とあるアニメのパロディですが、分かりますかね?
多樹と北斗は、ようやくウィザードから零を解放した。
クラスは別々だが、ウィザードと戦う時は必ず協力すると約束した。
学校が終わって、多樹と北斗が一緒に帰ろうとすると、北斗が急に立ち止まり、歯を押さえた。
「うっ、いてっ!」
「北斗、どうしたの? 歯が痛いの?」
「なんでもねぇよ、多樹! オレは帰る!」
多樹の心配をよそに、北斗はそそくさとその場を後にする。
「あっ、北斗!」
「……一体、北斗はどうしたんだろう……」
多樹が首を傾げていると、後ろから零が声をかけてきた。
「友達を気にかけるのはいいんだけど、自分の歯も大事にするんだよ、多樹」
「うん、私も虫歯にならないようにしっかり歯を磨くからね」
一方、デジモン研究所では、北斗が歯を痛めながら帰ってきた。
「ただいま……いてぇよ、父さん、母さん、姉ちゃん……」
「大丈夫、北斗? ちょっと見せて」
北斗の母・美紗紀が北斗の歯を見ると、奥歯には小さな黒い穴が空いていた。
昨日、歯磨きを雑に行っていたからだ。
「虫歯だわ。すぐに治しましょうね」
「えっ、あの痛いところに連れていくのかよ! 嫌だ!」
北斗は顔を青ざめた。
歯科医で味わったあの痛みが、トラウマになっているのだ。
「ダメよ、虫歯を放っておいたら歯がなくなっちゃうからね」
「うぅ、助けてくれ、父さん、姉ちゃん……」
「すまないが、こっちは忙しいんだ」
「ちゃーんと治してきてね!」
父の有雄は、研究に没頭していて取り合ってくれない。
姉の七香も、手を振りながら軽く言うだけだった。
「うわぁぁぁぁぁぁん!」
北斗は涙目で叫んだ。
母親の美紗紀に手を引かれ、北斗は渋々デジモン研究所を出る。
向かった先は、腕のいい歯医者がいると評判の歯科医だった。
しかし、歯科医に着く前に、一人の人物が二人の前に現れた。
人物はフードを被っていて、顔は見えない。
がっしりした体格で、北斗達を睨みつけていた。
そして、無言で北斗の腕に鎮痛剤を打つ。
「えっ……」
北斗が驚いていると、男はそのまま姿を消した。
「……あれ?」
北斗は、痛みが消えた事に気づくと、すぐにデジモン研究所に帰ろうとした。
「やった! 痛くない! 帰るぜ、母さん!」
「北斗、もう大丈夫なの?」
「あ、ああ!」
北斗は、母親の言葉を無視し、デジモン研究所に帰ってきた。
しかし、研究所の扉を開けた瞬間、鎮痛剤の効果が切れて、再び激痛が襲いかかる。
「いてててててて!」
「やっぱり歯医者に行かなきゃ。どうしていきなり痛いなんて言ったの?」
「し、知らない人がオレに薬を打って……」
「北斗! 知らない人についていっちゃダメでしょ!」
「いや、違うっての! もういい! 治せばいいんだろ治せば!」
北斗は、美紗紀と共に再び歯科医に向かおうとした。
その様子を、多樹は心配そうに見つめていた。
「北斗、私、何か手伝えることある?」
「ごめんなさいね、こっちの用事だから」
美紗紀は、多樹にそう言って、北斗を連れて歯科医に入っていった。
多樹が帰ろうとすると、何故か歯科医の自動ドアが開かなかった。
困った多樹が自動ドアを調べようとすると、突然、自動ドアの前からルドモンが現れる。
ルドモンはウィザードの幹部に命令されて、自動ドアを封鎖しているようだ。
「ここを通すわけにはいかない。ウィザードの指示だ」
「北斗の歯をなくしたくない! カラムモン、いくよ!」
「おっけー!」
多樹は、北斗の歯を守るために、カラムモンをデジヴァイスから出した。
ルドモンは、盾に自身を変え、両手の盾を振り回しながらカラムモンに攻撃を仕掛けてきた。
カラムモンは、その堅い防御で攻撃を通す事ができない。
「くっ……! 攻撃が効かない!」
ルドモンは、カラムモンの攻撃をいとも簡単に防ぎ、嘲笑うように盾を打ち鳴らす。
「大人しくするんだな」
「どうしよう、カラムモン……!」
「大丈夫! 次は、私に任せて!」
カラムモンは、多樹の言葉に頷くと、ルドモンの攻撃を避ける事に集中した。
「今だよ! パラライズウェイヴ!」
カラムモンは、ルドモンの動きが止まった一瞬を逃さず、雷の嵐を放った。
雷の嵐は、ルドモンの全身を麻痺させ、ルドモンは動けなくなった。
「今だ! サンダービーム!」
カラムモンは、全力を込めて電撃ビームを放った。
ビームは、ルドモンの体を貫き、ルドモンはデータの光となって消えていった。
「大丈夫だよ、北斗。ちゃんと虫歯を治してね」
「うっ……わ、分かったよ……!」
ルドモンが消えた後、自動ドアは無事に開いた。
北斗は歯科医で虫歯の治療をしてもらう事になった。
(あれ? 思ったほど痛くない)
北斗は、虫歯の治療を受けたが、その歯医者の腕は一流で、思ったほど痛くなかったようだ。
虫歯を完治した後、北斗は笑顔で美紗紀と共に歯科医を後にする。
「虫歯は治った?」
「ああ! ぜーんぜん痛くなかったぜ! それにしても、オレに薬を打った奴は誰だったんだ?」
「さあ……分からない。でも、ウィザードが関わっていたと思うよ」
多樹は、そう言って微笑んだ。
北斗は、多樹の優しさに触れ、少し照れくさそうに笑った。
デジモンと関係ない話でもデジモンを入れるのがこの小説です。
次回は衝撃の展開が待ち受けます。