続きは老師が天秤座の武器を貸してくれたため取り出せました。
でも瞬が人肌で温めている最中なのでお茶を濁します。
◇◇◇ 星矢教皇就任おめでとうパーティー! ◇◇◇
次の目的地まで艦をオートクルーズモードにした俺たちは食糧庫に余裕があったためささやかなパーティーを開いたのだった。
イガや星華姉さんが料理の腕を振るってくれた、パルティータさんはもうサオリさんの専属にしている。
「教皇就任おめでとう星矢、怪異として数多の世界を巡った俺だが俺の記憶の中でもお前が教皇に就任することは珍しいぞ」
そう言って近づいて来たのは日本酒を手酌で飲むシュラだ、俺の記憶が正しければ第十感(テンセンシズ)に目覚めておりゼウスすら討った星矢マルチバースのインフレの最先端を走り続ける男だ。
「ありがとう、シュラ。俺ってどうしても現場主義というか年功序列でカノンとか若くともハービンジャーとか貴鬼とか向いている奴に任せちまうからな」
「ああ、お前はそれで良い」
そう言ってツマミを取りに行くシュラ、するとハクレイとサオリさんを抱いたパルティータさんが近づいて来て「我々、LC世界線の人間の話を聞いて欲しい」と言う。
「ワシらからすれば原作と呼ばれる世界線の聖闘士はどうも信用出来ん!アテナへの忠誠と地上を守るという使命を忘れて内輪揉めで聖戦前にほとんど死んだ大馬鹿者どもだ!!」
「事実、其方の肩に留まっている方も先程の山羊座もアテナ様のお命を幾たびも狙い聖域を壊滅させた反逆者ではないですか」
俺の肩に留まっていたコクトーが「ウグゥ」と声を上げた、ツマミを手に戻って来たシュラも無表情だ。
確かに白銀聖闘士の大半は無駄死にだったな…あと元凶のサガ、共犯者のシュラ、デスマスク、アフロディーテは反逆者だったから討伐されたがカミュはとばっちりだ。
シャカの奴も「私から見た教皇は正義だ!」って目玉閉じてるどころか節穴発言してたしな、思い出したら腹立って来たぜ。
「うーん、でもコクトー…サガもシュラも星矢マルチバースではちゃんと反省して動けるしマトモな方だぜ?これがΩ世界線の連中だったらすぐに処刑してたぜ」
Ωは記憶が戻る前からどうも好きになれなかった…いや?星矢マルチバースの自由さを広げるには一躍買ったとは思うけどな?
(でもやっぱりゆとり教育は良くねぇな!)
何よりも原作の嘆きの壁の前に集ったあの輝き…そしてレクイエムの黄金の星を灯す為に異次元より集ったあの瞬間を俺はもう生涯忘れないだろう。
そう伝えると2人は「ではこれからの働きに期待という事で」と矛を収めてくれた、ただ「少しでも怪しい真似をしたら討つ」と釘も刺して行った。
次に来たのは水鏡とエウラリアだ、珍しい2人組だが何でも「次の聖闘士は誰を召喚するのか?」という事が気になってしょうがないらしい。
女神の小宇宙が溜まり次第随時召喚して行く…というのは伝えてあるがどうやらパーティーに紛れてプレゼンしに来たようだ。
「ND世界線の我が弟子天馬も黄金聖闘士も皆優秀です。誰を召喚しても我らの力になってくれるでしょう」
「わたくしはDW世界線より獅子座のヴァシリオスと水瓶座のトリスタンを推薦しますわ!2人とも凄く強くて性格も良くてヴァシリオスの雷はわたくしの能力を強化しますし、トリスタンは星矢マルチバース屈指の智将ですの、きっと2人とも星矢教皇のお力になってくれますわ!」
「わかった、候補に入れておくな。あとさぁ…ちょっと聞きにくい事なんだけど…」
俺は声を潜めると「コイツは召喚しない方が良い、あるいは後回しにして良い奴を教えてくれないか?」と2人に尋ねるのだった。
すると一瞬2人は無言になり一拍置くと、「魚座のカルディナーレ」「山羊座の詠人」と名前を挙げた。
「理由を聞いても良いか?俺も予想していた名前だけど実際に会った者の意見を聞きたい」
「カルディナーレは正直に言うとうつけです、おそらくオデッセウスの試練も受からなかったでしょう」
