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北樺太侵攻作戦開始から2日後
ロシア国防省 地下作戦指揮室
無機質な壁に包まれた地下室はとてつもなく冷たい空気が漂っていた。その元凶は、長机の端に座りながら軍人達に剣幕を振りまいているデルデムノルがいたからであった。
「誰が大使館襲撃を許可した。」
室内の温度がさらに低くなる。
「しかも日本国大使を殺しておいて民間テロで処理をしただと。どうして報告を上げなかったのだ。」
「……………。」
「どうして上げなかったと聞いているだろう!!」
「すみません。」
「もう良い。本当ならば今すぐ更迭したいところだが、今は戦時だ。後の機会に回すとしよう。」
「はい。」
「日本軍の状況は?」
「はい。日本軍は先日左翼戦線を突破しました。中央戦線及び右翼戦線は日本軍を抑え込んでいます。しかし右翼戦線にて日本軍が後退を開始しています。そのため現在、追撃中です。」
「軍参謀本部情報総局の見解は?」
「はい。まず日本軍の揚陸艦がノグリキ管区周辺のオホーツク海に停泊しています。それに伴い……」
イラスク・ツタァーリ情報総局長が説明を行っている最中にも関わらず、扉が開く。そこには情報総局員の姿があった。
「大変です!日本軍がノグリキ管区海岸部より上陸!」
この報告を聞いた各省庁の官僚たちは口を開けたまま銅像のようになっていた。
イラスク・ツタァーリが開いた口を何とか塞ぎ、情報総局員に詳細を求める。
「今すぐ現地の地図を持ってこい!」
近くの兵が走り出す。
「それで日本軍はどこまで侵攻している!?状況は!?」
「現在、日本軍はノグリキ沿岸補給線付近まで侵攻!正面部隊が防衛のために転進しましたが到着は2日後になるかと…。」
「他戦線から部隊は回せないのか!?」
イラスク・ツタァーリの問いにサルバート・アルディーレが机を叩きながら反論する。
「バカを言ってんじゃない!!現在の戦線を維持するのもやっとだ!!部隊を増やすならば本国から送るしかないが、今はウクライナと戦闘中だ!!ウクライナに対しても何の打撃も与えられていない中で樺太に部隊を派遣するのは無茶というものだ!!」
「それを何とかするのが陸軍の仕事でしょう!」
「何をいう!攻撃時期を判断できなかった情報総局には言われたくない!」
「なんだt……」
「いつまで口論をしている!」
見かねたデルデムノルが会話を遮る。
「仲間割れしてどうする!今すぐに解決策を立てるべき状況であろう!まあ良い。現時刻をもって、地下作戦指揮室は対日本軍総司令部とし、司令長官はサルバート・アルディーをとする。」
この決定にイラスク・ツタァーリが反論しようと椅子から立ち上がる。しかし周りの目にさらされ、そのまま椅子に座った。
「これから全力で対応に当たれ。」
「「「「「「「はっ!!」」」」」」」