クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 スカイフロンティア 作:ライダーGX
「ヴェルトラトス…」
レオンは大破しているヴェルトラトスを見て唖然としてしまい、ヴェルトラトスの傷ついたボディを触れる。
サラはレオンの隣に近寄り、ヴェルトラトスを見ながら言う。
「大破しているヴェルトラトスを見た限り、内部の重要なエンジン部のコア回路部が損傷していまして、直すのは極めて困難と見ます」
「なっ!そんな…」
サラがヴェルトラトスがとても修復困難な状態に陥っている事を聞いて、レオンはそれに拳を握りしめる。
「クソッ…! こんな時に重要なエンジンが損傷しているなんて…タスク…アンジュ、皆は無事なのか?」
「レオン…今は悔やんでも仕方ありません。今は休む事をお勧めします」
そう言ってレオンを先ほどのサラの部屋へと連れて行き、戻って行く際にレオンは再びヴェルトラトスを見る。
傷ついた友、共に戦った相棒が動けない状態を見てとても虚しかった。
サラの部屋と付いて、レオンは再び布団に寝かされた。サラはレオンに事情を聞いた。
「レオン、貴方ほどの人がこれ程の傷を受けてしまうなんて…一体何があったのですか?」
「…俺達は少しばかりアルゼナルの司令官と揉めてな、そこから離れてサラの世界へと向かおうとした時にドレギアス達が率いる部隊とまた遭遇したんだ」
レオンの話にサラ達は思わず息を飲む、ドレギアスと聞いた事に驚いたのだろう。
「俺達はドレギアス達からアークガーディアン達を護ろうとしたんだが、ドレギアスの予想以上の力に完膚なきまでに叩きのめされた…」
「あ、貴方ほどの人が?」
っとカナメはレオンの証言に驚き、レオンは頷いて話を続ける。
「俺は奴にある事を言われた…『悪を滅び去れ!』ってな。どこがだよ…!人の事が言えるのかよ!」
思い出しながら拳を強く握りしめる、その様子にサラがレオンの手を握って、それにレオンはサラの方を見る。
「レオン…貴方は決して悪ではありません。とても優しいお方です、それは私がよくご存知の筈…」
「サラ…、ああ、そうだったよな。ありがとう…」
そう言ってお互い見つめ合うレオンとサラ、その様子にナーガは何処かしらと出したハンカチを噛みしめながら悔やんでいた。
「(くぅ~~!! またしても姫様はあの者と…!!何故姫様はどうして~~!!)」
「ははは…」
ナーガの考えが分かっていたカナメは苦笑いするしかなかった。
レオンは窓から見える空を見ながらもう一つの地球に居るアンジュ達の安否を心配していた。
「(皆…俺が動ける様になるまで無事で居ろよ)」
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そしてもう一つの地球に居るフロンティアとアウローラは深海を進み、敵に発見されずに航行していた。
そしてアークガーディアンでは負傷したタスクは医務室で治療を受けていた。
タスクの事を心配するヴィヴィアン、ココ、ミランダの三人は窓越しで見ていた。
「タスク~…」
「大丈夫かな…」
「信じて見てるしかないよ」
そうミランダが言っていると…。
「どうなってるの?」
っと聞き覚えのある声が聞こえてヴィヴィアン達が振り向くと、ヒルダとロザリーがやって来た事に驚いた。
「ヒルダ!ロザリー! どうして此処に?!」
「たった今アウローラとの連絡通路が繋いでさ、此処に来たのさ。それにしても…」
ヒルダはタスクが治療を受けている様子を見て、少し目を細めて見ていた。
「こいつがやられるなんて…思っても居なかったよ」
「はい…、それより司令はどうですか?」
「…司令なら今【取調べ中】だよ」
っとヒルダの言葉にヴィヴィアン達は表情を驚かせる。
その頃ヒュウガ達はジルに事情聴取をしていた。
「何故貴様等に私が…、お前等は本来は牢屋に」
「無駄です、それに今は我々の質問に答えなさい。アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ」
ヒュウガにその事を言われ、ジルはヒュウガ達を睨みながら黙り込む。
「さて…お聞きしますよ司令、貴方は…」
皆が息を飲む中でヒュウガの一言に言葉を失う皆。
それは…。
嘗てエンブリヲの奴隷としていましたね?