「詠人はアテナ様よりも地上の愛と正義よりも己のエゴと憎悪で動きますわ、それに偽神に魂を売り黄金聖衣にすら見放されましたの」
「うん、俺もそんな気がしてたぜ。じゃあ召喚候補からは一旦除外な」
俺がそう言うと2人は「失礼します(わ)」と言って料理の方に向かった、パーティーを楽しんで欲しいぜ。
だが、俺はDW勢…エウラリアの事も一応疑ってはいる、DW勢は歪んだ聖戦により誰が味方で誰が敵かわからねぇからな。
それでもあの、俺たち4人ですら敵わないミーノスを(サバトで弱体化していた?)とはいえ倒してそれでいて継戦可能という実績…あとは明るくポンコツお嬢様な性格だな、良いムードメーカーになるだろう、それを踏まえて選んだつもりだ。
俺も料理を取りに行こうとすると「星矢」と声をかけられた。
「どうしたんだ姉さん」
「久しぶりに2人で話があるの…抜け出せない?」
俺はどうしたものか、と肩のコクトーを見るとコクトーは「姉弟の再会に水を差すほど無粋では無いのである、天体観測室あたりがおすすめである」と言って側に来ていたシュラの肩に止まった。
「星矢、お前は幼い頃に姉と引き離されエリシオンでもアレでは再会とは呼べないだろう。ここはじっくり再会を喜ぶべきだ」
「シュラ…ありがとう!じゃあ姉さん、ちょっと抜け出そうぜ」
そう言って星華姉さんの手を取り俺は天体観測室に向かうのだった。
◇◇◇
そしてやって来た天体観測室の燃え盛る銀河を背にして立つ俺と姉さん、姉さんは「星矢…!」と感極まって泣き出してしまった。
「姉さん、泣かないで…俺はここにいるよ」
「でも、星矢はまた遠くに行ってしまうじゃない…女神さまは本当に酷いわ、いつも私から弟を奪い死地に送り込むのよ」
「姉さんこれだけは言っておく。俺はもう屈したりしない、それに俺が戦えたのも姉さんが地上にいるからだ、沙織さんだけじゃあなくて姉さんもそう、守りたいものが沢山あるから俺は戦えたんだ」
「星矢…」
そうして姉さんの涙をハンカチで拭う、姉さんも落ち着いたようだ。
「私、この船に乗ってから色々な世界の聖闘士達の戦いを見たわ。でもね、天馬座…星矢と女神さまににみんな頼り過ぎよ。もっと黄金や白銀の人達も頑張るべきだし何よりも仲間割れは良くないわ!」
「内輪揉めは聖闘士の職業病だから…」
そうして俺は体感時間にして数十年ぶりの姉さんとの会話を楽しんだのであった。
◇◇◇ 半神半人の海皇と冥王と同盟締結 ◇◇◇
「女神の小宇宙が溜まったのである、今回も2人であるな」
「今度は一輝&瞬か紫龍&氷河だな」
そしてパルティータさんの抱いたサオリさんから小宇宙を受け取った瞬間、召喚室にかつて感じた大神の小宇宙が満ちた。
かたや、どこまでも雄大な大海。
かたや、全てを包み込み終わらせる闇。
間違いない…!ポセイドンとハーデスだ!!俺が指示を飛ばす前にシュラが動いた、水鏡とハクレイとエウラリアは俺とサオリさんを守るために立ちはだかった。
召喚の光が落ち着くとそこに立っていたのは俺の熱き血潮の兄弟にして冥王の依代…おそらくアサシンかレクイエム世界線の乙女座の瞬、それと海皇の依代であるジュリアン・ソロであった。
「乙女座…いや、冥王瞬ここに。本当に久しいね、星矢」
「我が名は海皇ポセイドン、此度は話があって降臨した」
「アテナの仇敵二柱が一体何の用だ?」
「まさかこういう形でお前と再会出来るなんてな、瞬」
シュラはいつでも大神ゼウスすら屠る神剣を抜刀出来るようにしている中、瞬(冥王を名乗ってはいるが間違いなく瞬だ、魂で理解出来る)は口を開いた。
「僕たちは敵対するために降臨したんじゃないよ、君達の航海に相乗りさせてもらえないか交渉に来たんだ」
「ペガサス、貴様とアテナの消えた世界は我らにとっても不都合なのだ」
「信用出来るとでも?」
