クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 スカイフロンティア   作:ライダーGX

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世界の真実編
第21話 もう一つの歌 前編


レオン達がアルゼナルへと戻って来て翌日後、第一中隊の隊長のサリアはアルゼナルの上部で何やら花を集めていた。

ある程度集め終えたサリアが紐で花の枝を結ぶ。

 

「あ~、サリアお姉様だ」

 

サリアが呼ばれた方を見ると、幼年部の子供たちとその担当員が居た。

 

「サリアお姉様に敬礼~」

 

子供たちがサリア達に敬礼をし、サリアも子供たちに向かって敬礼をして、子供たちは「サリアお姉様綺麗~」「おっきくなったら第一中隊に入る~!」とそう言って去って行き。担当員も挨拶をして子供たちの面倒を見に行った。

そんな中でサリアは幼い頃の自分を思い出す。自分もかつては当時司令官ではなかったジルの様になりたいと幼い頃からの夢であった……。

 

『私、絶対お姉様の様になる~!』

 

昔の事を思い出しつつも、サリアはそのまま墓地へと向かう。

 

そしてその場にメイも居た。

 

メイの前にある墓にはこう書いてる。

 

【Zhao Fei-Ling】っと…。

 

サリアはメイの元に来て、結んだ花を出す。

 

「これ、お姉さんに」

 

「毎年有難う、サリア」

 

メイがサリアに花の礼を言い、サリアは墓に花を置く。サリアは立ち上がって微笑みを浮かべていて。

それにメイが問う。

 

「どうしたの?」

 

「幼年部の子供たちに、お姉様って呼ばれた。私…もうそんな年?」

 

「まだ17じゃん」

 

「もう17よ…、同い年になっちゃった…『アレクトラ』と」

 

誰かの名前を言うサリアは昔の事を再び思い出す

 

 

―回想―

 

 

アルゼナルの海岸に、後部から煙を上げるヴィルキスが降下して来た。

ヴィルキスはそのままアルゼナルの海岸に着地する、そしてそこに乗っていたのは当時メイルライダーとして戦っていたアレクトラであるジルだった。

 

「アレクトラ!!」

 

そしてアレクトラの元に、当時司令官であったジャスミンがと部下のマギーと一緒に部下もやって来た。

ジャスミンはアレクトラの右腕が無い事を見て、すぐにマギーに命令する。

 

「マギー!鎮痛剤だ!! ありったけの包帯を持ってこい!!」

 

「い!イエス・マム!!」

 

その様子を上のデッキにいる、まだ当時幼かったサリアとメイが居た。

 

「あれは…お姉様の?」

 

サリアが見ている中で、ジャスミンはアレクトラをヴィルキスから下ろす。

 

「しっかりしろアレクトラ! 一体何があった!?」

 

ジャスミンはアレクトラから事情を聞く、しかしアレクトラはある者からメイに伝言があると言うばかりであった。

それを却下するジャスミンは何があったかと事情を問う。

 

ところがアレクトラは突然ジャスミンへと謝る。

 

「ごめんなさいジャスミン、私じゃあ使えなかった…。私じゃあ…ヴィルキスを使いこなせなかった…!!」

 

っと涙ぐんでジャスミンに謝り、それにはジャスミンは何も言えなかった。

 

「そんな事ないよ!」

 

そこにメイとやって来たサリアが居て、サリアはアレクトラの弱さを否定し、最後に「わたしが全部やっつけるんだから!」とアレクトラに向かって言う。

アレクトラはそれにサリアの頭に手を置いて撫でる。

 

 

―回想終了―

 

 

「全然覚えてないや」

 

「仕方ないわ、まだ3だったもの」

 

サリアは当時3歳のメイに覚えてない事に仕方ないと言い、メイと共に墓地を離れる。

っがサリアはこの時に思った。その時から数年がたち、司令となったジルはサリアにヴィルキスの搭乗を許さない事にかなり不満感が抱いていた。

 

アンジュに出来てサリアに出来ない事は何か…。

サリアは格納庫に付いて、ヴィルキスを見る。

 

「(一体私に何が足りないの…? アンジュと私に一体何が違うって言うの…? …あの子に…ヴィルキスは渡さない!)」

 

「あれ?あなた」

 

っとメイが誰かに話しかけているのを聞いたサリアは前を向くと、ヴィルキスの横に置いてあるドレッドディアスを整備しているタスクの姿が見えた。

タスクはメイの方を見て、スパナを置く。

 

