デジモンアストリア   作:アヤ・ノア

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今回は箸休めの回です。
とあるアニメのパロディですが、分かりますかね?


第22話 その話、ハナシにならない!?

 多樹と北斗は、ようやくウィザードから零を解放した。

 クラスは別々だが、ウィザードと戦う時は必ず協力すると約束した。

 

 学校が終わって、多樹と北斗が一緒に帰ろうとすると、北斗が急に立ち止まり、歯を押さえた。

 

「うっ、いてっ!」

「北斗、どうしたの? 歯が痛いの?」

「なんでもねぇよ、多樹! オレは帰る!」

 多樹の心配をよそに、北斗はそそくさとその場を後にする。

 

「あっ、北斗!」

「……一体、北斗はどうしたんだろう……」

 

 多樹が首を傾げていると、後ろから零が声をかけてきた。

 

「友達を気にかけるのはいいんだけど、自分の歯も大事にするんだよ、多樹」

「うん、私も虫歯にならないようにしっかり歯を磨くからね」

 

 一方、デジモン研究所では、北斗が歯を痛めながら帰ってきた。

 

「ただいま……いてぇよ、父さん、母さん、姉ちゃん……」

「大丈夫、北斗? ちょっと見せて」

 

 北斗の母・美紗紀が北斗の歯を見ると、奥歯には小さな黒い穴が空いていた。

 昨日、歯磨きを雑に行っていたからだ。

 

「虫歯だわ。すぐに治しましょうね」

「えっ、あの痛いところに連れていくのかよ! 嫌だ!」

 

 北斗は顔を青ざめた。

 歯科医で味わったあの痛みが、トラウマになっているのだ。

 

「ダメよ、虫歯を放っておいたら歯がなくなっちゃうからね」

「うぅ、助けてくれ、父さん、姉ちゃん……」

「すまないが、こっちは忙しいんだ」

「ちゃーんと治してきてね!」

 父の有雄は、研究に没頭していて取り合ってくれない。

 姉の七香も、手を振りながら軽く言うだけだった。

「うわぁぁぁぁぁぁん!」

 北斗は涙目で叫んだ。

 母親の美紗紀に手を引かれ、北斗は渋々デジモン研究所を出る。

 向かった先は、腕のいい歯医者がいると評判の歯科医だった。

 しかし、歯科医に着く前に、一人の人物が二人の前に現れた。

 人物はフードを被っていて、顔は見えない。

 がっしりした体格で、北斗達を睨みつけていた。

 そして、無言で北斗の腕に鎮痛剤を打つ。

「えっ……」

 北斗が驚いていると、男はそのまま姿を消した。

「……あれ?」

 北斗は、痛みが消えた事に気づくと、すぐにデジモン研究所に帰ろうとした。

「やった! 痛くない! 帰るぜ、母さん!」

「北斗、もう大丈夫なの?」

「あ、ああ!」

 

 北斗は、母親の言葉を無視し、デジモン研究所に帰ってきた。

 しかし、研究所の扉を開けた瞬間、鎮痛剤の効果が切れて、再び激痛が襲いかかる。

「いてててててて!」

「やっぱり歯医者に行かなきゃ。どうしていきなり痛いなんて言ったの?」

「し、知らない人がオレに薬を打って……」

「北斗! 知らない人についていっちゃダメでしょ!」

「いや、違うっての! もういい! 治せばいいんだろ治せば!」

 北斗は、美紗紀と共に再び歯科医に向かおうとした。

 その様子を、多樹は心配そうに見つめていた。

 

「北斗、私、何か手伝えることある?」

「ごめんなさいね、こっちの用事だから」

 

 美紗紀は、多樹にそう言って、北斗を連れて歯科医に入っていった。

 多樹が帰ろうとすると、何故か歯科医の自動ドアが開かなかった。

 困った多樹が自動ドアを調べようとすると、突然、自動ドアの前からルドモンが現れる。

 ルドモンはウィザードの幹部に命令されて、自動ドアを封鎖しているようだ。

 

「ここを通すわけにはいかない。ウィザードの指示だ」

「北斗の歯をなくしたくない! カラムモン、いくよ!」

「おっけー!」

 

 多樹は、北斗の歯を守るために、カラムモンをデジヴァイスから出した。

 ルドモンは、盾に自身を変え、両手の盾を振り回しながらカラムモンに攻撃を仕掛けてきた。

 カラムモンは、その堅い防御で攻撃を通す事ができない。

 

「くっ……! 攻撃が効かない!」

 ルドモンは、カラムモンの攻撃をいとも簡単に防ぎ、嘲笑うように盾を打ち鳴らす。

「大人しくするんだな」

「どうしよう、カラムモン……!」

「大丈夫! 次は、私に任せて!」

 カラムモンは、多樹の言葉に頷くと、ルドモンの攻撃を避ける事に集中した。

「今だよ! パラライズウェイヴ!」

 カラムモンは、ルドモンの動きが止まった一瞬を逃さず、雷の嵐を放った。

 雷の嵐は、ルドモンの全身を麻痺させ、ルドモンは動けなくなった。

「今だ! サンダービーム!」

 カラムモンは、全力を込めて電撃ビームを放った。

 ビームは、ルドモンの体を貫き、ルドモンはデータの光となって消えていった。

 

「大丈夫だよ、北斗。ちゃんと虫歯を治してね」

「うっ……わ、分かったよ……!」

 ルドモンが消えた後、自動ドアは無事に開いた。

 北斗は歯科医で虫歯の治療をしてもらう事になった。

 

(あれ? 思ったほど痛くない)

 北斗は、虫歯の治療を受けたが、その歯医者の腕は一流で、思ったほど痛くなかったようだ。

 虫歯を完治した後、北斗は笑顔で美紗紀と共に歯科医を後にする。

 

「虫歯は治った?」

「ああ! ぜーんぜん痛くなかったぜ! それにしても、オレに薬を打った奴は誰だったんだ?」

「さあ……分からない。でも、ウィザードが関わっていたと思うよ」

 

 多樹は、そう言って微笑んだ。

 北斗は、多樹の優しさに触れ、少し照れくさそうに笑った。




デジモンと関係ない話でもデジモンを入れるのがこの小説です。
次回は衝撃の展開が待ち受けます。
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