クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 スカイフロンティア   作:ライダーGX

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第36話 決別 前編

無事アルゼナルの皆と合流したレオン達、そしてアークガーディアンとアウディオンはアルゼナルの旗艦であるアウローラと共に海底へと進んでいた。

アウローラのブリッジに居るオリビエが提示報告をする。

 

「第一警戒ライン通過」

 

「まさか生きてたとは…」

 

ヒカルが別の部屋で話し合っているレオン達の方を見ながら言い、それにはオリビエも同意しかねる。

 

「レオン達もてっきりロストしたかと思ってました」

 

「今まで何処に行ってたんだ…?」

 

「シンギュラーの向こう…だって」

 

っとパメラが言った言葉にヒカルとオリビエが思わず驚きを隠せない。

 

「「うっそ~!?」」

 

「本当よ。それにしても…」

 

パメラが共に付いて来ているアークガーディアンとアウディオンを見て、あり得なさそうな表情をしながらつぶやく。

 

「人間が人間と戦う組織フロンティア、連れて来たのはあの訓練教官だって言ってたけど…」

 

「今だに信じられません。人間が私達を助けるだなんて…」

 

そうオリビエはつぶやく。

そして別の部屋でレオン達がジル達と自分達が行っていた並行世界の事を話していた。

 

「並行宇宙ともう一つの地球…、ドラゴン、いや…遺伝子改造した人間の世界か」

 

そうジルは呟きながら煙草を取り出す。

レオンは頷いて言う。

 

「ああ、そして彼女達は話し合いができる、腐った連中達とは違ってな」

 

「ええ、手を組むべきじゃないかしら。ドラゴンと…」

 

アンジュがそう提案して来たのを聞いたヒルダ達は思わず驚く表情をする。そんな中でジルがヒュウガを睨む。

 

「それにしてもよくもまあ隠していたものだなヒュウガ、この私に…しかも人間達を引き連れて」

 

「ふふふ…、それはお互い様ですよ?ジル司令。あなたも隠し事があったでしょ」

 

そう言い返されたジルはそっと眉を顰める。

そしてレオンはジル達にドラゴン達の説明する。

 

「彼女達の目的はアウラの奪還、彼女達が上手くアウラと取り戻せば全てのエネルギーが立たれ、人間のマナも世界も停止するとう話だ」

 

それにヒルダ達は驚き、レオンの後にアンジュが続けて言う。

 

「そうなればシンギュラーも開けなくなるし、パラメイルも必要なくなる。何よりマナのエネルギーを得るためにノーマがドラゴンを狩る、そんな馬鹿げた戦いを終わらせる事が出来るわ」

 

「だがサラ達の進攻作戦は失敗した、被害は尋常じゃない…互いの目的の為も共同作戦を持つべきだと俺は思うんだ。勿論アルゼナル、古の民、アウラの民、そして先生や父さん達が引きつれるフロンティアの皆も…」

 

「ほお~、敵の敵は味方か、成程~…」

 

っとジャスミンがレオン達の会話を聞いて納得し、それにロザリーが思わず抗議する。

 

「じょ!冗談だろ!?人間は兎も角!あいつ等は沢山の仲間を殺してきた化け物なんだぞ!! ドラゴンと協力~!?在りあねっつーの!!」

 

「おいおい、そんな事ばっか言ってると。何時まで経っても負け戦だぞ?」

 

アラドがそうロザリーに言う。

そんな中でヴィヴィアンが思わず頬を膨らませてロザリーを睨む。

 

「話して見れば分かるわ、サラ子達と」

 

「無駄だ、奴らは信じるに値しない…」

 

「ほう~?何故そう言える」

 

レオンがジルに問い、ジルは立ち上がりながら言う。

 

「簡単だ、アウラなんだか知らないがドラゴン一匹助けただけでリベルタスが終わると思っているのか? 神気取りの支配者エンブリヲを抹殺し、この世界を壊す…それ以外にノーマを解放するすべはない」

 

「相変わらず硬い頭だなお前…、俺達はそれ以外の方法を見つけたんだ。お前がどう言うが何言おうが、お前の作戦よりマシな方だと俺は思うね」

 

「ほお~?随分と生意気な口を聞くではないか。忘れたとは言わせないぞ?レオン、アルゼナルで言った言葉───」

 

「さ~ね~、もう忘れちまったよ。俺…お前ほど頑固な頭じゃないからよ…」

 

っと静かな言い合いで互いに睨み合うレオンとジル…、それに息を飲むかのように冷や汗を流すヒルダ達。

 

