・・?それこそ子作り大好きな雄を・・・」
「それはかなり難しい。」
「神様でも出来る事と出来ない事があるんだよ。」
「生命の根幹を弄ると世界に大変な混沌が出てくるからね。」
「じゃあなんで俺は・・・」
「人間が作り出した、と言うことに意味がある。」
「たった1人生み出すには人間の力を借りるしかないんだ。」
「そこを我々が見つけたのでちょこっと・・・な。」
「ひぃ・・・」
俺・・・どうなっちゃうの?
「君は異性に興味が惹かれ安くするから。」
「頑張ってお嫁さんたくさん囲ってね。」
「君は英雄だ。ウマ娘の問題に一石を投じる。そんな大役を担っているのだ。」
「俺何もしてないのに!」
「本来はありえないウマ娘の雄として存在してるだけで快挙。」
「人間もすごいもの作るわよねーだから面白い。」
「私達に出来ない事をやってのける!そこに痺れる憧れるぅ!ってね。」
「そんな・・・」
「まぁでも。勝手に生命を生み出した事には天罰を与えなきゃならないからね。」
「それはそれ。これはこれ。」
「じゃあね。夢はこれで終わりだよ。」
「ええ・・・」
次の瞬間。足元に穴が空いて吸い込まれる様にして落ちていく。
「じゃあねー起きても頑張ってね。」
「いっぱい女の子を誘惑するんだぞ。」
「子供たくさんだからねー。」
やだああああああああああああ!!!!!!
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「・・・ああああああ!!!!」
ガバ。ベッドから飛び起きる。辺りは静かだ、ウマホで時計を見る。時間は朝5時。はぁ・・・変な夢みた。
「はぁ・・・」
顔洗お。洗面所に行くと。既に支度を済ませていたやよいさんがいた。
「む!おはようティガ君。」
「おはようございますやよいさん。」
「今日は私が朝食を作・・・!?!?」
やよいさんがなんか驚いた顔をしている、そしてゆっくり俺に近づいてくるとクンクンと匂いを嗅ぎ始めた。
「や、やよいさん・・・?」
「くん・・・くん・・・」
「あ、汗臭いですか・・・?」
「ふんす・・・ふんす・・・」
そのままやよいさんは俺をぎゅっと抱きしめてきた。やめてくだしあ!
「や、やよいさん・・・!やめ・・・!」
「くんくん・・・はっ!」
ガバっとやよいさんが離れる。どうしたんだろう・・・
「ティガ君・・・何かあったか?」
「え?何か・・・って?」
「すごく・・・良い匂いがする。なんというか・・・心の原風景を見ているような・・・本能をくすぐられるような・・・」
「ええ・・・」
「はふ・・・なんとか理性で剥がれたが・・・なんだこの匂い・・・ずっと嗅いでいたい・・・」
「えええ・・・」
「と、とにかく!」
やよいさんはバッと勧告!と書かれた扇子を開き、そよそよと扇ぎ始める。
「朝食を食べちゃおう。遅刻してしまうぞ。」
「はい・・・」
そうして朝食を食べて、たづなさんが迎えに来たので車に乗って学園に向かった。たづなさんは下唇をきゅっと噛んで何かに耐えているようだった。まさか・・・夢でみた女の子を誘惑しろってアレ・・・フェロモンみたいなのが出てるってこと・・・?
「はぁ・・・」
なんか大変な事になっちゃったなぁ・・・と教室に入る。すると
「みんなおはよう。」
「おはよー・・・ッ!?」
「おは・・・!?」
「はえ・・・!?!?」
どよっと教室にざわめきが走る。なんだ・・・?そのまま席に着いてカバンの中身を机にしまっているとケイとヴィルシーナがやってきた。
「・・・ッ。」
「う・・・」
「あ、おはよ。ケイ。ヴィルシーナ。」
「あ、え、ええ。おはようティガさん。」
「お、おはよう・・・ティガ。」
「・・・どうかした?」
「い、いえ。なんでも無い。なんでもないわ。」
「う、うん。」
「・・・そう。」
その次の瞬間だった。ヴィルシーナが俺の頭をガッと掴んでつむじに顔を押し付けてスゥゥゥーーーーと匂いを嗅ぎ始めた。あまりの出来事に固まっていると、ケイが俺の手を掴み、手の甲をペロリと舐めた。それにも驚愕して汗が垂れた。
「・・・。」
「・・・はっ。」
「うお・・・」
「ケイ・・・?ヴィルシーナ・・・?」
「ゴゴゴごめんなさいティガさん!!!つい・・・つい魔が刺して・・・!!!」
「ティガ・・・すごく良い匂いする・・・」
「ケイエスミラクルさん!?」
「け、ケイ・・・やめ・・・」
「んっ・・・」
「ケイ!??!」
ケイが指を吸おうとしたので振り払う。物凄く残念な顔してるけど朝っぱらからかなりのプレイしようとするのは勘弁してほしい。
「あっ・・・」
「ミラクルさん!!ダメです!」
「しょんぼり・・・」
「か、勘弁して・・・」
ふと、周りを見たら、やたらと視線が多い。皆が皆、こっちを見ている。血走った目で。ああ・・・なんてことだ。夢で見たあれはただの夢じゃなかった。あれは何か、神託の様な物だったに違いない。俺は襲われないように警戒しながら日々を過ごす羽目になるのだった。