IF―変革のLast Jahr   作:黒川 優

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――前回のあらすじ
物語的になんかダメなキャラ、方中 ミエルが登場。

OCCFでベクター登場





優くん乙女化計画(拝啓 アインス様2)

(楯無side―レゾナンス)

 

 

 

 

「なぁ楯無、まだか?」

「まだよ」

 

今日は夏の臨海学校のための最後の準備ができる日だ。

初日は自由時間があるので水着を始め、色々と乙女の準備をしにレゾナンスに来ている。

 

「大丈夫だって。どう見たって女の子にしか見えないわ」

 

優くんの格好はカーキのズボンに白のシャツ。

男の子にもできるコーデだけど女の子らしくみえるように女の子独特のカラフルなサスペンダーを下ろしている。

全部私の服。背が近いから着せ替え人形みたいにできて楽しかった。

ちなみにスカートを穿かせようとしたら頑固拒否された。

似合うと思うんだけどなぁ……。

 

「もう。なにがそんなに気になるの」

「気にならない方が異常よ」

 

周りは水着、水着、水着。

シーズンもあって他の女性も学校で見たことのある子も好みの水着を探してる。

 

「普通に客のように装えばいいのよ。その猫かぶりの声で 『ねぇ楯無さん。この水着私に合うかしら?』って言って」

「お前は俺を変態にしたいのか…」

「じゃあここに入る?ここなら私しかいないわよ」

「外にいるわ。終わったら呼んで」

「あら冷たい」

 

優くんは回れ右してすたすたと出口へ向かって行ってしまった。

仕方ないので最初から決めていたものを会計に通してすぐに優くんの所に戻った。

 

「女の子を置いてくなんて信じられない」

 

まったく。せっかく更衣室の前まで来たから意見を聞こうと思ったのに。

 

「男を女のいる更衣室に入れようとする方が信じられないけどな」

「いいじゃない。お姉さんの裸見放題よ」

「マジで捕まるから止めて」

「じゃあ捕まるわね。部屋で時々見てるから」

「それはお前のせいだろ」

 

学年別トーナメントに勝ったからマッサージして貰えるようになった。

よくシャワー浴びた後にしてるからマッサージ中に色々起こる。

(というか、優くんが珍しく慌てたり赤面するからワザとやってる)

勿論、下着の類はつけているけど。

 

「言っておくけど、俺は自由時間海にいないからな」

「えーなんでー。せっかく髪伸ばさせたのに……」

 

日に弱いという設定なので水着は着れない(着たら色々問題あるし)からせめて髪伸ばして何か可愛い私服を着させてやろうと思っていたのに優くんときたら、教員の手伝いをかって出て自由時間はまったく別の所にいるという。

 

 

「あー…楯無、これから先客の相手だ。悪いけど一人で回ってくれ」

 

私が優くんの予定を知らずに言い出して連れ出したのに気遣ってくれるのね。

そう気遣ってくれるなら可愛い服を着れるようにもしてほしい。

 

「ついてくるなよ?」

「信用してくれないの?」

「勝手に部屋に入って来た奴を信じろってのが無理な話だ」

「まぁ…そうね。でも安心して。これから女の子の買い物をするから優くんこそ来ちゃダメよ?」

「だったら黛さん達と来れば楽だったのに」

「それとこれは別よ」

 

それに今日はあるものを買わせる為に連れてきたんだから。

貴方がいないとダメなの。

 

優くんは私に手を振って早足でどこかに行ってしまった。

 

(さて、どうしようかしら?)