「フン、あのドラゴン達に洗脳でもされたか? それとも女でも出来たのか…?」

 

「まあな、女は出来たのは事実だ」

 

っとレオンの言葉を聞いたヒルダ達はまたしても驚きを隠せなかった。

 

「共闘から逃げ、ドラゴンから怯える暇があれば、今の考えた方をよ~く改めるんだな!」

 

「貴様…!この私が怯えてるとでも!」

 

「そんな風に見えるぜ、俺から見ればな…」

 

そう言ってより睨み合いが激しくなる様になるレオンとジル。

その中でアンジュとタスクはレオンの様子を見て心配そうに見つめていた。

 

「辞めるんだ二人共…しかしジル、レオンの言葉にも一理あるよ。現にわたし等の戦力が心持たないのも事実だ」

 

「サリア達が寝返っちまったからね…、おまけにデカいパラメイル部隊までも現れるし」

 

「フェメシスですね…」

 

っとヒュウガの言葉にレオン達以外の皆はヒュウガの方を見る。

 

「彼等はエンブリヲ直属の親衛隊です。サリアさん達より前にエンブリヲに仕えていた選りすぐりの部隊です」

 

「ほうほう、成程…流石によく知っているね?ヒュウガ」

 

ジャスミンが物知りのヒュウガをほめ、それにヒュウガは笑みを浮かばせて言う。

 

「ええ、何せ私はエンブリヲとは友であり、ラグナメイルとローガストメイルを共に創り上げましたね…」

 

「「「!!?」」」

 

ヒュウガの言葉にジル達は驚きを隠せない。ジルは自分が良く知っていると思っていたのがヒュウガが自分より遙かに知っていて、更に友であった事を言われたら驚かない筈がない。

 

「何と…!これは有能な人材が居た物だ!」

 

っとジャスミンがそう呟いた事にジルは思わず眉を顰め、そしてジャスミンは納得した様子でレオン達に問う。

 

「レオン、アンジュ。ドラゴン達とのコンタクトは取れるかい?」

 

「ああ、ヴェルトラトスとドレッドディアスとヴィルキスの三機なら、シンギュラーを通らずに飛ぶことが出来る」

 

「それは凄いな。ジル、フロンティア…そしてドラゴン達との共闘。考えてみる価値はあるんじゃないのかい」

 

ジャスミンの提案に聞いたヴィヴィアンは思わず嬉しがる。

しかしジルは黙ったまま返答せず、それにレオン達は厳しい表情で見ていた。

 

「…ジル」

 

ジャスミンが再び問いかけ、それにジルはようやく口を開く。

 

「…よかろう」

 

そう言ってジルは扉の方に向かう。

 

「情報の精査の後、こん後の作戦を通達する。以上だ」

 

そう言ってジルは出て行き、それにレオン達は勿論の事、ジェームズも厳しい表情をしていた。

 

「あいつ、どうも怪しげな雰囲気を出していたな…」

 

「ええ、どうも何か臭います…」

 

「それはないね、あーは言う物の、アンジュが戻って来た事に嬉しがっているのさ。そこはあたしが保障するよ」

 

ジャスミンがそう言う物の、ヒュウガとジェームズは何処かしらと警戒するかの様な表情を崩さなかった。

そしてジャスミンはアンジュの元に行く。

 

「アンジュ、今日はゆっくり休みな」

 

そう言ってアンジュはタスクと顔を合わせるのだった。

 

その時にヒルダがその様子に何やら気に喰わない表情をしたのは知る由もなかった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてアウローラの食堂、レオン達はアークガーディアンに戻ろうとしたのだが、ジェームズ達がヴェルトラトス達の事は任せろっと言われて現在アウローラに残っていた。

一方ヴィヴィアンはのん気にご飯を食べていた。

 

「はむ!もぐもぐ…美味~い! いや~流石のモモカ飯!不味かったノーマ飯が懐かし~!」

 

「よく食べるねヴィヴィアン…」

 

「さっき魚食っていたのによ」

 

っとジュンとコモンは食い意地の強いヴィヴィアンの様子に呆れかえるしかなかった。

するとマギーがヴィヴィアンの身体をあちこち触りまくり、それに擽られてしまう。

 

「本当に…キャンディーなしでもドラゴン化しなくなったのかい?」

 

「そう…らしい!」

 

「大した科学力だね~」

 

マギーはサラ達の世界の科学力に感心する。

 

「あ!そうだ! 向こうの皆は羽と尻尾があったんだけど、アタシなんでないの?」

 

「ばれるから切ったよ」

 

「うわっ!!ひでぇ~!!」

 

