クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 スカイフロンティア   作:ライダーGX

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第7話 孤独の少女 前編

ヴェルトラトスとヴィルキスの覚醒し、その二日後の夜。執務室にはジルを初めとするジャスミン、マギー、サリア、メイの五人が集まっていた。

 

「三度の出撃で、この撃墜数…レオンとアンジュ、大したものだよ」

 

「今まで、誰にも動かせなかったヴィルキスをこうも簡単にね~。おまけにあのデカブツのヴェルトラトスも」

 

レオンのヴェルトラトスとアンジュのヴィルキスによって全てのドラゴンを撃退した事を報告していた。

 

「たぶん、ヴィルキスがアンジュを認めた…」

 

メイが言った言葉に思わずサリアが反応する。

 

「じゃああの子が…」

 

「始めるとしようか…『リベルタス』を」

 

ジルの言葉から出て来た“リベルタス”、その意味にサリアの除く三人は頷く。

サリアの様子にジルは向く。

 

「不満かサリア?」

 

「…すぐ死ぬわ。あの子」

 

「無理もないわね、皆の隊長を殺し、可愛い新兵を危険な目に合わせたド悪党…嫌われて当然よね」

 

マギーの言葉にサリアは今日戦闘した事を思い出す。

 

 

 

―回想―

 

 

ドラゴン迎撃に出た第一中隊はガレオン級7体出現と無数のスクーナー級と戦っていた。

 

「よし!そこだ!!」

 

レオンが操るヴェルトラトスは急遽強化してくれた固定武装マシンガンをスクーナー級に向けて撃ち落とし、腰から『プラズマブレード』を取り出し、ブリップから青光の刃が出現して、そのまま突っ込んで行き、スクーナー級4体を切り裂いていく。

一体のスクーナー級を撃とうした時にアンジュのヴィルキスが横取りして来て落として行った。

 

それにレオンは思わずアンジュの方を向く。

 

「アンジュ…」

 

「邪魔しないで」

 

そう言い残して次のスクーナー級ドラゴンを撃ち落とすアンジュ。

だがロザリーはワザとアンジュ目掛けて砲弾を放つがアンジュはこれを回避する。それにアンジュは舌打ちをしすぐに次のドラゴンへと向かって行く。

 

ヒルダがガレオン級にグレネード弾を撃ちこみ、怯んだすきに止めを刺そうとするが、アンジュに突き飛ばされてしまう。

 

「ぐああっ!!」

 

アンジュはガレオン級に凍結バレットを撃ちこみ、止めを刺して海に落ちて行った。

獲物を横取りされたヒルダは舌打ちをする。

 

「チッ! あいつ…」

 

残りのガレオン級6体はヴェルトラトス全て倒して行った。しかしレオンが倒したっと言うより、“ガレオン級”が自らレオンに向かって行くと言うのが正解だと言うのは誰も居なかった…。

 

その中でもサリアはただアンジュを見て、嫉妬する様な感じに見えた。

 

 

―回想終了―

 

 

 

「私なら…上手くやれる。私ならヴィルキスを上手く使いこなして見せる! なのに何故?」

 

「適材適所と言う奴だ」

 

サリアは自分の方が上手くやれると言い張るが、ジルはすぐに返事を言う。

 

「もしヴィルキスに何かあったら!」

 

「その時はメイが直す!!命を懸けて、それが私たち一族の使命だから。勿論ヴェルトラトスもだよ!」

 

メイの勇気ある発言を聞いたサリア、ジルはサリアの前に立つ。

 

「お前はお前の使命を果たすんだ、いいね?サリア」

 

「…はい」

 

「良い子だ」

 

ジルはそう言い、マギーは手を腰当てながら今後の事を言う。

 

「これからが忙しくなるね」

 

「くれぐれもさとられない様にな、特に監察官殿には」

 

話が終わり、サリア、メイ、マギーが部屋を退室して行って、残っているジャスミンが番犬の頭をなでながら言う。

 

「良い子だ…か、悪い女だね?あんたは」

 

「利用するものはなんだって利用するさ、感情だろうが命だろうが…地獄には、とっくに落ちている」

 

吸っている煙草を義手で握りつぶすジル。それにジャスミンは「やれやれ」と言い残しながら去って行った。

 

ジルは再び椅子に座り、再び煙草を吸い、しばらくしていると…。

 

