クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 スカイフロンティア 作:ライダーGX
これでもし駄目だったらこれで少しばかり勘弁して下さい。
目を覚ましたアンジュは目の前の光景に驚いていた。
「ごめん! 念の為に縛られせてもらった…」
男はアンジュのそばから離れて、アンジュはあたりを見渡す。
どうもそこは洞窟の中らしく、近く机にライダースーツが置かれているのに目が入る。
アンジュは再び男の方を向き、男はカップに飲み物を入れる。
男がアンジュに答える時に、足にビンを踏んづけてしまい、転んでしまい、アンジュの股に突っ込んでしまう。
「ひぇっ!?」
「え?!」
目の前の光景は、女性の神秘なる領域が存在しているからだ。
「ご!ごめん!!これは――」
「いやああああああっ!!!」
アンジュは男を横蹴りして、腹に足を乗せてから投げ飛ばす。
投げ飛ばした際に縛っていた縄が解かれ、それを切って自分のライダースーツを持って洞窟から出る。
「(何なの此処…、私…どうして…はっ!)」
アンジュはようやく自分のしていた事を思い出す。戦闘中にヴィルキスが異常を起こし、そこで海に落ちたって事を。
海岸の方まで走ると砂浜にヴィルキスがあった。彼女は直ぐに乗り込んで発進しようとするが何も起きない。
「…? どうして動かないの?」
アンジュは原因を調べると、焦げている部分があり。すぐに調べてみると大量の下着が詰め込まれていた。
下着を見て、すぐにあのヒルダの仕業だと知り、アンジュは悔しながら下着を破り捨てて踏みつける。
「酷いじゃないか、君は命の恩人になんてことを…」
っと投げ飛ばした男がやって来て、アンジュはすぐさま銃を抜いて彼の足元を撃つ。
それに男は慌てて後方に飛び退いて、両手を上げる。
「それ以上近づいたら撃つわ」
「お!落ち着け! 俺は君に危害を加えるつもりはない!それに君はもう撃ってるし…!」
「縛って脱がせて抱き付いておいて…!」
「あ、あれは…」
男は流石にあの事には何も言えず、顔を赤くし、アンジュは銃を握りしめながら睨む。
「目覚めなかったら、もっと卑猥で破廉恥なことをするつもりだったんでしょう!」
「ご!誤解だ! 俺は本当に君を助けようと!!」
男は弁明しようとしたが、彼の足元にカニがいて、男の足を挟む。
「痛ああああああ!!!」
突然の痛さに驚き、アンジュの方に倒れ込んで。彼女の股に埋まってしまう。
「はぁ!!!」
男はすぐに離れるも、アンジュは真っ赤な顔で男はを睨みつける。
「うわあああああああああああああ!!!!」
男が叫んだと同時に銃声が鳴り響いて、しばらくすると…。
「変態!ケダモノ!発情期!!」
怒りながら男を蔓で簀巻き状態にして吊して去って行くアンジュ。
「あの~もしも~し、今のは事故…」
男の弁明に、アンジュの耳には届いてなかった。
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そしてアルゼナルで、ドラゴンを撃退した後にヴィルキスが消息不明となり、執務室でジルたちが話し合っていた。
「機体の調子は良かったのにどうして…!」
メイは拳をぶつけながらあの時の事を悔やむ。もっとアンジュに見ていておけば、あんな事には鳴らなかった筈だと。
「考えるのは後よ、今は機体の回収が最優先よ」
そうサリアがメイにそう言い、それにメイが頷いて回収班を編成させると言った時だった。
「アンジュも回収しろ、最悪の場合…、死体でも構わん」
それには流石のサリアも納得いかない様子、どうしてそこまでアンジュにこだわるのかを。っとその時ドアからノックがして来た。
「入れ」
ジルが言って、ドアからレオンが入って来た。
「レオン!どうして此処に?!」
サリアが驚きながら問うも、レオンはサリアを無視してジルの前に来て言う。
「司令、ヴェルトラトスの使用許可を下さい」
「「えっ!!」」
レオンが言った言葉にサリアとメイが驚く。
「…アンジュの捜索か?」
ジルがそれに問うと、レオンは頷く。
「はい、アンジュを一人にさせて置くわけには行かない。あいつは兵士でも元皇女、どうあっても一人で生きる行く事は出来ません」
それを聞いたジルは煙草を灰皿に押し付けて消す。
「良いだろう、ヴェルトラトスの使用許可を許す。燃料も満タンで出撃させる、ただし定期的に定時連絡をしろ。良いな?」
レオンは頷いて執務室を後にした。サリアはすぐにジルに問いただす。
「あの!なんで―」
「捜索は多いほど良い。何か問題でも?」
「え…いえ」
サリアは言いたかったことが在ったが、言っても無駄だと思い断念した。
格納庫でレオンはライダースーツに着替えて、ヴェルトラトスに乗り込む。
「レオーン!」
っとヴィヴィアンとエルシャがレオンの方にやって来た。
「レオンも捜索に参加するでしょ? あたし達も参加するよ!」
「やっぱりヴィヴィアンもエルシャも、アンジュの事が心配なんだな」
「ええ、私達はサリアちゃんたちと一緒にアンジュちゃんを探すわ。それに早く見つけてあげないとね、きっとお腹空かしてるわ」
エルシャはサンドウィッチを入れているバスケットを持ってて、すでに準備万端だった。
「流石だな、んじゃ頼んだぜ!」
レオンは親指で合図しながら二人に言い、それにヴィヴィアンも同じ様に親指を立てて真似して、エルシャと一緒にサリア達の所に向かう。
「よし、レオン機ヴェルトラトス出る!!」
燃料満タンのヴェルトラトスがアンジュとヴィルキスの捜索任務の為、大空へと出撃した。
