デジモンアストリア   作:アヤ・ノア

27 / 47
ここでまた新たな敵幹部との対峙となります。
こういうキャラは壮絶にセンシティブですが、それでも出したいのです。


第25話 燃えるオカマはどこにいる?

 フレアリザモンを撃退し、零のテリアモンがガルゴモンに進化した。

 しかし、町の騒動を起こしているウィザードの幹部が見つからなかった。

 恐らく、犯人は足止めをして、町の混乱を広げて麻痺させようとしているだろう。

 

「あのオカマ野郎はどこに隠れてるんだ?」

「分からない。けれど、見えないところに隠れてるのは確かだと思うよ」

「とりあえず……落ち着いている人を探すか」

 

 三人は、町の目撃情報を頼りに、ウィザードの幹部が隠れていそうな場所を探索した。

 多樹は黒髪を風になびかせ、冷静に通行人に声をかけていく。

 

「すみません、この辺りで、赤いドレスを着た男の人を見かけませんでしたか?」

「いやぁ、最近物騒でねぇ。変な人は見かけてないよ」

 

 北斗は顔に汗をかきながら、焦燥感を滲ませる。

 

「くそっ、誰も見てねえのかよ! あんな派手な格好なのに!」

 

 零は冷静に、人々の視線が届きにくい場所を中心に確認していく。

 

「町の人は、デジモン絡みの騒動に慣れてないから、

 派手な服装よりも、目の前のデジモンに意識がいってしまうんだろう」

 

 多樹達が数人の町の人に情報を聞くが、有力な情報は全く見当たらない。

 町の混乱は続いているのに、手がかりが見つからず、多樹達は途方に暮れていた。

 

「そんな……。このまま見つからないのかな……」

 

 多樹達が途方に暮れていると、北斗の携帯電話に連絡がかかってきた。

 北斗がそれを取ると、有雄が電話をかけてきたようだ。

 

「ウィザードの幹部の居場所が分かった!」

「どこだ? 教えてくれ」

「地下街だ! 地上を探しても反応がなかったからな。

 ……地下街の位置は私が知らせる。北斗は指示に従ってくれ」

「ああ! 多樹、零、オレの言う通りにしてくれ!」

 

 多樹と零は、北斗の指示に従って、ミシルが隠れている地下街への道を歩く。

 北斗はすぐさま携帯電話の地図アプリに表示された指示を、多樹と零に伝えた。

 

「多樹、そっちの道を行って、次の交差点でオレに合流しろ!

 零は地下街の入り口まで、先行して偵察だ!」

 

 多樹と零は、北斗の指示に従って走り出した。

 多樹は、北斗の指示に迷いがなかった事に、僅かながら成長を感じた。

 

「分かった! カラムモン、急ぐよ!」

「ガルゴモン、先行するぞ!」

 

 多樹はカラムモンを伴い、人通りの少ない裏道を全速力で駆けていく。

 脳裏には、零がミシルに暴力を振るわれていた時の光景が焼き付いていた。

 

(零が、もうあんな目に遭わないように……!)

 

 零は冷静沈着に、地図に示された地下街の入り口に到着した。

 ガルゴモンが静かに周囲を警戒する。

 

「周囲にデジモンの反応はないよ」

「……そうか……」

「でも、ちゃんと指示に従った方がいいよ」

 

 零は地下街の入り口から漂う、僅かな熱気を感じ取った。

 それに従いながら、零は歩いていく。

 

 北斗と多樹が合流し、零と三人が地下街へ続く階段を降りていく。

 そこは、普段は人で賑わう場所だが、ウィザードの騒動のせいで、閑散としていた。

 地下街の通路を奥へと進むと、その一番奥、

 今は使われていない寂れた広場に、その人物は立っていた。

 

「あ~ら、遅かったじゃないノ」

 

 赤いドレスにがっしりとした体格、そして派手な化粧をした人物こそ、

 ウィザードの幹部、ミシルである。

 

「まあ、アタシは気が長いからそんなに気にしないんだけド……」

「お前がウィザードの幹部のミシルか! オレの家にランサムウェアを仕掛けやがって!」

 

 北斗がミシルに向かって指差すと、ミシルは顔を真っ赤にしてこう言った。

 

「アナタ達が追いかけるから、こっちもやらなきゃいけなかったのヨ! 文句あるワケ!?」

「大ありだよ! 大事なデータを人質にして、あなたはこそこそ隠れるなんて、卑怯だよ!」

 

 ランサムウェアに始まり、フレアリザモンで足止めしたミシルは、

 多樹から見れば非常に卑怯な敵だったのだろう。

 ミシルはさらに顔を真っ赤にして、懐からタイガと同じデザインのダークヴァイスを出した。

 

「アタシはアナタみたいな女の子には興味がないノ。

 けどねぇ、アタシの邪魔をする人は、男の子でも女の子でも容赦しないわヨ」

「やる気みたいだな」

「うん。絶対に、あいつには負けないんだから」

「オレの家を滅茶苦茶にして、さらに町を苦しめたお前は、許さないからな」

 

 多樹、北斗、零はデジヴァイスを構え、戦闘態勢を取る。

 ウィザードの幹部、ミシルを倒すために、パートナーデジモンと協力するのだ。

 

「さあ、ウィザーモンの前に、燃え落ちなさい!!」

 

 ミシルのデジヴァイスからウィザーモンが現れる。

 それと同時に、多樹、北斗、零のデジヴァイスから、パートナーデジモンが現れた。

 今、ウィザードの第二の幹部と、多樹達がぶつかろうとしていた。




次回はミシル戦です。
ウィザーモンはデジモンアドベンチャーでは味方でしたが、
あくまで種族名というわけでデジモンアストリアでは敵です。
つまり……分かりますね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。