何にでも乗れる騎操士くん(予定) 作:黒髪赤目の男の娘これが大好き
「うん、おいしー。やっぱりマンダリーナのジャムがいいわよね!」
「俺はプミラのジャムが好きだけどな」
「僕は甘ければ何でも好きですよ!」
「右に同じ」
僕ら四人は
雑談しながら歩いていると、そこにあまり顔を知らない先輩が後ろから声をかけてきた。
彼曰く、これから試作機の動作試験をするらしい。
「それはぜひ、見学しなければ!」
そういうことになった。実際僕としても、見ないという選択肢はない。
エル君は一刻も早く行きたかったらしく、知らせてくれた先輩を
「それは危なくないかな!?」
もう走り出しているエル君に追いすがりながら叫ぶ。とはいえエル君の操縦は安定していて、担ぎ上げられている先輩が悲鳴を上げている以外の心配はなさそうだ。
キッド君とアディちゃんもついてきている。
結局、そう時間もたたずに訓練場にたどり着いた。僕らの周りでは多くの生徒が機材や補修道具を運んでいる。
そして訓練場の真ん中に佇むのが、外装のついていない
「ちゃんと動いたのですね。歩いただけで爆発、なんてことにならなくてよかったです」
エル君の言葉に、キッド君がつっこむ。
「心配するところ根本的すぎるだろそれ………本当に大丈夫なんだろうな?やばくなったら逃げられるようにこいつに乗ったままにしておくか」
その心配もまあ無理はないね。あの右腕の試験のときは本当に肝が冷えたし。
とはいえ、さすがに心配はないだろうと思う。歩行試験の段階で、たぶん固定が外れたり骨格が軋んだりしないかというところは確かめていると思う。観客席には大きな盾が並んでいる。あれで安全を確保したのだろう。
僕は
「おう、きたか坊主ども。んじゃあ、おっぱじめるとするか」
「よろしくお願いします」
歩行試験が終わっているということは、次の試験は
「見た感じに問題なさそうだが………こいつの完成度はどんなもんだ」
「組み上げ前の時点では連動、照準機能ともに思い通り動作しましたよ。残る問題は照準精度と配置による最適化でしょうか」
「照準………精度ってなぁ、なんだ?」
「ああ、えっと………照準機能を用いて、どれくらい正確に的を狙えるか………かな?」
「ほほう、そいつぁ大事だな。とにもかくにもまずは動かしてからの話だがよ」
ダーヴィド先輩の横に並びながらエル君が答える。
キッド君とアディちゃんは結局、
「………おうし!それじゃあ
ダーヴィド先輩が合図を出すと、
その
「うん、
試作機の中から伝声管ごしに、ヘルヴィ先輩の声が聞こえてきた。
「ん、
試験項目の口頭確認だ。
「
試作機の
「照準合わせ………発射するわよ」
試作機の頭が的のほうを向いて、それに連動して
しっかりと照準を合わせた後に、試作機の
その炎弾はしっかりと的に当たり、焦げ跡を残した。
「もっと調整が必要かなと思いましたけど、当たるものですね」
「いいことなんじゃないの?あ、また当たってる」
「さすがに外れもあるね」
試作機はそのまま炎弾を撃ち続ける。最終的に、六割くらいが的に当たったと思う。
発射試験を終えた試作機は、
「ほぉう………こいつが
実際にダーヴィド先輩も、うなりながら感心したように呟いている。見回してみると、周りで見ていた人たちも思い思いに喜びあっている。
「………どうして皆こんなに感動してるのよ?」
アディちゃんが呟く。振り向いてみるとキッド君もあまり喜びを共有できてはいなさそうだ。まあ、今のところ二人とも、試作機造りに関わっているわけじゃないものね。
「
大した貢献をしていないであろう僕からしても、嬉しいものだ。エル君の言葉を聞いたアディちゃんは
「うーん、よくわかんないけど成功したからおめでとうってことね!」
「間違いではありませんけど、アディ………」
エル君は言葉に詰まる様子だ。どう説明したものか、といった感じだろう。
「
とりあえず補足しておく。
「あー、そういうことか。そりゃ喜ぶよなぁ」
「今の
キッド君とアディちゃんもそれで理解してくれた。
僕は試作機に視線を戻す。
あの
さて、どんな名前になるのかな。
本編とは関係ありませんが、これまで誤字報告をしていただいた方、ここに感謝申し上げます。
私も投稿前に確認はしておりますが、やはり見落としなどもあるようですね。この先も誤字がありましたら、報告していただけると助かります。