新世界日本国   作:X2

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第二次間宮海峡海戦②

第4艦隊旗艦 長門CIC

救援に駆けつけた長門以下第4艦隊は敵艦隊に対して前進していた。

「敵艦隊レーダーにて捕捉。」

「同じく敵航空機6機確認。先ほどの航空機かと。」

CICの画面には敵の太平洋艦隊と先ほど高雄を大破にまで追い込んだ航空機が映し出された。

「敵航空機。全機、母艦ヴァリャーグに向かって飛行中。」

「本艦は高松とともに敵艦隊に対しての対艦戦闘を行う。」

「了解。対艦戦闘よーい!」

長門は敵艦隊に向けて主砲を回し始める。

対艦戦闘の準備が整った長門は高松とともに攻撃の機会を伺う。

「主砲発射よーい!弾種08式徹甲弾*1!」

「了解!08式徹甲弾装填よろし!」

海神艦長は主砲の準備ができたことを確認すると長門と高松を第2戦速、約20ノットまで増速した。

長門の91式45口径51cm連装砲は敵艦のアドミラル・フロタ・ロボフに向けられている。

「打ち方始め!目標敵艦アドミラル・フロタ・ロボフ!」

「了解!目標アドミラル・フロタ・ロボフ!」

主砲の発射が近づくと甲板には警報が鳴り響く。

「主砲!てぇ!!」

艦長の号令とともに主砲の発射トリガーが引かれた。

次の瞬間、ドゴォォォォォォォン!!!!という激しい音とともに船体が揺れ、軋む音が艦内に鳴り響く。

その瞬間は世界最大の主砲が火を噴いた瞬間だった。


第4艦隊到着の10分前。

ロシア太平洋艦隊 総旗艦ヴァリャーグ艦橋

「航空隊より入電!」

「読め!」

「敵空母にミサイル命中!敵中型艦にもミサイル命中!攻撃成功です。」

その瞬間、艦橋内は歓声が上がりお祭り騒ぎになる。

「敵部隊転舵!追撃しますか?」

「今はいい!逃がしておけ!」

「はっ!」

しかし次の瞬間…

「レーダーに新たな艦影!」

「なに?!先ほどの空母部隊ではないのか?!」

「はい!艦影12!18ノットで接近中!」

画面上には新たな光の点が映し出される。

「さっきの航空隊は!?」

「燃料不足のため帰投予定です。」

「分かった…。現時刻をもって艦影を敵艦隊とする!航空隊を収容次第、航空隊発艦!敵艦隊に攻撃する!」

「了解!」

「アドミラル・フロタ・ロボフに敵艦隊に攻撃を命令。」

「了解!」

『こちらアドミラル・フロタ・ロボフ。敵艦隊に対しての攻撃をおこn……』

しかし次の瞬間、ドーン!!という音とともにアドミラル・フロタ・ロボフからの通信が途絶える。

その正体は長門が放った08式徹甲弾だった。

オゴニョーク艦長が急いでアドミラル・フロタ・ロボフに目を向けるがその姿は見るも無残な姿になっていた。

アドミラル・フロタ・ロボフは自身の右舷側P−1000発射管に命中弾を喰らい、発射管付近で火災が発生。今にも引火寸前だった。

「アドミラル・フロタ・ロボフ!応答せよ!」

オゴニョークが必死に呼びかけるがその無線機からの返答はない。ただ窓の外で虚しく燃え盛りアドミラル・フロタ・ロボフを見守るしかなかった。

しかしそんな暇も無く、長門の第2射が来る。

「敵弾飛翔!」

「回避運動!」

回避運動を開始したヴァリャーグの船体は強く軋む。

「敵弾来ます!」

「衝撃に備えぇ!」

その瞬間、船には強い衝撃がかかる。船体は大きく揺れ、艦内のものが次々に散乱する。

「敵弾夾叉!」

「反撃だ!ベスストラーシュヌイにミサイル発射の旨を伝えろ!」

「はっ!」


長門CIC

「1射目、敵巡洋艦に命中弾。撃沈したものと思われます。2射目は夾叉。しかしソナーに船体の軋む音が聞こえたため、多少の打撃は与えられたかと…。」

「分かった。」

「敵艦より飛翔体分離!数8!距離20km!マッハ3で突っ込んで来ます!」

「対空戦闘始め!」

「ECM起動!」

「諸元入力良し!」

「前甲板、VLS!5〜10番!発射弾数10発!SM−2JS発射始め!てぇ!!」

長門はミサイルに対処するためにSM−2JSを発射。回避運動も開始する。

「ミサイル発射完了!着弾まで60秒!」

「主砲発射用意!主砲弾そのまま!目標ベスストラーシュヌイ!てぇ!」

またドゴォォォォォォォン!!!!という音とともに砲弾が放たれる。

「12式SSM発射準備始め!」

「高松も12式SSM発射準備を始めました!」