ヴィヴィアンの様子に向かいに座っているココとミランダ、そして隣の席に座っている若者三人は苦笑いしながら見ていた。

レオン達がそれに顔を合わせる中、タスクがアウローラのを見渡して懐かしさを感じていた。

 

「アウローラ…最下層にあったのはこれだったんだ。まだ動いていたなんて…」

 

「タスク、お前この艦の事を知ってるのか?」

 

「ああ、古の民が作ったリベルタスの旗艦。俺達はこの艦でエンブリヲと戦って来たんだ」

 

「へぇ~…」

 

タスクの説明にアンジュは勿論の事、ジュン達も納得する表情をする。

 

「ベットは少し狭いですが、とても快適ですからご安心を」

 

「そう、良かった」

 

「「「「「気にする所そこか!?」」」」」

 

っと五人のツッコミにタスクは思わず苦笑いし、それにはココもミランダも同じだった。

そこへヒルダが…。

 

「全く、心配させやがって。戦場からロストして、帰ってきたら大勢の人間を連れて来るわ、この男とはイチャイチャするわ、無茶苦茶だぜ!お前…!」

 

「い、イチャイチャしている訳じゃないんだけど…」

 

「いや現にそうじゃねぇか」

 

っとタスクにツッコミを入れるジュン、アンジュはヒルダに謝る。

 

「ごめんヒルダ、悪かったわ」

 

そう言うとヒルダは少しばかり頬を赤くし明後日の方を向く。

レオン達は何やらヒルダの様子を見て頭を傾げる。

 

「どうしたんだよヒルダ?」

 

「何でもないよロザリー、全く…お前等が居ない間大変だったからな」

 

「その事だが、俺達が居ない間何があった」

 

レオンがその事を問い、ロザリーが少しばかり暗い表情で言う。

 

「レオン達が居ない間、アタシ等はとても苦戦した事ばかりなんだよ。アルゼナルは壊滅するわ、仲間が大勢殺されるわ、クリス達が敵になるわ…」

 

ロザリーの言った言葉にレオン達はそれに反応する。

 

「何故だ? 何故サリア達がエンブリヲの元に。エンブリヲが自ら連れて行ったってアストラ達が言っていたが…」

 

レオンはロザリーに寝返ったサリア達の事を問う。

 

「こっちが知りてぇよ!容赦なくドカドカ撃って来やがって…! あんなのもう友達でも何でもねぇよ!……ってかアストラって誰?」

 

「さっき先生が話していたろう、フェメシスに居る親衛隊の奴だ。他にもベイボルスとアイリスも居る、俺達はそいつ等と一度アルゼナルで戦った…」

 

「アルゼナルで?!」

 

アンジュはレオンが言った言葉に驚き、レオンはアンジュの方を向いて頷く。

 

「そっか…、あっそう言えばこの艦を護っているのはあなた達だけ?」

 

「ん?そうだけど…」

 

ロザリーはアンジュの問いに頷き、アンジュは意外そうな表情をしていた。

 

「よく無事だったわね?この艦」

 

「喧嘩売ってんのか!てめぇは! こいつ等が頑張ってくれたからな」

 

そうロザリーは指を指して、三人の若い少女たちの方を向かせる。

 

「ノンナ、マリカ、メアリー。戦力不足でライダーに格上げされた新米たちさ」

 

「私達の後輩です!」

 

「先輩の意地が燃えます!」

 

っとココとミランダが思わず立ち上がってレオン達に言い、それにはレオン達は苦笑いをしていた。

 

「まあともあれ、このアタシがみっちり扱いたお蔭で何とか一著前に───」

 

するとメアリー達が一斉にヴィヴィアンの方に向かって行き、それにはロザリーも流石に突然過ぎて戸惑った。

 

「あの!お会いできて光栄です!」

 

「えっ?アタシ???」

 

ヴィヴィアンは自分の事を言われて、何が何やら分からなかった。

 

「第一中隊のエース、ヴィヴィアンお姉様ですよね!」

 

「ずっと憧れていました!」

 

「大ファンです!」

 

「そっかそっか♪ よし喰え喰え~!」

 

ヴィヴィアンは自分の食器の具をメアリー達にも分け、その様子にロザリーはやや悔しがる。

 

「ちょっとあんた等!!アタシにはそんな事一言も!?」

 

「ははは…、流石は尊敬する人物を分かってらっしゃる」

 

「てめーー!!」

 

ジュンが言った言葉にロザリーは涙目で悔しがって、ジュンに何やら文句を言うのだった。

っとアンジュが何やら考えているタスクの方を見る。

 