「…もう分かっている。降りてこい」

 

っと天井が開いて、そこから誰かが降りて来る。

降りて来たのはレオンだった。

 

「やれやれ。お前はコソ泥の遺伝子を持っている様だな?」

 

「どうでもいいよ、そんな事。それよりもリベルタスって何だよ?」

 

それを聞くとジルは不敵な笑みで言う。

 

「これから巻き起こる、大舞台への花道さ」

 

レオンはジルが言った言葉に思わず表情を歪めるのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして翌日後、昨日と今日の出撃を合わせた日のドラゴン討伐、弾薬、燃料消費、装甲修理など計算し、給与カウンターから報酬金を受け取っていた。

 

「撃破数スクーナー級3、ガレオン級へのアンカー撃ち込み。弾薬消費、燃料消費、装甲消費等を差し引きして今週分18万キャッシュ」

 

「チッ!これっぽっちか」

 

18万と言う少ない報酬金を受け取るロザリーは舌打ちをする。

 

「まだ良い方だよ。私なんて一桁だから…」

 

クリスはロザリーより低い報酬で彼女を励まそうとする。

 

「ヒルダは?」

 

ロザリーの問いに、ヒルダは分厚い札束を見て二人は感動している。

その間にアンジュが報酬金を受け取っていた。

 

「今週分550万キャッシュ」

 

とロザリーとクリスはそれに目を光らせ、ヴィヴィアンとエルシャはアンジュの活躍に褒めていた。

 

「アンジュやるー!」

 

「大活躍だったものね!」

 

しかし彼女は預金をしてその場を去って行く、次にレオンが受け取る。

 

「今週分、970万キャッシュ」

 

「「!!?」」

 

「チッ…」

 

レオンはアンジュより高い報酬を受け取って、ロザリーとクリスは驚き、ヒルダは舌打ちをする。

去ろうとしていたアンジュも一瞬足を止めて、そしてすぐに去って行った。

 

それにヴィヴィアンとエルシャ、そしてココをミランダが褒める。

 

「やるじゃんレオン!」

 

「凄いじゃない!」

 

「凄い凄い!」

 

「そんな凄い大金初めてです!」

 

「わ、我ながらこっちも驚いているんだが…でかい奴らが沢山来たからか?」

 

っと流石のレオンも高い報酬に驚いていた。

そして後ろを見て、ロザリーとクリスの方を見て、それに二人は表情を固める。

 

そしてレオンは報酬の50万を二人づつ分ける。

 

「え?」

 

「な、何だよ?これ」

 

「この間の迷惑代。出来ればこれで勘弁してほしいだけど…ロザリー、腕を捻った件…ダメか?」

 

それにロザリーは少々思いつめながら考え、そして頭をかきながら言う。

 

「う~………ああ~!これで勘弁してやるよ!」

 

「助かるよ、ヒルダは――」

 

「アタシは要らないよ、あんたの金なんか。行くよ二人とも」

 

っとそう言いのしてヒルダはロザリーとクリスを呼んで、それに慌てて二人は追いかける。

 

「…ヒルダ」

 

レオンはヒルダの後ろ姿を見てそう呟くのだった。

 

そして更衣室にアンジュは自分のロッカーを開けると、中が落書きされており制服がボロボロとなっていた。

 

「どしたの~? ん?わお!」

 

「まあ!」

 

「また、貴方達ね」

 

「さぁ~ねぇ~」

 

サリアが注意するのだが、ロザリーはしらを切っていた。しかしアンジュはボロボロになった制服を身に纏い、ロザリーを睨む。

瞬時に近づきナイフを抜き、空を切る。

ナイフを納めると同時に、ロザリーのライダー服が切れ、胸が見てしまう。

 

「ひゃああああああああああ!?」

 

「うざっ」

 

そう言い残し、更衣室を出る。

 

「ん?なっ!!!!」

 

っと丁度そこにレオンと鉢合わせとなり。レオンはアンジュの制服に真っ赤となって固まってしまい、それにアンジュは少々頬を赤くしながら言う。

 

「…ジロジロ見ないで」

 

アンジュはレオンをそう言い通り過ぎて行き、レオンはそのままバッタリと倒れて行った。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして監察官のエマが父にアルゼナルの仕事報告をしていた。