「SM−2JS!着弾まで3…2…1…マークインターセプト!敵ミサイル7発撃墜!1発速度そのまま突っ込んで来ます!距離5km!」

「対空防御!」

舷側のRAM近SAMや25mm機関砲が敵ミサイルに対して弾幕を張る。

「敵ミサイル全弾撃墜!」

「了解。」

「12式SSM発射準備完了!」

『こちら高松。12式SSM発射準備完了。発射指示を待つ。』

「目標!敵旗艦ヴァリャーグ!発射弾数8発!てぇ!」

「発射ぁ!!」

艦長の指示を合図に12式SSM、8発がヴァリャーグに向かって発射された。


ロシア太平洋艦隊 総旗艦ヴァリャーグ艦橋

「ミサイル命中には至らず!」

「クソ!」

オゴニョークはミサイルが命中しなかったことを嘆く。隣ではまだアドミラル・フロタ・ロボフが火を立てながら、傾き始めていた。そんな中、護衛中のベスストラーシュヌイから爆発音が聞こえてくる。

「何事だ!」

「ベスストラーシュヌイに敵砲弾命中!」

「またか!」

ベスストラーシュヌイは砲弾を艦後部の右側面に被弾。

幸い砲塔弾薬庫には引火せず、爆発は起きなかった。しかし、スクリューシャフトを損傷。自力航行は困難になった。

「敵艦隊より飛翔体分離!速度マッハ5です!」

「対空戦闘!あるだけミサイルを撃て!!」 

ボエヴォイが9M38M2 シュチーリ1を発射し、3発を迎撃するが残りの5発はボエヴォイの対空ミサイル網を突破。艦隊へ近づく。

「ミサイル!レーダーロスト!」

「なに!?」

レーダーには先ほどまでのミサイルを表す、光の点が消えていた。なぜなら12式SSMは対象艦との距離を自ら計算し、距離に応じてシースキニングモードに移行。レーダー上より姿を消す。そのためヴァリャーグのレーダーでは探知できなかったのだ。

「ミサイル!速度そのまま!5発突っ込んで来ます!」

ロシア太平洋艦隊はコールチクやAK−630で近接対空戦闘を行うが12式SSMは一向に墜ちる気配はない。

そしてそのまま…

ドーン!!と言う音を立てながら、ヴァリャーグの前方と後方にミサイルが命中した。

「被害状況は……?」

「艦前方で火災!」

「艦後部でも火災発生!コールチク対空砲が機能停止!」

「速力が最大13ノットに低下!」

「艦、傾斜角21度!」

ヴァリャーグは沈まないほうが不思議なぐらいに損傷していた。

「艦隊、反転用意。」

艦長が呟く。

「か、艦長…。なんと?」

「艦隊、反転!母港へ向かう!日本艦隊に戦闘停止の話を伝えろ。」

「艦長!私はそんなこと認められません!」

副艦長のチェルノブレスが反論する。

「だがなチェルノブレス。皆の命を守るためにはこれしかないんだ。」

「しかし艦長!我が艦隊にはまだボエヴォイが残っています!なぜ!今になって反転するのですか!?」

「わかってくれ。チェルノブレス。」

チェルノブレスを諭す様にオゴニョークは話す。

しかし怒り心頭のチェルノブレスは腰に携えたMP−443を抜き、銃口を艦長のオゴニョークに向けた。

「あなたには祖国に尽くそうという心はないのですね。わかりました。」

そう言うとチェルノブレスは自分のこめかみにMP−443の銃口を当てる。

「やめろ!チェルノブレス!」

オゴニョークや艦橋乗組員が止めようとするが、間に合わず虚空にパン!と言う音が響く。

チェルノブレスは力なく倒れ込み、艦橋に血溜まりができる。その瞬間、時が止まった様に艦橋が静寂に包まれる。

「チェルノブレス!しっかりしろ!早く!早く救護兵を呼べ!」

止まった時が動き出す様に、艦橋内は騒然とする。

しかしすぐにチェルノブレスの死亡が確認された。

その後、艦隊は反転。ロシア本国へ帰還した。


第二次間宮海峡海戦はこうして幕を下ろした。

ロシア側は海軍に打撃を受け、軍中央情報庁の情報では、約4ヶ月間は太平洋艦隊は作戦行動ができなくたった。

しかし日本国海軍も貴重な空母は小破、巡洋艦に至っては大破となってしまい、樺太方面に展開していた空母打撃群に空きができてしまった。日本国軍統合総省は間宮海峡ではなく、来るノグリキ空港強襲作戦に向け、オホーツク海に第8空母打撃群の派遣を決定。

第8空母打撃群は8日後にオホーツク海へ到着。これをもってノグリキ空港強襲作戦が開始された。

*1
2008年に正式採用された日本国海軍の主力徹甲弾。

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