普段無防備な優くんがこんなに警戒するのは珍しい。

それを「気にするな」って言われてもねぇ。絶対何かあるのは確かだし。

…追いかけちゃお。優くんなんだかんだ怒らないし。

 

急いで後を付けたはずなのに撒かれてしまった。

 

(まっ、いっか)

私はイヤホンをして本来行くべきところに行くことにした。

 

 

 

 

(優side)

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

コアネットワークを確認しても近くに機体を持った人物はいない。

長官から教わった方法は楯無にも通用したようだ。

 

頼んだコーヒーを頂き適当なテーブルに座る。

しばらくしない内に隣のテーブルで俺と同じ位置に誰かが腰掛けた。

その人物は意図的では無かったが女装をしている俺に話掛けてきた。

 

「どうやら先日のテロ騒動。無事あの親子を助けられたようですね」

「・・・・・・貴女でしたか」

 

以前、人質の場所を教えてくれた女性だった。

あの時はフードで見えなかったが今ならしっかり見える。

パーマのかかったピンク色の長髪をリボンで結んだ背の低い少女。

手に持っている青い水晶のリンゴが彼女の人物像を表しているかもしれない。

 

「流石です。私にはできなかった」

「機体があれば誰でも突っ込めますよ」

 

(コイツは…何者なんだ?)

この人とは先日あの騒動で初めて会ったのだ。

年上の人と接する可能性はAIFしかないが調べても彼女の素性の人間はいなかった。

 

「私が誰なのか考えていますね。亡国機業の一員か、それとも貴方に敵対する組織か…。

残念ながら違います。私は貴方と同じなだけですよ」

「要件はなんでしょう?」

「井上 優さん。私とゲームをしませんか?

そうすれば自ずと私の正体が分かるはずです」

「・・・・・・・・・・・・」

 

(コイツどこまで知っている……)

内容次第ではこのまま目の届かない所に置くのは危険だ。

 

「何を考えているのか知らないですがいいでしょう。貴女の話乗りましょう」

「ありがとうございます。しかし、話はまた後日にしましょう。

聞き耳を立てている者がいますので」

 

彼女は俺の服のポケットを指さしている。

俺は自分のポケットを探ってみるとコロンと四角い物がでてきた。

紛れもなく盗聴器だ。

 

(アイツ、いつの間に・・・・・・)

自分の服をいいことに仕込みやがったな。

ホントどっちが監視をしているのか分からない。

 

「貴方の人柄ってやつですね。

それとあの武装組織集団、まだ壊滅はしていませんわ。

本質はもっと根深い。また連絡しますわ」

 

楯無を警戒したのだろう。

彼女はすぐに席を立ち、人々の影に隠れてしまった。

 

(さてコイツをどうするか)

いや、今日はもう聞かれて困ることはない。

このまま気付かないフリをして無能なアインスを演じてた方が後々楽だろう。

 

盗聴器からではなく普通に電話で連絡を取る。

 

「用事は済んだわ。今どこにいるのかしら?」

『ホント?やけに早いわね。

よ。見せたいものがあるからこっちに来てくれないかしら?』

「了解」

 

 

………………………………………

……………………………

………………………

 

 

 

「なにこれ?」

 

楯無に呼ばれた洋服店である服を渡される。

ただし、これはレディースだ。

 

「何ってネコミミフードよ」

「えぇ。それは分かるわ。どうしてそれを私に渡すのかしら」

「毎日あんな素っ気ないジャージばかりじゃダメよ。

ちゃんと女の子らしいものも着けないと」

「・・・・・・・・・・・・」

 

コイツは俺が男だって分かってやってるんだよな…?

わざとやってるんだよな?

 

「却下」

「ダメ」

「却下」

「いや」

「帰る」

「いや」

 

 

ぶすっと不機嫌全開の顔をしてその場にたたずむ楯無。

こりゃあテコでも動きそうにない。

 

「楯無」

「……………」

「先行くぞ」

 

その場に蹲る楯無を置いて行って店の入口に戻った。

こういう態度を取れば流石に諦めるだろう。そう思っていた。

それでも楯無はネコミミフードを手から放さなかった。

 

(…まぁいいか)

お金が無いわけじゃないし、これで機嫌が直ってくれるなら安いものか。

店から出ようとする足を反転させて楯無のもとに戻る。

 

