起きたら赤い彗星になっていたので取り敢えずキャスバルジオンやるわ   作:ジャック・オー・ワンタン

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続きになります!


第14話:交錯する思惑

ー宇宙世紀 0079 10月10日ー

 

シャア・アズナブルが行方不明になって僅か二日の時が経った頃・・・連邦とジオン両軍にてそれぞれの者達の思惑が交錯する。

 

それは一年戦争が始まって10ヶ月余り経過し、膠着状態が薄れつつあるこの時期を波乱の時代にするにはあまりにも容易過ぎるものだった、

 

ー南米ジャブロー 連邦軍本部会議室ー

 

「今、我が軍は地上で北京を奪還し北米の一部地域も取り戻しつつある。」

 

連邦軍大将レビルは将官達に今の連邦の状況を伝える。

 

「オデッサ作戦まであと少しという所まで来ましたな?」

「エルラン。その通りだが今の我々ではまだオデッサを攻めるには危険すぎる。」

「レビル将軍のやり方は時間がかかり過ぎますな。」

 

すると佐官の1人、ジャミトフ・ハイマンがレビルに異議を唱える。

 

「我々が組織した部隊・・・"ティターンズ"ならば地上を制圧しているスペースノイド共を全て排除できます。地上の侵攻作戦は是非、我々に・・・」

「ジャミトフ!!」

 

しかし、レビルは喝を入れてジャミトフの意見を途中で防いだ。

 

「そのやり方ではザビ家と変わらん!それが何故、分からんのだ!」

「V作戦の機体を奪われた失態を犯しておきながら随分と威勢がいいですな?」

 

ジャミトフはそう言うと立ち上がって将官達に告げた。

 

「我々ティターンズは徹底的にジオンを潰し、スペースノイドに地球の地を1歩も踏ませないことを約束しよう!その手始めとして・・・V作戦失敗の責任をレビルに負ってもらう!」

「・・・ッ!?貴様!」

 

顔を顰めるレビルをよそにティターンズの軍服を着た士官が彼を取り押さえた。

 

「連れていけ!連邦はこれからジーン・コリニー"大将"が指揮する!」

「そんなことが許され!・・・っく!離せ!」

「フッ」

 

ティターンズの士官に連行されるレビルを見て、ジャミトフと席に座っていたジーン・コリニーは不敵な笑みを浮かべるのだった。

 

ー時を同じくして サイド3 ズム・シティー

 

「シャアの搜索は依然、続行中です!ですので・・・」

「一兵卒の様な事はもうするな!シャアは死んだのだ!ガルマ!」

 

モニターを通じてシャアの生存を信じて搜索を続けるガルマをドズルが咎めた。

 

「ドズルの言う通りだガルマ。シャアの犠牲など我がジオンの繁栄の為には致し方ないものだ。」

「総帥はシャアの死を軽率に捉えがちです。彼のおかげで連邦に太刀打ちが出来たのは明白です。」

 

ギレンの言葉にキシリアは眉間に皺を寄せてそう反論した。

 

「キシリア!貴様もまたシャアの生存を信じておるのだろう?いい加減にしないか!」

「ドズル兄さん。元々シャアは誰の下で活躍していたかお忘れですか?V作戦の機体奪取に貢献した英雄の死をみすみす認めると?」

「良いんです。キシリア姉さん。ドズル兄さんとギレン兄さんの意見も一理あります。」

「ガルマ。シャアの搜索部隊を勝手に作って動いたのは貴方です。そう開き直るのなら言った言葉に責任を持ちなさい。」

「くっ・・・」

 

キシリアの冷たい口調にガルマは顔を顰める。

 

「ガルマ。貴様がシャアの親友だったことは分かっている。だが、その死を乗り越えて俺さえも扱える立派な将軍になるのだ。」

「ドズル兄さん・・・」

 

モニターの中でガルマは哀しげな表情をして静かに頷いた。

 

(でも、私は信じれない。未だにシャアが死んだとドズル兄さんもギレン兄さんも思っている!それに姉さんも最近この件には無関心になってきた!ザビ家はこのままでいいのか?)