「やあ、何?」

 

「何をしてるの?それもう整備終えてるよ?」

 

「ああ、でもちょっとだけ自分でやらないと、どうも落ち着かない所があってね」

 

タスクは出来るだけドレッドディアスを自分で整備したいと言って作業を続け、メイはなるほどと頷き、サリアは目を細めながらタスクを見る。

 

「メイ、ちょっと彼と二人っきりで話をさせて」

 

「え? いいよ…?」

 

メイはそう言ってその場を離れ、タスクはサリアを見て言う。

 

「君は…」

 

「サリアよ、ヴィルキスの騎士…タスク」

 

それにタスクは表情を硬くし、作業を進める。サリアはタスクに近づいて言う。

 

「あなた…どうしてアンジュの事を庇う訳?」

 

「…どう言う意味?」

 

「貴方はヴィルキスの騎士…ヴィルキスを護る戦士なのよ、なのにどうしてアンジュばかり助けようとするの?」

 

サリアはアンジュを庇うタスクに向かってそう言い、それにタスクは手を止める。

 

「…ジルがそう命じたんだよ」

 

「ジルが…?」

 

「ああ、アンジュを死なせるなってね。詳しい事はジルに聞くと言いよ、俺はそれ以上の事は知らないから」

 

そう言って再び作業を再開するタスク、サリアは納得いかない表情をするもそのままタスクの元を離れて行き、タスクはサリアが去ったのを確認してすぐに思いつめる表情をする。

 

「それに俺は…ヴィルキスの騎士じゃない」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

 

別の場所でヒュウガはパソコンである作業をしていた、それはヴェルトラトスとドレッドディアスの強化プランの設計図だった。

しかしヒュウガは何やら思いつめた表情をする。

 

「う~ん…やはりヴェルトラトスとドレッドディアスの機能がまだ完全ではない。やはり二人が『目覚めない』限り無理ですか…」

 

っとそう思っていた時、ヒュウガは何かを感じた。

 

そして同時にアルゼナルの司令室、レーダーに何かをキャッチした。

 

「これは…シンギュラー反応です!」

 

「場所は?」

 

ジルが出現地を特定しろと命令を言い、それにパメラが急いで特定する。

 

「それが…アルゼナル上空です!」

 

何と出現場所はアルゼナル上空、そしてアルゼナルの上空にゲートが出現し、そこから大量のドラゴン達が現れる。

 

「スクーナー級、数は…20…45…70…120…、数特定不能!」

 

「電話もなっていないのにどうして?!」

 

エマが司令室に到着して、電話が鳴らなかった事に疑問を感じていた。しかし今はそんな事を考えてる場合ではない。

ジルはするに基地全体放送で、アルゼナルの皆に言う。

 

「こちらは司令官のジルだ、総員第一戦闘態勢を発令、シンギュラーが基地直上に展開、大量のドラゴンが効果接近中だ。パラメイル第二、第三中隊全機出撃。総員白兵戦準備、対空火器重火器の使用を許可する、総力を持ってドラゴンを撃破せよ」

 

その放送を聞いて、食堂に居たレオン達は思わず顔を合わせる。

 

「第二中隊と第三中隊を出撃?」

 

「何だよ? レオン達じゃあねえのか?」

 

アラドとジュンがその事に疑問を持って、コモンも同じように考えるがそんな事を考えている暇はない。

 

「理由があるんだろう。俺達も行こう!」

 

レオンの言葉にジュン達は頷き、自分達の武器を持って格納庫へとむかう。

 

そしてアルゼナルの対空火器が展開して上空に居るドラゴンを撃ち落として行く。

しかし数が多いのか一向に数が減って行かない。そして一体のドラゴンが司令室へと向かって行き、そのまま突っ込んでいく。

 

パメラとヒカルは慌てて離れて行き、ドラゴンは司令室へと突っ込んだ。

 

「ひっ!!」

 

エマは怯えながら後ずさりをするも、ドラゴンは吠えた時に瞳のハイライトが消えて、マシンガンを構える。

 

「悪い奴…死んじゃえ!!」

 

そのままマシンガンを撃ちまくり、辺り構わずばらまいていく。それもその筈今の彼女は意識が飛んで行ってしまって暴走している状態なのだ。

それにジルはエマに手刀で首を打ち、気絶させて、マグナムを構えドラゴンの頭部に撃ちこみ、それによりドラゴンはそのまま絶命する。

 

