Twitterのシステムは絶対にデジモンが××するべきだと断言します。
偽装行為? そんな事より、システムを元に戻せ××××××。
ノビアガリモンを倒し、最初の鍵を手に入れた多樹達は、
次のターゲットであるカレンモンを探しに行った。
「ここが……迷わずの森かな……?」
多樹の声が、静まり返った空間に吸い込まれていく。
はじまりの街の南端に広がるその森は、自然の緑とは程遠い、異様な景観をしていた。
空を覆うのは、葉ではなく、無数の黒いデータケーブル。まるで生き物のようにうねり、
時折、微かに脈動している。
幹の代わりに立ち並ぶのは、金属製の柱や、基盤のような模様が浮かぶ灰色の塔。
枝の先には、コンセントプラグがキノコのように生え、
時折「パチッ」と小さな火花を散らしていた。
地面は柔らかく、踏みしめるたびに「ピッ」「ジジッ」と、
まるで壊れかけたスピーカーのようなノイズが鳴る。
足元には、断線したケーブルの切れ端や、古びた回路基板の破片が散乱しており、
一歩ごとに慎重さが求められた。
「……電源コードだらけだね」
多樹が呟くと、カラムモンが多樹の足元を見て、そっと手を引いた。
「気をつけて。あのコード、動いてる……」
確かに、一本のケーブルが、まるで蛇のようにゆっくりと地面を這っていた。
「本当に迷子になりそうだな!」
北斗が苦笑しながらも、周囲を警戒するように目を光らせる。
「空気が変ざんす……なんか、甘ったるい香りがするざんす。これは……データ香料ざんすか?」
ヴォレモンは翼をたたみ、鼻をひくひくと動かしていた。
「零、方向は合ってる?」
「ガルゴモン、頼んだよ」
「うん」
多樹が振り返ると、ガルゴモンは森の中に張り巡らされたプラグの配置をスキャンしていた。
「このプラグの配置とデータを解析する限り、目的地はあっちだ」
ガルゴモンは指を差す。
そこには、他よりも太く、光を帯びたケーブルが地面を這い、森の奥へと続いていた。
「ノビアガリモンとは違って、物理的に迷わせる仕掛けだ。
空間の歪みはないけど、視覚と聴覚を混乱させるように設計されてる」
ガルゴモンが静かに頷き、前方を警戒するように歩き出す。
「この森、ただの迷路じゃない。誰かが“迷わせる”ために作った意図を感じる」
森の奥から、かすかに音楽のようなものが聞こえてきた。
それは、ワルツのような三拍子の旋律――だが、
どこか不協和音を含んでいて、聴いているだけで平衡感覚が狂いそうになる。
「……聞こえる? あれ、カレンモンの仕業かも」
多樹が眉をひそめる。
「うん。この音、データパルスに混じってる。
近づけば近づくほど、精神に干渉してくるかもしれない」
零の声は冷静だったが、その目は鋭く森の奥を見据えていた。
多樹達は、互いに頷き合い、再び歩き出す。
データの森の奥深く――カレンモンが待つ、虚飾と支配の舞台へと。
警戒しながら森の奥へ進むと、開けた空間に、そのデジモンはいた。
それは、女性の姿をしたパペット型デジモン、カレンモンだった。
童話のデータを元に生まれたというそのデジモンは、美しい人形のようだった。
しかし、足に履いた真っ赤な靴だけが異様に光り、
カレンモンの意思とは無関係に、常に不気味なリズムでトントンとステップを踏んでいる。
「あら、お客様? こんな汚い場所にいらして。
残念だけど、不躾な訪問者は、永遠に私と踊ってもらうわ」
その瞳は虚ろで、多樹達を「美しくない」と断罪するかのような、
強い嫉妬心と支配欲を滲ませていた。
「……来るよ!」
「ああ! しっかり倒そうぜ!」
「二つ目の欠片を手に入れるために!」
カレンモンは、優雅な一礼と共に、まるで舞台の幕開けを告げるように足を鳴らした。
「まずはウォーミングアップよ。ルージュ・ランツァ!」
その声と同時に、カレンモンの真紅のハイヒールが床を打ち、火花を散らす。
次の瞬間、カレンモンの足元から無数の赤い刃が、舞い踊るように放たれた。
刃は熱を帯び、空気を焼きながら螺旋を描いて飛翔し、
三体のデジモンの「足元」を正確に狙って迫ってくる。
「きゃっ! 危ない!」
「くっ、優雅なふりして、攻撃が陰湿ざんす!」
「足に当たるとまずい! 避けるんだ!」
三体は必死に跳ね、転がり、滑りながら回避を試みる。
だが、カレンモンが放った刃は高熱で構成されており、
通常の防御をすり抜けて、じわじわと足元のデータを削っていく。
「うっ……痛いよ……」
「うふふ、どうかしら? あなたって美しくないわねぇ」
「な、何をっ!」
カラムモンの足元が一瞬、赤く点滅し、よろめく。
ヴォレモンの羽ばたきが鈍り、ガルゴモンの脚部の関節から火花が散った。
そして、カレンモンはくるりと一回転し、次の技へと移行する。
「さあ、私に合わせて! コントロール・ワルツ!」