「!!!!!」
『『『!!?』』』
ヒュウガの一言を聞いたジェームズ達は驚き、ジルは驚く表情をし戸惑いを隠せない。
そして目を泳がせながら大量の汗が湧き出て来る。
それを見たヒュウガがようやく確信をした。
「やはりそうでしたか、あなたの洗脳の一言とあの作戦を聞いた時に確信を持てたのですよ…。もしや貴女は10年前の【あの大戦】の時にエンブリヲに…?」
「何だって!!? 本当かい!!アレクトラ!!?」
ジャスミンがそれに問うも、ジルは顔を逸らして戸惑いながらも黙り込む。
「何で黙ってるんだい…!答えろよアレクトラ!!!」
マギーが怒鳴りながらジルの胸倉をつかみ、振り向かせ言い聞かせる。
「それは………!」
「詳しく話して貰いますよ? アレクトラ・マリア・フォン・レーベンヘルツ…」
ヒュウガの冷たい一言にジルはただ黙るしかなかった。
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一方ミスルギ皇国の方ではアンジュ達を連れて行っているアストラ達にアンジュは問う。
「ずっと気になって居たのだけれど、どうして貴方達がミスルギ皇国に…?」
「簡単な質問だな。我々はエンブリヲ閣下が此処におられるから居るだけだ、それだけだ」
「俺は暴れればそれで良いんだよ! 文句はあるか?」
アストラの言葉にアンジュは黙り込み、それにベイボルスは言う。
「アストラ、お前はただ暴れれば良いだけなのか?もう少し真面目に考えろ」
「ああ?? 何でだよ~ベイボルス!これが俺の最高のお真面目なんだよ!」
「どこがだ!貴様はただ単に暴れているだけだ!」
っと言い合いを始めた事にアイリスは呆れながら二人を止めに入った。
「お止めなさい。今はそんな事をしている場合じゃないでしょ?」
「フッ、そうだな。アンジュリーゼ…!?」
ベイボルスがアンジュの方を見ると、アンジュとモモカは既に消えていて、それに三人は慌てて探し回る。
「ど!何処に行った?!」
「クソ!あの女は元々この屋敷の者! どこに逃げるかも知っている!!」
ベイボルスの言葉にアイリスは「バカ!」と言いながら別れて探しまわり、壁の一部にわずかな隙間が開いており、そこにアンジュとモモカが居た。
「よく知ってるじゃない。私の家をなめないでね…」
そう言ってアンジュとモモカは庭に通じるダクトを通る。
そして庭へと出たアンジュとモモカはエンブリヲを探そうとした所に…。
「ああ~!アンジュお姉様だ!」
っとアンジュはアルゼナルに居た幼年部の子供たちに見つかってしまい、それと一緒に居たエルシャにも見つかった。
「あらあら、アンジュちゃんを追い詰めるなんて。みんなやるわね」
「エルシャ…」
アンジュはエルシャを見ながら呟き、エルシャから事情を聞き出した。
今の彼女は『エンブリヲ幼稚園』と言う園長を務め、そこで子供たちの世話をしていた。
そして信じられない事に幼年部の子供たちは一度死んだと事を聞かされて、アンジュとモモカは驚いた。
「死んだって…!」
「そんな事、マナの光でも不可能です!」
「エンブリヲさんがね、あの子たちを蘇らせてくれたのよ。そしてエンブリヲさんがあの子たちの幸せな世界を作るんだって。私はその為なら何だってやるわ、ドラゴンもアンジュちゃんやレオン君達を殺す事もね…」
「エルシャ…」
エルシャの相当な覚悟を聞いたアンジュは思わず息を飲む、そしてモモカに行こうとした所…。
「見つけたぞ」
「!?」
アンジュとモモカはアストラ達に見つかってしまった。
「行くぞ…あまり手を焼かすな」
「っ…」
「私も一緒に言って良いかしら」
っとアンジュとモモカは振り向くと、そこにクリスがやって来た。
そしてアストラ達とクリスがアンジュ達を連れて行く中、アンジュがクリスにヒルダ達が裏切った事を問う。
「ねえクリス、どうして裏切ったの?ヒルダ達怒ってたわよ」
「怒る?怒ってるのはこっちよ…!見捨てて置いて!」
っと意味が分からない事にアンジュは頭を傾げる。
クリスからの話だと、彼女はアルゼナルに攻撃して来た特殊部隊達を撃退した際、パラメイルで出撃した時に生き残っていた部隊の一人に攻撃を食らい、シャフトにぶつかってしまう。
ロザリーから助けに行くと言った際にクリスが乗るパラメイルが爆発、その時に助けたのがエンブリヲだと言う。
その時アンジュは分かった、クリスは思い違いをしている事に…。
そしてある扉の前に付いて、ベイボルスはノックをする。
「失礼します」
『入りたまえ』
っと聞き覚えのある声がして、ベイボルスは扉を開ける。