すぐさまパメラがコンソールを調べる。

 

「司令!通信機とレーダーが!」

 

「…現時刻を持って司令部を破棄、以降通信は臨時司令部にて行う」

 

「「「イエス・マム!」」」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

 

その頃格納庫で、レオン達は侵入してくるドラゴンを撃退していた、多少は減って来たものの今だ数の多いドラゴンの方が有利であった。

タスクの隣に居たアンジュはドラゴンに向けて怒りをぶつけて、ライフルを撃っていた。

 

「もう!折角帰って来たと思ったら何よ!!」

 

「まあまあ…、アンジュ落ち着きなよ」

 

そうタスクもライフルを撃ちながらドラゴンを落として行く。

 

レオンが一体のドラゴンに向けてトリガーを引いた瞬間、アサルトライフルに異変が起きてジャムが発生してしまった。

 

「!? カバー!!」

 

レオンの言葉に近くに居たエルシャとクリスがすぐにカバーに入り、隣に居るタスクが問う。

 

「どうしたの!?」

 

「ライフルがジャムった!」

 

レオンがすぐにジャムを直そうとするも、ライフルがジャムった原因を見つける、どうも銃本体ではなく弾薬側が問題で、弾と薬莢が発射と同時に異変を起こし、弾と薬莢がくっ付いてしまっていたのだ。

それを見たレオンは舌打ちをする。

 

「くそ!どうやら弾薬側の様だ!」

 

そう言ってレオンはライフルを置き、剣を持って抜き、奥義を放つ。

 

『覇王突風斬!!』

 

突風斬より強力で突風の中に斬撃の衝撃波は放つ【覇王突風斬】、レオンは覇王突風斬でドラゴン達を吹き飛ばし、身体を切り刻まれながら壁に向かって激突させて殺す。

 

それを見たサリア達は唖然としてしまう。

 

「な、何よあれ…」

 

「何じゃありゃ!?」

 

「レオンて…何者?」

 

サリア、ロザリー、クリスの三人はレオンの奥義を見て驚きを隠せない。

その中でヴィヴィアン達はと言うと・・・。

 

「凄いじゃないレオン君!」

 

「うっひょぉぉぉぉ!! レオンすげぇぇぇぇ!!」

 

「すご~い…!」

 

「レオンさんやりますね!」

 

レオンの奥義を見て、興奮しているのも居た。

それにレオンは思わず照れてしまう、っと気を気を逸らした途端にドラゴンがレオンの方に向かって行く。

 

『ストレイジフォムス!!』

 

『ストリームプレス!!』

 

二つの斬撃と衝撃波がドラゴンに直撃して、それにレオンは振り向くと、ジュンとアラドが釵と棒を持って構えていた。

 

ジュンが放った奥義【ストレイジファムス】と、アラドが放った奥義【ストリームプレス】

二本の釵からオーラを放ち切り裂く斬撃と、棒から発する衝撃波を降る奥義を二人が放ったのだ。

 

「油断大敵だって言ってるだろ?レオン」

 

「嬉しがるのは分かるが、まだ終わってないぞ?」

 

「すまない、しかし今だに減って行かないな…。もう少し戦力が必要だ。ヒルダを連れて来る『いいわよ!!あんな奴!!』ワガママ言ってんじゃねえ!クリス!!」

 

レオンが怒鳴った事に思わず引くクリス、レオンは厳しい表情をしながら言い続ける。

 

「今だに数が減らないんだ、人手は多いほど良い! アンジュ!タスク!一緒に付いて来い! ジュン達は此処でサリア達のサポート頼む!」

 

「おう任せろ!」

 

そう言ってレオン達はヒルダを迎えに行った。

 

「ちょっとレオン!!勝手な指示は出さないで!!」

 

サリアが言うも既にレオンは行った為聞こえていなかった。

クリスはレオン達の行動に納得が行かない部分があった。

 

「どうしてあんな奴を迎えに行く必要があるの…?」

 

「今はその事を考えてる余裕はないわ、それに大分減ってきている。エレノア隊とベティ隊に感謝ね」

 

「チッ!今回出れないアタシ等の分も稼ぎやがって!…?」

 

突然ロザリーとクリスは不思議な光景を見る。

それはドラゴン達が突如アルゼナルから離れて行く光景が目にして、それにヴィヴィアンが指をさす。

 