「…分かった。私が買えばいいんでしょう。早くレジに行きましょう」

 

 

俺のシャツの袖口を引っ張って動いてくれなかった。

 

「ん?」

「…もう1着…。お揃いの」

「はいはい。それも買いましょう」

「優くん大好き!」

 

楯無は花が咲いたように笑顔になりもう一着を取りに行った。

なんだかんだ楯無も子供なんだな。

 

その後、楯無は自分の分は自分で買うとさっきとは打って変わり、Round zeroで遊びまくり、夕食まで猫のようにゴロゴロと俺の横で丸くなっていた。

 

 

 

………………………………………………

………………………………………

………………………………

 

 

 

「あら~!似合ってるじゃない」

 

そう言うのは白いネコミミフードを着けている楯無だ。

そして、その対象は勿論目の前にいる黒いネコミミフードを着ている俺。

 

今、ベッドで後ろから抱きしめられている状態。

その前には俺達の身長と変わらない高さの姿見がある。

フードには収まらない自分の髪を片方から出すと…あぁホントに女の子っぽい。

なんでこんな顔で産まれて来たのか……。

いや、産まれはそんな変わらないか。

 

 

(ん…?)

鏡とは違う何かがキラッと光ったような気がした。

 

確認してみたいが楯無が後ろから抱き着いている状態なので身動きが取れない。

なのでミスティルを使い風に乗せてそれを確認するとそれはカメラを起動中の端末だった。

 

「これなに?」

「なにって私の端末よ?」

「撮らないって約束したよな?」

「たまたま優くんが写っちゃっただけよ?」

「……削除」

 

俺は楯無の端末のロックの解除パターンは知らないが(なぜか楯無は俺のを知ってる)カメラが起動中だったのでロックを気にせず操作し削除ボタンを押す。

 

「あー!」

「約束は約束」

「鬼!悪魔!」

 

写真の削除がそんなに悔しかったのか後ろからバシバシ俺を叩いてくる。

ばか、お前は鍛えてるんだから少しは加減しろよ。

 

 

「うるさいぞお前達!何時だと思ってる!」

 

バン!と荒々しくドアが開けられ千冬さんが現れる。

千冬さんなら最近暴走し続ける楯無を止めれるであろう

 

「……取り込み中悪かったな」

「え!?ちょ、千冬さん!?」

 

それだけ言うと千冬さんは隣の自室に帰ってしまった。

いつもの暴君ばりの制裁はどこにいったのですか…。

 

 

「ふふっ。織斑先生も何も言わなかったし楽しみましょ☆」

 

こうした猫のようなじゃれあいは深夜遅くまで続いた。

 

 

 

 

 

 

「はぁー・・・・・・」

 

俺の部屋のはずなのに俺が安心できる場所がどこにもない。

どうしてこうなった。

 

「どうしたの酉花ちゃん?」

「黛さん?ちょっと寝不足なだけよ」

 

ちょっとどころではない。

こんな生活に付き合わされていたら不摂生で本当に病弱っ子になりかねない。

こんなんだったら楯無と同室になった時点で別々のベッドにすべきだった…。

 

「そうそう。今日こんなの手に入れたの」

 

黛さんが俺に見せてくれたのは昨日着たネコミミフードの姿の俺だった。

 

「……なんで持ってるの?」

「たっちゃんがくれたのよ。

珍しいわね。いつもジャージの酉花ちゃんがネコミミフードなんて」

「……………ぐすっ」

 

(もうやだアイツ…)

千冬さん……ここで生活するの厳し過ぎます。

 

 

 

 

 






いつからLast Jahr=優と楯無が戯れるものになったのだろうか?
まぁ私はいいですけどね。おかげで私は楯無さんを好きになれました。

今後、原作でもいっぱい活躍することを祈ります(^^♪


ここまで読んでいただきありがとうございます。
また次回。OCCFもよろしくお願いします。



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