カレンモンの踊りが変化し、優雅な三拍子のリズムが空間全体に響き渡る。
足元のプラグケーブルが光を帯びそこから放たれるデータパルスが波紋のように広がっていく。
その波動に触れた瞬間、三体のデジモンの身体がビクリと跳ねた。
「体が、勝手に……! わ、わたしの動きが止まらないよ、多樹ちゃん!」
「ミーの動きが、ミーの意思じゃないざんす! 恥ずかしいざんす!」
「くそっ、このままじゃ体力を急速に消耗する!」
三体はまるで操り人形のように、カレンモンと同じワルツのステップを踏み始める。
滑稽で、哀れで、そして苦しげなその姿に、多樹達の胸は締めつけられた。
「うふふふ……なーんて無様なのかしら」
「やめて! カラムモンを解放してよ!」
「無理よ。私よりも美しい動きをするなんて、許せない。
永遠に、この虚栄の檻で踊り続けるのよ!」
データの消耗は激しく、三体のデジモンの輪郭が徐々に薄れていく。
デリート寸前――その時だった。
「嫌だ! 諦めない!」
多樹は、心の底から叫んだ。
「私達の絆は、こんなダンスで壊れない! カラムモン、あなたの本当の力を信じて!」
その声に呼応するように、北斗と零も叫ぶ。
「ヴォレモン! お前は誰にも操られない、自由な風のデジモンだろ!」
「ガルゴモン……君はもっと速く、もっと強くなれる。僕は信じてる!」
三人の想いが、パートナーデジモンに共鳴する。
デジヴァイスを失ってしまったが、代わりに、絆のエネルギーが眩い光となって溢れ出した。
制御不能のダンスが最高潮に達したその瞬間、三体のデジモンの身体が光に包まれた。
眩い閃光が空間を満たし、カレンモンが思わず踊りを止める。
「な、何……この光は……!?」
光が収まった時、そこに立っていたのは、最早成熟期の姿ではなかった。
カラムモンは、巨大な電撃が人型を取ったような、
空と雷の戦士――ヘイローモンへと進化していた。
ヴォレモンは、山伏のような法衣を纏い、漆黒の翼を広げたカラテンモンへと昇華していた。
ガルゴモンは、緑の装甲とブースターを備えたサイボーグ型デジモン、
ラピッドモンへと変貌していた。
「これが、完全体の力……!」
「力の差は、もう覆ったざんす。貴族の力、見せてやるざんす!」
「さあ、反撃の時だ!」
「なっ、何ですって!?」
進化の瞬間、三体のデジモンの体から放たれたエネルギーが、
カレンモンの「コントロール・ワルツ」を一瞬で打ち破った。
ヘイローモンが、両腕を広げ、空中に浮かび上がる。
「チェインライトニング!」
雷鳴と共に放たれた電撃が、鎖のように三体を繋ぎ、最後にカレンモンへと収束する。
その電撃は連携によって増幅され、カレンモンのパペットの身体を激しく貫いた。
「きゃあっ……な、何よこの力は……!」
続けて、カラテンモンが漆黒の翼を大きく羽ばたかせる。
「衝撃羽!」
羽根が鋭い刃となって飛び、カレンモンの動きを封じる。
カレンモンの足元が崩れ、優雅なステップが乱れる。
そして、ラピッドモンが高速で跳躍し、空中から光を放つ。
「これが、僕達の力だ! ゴールデントライアングル!!」
三色の光線――赤、青、金――が三角形を描きながらカレンモンを包囲し、中心に収束する。
「ぎゃああああああああああああああ!!」
その叫びと共に、カレンモンの身体は崩れ、
真っ赤な靴だけを残して、データの光となって砕け散った。
静寂が訪れた。
カレンモンがいた場所には、ノビアガリモンのものと同じ、鍵の欠片が静かに光を放っていた。
「凄い……ついに完全体に進化したか……!」
「カラムモン……ううん、ヘイローモン、ありがとう!」
「よっしゃあ! これで勝負ありだ! 完全体になったら、もう敵なしだ!」
三人は、進化という新たな力を手に入れ、二つ目の鍵の欠片を回収した。
ウィザードのボスを止めるための道のりが、始まった。
もしも凍結解除されたら、運営に対し「もう二度と凍結するな」と抗議を続けるつもりです。
運営がどれだけ最低の運営に成り下がってしまったかを分からせたいからです。
あ、次回もボスラッシュは続けていきますよ。
~オリジナルデジモン図鑑~
カレンモン
童話のデータを元に生まれた、赤い靴を履いたデジモン。
身体は美しい人形のようだが、足に履いた真っ赤な靴だけが異様に光り、
常に不気味なリズムで動いている。
見た目は可憐で優雅だが、その瞳は常に虚ろで、
「自分よりも美しいものを許さない」という強い嫉妬心と支配欲を抱いている。
必殺技は赤い靴から高熱の刃を放つ「ルージュ・ランツァ」と、
踊って相手を混乱させる「コントロール・ワルツ」。
・デジモンとしての情報
レベル:完全体
タイプ:パペット型
属性:ウィルス
必殺技:ルージュ・ランツァ、コントロール・ワルツ