 

しかし、ガルマは仲違いをしていく兄姉を見てザビ家の在り方に疑問を抱くようになっていくのだった。

 

◇◇◇

 

ごきげんようシャアである。シイコによって撃破されてから約5日が経った頃、俺はブレックスの助けを借りてジオンの領土である北米へ向かう為、空港へやってきた。

 

「今から手荷物検査を行う!乗客はここへ!」

 

うっわ、怖そうな警備員!カミーユに踏み潰されそうになってた奴みたいな人ばかりだ。実際、目にするとめちゃくちゃ怖いのなあの人達。

 

「では、シャア・・・いや、今は"クワトロ・バジーナ"だったな。しばし別れということで」

「えぇ、大佐もお気をつけて・・・」

 

ブレックスと密かに一時の別れを告げ、俺が警備員の方へ向かおうとした時だった。

 

「ん?なんだ?」

 

ふと、ブレックスの端末から着信が入ると俺もまた立ち止まって彼の方へ顔を向けた。電話の相手は・・・Zでエマさんと幸せになって欲しかったあのヘンケンさんだった。

 

「おぉヘンケン君。今、大丈夫だぞ・・・うむ・・・な、何!?本当なのか!!」

 

思わず驚きの声を上げたブレックスは咳払いして周囲の目を気にしながらヘンケンに伝えた。

 

「了解した。最悪の事態が起こったな。こちらもそろそろ動くべきだろう。また連絡する。」

 

そう言ったブレックスは電話を切って深刻な表情を浮かべた。なんだぁ?その顔は良くない話だったみたいだな。何があったのだろうか?

 

「どうされたのですか?」

 

俺は恐る恐るブレックスに尋ねると彼は思いがけない・・・連邦の一部の人間にとって恐れていた事態を告げた。

 

「レビル将軍が・・・ジャミトフによって総司令官を降ろされて更迭されたそうだ。」

「なっ!?」

 

その事態に俺も驚きと戦慄がはしる。レビルが・・・更迭!?しかもジャミトフに!?おいおいウソだろ!!

 

「何故、その様なことに!?」

「君がV作戦の機体を奪っただろう?その責任を彼に擦り付けたそうだ。」

 

えぇ〜俺が間接的な原因かよ!!

 

「君は自分が原因の一端だと思うが連邦は連邦、ジオンはジオンだ。だが、ジャミトフがこの様な揚げ足取りでレビル将軍を引きずり下ろすとは思いもしなかったな。」

「ジャミトフはスペースノイドを排除する考えを持っていると聞いています。それが本当ならば・・・」

「私はレビル将軍を助ける。彼は連邦でも話のわかる者だ。必ず我々の味方になってくれよう。」

「でしたら私も協力しましょう。」

「いいのか?ジオンの仲間は?」

 

驚くブレックスに俺は首を横に振った。

 

「貴方に命を助けて貰った恩があります。それにレビル将軍は"ニュータイプ"にも関心のある尊敬すべき方です。その様な者を失うのは敵とはいえ忍びない。レビル将軍救助に私も協力しましょう。」

「頼もしいな。ならば有難く力を貸してもらうとしよう。」

「はい!」

 

俺はブレックスに頷き、レビル救助に協力することにした。レビルのオッサンは死んでもらっちゃ困る。数少ないニュータイプにも柔軟な考えを持っている連邦将官だし本人すらもニュータイプの素質がある。

 

そのレビルを助けたという恩を売れば彼ももしかしたら俺の仲間になってくれるかもしれない!そうなればむちゃくちゃ心強い!

 

待ってろよレビル!この俺、赤い彗星が助けてやるぜ!

 




おやおやぁ大変な事になりましたねぇ〜

ガルマがまさかの新生ジオン設立フラグからのレビル失脚という事態・・・。ジャミトフは自分の都合いい上官であるコリニーさんを立てた様ですね。

早速、連邦→ティターンズの予感が来ますが悪いことばかりではありません。なんとシャア、レビル将軍を仲間に引き入れるという考えに!

価値観が合えばレビルとキャスバルは協力関係になり得るのではないか?と作者は思い、今回この展開にしました。実際ニュータイプ同士ではあるので分かり合うことは出来そうですよね。

本作における
ヨハン・イブラヒム・レビル
ICV:村松康雄
地球連邦軍大将。V作戦を推進的に進めた挙句、奪取された責任をジャミトフに問われ、失脚し更迭。一応連邦全体を指揮する権限(ギレンの野望要素)があったがジャミトフの上官、ジーン・コリニーに奪われてしまう。

ICVはギレンの野望 アクシズの脅威V

ジャミトフ・ハイマン
ICV:西村知道
地球連邦軍大佐にして特殊部隊『ティターンズ』の司令。レビルを失脚・更迭させ、自身の上官であるジーン・コリニーを総司令官として擁立する。

ICVは劇場版

クワトロ・バジーナ
ICV:新拓樹/池田秀一
本作シャアが考えた偽名だがこれはZでのシャアの偽名と同じ。連邦領土にいる際はこの名前を名乗る。

混乱していく宇宙世紀そろそろここで活躍して欲しい人は?

  • 漁夫の利を狙って早めの帰還 シロッコ
  • シャア共闘ルート? ハマーン
  • 新生ジオン決起! ガルマ
  • ティターンズ独立 ジャミトフ
  • ティターンズもヘイト? シイコ
  • リュウと共にシャア合流 ブライト
  • 兄上も甘いようで・・・ キシリア
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