「どうしたの?」

 

「いや、アレクトラ…じゃなかった。ジルの様子が気になってね」

 

「やっぱりタスクも気になるか、あいつの事が…」

 

それにタスクは頷くと同時にヒルダがその事を言う。

 

「アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ…だっけ」

 

「「「「「!?」」」」」

 

「皆知ってるよ、司令が全部ぶちまけたからね。自分の正体も…リベルタスの大義の事も」

 

ヒルダはジルが自ら正体を証し、リベルタスの全て、そして自分達の最大の敵であるエンブリヲを倒す事を宣言した事を話して、それにレオン達は納得しながら頷く。

 

「なるほどね…、あの野郎が」

 

「アレクトラが…そんな事を」

 

「意気込みは分かるけど。ガチ過ぎてちょっと引くわ…」

 

「貴方にあの人の何が分かるの~!」

 

別に人物の声が聞こえた事にレオン達はその声がした方を見る。

すると厨房から完全に酔っ払いたエマが出て来る。しかもワインをラッパ飲みしながら。

 

「か!監察官?!」

 

「ぷはっ! えまさんで良いわよ~?エマさんで~♪」

 

「「「「「「「さ!酒臭?!!」」」」」」」

 

レオン達はエマからとんでもない酒の臭さに思わず鼻を閉じる。

その事をモモカが言う。

 

「この艦に乗られてからずっとこうなのですよ」

 

「ずっとって…!?マジかよ!?」

 

モモカの言った事にジュンは驚きを隠せない。

 

「しょうがないでしょう!殺されかけたのよ!!人間に…同じ人間に!!」

 

エマはアルゼナルで保護を求めようとしたのに殺されかけたのをマギーが助けてくれて、それ以来エマは酒浸りになってしまっていたのだ。

それを司令であるジルが保護し、エマが信じられる人はジルただ一人だけらしい。

 

「あの人だけよ~!この世界で信じられるのは! そうよね~!ペロリーナ~!!」

 

っとエマはペロリーナのぬいぐるみを抱きながら泣き崩れ、それにマギーが止める。

 

「はいはい、もうその辺にしときな…」

 

マギーはエマを食堂から連れ出して、その様子にレオン達はもの凄く呆れていた。

 

「でも、監察官の言う通りだ」

 

っとロザリーの言葉にレオン達は振り向く。

 

「アタシ等にとっちゃ、信じられるのは司令だけだからな、この世界で…」

 

「……」

 

その事にアンジュは何も言えずにいた。

 

「果たしてどうだがな…」

 

レオンの言葉にアンジュ達はレオンの方を向き、レオンはやや厳しい表情をする。

 

「いくらジルでもよ、アンジュをもて遊んでいる奴がそう簡単に信じられる訳がない」

 

「レオン、貴方…」

 

「アンジュ、俺はあいつがどうも信じられないんだよ、あの一件以来。俺もタスク、そしてジュン達もな…」

 

っとアンジュはタスク達の方を見て、少しばかり間を空けて頷いてアンジュを見る。

この時にアンジュは思った、ここまで自分を信じてくれる者達が身近にいる事を…。

 

そして司令室では、ジルやジャスミンが話し合っていた。

 

「レオンの両親から聞いた話じゃあ、レオンとタスクが乗っているパラメイル。あれはオメガメイルだそうだよ」

 

「オメガメイル?」

 

「ラグナメイルとローガストメイルを破壊する為に創り上げた絶対究極兵器だってさ」

 

ジルはそれを聞いて表情を歪ませ、ラグナメイルを破壊する為に造られた機体だと聞いて耳を傾かない筈がない。

 

「いやはや、レオンの両親も中々良い物を作ってもらった物だね。これならエンブリヲのラグナメイルとローガストメイルに対抗できるんじゃないかい?」

 

「…」

 

ジルはその事に無言のまま黙り込み、それにはジャスミンは少々ため息を吐く。

 

「はぁ、まあどう考えるかはお前さん次第だがね」

 

っとそう言って部屋から出るジャスミン。

 

そして一人になったジルは光景が思い出される。

 

 

───そう…可笑しくなっても良いんだよ。アレクトラ…。

 

 

っと吸っていた煙草を握りしめて潰し、恐ろしい表情をする。

 

「エンブリヲ……!」

 

そしてその後ジルは思いついた作戦を考え付く。

しかしそれは、後に重大な結果へと招いてしまう事を彼女はまだ知らなかった。

 




レオンとジル、二人の睨み合いをどうするか結構悩みましたwww
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