IF―変革のLast Jahr   作:黒川 優

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皆さん、こっちではお久し振りです。

七か月ぶりの更新となりました。
いやね…OCCFを週更新、Last Jahrを二週間更新していたあの一時が異常だったんですよ。

これからも細々とやっていきますのでよろしくお願いします。
それでは本編をどうぞ。




長い物は巻いてしまえ

◇

(優side)

 

 

 

 

「まぁ派手にやったな」

「千冬さん……」

「なんださっきからぼーとして」

「俺、負けたんですよね?」

「あぁ。逆転負け。負けもいいところだ」

「………………」

 

(負けか)

それにしては…何ともなくて

 

「しっくりこないか?」

 

千冬さんは俺を見てクスクス笑っていた。

 

「それが普通なんだがな」

「?」

「それが競技であるISの戦いってことだ」

 

(あぁそうか……)

元々ISの軍事利用はダメなのか…。

ドイツのセカンドアメリカンは完全に軍事利用たったし、亡国機業も似たようなものだった。

 

“競技として扱うのが当たり前”というのが俺の中では欠如してた…というわけか。

 

 

「それとMurdered Doll。レヴァ無しでも使えるじゃないか」

「冗談止めて下さいよ。あれかなり辛いんですから」

 

Murdered Dollは武装によって密封されたような空間を作らなければならない。

レヴァで扱う分にはミスティルで固定するなり何なりすればいい。

しかし打鉄では武装の固定はできない。

そこで今回、武装による囲いを二重にして半永久的にすることで必要な空間を形成した。

これで内側の武装を収納しなければならない時には外側に新しく壁ができている。

これを繰り返すことで擬似的に閉鎖的な空間を継続させることができる。

 

長篠の戦いと似ている。

 

『火縄銃

連射できなきゃ

列作れ』

(作者作)

と同じ考え。

 

勝ちに走ったというのもあるが、オーディンの瞳がないとできないヘビィな行為で反撃には滅法弱い。だから楯無の攻撃に反応できなかった。

これが今回の敗因だろう。根本は実力の無さなんだが。

 

「なんですか?」

 

千冬さんはまじまじと俺を見ていた。

 

「いや。お前が意外と楽しんでISを使っていたからな。

なんとも言えなくてな」

 

―ウアァァァァ!

 

アリーナの方から歓声が聞こえた。時間的に決勝の結果が決まったのだろう。

そして、少しした後楯無が更衣室に戻ってきた。

 

 

「楯無悪い。色々やり過ぎた」

「別に。あれくらいでやられてたら代表生なんて勤まらないわ」

 

決勝戦は俺のをパクった連続展開による連撃とクリア・パッションによる圧勝で代表生と候補生の実力差をハッキリと見せていた。

 

 

「それじゃあ約束をひとつ叶えて貰おうかしら」

「なんだ。そんな約束してたのかお前達」

「まぁ…。で、何がお望みで?」

 

楯無はにんまりも笑っていた。

 

「そうね~。じゃあ…マッサージで♪」

 

 

……………………………………

…………………………

………………

 

 

「………………」

「じゃあマッサージよろしくー♪」

「あのさ……。なんで服着ないの……」

 

下着姿にYシャツを羽織ってるだけというラフを超えて裸族に近い。

なんで人前、しかも男の前でそんな格好になれるのだろうか…。

 

「なんでってマッサージって薄着でしてもらうもんでしょ?」

「別にツボを押すだけだから着てていいに決まってるだろ……」

 

そんな本格的なものはできないし。

というか一体何を見てそう思った……。

 

「ねぇ~早く~」

 

楯無は足をパタパタさせて俺にマッサージを催促する。

そのせいでパンツが見えてる。でもツッコんだらダメな気がする。

こっち見てニヤニヤしてるし。

 

「……………」

 

一回洗面所に行って大きいバスタオルを数枚持ってきて楯無にかける。

これで体は隠せた。

何か気に入らないって言いたげな顔をしてるが知らん。

これが普通の対応だ。

 

「それで、どこをマッサージして欲しいわけ?」

「もちろん。全身で」

 

まぁせっかくやってくれるのに一部だけとは言わないよなぁ。

 

「じゃあ下からやってくわ」

「よろしく~♪」

 

 

まずは足の裏から始めるために楯無の足を曲げさせる。

その時、こればかりは仕方ないのだが脚をがっしり掴むことになってしまった。

 

「きゃ、優くんのえっち」

「じゃあマッサージしなくていいんだな?」

「もう。優くんのケチ」

 

 

足裏は体の神経が集まっているから不摂生な生活をしてる時にマッサージすると痛くて飛び上がったりする。

が、楯無は特に痛そうな素振りは見えない。

どうして同じ部屋で暮らしてるのにこうも違うのか…。

 

「女の子はね、美容のためなら努力を惜しまないのよ」

「なら女の子らしく危機感を持って下さい」

「もう。ロマンの欠片のない言葉ね」

「悪かったな」

 

足の裏から移ると太ももはさっきと違い少し固くなっていた。

 

「どう?誰かさんが暇をくれないほど攻めてくるから筋肉固まってるでしょー」

「俺のせいって言いたいわけね」

「別に~。優くんなら激しくてもお姉さん大歓迎よ」

「寝言は寝て言え」

 

俺は思いっきり太もものツボ押した。

 

「あー!イタたたたたた。でも気持ちいい。でもちょっと強いー」

「当たり前だ。ワザとそうしたんだから」

 

むにゅっ。

 

(………うわ、身体柔らか…)

しかもこれまだ脚なんだよな。しかも脂肪のではなく程よい筋肉によるもので手触りがいい。

…なんていったらただの変態だな、俺。

まぁ一回限りのマッサージだしとっとと終わらせて――

 

「あ。言っておくけどマッサージ今日だけじゃないからね」

「は?」

「当たり前じゃない。優くんに勝っただけじゃなくトーナメントで優勝したんだから、そのくらい言える権利あるよね」

「じゃあいつまで?」

「ずっと」

 

即答で返ってきた。

でも、そういうことは虚さんもするだろ。

 

 

「優くん。あの虚に私の身体触ってるなんて言ったら、虚がどうでるか分かるよね?」

 

この前、虚さんの徹底的にミンチにされたのを思い出した。

あの人、楯無には「分かればいいんです」で終わりにさせたのに俺に対して容赦無かった……。

絶対虚さんは過保護だ。

 

「……嵌めたなこのやろう…」

「嵌めたなんて失礼ね。優くんがちゃんと約束守るようにしただけよ」

 

楯無は妖しく微笑む。

なんで俺の思ってることがこうも先手撃たれてるのだろうか……。

 

「優くんね、私に対して色々無防備過ぎるのよ。

あ、それともそれだけ私に心開いてるのかしら?」

「だまらっしゃい」

 

デコピンをかまそうとするがスルッと避けられて後ろにつけられた。

 

「ほらー。優くん脇ガラガラ」

「だーかーらーそうやって押し付けるな」

「優くんエッチ」

「あぁもう…。少しは恥じらいを持ってくれよ」

「女の子同士なら大丈夫よ」

「はぁ……」

 

楯無が俺の部屋に移動して2ヶ月。

俺が楯無を監視する為に同棲している状態ではない気がした。

 

 

 

 

 

 

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