冥王や海皇に仲間を殺されたハクレイの言葉に怒りが滲む、ただ「ダークウィング」や「海皇再起」や「エピソードGアサシン」を知る俺はこの二柱が「仇敵ではあるが神々の中では話が通じる方」だと知っている………LC外伝の牡羊座のアヴニールとかがダークウィング読んだら憤死しそうだ。
「良いぜ、話だけは聞いてやる。立ち話も何だから食堂で悪いが茶でも出すぞ」
「ありがとう、星矢」
「賢明だな、ペガサス」
「ただ、少しでも怪しい真似をしたらシュラに首を刎ねさせる」
そうして俺たちは食堂に向かうのだった、聖闘士達にはこの二柱が怪しい真似をしないか見張らせている。
◇◇◇
そして、食堂にて。
「で?そもそもの原因はお前らが地上を狙って侵略して来たのが原因だろう、アテナが世界を滅ぼしかけたのも俺が希望じゃなくなったのもハーデスがイタチの最後っ屁で呪いを残していったからだ」
「耳が痛いね………」
「確かにアテナと聖闘士達を失えばどうなるのか、聖戦の後の事を考えなかった我ら兄弟の失策である」
アポロンとアルテミスもそうだが「アテナと聖闘士達という抑止力を失えばどうなるか」を考えられなかった時点で崩壊世界化は避けられなかったと思うぜ。
えっお前が土下座したせいだろって?
そもそもの話、アポロンとアルテミスは妹アテナが強欲な叔父二柱に神話時代から虐め抜かれていたのにも関わらず「叔父二柱が怖いから」という理由で手を貸さなかったチキンだ。
エリスとか格下の時は露骨に恩を売り、いざポセイドンとハーデスを倒したら身内殺しとイチャモンをつけて来る………本当にギリシャ神の嫌なところを凝縮したクソチキンムーブだ。
崩壊世界に残ってケジメをつけたと聞いた時も「当然だな」としか思えなかったぜ。
「星矢、信じられないかもしれないけれど僕らの中に居るハーデスとポセイドンは『地上を人間に任せられる時が来たら喜んで人間に委ねよう』という考えなんだ、それまでは自分達が地上を他の神々や人外の怪物から守るという同盟をアテナに持ちかけに降臨したんだよ」
「ようは地上・海界・冥界の三界同盟の締結を求めに来た、返答は如何に!」
これはいきなり俺の教皇としての裁量を問われる問題が来たな………とりあえず補佐である祭壇座のハクレイとアサシンとして多くの世界を巡ったシュラ&コクトーに相談してみよう。
(3人ともこの二柱の言う事をどう見る、アサシンやレクイエムの世界線より降臨したみたいだが)
(祭壇座としては敵が減るならば受けるべき、個人的な感情で言うなら許せないしぶっ殺したいと思うぞ)
(とりあえずアテナ不在のため保留にしてくれ、くらいの返答で良いと思うのである。ただ、エピソードGの二柱ならばもう既に瞬とジュリアン・ソロの善性に染まっているため油断は禁物だがひとまず味方として見ても良いのである)
(いざとなれば俺が討つ、星矢の命令には従うがな)
なるほどなぁ、そうなると俺の教皇としての答えは………
「とりあえず、いまだにこちらのアテナは幼い。答えは保留にさせてくれないか?」
「うん、僕らもこの船に乗せて貰えるならば答えは急がないよ。僕も乙女座として戦力になるしね」
「いまだに信用されないのも遺恨が残っているのも今ならば理解出来る、これからの働きで示そう」
どうやら瞬は乙女座の黄金聖闘士として戦力になってくれるようだ、ポセイドンの方は………
「次元の狭間より闘士を召喚するのは神の御業よ!」
「海魔女のソレント、ここに。ポセイドン様の命で今度は君たちの力になろう」
「海龍改め双子座のカノン、ここに。星矢…お前を教皇と仰ぐ事になるとはな」
「カノン!!」
「兄さん………」
そうして俺たちの2回目の召喚はぶっちゃけドノツラフレンズが来て終わったのであった。
でも、瞬が来てくれて本当に嬉しいぜ!
続きは今しばらく瞬が頑張っている最中なのでお待ち下さい。
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