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爆撃が行われた北樺太唯一の空港は見るも無残な姿になっていた。滑走路は爆撃の影響で膨れ上がり、あちこちで火災が発生。空港としての機能を喪失していた。
ノグリキ空港 管制塔
「被害状況知らせろ!!」
「はい!」
ノグリキ空港の管制塔の中は混乱に満ちていた。
「報告きました!滑走路使用不可、駐機中航空機約2/5喪失、ミサイル発射台約5/8喪失!またレーダーケーブルが多数破損!復旧までレーダーの使用が制限されます。」
「復旧急げ!」
「はっ!」
ロシア空軍大佐のトライタル・ケチャツキスは声を張り上げながら指示を飛ばす。ケチャツキスはこの空港、もとい空軍基地に配備された日のことを思い出す。もとはただの空港だったが、戦線の拡大に伴い一般空港を空軍基地に利用するという案が浮上。それにより、ノグリキ空港は空軍が駐屯するようになった。そこで優秀なケチャツキスが抜擢された。ケチャツキスは自分の基地を持つのは初で、自分の基地に並ぶ航空機を見て感傷に浸っていた。しかし今、そんな自分の基地を滅茶苦茶にされたケチャツキスは激しい悲しみと怒りの中にいた。ケチャツキスが頭を抱え考えているとき、レーダーが鳴り響く。
「レーダーコンタクト!不明機こちらに23機接近!」
「なんだと!?レーダーの誤作動ではないのか?」
「現在調査中ですが万が一はあり得るかと…。」
「わかった…。残存するミサイル発射台にて迎撃準備!」
「はっ!」
ノグリキ上空
ノグリキ空港爆撃から10分後。空の雲は厚くなっていた。その中を灰色の機体が飛行している。その正体は第708戦略航空輸送隊所属のC2とC3である。空を覆いつくすほどの巨大な機体は計25機も飛行していた。
『降下予定位置まであと10分。』
C3の貨物室にコックピットの声が響き渡る。
「総員立てぇ!!」
装備品のジャラジャラとした音を立てながら、屈強な空挺隊員達が降下の準備を始める。
「降下準備!環掛けぇ!装具点検!」
隊員達は前の隊員の装備を一つ一つ素早くしかし正確に点していく。
「「「「「「よしっ!!」」」」」」
『降下2分前!』
「サイドハッチ開けます!」
ロードマスターは降下が近づいた事を確認するとサイドハッチを開く。開いた扉からは強い風と冷たい風が流れ込む。しかし空挺隊員達はそんなものには顔色変えず、降下の時を待つ。
『1番機、コースよし!コースよし!』
先に潜入していた降下誘導小隊からの無線を聞き、空挺隊員達は開傘索のワイヤを強く握る。
『よーい!よーい!よーい!』
降下の時を待つ
『降下ぁ!降下ぁ!降下ぁ!』
「青ぉ!降下ぁ!」
先頭の空挺隊員がサイドハッチから飛び出す。それに続くように他の隊員も「2降下ぁ!」「3降下ぁ」と掛け声を発しながら空へと身を投げる。その姿はまさに〈空の神兵〉の名のとおりだった。
ノグリキ空港 管制塔
同時刻、空から舞い降りる〈空の神兵〉の姿は管制塔からも見えた。
「く、空挺作戦だと…。」
すっかりケチャツキスは放心状態だった。
「ケチャツキス大佐!大佐!」
「はっ…!済まない。」
部下からの言葉でケチャツキスは放心状態から目を覚ます。
「現在ミサイルを展開中!」
「この際ミサイルはどうでもいい!総員白兵戦用意!」
ケチャツキスは白兵戦に向けての準備を指示した。武器庫からはAK74が全て消え、エプロン地区には機関銃やロケットランチャーが配備され、管制塔の入り口には机や椅子で即席の遮蔽物が作られた。
「敵来ます!」
「迎撃準備!」
総員が迎撃の姿勢を取ったとき、彼らの目の前には大きな鋼の塊が鎮座していた。その姿を見た者は次の瞬間、肉塊へと姿を変えた。
「撃てぇ!」
バラバラバラバラ!!!
「撃ち方やめ!索敵に移れ!」
降下に成功した18式歩兵戦闘車はロシア兵を薙ぎ払うように前進。前線の突破口を形成していく。
しかしロシア兵もやられてばかりではなく、RPGを手に取り18式に照準する。しかし18式に見つかったロシア兵はバラバラバラバラ!!!と言う射撃音を最後に意識を失った。
「敵対戦車兵排除完了!」
「歩兵降ろすぞぉ!」
「周囲安全良し!」
「降車ぁ!」
18式は後部ドアから歩兵を降ろし、白兵戦に備える。
「全員降車完了!」
「全車前進!目標!敵管制塔!」
管制塔は未だ天高くを貫いていた。