ハティになっちゃった 作:生体部品3
まわりこみながら建物の上に登れたのは実はかなり助かったかもしれない。
眼下の広場に大型の自律機械が二機見える。
対空散弾のアタッチメントが上部の両側についてないタイプ*1だから上からなら一方的に攻撃できそうだがわざわざ降りる理由もないし、向こうから攻撃されない位置から攻撃するならかなりタフな相手だ。
それに下手に降りてしまうと、相手は対地攻撃が本業だ。
僕もそれの足元に転がったり吊るされている上層の自律機械の仲間入りをしかねない。
大型二機に複数のミサイルポッド、二脚型のよくいるタイプもうろついてるなんて、なんでここにこんなに戦力が?と思ったけどこれは多分ここで誰かを迎撃したあとそのまま放置されてるのかもしれないね。
吊るされてるのはおそらく過去の宣教師の護衛に投下されたものかな?型が少し古いような。だいたい大断層の中で更新が遅れている区画とかにいそうだ。中には逆さ森にいそう*2なものもいる気がする。さすがに遠くてよく見えない*3けど。
ここから上層へのルートとしては、今回僕が使うつもりだった斜めになったビルの先の層間プレートの天井崩落部分があるけど、多分この自律機械の降りてきたルートはそっちじゃなくてこの広場のすぐ上、隣の格子状の大柱の上からの降下かな?
結構な高さからの一方通行の落下になるからニンフでないならパラシュートとかが必要に……あぁそうか。ここにこの戦力が置きっぱなしなのってそこを塞ぐためか。ここにゆっくり降りてきたら小高いところに置かれたミサイルに叩き落とされたところに大型の対地攻撃が決まりそうだな。そうなるとすぐ近くにこの広場以外に降りるルートがあるのにわざわざこっちを使うことはなくなるね。
かといって自律機械の投入っていう目線だと、今回使うつもりだったもう一方も急斜面*4過ぎて浮遊型以外の自律機械は投入できなそうだ。だからここが戦場になることはもうないんだろうな。なにせそっちをまっすぐ降りてきて、ビルの間の足場に降りるとガトリングの前なんだから、行きに使ったみたいにそのまま開けてる方に飛び込んで下層に向かう以外の使い方をするなら途中からビルの上に飛ぶか、上から狙撃してガトリングをどうにかするしかない。
相手の射角が取れない角度から燃費の悪い狙撃で仕留めるなら距離も長くてその後の継戦がつらいし、そもそも
と思いながら回り込んだ建物の上を進んで行くとやはり罠があった。
あんな大きいガトリングを置いておきながら、その横は何も置いてなくてそこから降りればいいなんてガーディナらしくないもんね。
ここに自動機械も置いてないあたり、ニンフも立ち入り禁止とかにしてあるんだろうか。下層を抜けたところで見た地雷のライトが切ってあるやつからワイヤーが伸びている、これかかるとワイヤーに引っ張られて横から飛んでくるのかな。これは……急に殺意が高いぞ。
もしかしたら行商のニンフがいるかもしれないから、渡って見に行こうと思ったけどこれは渡らないでそのままこっち側で登れるところを探した方が安全かもしれない。
けど、状況証拠としては彼女はアルカンドの関係者の可能性が高いんだよなぁ。
いるかもしれない場所を見てみてもいなければしょうがないけど、すぐそこにいるかもしれないのに放っていくのは気が引ける。
この先に斜めに橋のように渡されてるビルの途中の窓枠を踏みながら反対側に渡る。渡った向きからそのまま左下を見下ろせば*5その行商がいるかもしれない広場だし、そこを見てからそのビルを上がって行くつもりだったんだけど、もしも反対側も罠があるなら行商のところに降りる時にちょっと困るな。と思いつつ副腕に装備している物を両方一旦しまってから進むことにした。どこかひっかけそうで怖いからね。
そうやって罠のものもただの線も入り混じった電線だらけのわずかな距離*6を進むのに時間をかけながら建物の上の狭くなったところを抜けると、すぐ上にビルが刺さっているのでひとまずそこまで飛び上がる。ここから見た限りではひとまず渡ったところまではもう罠はなさそうだ。忘れないように装備も戻しておかないとね。
しばらくしてつけなおした副腕武装も暖まった。
下を見ると自律機械も何体もうろうろしてるし、建物が邪魔なのと上の方のここは射角として狙えないだろうというだけでガトリングもある、もし今この下に落ちたらガトリング前の足場に留まらないでそのままもっと下に逃げないと助からないな。
そう思いながら射角はもしかしたらがあるので念のためガトリングのあるのと反対側のビルの窓を足掛かりに反対側に渡った。
やっぱりこっち側には罠はないみたいだ。ないのか……。ない分には助かるけど逆に怖いな。上に向かうビルは斜めになってる関係上こっちの方は反対側より低い。もしかして下の方はガトリングから打ってこれたりするんだろうか。その射撃に慌てて最後まで渡らないで上の方から建物に隠れようとするとさっきの罠で……とか?
まぁ疑心暗鬼になってもしょうがない。そうなったらビルを盾にするしかないね。
それで広場の方を見下ろすと、居た。鎧殻を装備してないニンフと運搬用の自律機械だ。
手前の階段の下……には誰もいない。一応まわりも見てみるけど霧のニンフの方はいないようにみえる。そうやって下以外もしばらくきょろきょろ見まわしてからもう一度行商の方を見ると、彼女もあたりを見回していた。僕の気配を感じたのかな?地形的には僕の位置の方がそういうのとしては有利だと思うんだけど、そうなると彼女は通常型ならかなり鋭い方、戦闘型でも並みよりは上かもしれない。
下層でも使ったワイヤーをしっかり結んでおける場所を見つけて、広場にワイヤーを下ろす。
それを見て弾かれたように驚き顔でこっちを見上げる彼女を見ながら、僕は広場の方にそのまま降りていった。
この後の話も入れると長くなりそうなので3-2は一旦ここまでで分割。