そこにエンブリヲとドレギアスがチェスをしている様子だった、アンジュは更に警戒を強める。
エンブリヲはアンジュの方を見ると、笑みを浮かばせて立ち上がる。
「やあ、よく来たねアンジュ…待っていたよ」
「エンブリヲ…!」
「そう怖い顔をしないでおくれ。やっと君に『待てエンブリヲ』何だい?ドレギアス」
っとエンブリヲはドレギアスの方を見て、ドレギアスは腕を組んだまま目を閉じる。
「まだチェスの最中だ。勝手な事は許さんぞ」
「おやおや…君も随分とせっかちだね、残念だけど私は用事が出来た。これで失礼するよ」
「フッ、お前の得意とするずる賢い所か…。くだらんな」
そうドレギアスは立ち上がった瞬間に姿が消えていき、それにアンジュは驚く。
「何…?!」
「何、彼の得意分野の一つでね。さてアンジュ…少しばかり君に見せたい物がある、付いて来たまえ」
そうアンジュに言い、アンジュは警戒したまま付いていき。
エンブリヲの後を付いていくアストラ達、しかしエンブリヲは…。
「アストラ達は此処に残るのだ」
「何を言っておられるのですか。我々も」
そう強引にも付いていこうとするアストラ達に対し、エンブリヲはアストラ達の耳元で話す。
「大丈夫だよベイボルス、アストラ、アイリス。私は【死なない】からね」
「…はっ?」
っとベイボルスとアストラとアイリスはエンブリヲの言った言葉に意味が分からず、エンブリヲはアンジュを連れてある場所へと向かう。
残されたアストラ達はエンブリヲの言葉の意味に妙に引っかかっていた。
「どういう事だ…?死なないって」
「もしや、我々の知らない秘密をエンブリヲ閣下はあると言うのか…」
「調べる価値はありそうよ」
アイリスの言葉にアストラとベイボルスは互いの顔を見合い、そして頷いてエンブリヲの後を追いかけて行く。
そして三人は後に今後の運命を左右される立場になる事をまだ知らなかった。
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そして真夜中の頃、レオンは傷を癒す為サラの部屋で安静にしていた時だった。
キュゥゥゥゥゥイン!
「ん…?」
何かを感じ取ったレオンは布団から起き上がる、そして隣に寝ているサラがレオンの様子に気付いて起き上がる。
「レオン、どうかしたのですか?」
「何かを感じた…」
そうレオンは起き上がって外に出る。サラは慌てて着替えてレオンの後を追いかけ、共に外に出る。
外に出たレオンとサラは向かった先は損傷しているヴェルトラトスの所だった。
レオンはヴェルトラトスに触れて、何かを感じ取る。
「…ヴェルトラトスから何かを感じる」
「レオン?」
っとヴェルトラトスから一つに光の玉が現れ、そしてレオンの右腕の腕輪も光の玉が出現し、それにレオンとサラは驚いたままその光の玉を見る。
二つの光の玉は何処か別の場所へと向かい、それにレオンとサラは追いかけて行く。追いかけた場所はある大きな洞窟であり、サラはそれに驚いた表情で見つめていた。
「何てことでしょう…、まだ私たちが見つけていない場所があったなんて…」
「取りあえず進もう」
レオンとサラはそのまま光の玉が入った洞窟の更に奥に進み、その洞窟の奥にたどり着く。
それはとても巨大な空洞で、大型ドラゴンが20体位入れる大きさだった。
二人はそれを見渡していると、二つの光の玉が空洞の中心にある部分に降り立ち、それをレオンとサラが向かうと、何やら剣を刺す台が置かれていた。
レオンとサラはそれを見ていると、レオンはある事に気付く。
「もしや…」
っとレオンはサラから貰ったアースセイバーを取り出し、そしてその台にアースセイバーを突き刺す。
するとその台が光り出し、二つの光の玉が一気に高く上がり、円に描くように周り出すとそこにヴェルトラトスが出現し、それにレオン達は驚いた。
「ヴェルトラトス?!」
「どうして…!?」
《ここならば、我の進化の場に相応しい》
っと何処かしらと聞こえて来る声にレオンとサラは再び驚く、そしてもしやとレオンとサラはヴェルトラトスの方を見て、ヴェルトラトスから聞こえたかに疑う。
「まさか…ヴェルトラトスが?」
《そのまさかだ…》
するとヴェルトラトスに二つの光の玉が入り込み、ヴェルトラトスから急激な光が吹き出る。
それに二人は目を瞑り、そして光が収まるとヴェルトラトスは何やら不思議な結晶体の中に入っているのをレオンとサラは目撃するのであった。
ヴェルトラトスの進化、まさしくゼノギアスのヴェルトールの進化するシーンに似た場面ですwww