 

「大丈夫ですよ、仕事も慣れてきましたし私がいる限り秩序を…」

 

そうエマはコーヒーを飲んでいる最中、アンジュの姿が目に入る。

ボロボロの制服を身に纏っており、思わず吹いた。

 

「と!と!止まりなさい!!」

 

アンジュは後ろからの声を聞き、立ち止まる。

 

「あなた、その恰好は何!?」

 

「制服ですが」

 

とぶっきら棒で答えるアンジュ。

 

「秩序を乱す服装は慎みなさい。まったく…そんな恰好をして恥ずかしくないのですか? ここには男のノーマもいるのよ?」

 

「…監察官殿は、虫に裸を見られて恥ずかしいと思いますか?」

 

「えっ?」

 

アンジュはそう言って敬礼して立ち去った。

 

再び更衣室ではアンジュに斬られた所を裁縫しいるロザリー。

 

「くっそー!あのアマ…絶対にこらしめてやるからな!!」

 

 

そして二日後、レオンはジャスミンモールで自分の下着を購入しようとしていたが…。

 

「う~ん、やっぱり男性用の下着は発注しないと駄目だな?」

 

っとそう呟くレオン、そもそもジャスミンモールは日用品、食品、パラメイル用のカスタムパーツまでの商品が取り扱ってるが、流石に男性用の物は置いてはいなかった。

そしてその中でレオンは武器に見た事がある武器があった事に、あえて無視をした。

 

そしてそこにヴィヴィアンが大きな袋をもって武器の方にやって来た。

 

「おお~!新しいのはいってる~! おばちゃん、コレいくら~?」

 

「お姉さんだろ!!ったく…。『超高クロム製ブーメランブレード』か、1800万キャッシュだね」

 

「喜んで~!」

 

「毎度あり」

 

ヴィヴィアンはブーメランブレードを購入し、それには流石のレオンも呆れながら言う。

 

「お前…使いこなせるのかよ?」

 

「使いこなせるから買ったんだよ」

 

「…それで死ぬようなことはするなよ?」

 

っとそこに番犬がしっぽをふってレオンに近づき、それにレオンは見る。

 

「ん?なんだ?」

 

「おや珍しい、この子がアタシ以外の奴になつくとはね?」

 

そう言っていると番犬が唸り声を上げる。

レオンが地が視線の方を向くと、もうすでにボロボロ寸前の制服を身に纏ったアンジュがやって来て、それにはまたしてもレオンが顔を真っ赤にして固まってしまう。

 

「なっ!!!!!」

 

「おおー、セクシー」

 

「随分、涼しそうだね?」

 

二人が感想を述べるが、アンジュは「制服あります?」と制服代のキャッシュをジャスミンに渡す。

 

「制服ありますかだ? ここはブラジャーから列車砲まであるジャスミンモールだよ。ほれ毎度あり、しっかしどうしたらそんな風になるんだろうね?」

 

「さあ? あれ?おーいレオーン、大丈夫?」

 

ヴィヴィアンは真っ赤になって固まっているレオンの顔をツンツンと突きながら聞いてきたが全く無意味だった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

「ガス抜きと思って見逃していたけどあまりにも目に余るわね」

 

「うう…」

 

アルゼナルの指導教室でアンジュに散々嫌がられせをして来たロザリーとクリスに対し、サリアは流石にこれ以上見過ごせなくなった為、二人を正座されている。

そしてエルシャに何をしたのか分からないが、エルシャに殴られた痕が残っている…。

 

そして三人の他にレオンとヴィヴィアン、エルシャの三人もいた。

 

「あの子が気に入らないのは分かるけど…」

 

「…アンタ等何も思わないの!?大切な仲間を危険な目に合わせて、その上……隊長を殺した奴がのうのうと生きている事にさ!!」

 

「でもアンジュちゃんは隊長のお墓も買ったし、戦場にも戻って来た。贖罪はもう果たしてるわ。それにレオン君が居なかったら新人二人も生き延びることは出来なかったのよ」

 

「そ!それだけで…!」

 

ロザリーは悔しながらも拳を握り締める。

 

「それだけで納得しろっての?」

 

っと扉からヒルダがやって来て言う。

 

「あんたみたいな優等生ならともかく、アタシ達凡人には無理だね」

 

「ヒルダ、お前…」

 