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一方アンジュはヴィルキスに非常食がないか調べていたが一向に見つからなかった。
「どうして非常食がないの?!」
っとアンジュは前にサリアやジャスミンの言葉を思い出す。
『私達ノーマの棺桶よ』
『パラメイルはノーマの棺桶』
そう思い出しながらヴィルキスを見る。
「ノーマの棺桶か…」
アンジュは目を細めていると、海水が増している事に気付く。
どうやら満潮が来たらしく、アンジュは急いでその場を離れる。
そして空が薄暗くなり、嵐の雨が降って来た。
雷鳴がとどろく中でアンジュは雨宿り出来る所を探していた、すると大木の穴を見つけて雨宿りする。しかしそこにある物がゆっくりと忍び寄っていた。
飢えと雨の寒さで体が震える中で、アンジュはある痛みを感じる。
「痛っ!」
アンジュは下を見ると、どうやら蛇が噛みついていて、急いで振り払い、その場から走り出す。
彼女はどのくらい歩いたのか分からないが、だんだんと体力が低下してきた。
そして先ほどの蛇に毒があったのか、徐々に身体がだるくなり。おまけに雨による体温低下にアンジュは倒れてしまう。
「…だれか」
助けを呼ぼうにも、彼女を助けにくる仲間はいない。
「…誰も、来る訳…ない」
助けが来ない事に涙を流すアンジュは、起き上がろうとするもぼんやりとしていて上手く立ち上がれない。
「あの…大丈夫?」
声がした方を振り向くと、先ほど縛り上げた男がいた。どうやらアンジュは同じ場所に辿り着いてしまった様だ。
男はアンジュの苦しい表情を見て、何かあったと聞く。
「たす…け…て」
手を男の方に伸ばした直後に意識を失い、その様子に男は急いで蔓を切り、アンジュの元に向かい抱きかかえて容体を調べる。
太腿に蛇にかまれた所を見つけ、蛇にかまれたことを知り、急所口で傷口から毒を吸い出して処置をする。
そして男はアンジュを隠れ家に抱いて連れて帰って、泥で汚れた身体を拭いていた。
その時にアンジュの指輪を見て、自分の幼い頃の事を思い出す。
紅蓮の炎が破壊された街を覆い尽くし。彼方此方に破壊されたパラメイルとバラバラになったメイルライダーたちの姿もあった。
そしてそこに両親も息絶えて、幼い頃の自分は泣いていた。
《父さん…母さん!》
泣いている自分は違う方向を見ると、片腕を無くして歩いてくる黒髪の女性と女神のオブジェがついていた白い機体が目に映った。
「…ヴィルキス」
呟きながら男は呼吸が安定し寝ているアンジュを見る。
何故彼女がヴィルキスに乗っているのか、何故あの女性の機体を彼女が受け継いでいるのかそう思う男であった。
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一方アンジュとヴィルキスを捜索していたレオンは定時連絡を行っていた。
「こちらレオン、L空域にはアンジュとヴィルキスの姿はなし。一旦燃料の補給の為に帰投する」
『了解、帰投して下さい』
連絡を終え、海を見るレオンは拳を操縦桿を握りしめる。
「アンジュ…、何処に居るんだ?」
レオンは前を向いて、ヴェルトラトスをアルゼナルへと進路を取って帰投した。
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夜となり、アンジュが目を覚ます。気が付くと、最初に目覚めた洞窟だ。
「無理しない方が良いよ? 毒は吸い出したけど痺れは残ってから」
男がアンジュにそう言い、アンジュが身体を起こす。っとライダースーツじゃなくワイシャツ姿を見て気付き。思わず男を睨む。
「言っておくけど、動けない女の子にエッチな事なんてしてないからね」
男はそういいながら、煮込んでいたスープを器に盛り付ける。
「もう少し治療が遅かったら危ない所だったんだ。これに懲りたら迂闊な格好で雨の森に入ったらダメだよ」
「…余計なお世話だわ」
アンジュは頼んでもいない顔をしながら明後日の方向を向き、男はスープの具をスプーンにのせてアンジュに向ける。
「はい」
「…え、何?」
「食事、君何も食べてないだろ?」
「いらないわよ! そんな訳の分からい物!」
アンジュはそう言うが腹が空腹で鳴っている。身体が正直なのが彼女は恨めしくなってきた。
「変な物は入ってないよ、ほら」
渋々と口を開けて、食す。
「…不味い」
そう言いながらも口をアーンッとあけるアンジュ。
男はクスリッと笑う。
「気に入ってもらえてよかったよ、ウミヘビのスープ」
ウミヘビと言う言葉にギョッとし、一気に飲みこむアンジュ。
「少しは信用してくれた?」
「…」
アンジュはまだ信用出来ない様で男見て、男は少し困った表情をする。
「出来ればもう殴ったり撃ったり、簀巻きにしないでくれると嬉しんだけど…」
「考えとく…」
そう言いながらまたアーンッとし、食べる。
するとある言葉を思い出す。確か、蛇にかまれた部分は…。っと少しばかり頬を赤くする。
「どうしたの?痛む?」
男は心配そうでアンジュに言う。
「さっき、毒を吸ったと言った…?」
「うん、そうだけど…」
「口で?」
「うん…ハッ! そ!それは…!」
男は気が付き弁明するが……。
ガブッ!!
「いだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ!!!!」
「噛まないとは言ってない!!!」
何処を噛まれたのかは知らないが、何やら良い雰囲気な様子だった。