「あれ? 逃げるよ?」

 

「どういう事でしょう?」

 

ココがドラゴン達の行動に疑問を感じる中、ヒルダを呼びに行ったレオン達はその中である物が聞こえて来た。

それは物と言うより・・・。

 

「何だ…?」

 

「…歌?」

 

「このメロディは?」

 

そして上空に居るドラゴン立はゲートの回りを飛び回ると、そのゲートから三機のパラメイルがゆっくりと降下してきた。

その内の一機の紅いパラメイルはヴィルキスと同じ間接部が金色のパラメイルであり、そこから歌が流れていた。

 

「♪~♪~♪」

 

その光景を臨時司令部にいるジルが双眼鏡で見ていた。

 

「パラメイルだと…」

 

同じ様にアルゼナルの上空で戦っている中隊の隊長のエレノアもその機体に目を奪われる。

 

「何こいつ? 何処の機体?」

 

皆が見ていると、その機体がいきなり金色の染まり始め、そしてその両肩が露出展開し、そこから光学兵器が発射されてそれにエレノアを含め第二中隊と第三中隊の数名を含むメンバーは消し炭へとなっていた。

中隊を消し去った光学兵器はそのままアルゼナルに直撃し、強烈な光が包み込む。

 

そして静まり返り、アラドは近くに居たサリアを起こし立ち上がらせる。

 

「大丈夫か?」

 

「ええ…は!?」

 

二人は目の前の光景を目にする。

そこには半分ほど削られたアルゼナルを目にした。それをチャンスとしたドラゴン達は一斉に向かって行き、それにアラドは構える。

 

「クソッ! おいジュン!皆!! ドラゴンがくるぞ!!」

 

「っ~…! まだ頭がじんじんすぐが、何とかねばるぜ!!」

 

そう言ってジュンも釵を構え、アラドと一緒にドラゴンの群れに向かって行き、サリア達もすぐに体制と整えてライフルを構える。

 

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

 

 

同時に上空でアルゼナルの様子を遠い場所で見ていたエンブリヲの親衛隊のアストラとベイボルスがヴォーダスとダウロスの中で見ていた。

 

「ありゃま~、ドラゴンが直々に来るとはな~?」

 

「それにあの機体…、我々の知る限りあれは《あちらの地球》の機体だ。それもドラゴンの奴らが作り上げた…」

 

ベイボルスは冷静に分析をしながらドラゴン側の機体を調べていて、アストラがあくびをしながら言う。

 

「ふわぁ~…、何で今さら来るのかね~?」

 

「今さらではない、何度も来ている事だ、それにこれは簡単な事だ。あいつ等の目的は《あのドラゴン》だ、何度も来るのは理解できる」

 

その事を聞いたアストラは「ふ~ん」と言っただけ、何にも興味なさそうにする。

 

「んで?どうするよ、俺達は旦那の指示でアルゼナルに再び来たんだがよ?」

 

「この状況ではとても閣下の指示は達成出来ん、ここは一度戻り、閣下に報告する」

 

「おう、そうしようぜ」

 

二人はその場を離れて、エンブリヲの元に戻って行く。

 

そしてアルゼナル内で、先ほどの衝撃に倒れていたレオン達は起き上がる。

 

「いつつつ…! 大丈夫か!アンジュ!タスク!」

 

「ええ…ってええええ~~~!!??」

 

アンジュは今の光景に目を奪われる、何とまたしても意識を失っていたタスクがアンジュの股間に頭を突っ込んでいて、それを見たレオンは頭を抑えて「またか…」と言う。

 

っとタスクが意識を取り戻して、今の状況を理解し慌てて離れて謝る。

 

「ご!ゴメンアンジュ!!!わざとじゃ!!?」

 

「五月蠅い!このスーパー発情期!!!」

 

ドガァァ!!

 

「ぶはっ!!」

 

タスクはアンジュの強烈な右ストレートを左頬に貰ってしまった。

もし今の状態が非常事態でなければ完璧なお約束のシーンなのだが、今はそれどころではないと判断したレオンは言う。

 

「アンジュ、タスク。いちゃつくのは後にしろ! 今はヒルダを呼びに行くぞ!」

 

「分かってるわよ! ほら行くわよタスク!!」

 

「ま!待ってよ~! レオン!アンジュ~!?」

 

殴られた頬を抑えながら立ち上がるタスクは先に行くレオンとアンジュの後を追いかけて行った。

 

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