こういうキャラは壮絶にセンシティブですが、それでも出したいのです。
フレアリザモンを撃退し、零のテリアモンがガルゴモンに進化した。
しかし、町の騒動を起こしているウィザードの幹部が見つからなかった。
恐らく、犯人は足止めをして、町の混乱を広げて麻痺させようとしているだろう。
「あのオカマ野郎はどこに隠れてるんだ?」
「分からない。けれど、見えないところに隠れてるのは確かだと思うよ」
「とりあえず……落ち着いている人を探すか」
三人は、町の目撃情報を頼りに、ウィザードの幹部が隠れていそうな場所を探索した。
多樹は黒髪を風になびかせ、冷静に通行人に声をかけていく。
「すみません、この辺りで、赤いドレスを着た男の人を見かけませんでしたか?」
「いやぁ、最近物騒でねぇ。変な人は見かけてないよ」
北斗は顔に汗をかきながら、焦燥感を滲ませる。
「くそっ、誰も見てねえのかよ! あんな派手な格好なのに!」
零は冷静に、人々の視線が届きにくい場所を中心に確認していく。
「町の人は、デジモン絡みの騒動に慣れてないから、
派手な服装よりも、目の前のデジモンに意識がいってしまうんだろう」
多樹達が数人の町の人に情報を聞くが、有力な情報は全く見当たらない。
町の混乱は続いているのに、手がかりが見つからず、多樹達は途方に暮れていた。
「そんな……。このまま見つからないのかな……」
多樹達が途方に暮れていると、北斗の携帯電話に連絡がかかってきた。
北斗がそれを取ると、有雄が電話をかけてきたようだ。
「ウィザードの幹部の居場所が分かった!」
「どこだ? 教えてくれ」
「地下街だ! 地上を探しても反応がなかったからな。
……地下街の位置は私が知らせる。北斗は指示に従ってくれ」
「ああ! 多樹、零、オレの言う通りにしてくれ!」
多樹と零は、北斗の指示に従って、ミシルが隠れている地下街への道を歩く。
北斗はすぐさま携帯電話の地図アプリに表示された指示を、多樹と零に伝えた。
「多樹、そっちの道を行って、次の交差点でオレに合流しろ!
零は地下街の入り口まで、先行して偵察だ!」
多樹と零は、北斗の指示に従って走り出した。
多樹は、北斗の指示に迷いがなかった事に、僅かながら成長を感じた。
「分かった! カラムモン、急ぐよ!」
「ガルゴモン、先行するぞ!」
多樹はカラムモンを伴い、人通りの少ない裏道を全速力で駆けていく。
脳裏には、零がミシルに暴力を振るわれていた時の光景が焼き付いていた。
(零が、もうあんな目に遭わないように……!)
零は冷静沈着に、地図に示された地下街の入り口に到着した。
ガルゴモンが静かに周囲を警戒する。
「周囲にデジモンの反応はないよ」
「……そうか……」
「でも、ちゃんと指示に従った方がいいよ」
零は地下街の入り口から漂う、僅かな熱気を感じ取った。
それに従いながら、零は歩いていく。
北斗と多樹が合流し、零と三人が地下街へ続く階段を降りていく。
そこは、普段は人で賑わう場所だが、ウィザードの騒動のせいで、閑散としていた。
地下街の通路を奥へと進むと、その一番奥、
今は使われていない寂れた広場に、その人物は立っていた。
「あ~ら、遅かったじゃないノ」
赤いドレスにがっしりとした体格、そして派手な化粧をした人物こそ、
ウィザードの幹部、ミシルである。
「まあ、アタシは気が長いからそんなに気にしないんだけド……」
「お前がウィザードの幹部のミシルか! オレの家にランサムウェアを仕掛けやがって!」
北斗がミシルに向かって指差すと、ミシルは顔を真っ赤にしてこう言った。
「アナタ達が追いかけるから、こっちもやらなきゃいけなかったのヨ! 文句あるワケ!?」
「大ありだよ! 大事なデータを人質にして、あなたはこそこそ隠れるなんて、卑怯だよ!」
ランサムウェアに始まり、フレアリザモンで足止めしたミシルは、
多樹から見れば非常に卑怯な敵だったのだろう。
ミシルはさらに顔を真っ赤にして、懐からタイガと同じデザインのダークヴァイスを出した。
「アタシはアナタみたいな女の子には興味がないノ。
けどねぇ、アタシの邪魔をする人は、男の子でも女の子でも容赦しないわヨ」
「やる気みたいだな」
「うん。絶対に、あいつには負けないんだから」
「オレの家を滅茶苦茶にして、さらに町を苦しめたお前は、許さないからな」
多樹、北斗、零はデジヴァイスを構え、戦闘態勢を取る。
ウィザードの幹部、ミシルを倒すために、パートナーデジモンと協力するのだ。
「さあ、ウィザーモンの前に、燃え落ちなさい!!」
ミシルのデジヴァイスからウィザーモンが現れる。
それと同時に、多樹、北斗、零のデジヴァイスから、パートナーデジモンが現れた。
今、ウィザードの第二の幹部と、多樹達がぶつかろうとしていた。
次回はミシル戦です。
ウィザーモンはデジモンアドベンチャーでは味方でしたが、
あくまで種族名というわけでデジモンアストリアでは敵です。
つまり……分かりますね?