レオンはヒルダの登場に目を細める。

 

「たくっ、司令も何考えてんだが、あの女にポンコツ機を与えた以外はお咎めなしとはね。ああ~?司令も気に行っちゃったんだ、あの女に」

 

それにサリアは一瞬反応する。

 

「ま、そう考えれば変に優遇されているのにも納得が出来るか、あの指令をたらしこむなんて大したもんだねえ…皇女殿下はベットの上でも優秀」

 

そう舌を舐めがらサリアを見るヒルダ。

 

「っ! 上官侮辱罪よ!」

 

「だったら?」

 

サリアはアーミーナイフを抜き、ヒルダはハンドガンを取り出して向ける。

その事にレオンとヴィヴィアン以外の皆は目を大きく開かせて唖然とし、二人がにらみ合っている所に何かが飛んで来て二人の武器を切り裂く。

 

二人は飛んで方向を見ると、小型のナイフが二本壁に突き刺さっていて、振った方を見るとレオンが狩人の目をさせながら二人を見ていた。

 

「いい加減にしたらどうだ。流石の俺も黙っちゃられないぜ…」

 

それにサリアは少しばかり冷や汗を流す。

 

「…これ以上アンジュに手出しするのは許さないわ! 今はこれで許しておくけど…」

 

「チッ…! 行くわよ、ロザリー、クリス」

 

ヒルダ、ロザリー、クリスは部屋を出で行く。

その中でレオンはヒルダの事を考える。

 

「(あいつ…絶対に何かを考えてるな…)」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして夜、サリアとヴィヴィアンの部屋

 

ヴィヴィアンは自分が今欲しい物をノートに書いて見ていた。

 

「うう~ん…欲しいのがあり過ぎるなあ。欲しい物が無いって寂しいよねえ~。ここでクイズ!」

 

「何?」

 

突然クイズを出されてきたヴィヴィアンにサリアは振り返って返答する。

 

「サリアは何を読んでいるでしょうか?」

 

「指導教本、難しいわ。部隊の安定させる行動をどう生かすかを…」

 

「ほんで分かった?」

 

「それが出来たら苦労しないわ」

 

そう言ってヴィヴィアンは「なーんだ」と言いながら寝ころぶ。

そしてサリアはヴィルキスの事を考える。

 

「(ジル、約束したじゃない…あの機体を私にって)」

 

「サリアまた怖い顔してるほら!」

 

「あ、ちょ、ちょっと!?」

 

ヴィヴィアンがサリアがかけていた眼鏡を外す。

 

「いつものアレを読んでいる時の方が良い顔してるぞ?」

 

「アレ?」

 

「ほれ引出の二段目にあるさ、男と女がチュッチュする奴」

 

「っ!」

 

「ふふ~ん♪さあ!見せてごらん!君の全てを~! あ~ん♪そんなとこ~♪」

 

っとジェスチャーしながら言っていると、サリアのナイフホルダーからナイフを取り出して、ヴィヴィアンのすれすれにめがけて投げる。

それにヴィヴィアンは慌てて避けて、サリアは狩人の目をしながら言う。

 

「今度勝手に漁ったら、本当に刺すわよ…」

 

「ご、ごめんちゃい!」

 

ヴィヴィアンは睨みつけて来るサリアに慌てて謝るのだった。

 

 

そして一方レオンは格納庫までやって来て自分の機体。ヴェルトラトスを見る。

 

「……(俺は今の力で誰も死なせずに戦えるか?)」

 

今のヴェルトラトスはライフルが無い状態、いつまでもこの状態が保てるか今の難しい所だった。

 

「おーいレオン、もう格納庫の電気落とすよー?」

 

っとレオンはやって来るメイの方を向いて、またヴェルトラトスの方を向く。

 

「心配しなくてもいいよ、武器はもうちょっと時間がかかるけど。あとちょっとで完成するから」

 

「助かるよ、それでもっと活躍して、仲間の犠牲が減るのなら、それで良いんだけどな」

 

そう言ってレオンとメイはその場を離れ行って格納庫を後にする。

 

そしてそれと入れ違いにヒルダが入って来て。ヴィルキスに近寄り何かに細工を施すのだった。

 

 




レオン、ロザリーの腕の件は金で解決しました。

アンジュも金で解決すればいいんだけどね。
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