クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 スカイフロンティア   作:ライダーGX

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第50話 次元大戦 中編

レオン達の会話を終えたヒュウガはアウローラに移動して、司令室で謹慎中のジルへと会いに行った。

ジルはヒュウガが来たにも関わらずややぶっきら棒にソファに座っていた。

 

「何しに来た…ヒュウガ」

 

「そんなに怖い顔をしないでくださいジル、私は貴女にお話しがあってきたのですから」

 

ヒュウガはジルにエンブリヲの正体と自分のもう一つの正体をジルに明かす。

ジルはヒュウガの真相を知った際に驚きを隠せなかった。エンブリヲが死なない訳と次元の間に本体がある事を…。

 

「何故今まで隠していたヒュウガ…、私を警戒する為か?」

 

「まあ半分はそうですが、もう半分は私の恐れです」

 

「恐れ…だと?」

 

ジルはヒュウガが言った言葉に目を細めながらヒュウガを見る。

 

「ええ…もしレオン達が私の事を恐れるとなるとどう考えても息がつまってつまって…、しかしレオン達は私の事を恐れる所か話を聞いてくれた。

私は良い教え子たちを持ったとそう実感しています…」

 

コーヒーを飲みながら笑みを浮かばせるヒュウガ、ジルはその様子に何とも言えず、サリアの事を考えてしまった。

自分はサリアに対し冷たくきつい言い方しかしなかった事を考えると少々胸が痛む…。

 

それにヒュウガは気づく。

 

「…サリアさんの事を考えてますか?」

 

「っ…、何でもない。私はこの手で…エンブリヲを殺す為に生きて来た…、私の全てを奪って行ったあの男を…!」

 

義手を握りしめるジルにヒュウガはコーヒーを置いて、目を閉じる。

 

「…ソフィが居なくなってしまったのが元凶か…、それとも単なる女癖か…」

 

「ん? おい…ソフィとは一体誰だ?」

 

「エンブリヲの愛人です」

 

っとヒュウガの言葉を聞いたジルは衝撃的な事実に驚いた。

あのエンブリヲに愛人がいた…、しかも元愛人だったジル以外にも…。

 

「どういう事だ!? 私は聞いていないぞ!?」

 

「無論この事は貴女は知りもしなかったでしょう、何せ私と彼が対立する前の時でしたから…」

 

その事にジルは思わず黙り込む、ヒュウガはジルにソフィの事を話す。

 

「ソフィはエンブリヲのハイスクール時代の中で、卒業した時もずっと長い付き合いをしていました。そして私はそんな二人を優しく見守っていたのです…しかしある時ソフィはエンブリヲの元を去りました…」

 

「何故だ…それとも奴の本性を知ったのか?」

 

「いえ…それは違います。ソフィは…エンブリヲの悲しむ顔を見たくなかったそうなのです」

 

ジルはヒュウガの言葉の意味が分からなかった。

 

「それはどういう意味だ?」

 

「ソフィはエンブリヲを去った理由…、…それはガンでした」

 

「!!?」

 

ソフィの真実にジルは驚いた。

まだ若い女性がすぐにガンになるとは考えにくかったからだ。

 

「ソフィはガンの治療に専念する為にエンブリヲの元から去ったものの、エンブリヲはソフィは自分を捨てたと勘違いをしたのです…。その事でエンブリヲのやり方がどんどんと変わって行ってしまったのです」

 

「奴が変わった理由はそれか…、それでソフィはどうした?」

 

「……ソフィは亡くなりました」

 

それを聞いたジルは目を見開いた。

まさかもう既にソフィが亡くなっていたとはジルは予想もしなかった。

 

「死んだのか?」

 

「ええ…、2年間ガンと闘ってきました…ガンの進行は肺にも達していて、彼女はそこで力尽きてしまったのです…しかし亡くなる前に彼女は私に言いました。

『エンブリヲに私の事を伝えてほしい…、何時までもあなたを愛していると…』っと…。なのに彼は見たら知らない間に女性ばかり誘ってばかりで。どうしても言えずに…」

 

ヒュウガの話を聞いたジルは黙り込んで、煙草を取り出して火をつける。

 

「(あの男め…散々弄んでおいてまだ物足りんと言うのか…!)…ふー、しかし奴もそうだが何も言わんそいつもそいつだ、少し言えばどうにかなったろうに」

 

「それはどうでしょう…、エンブリヲは聞いても聞かない事…それは貴女も知っているでしょう」

 

それにジルは口が止まる。それもその筈エンブリヲは自分の快楽以外興味がない男だからだ。

そしてヒュウガはコーヒーを飲み終えて、立ち上がる。

 

「それでは私は失礼します、ジル…そろそろあなたも決心を決めた方が良いですよ。何時までも此処に閉じこもっていないで」

 

そう言い残してヒュウガは去って行く。

ジルはヒュウガに言われた事に少しばかり考えながら煙草を吸うのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

アークガーディアンから海が見える場所でレオンとサラが二人っきりで眺めていた。

 

サラがレオンの方を見て問い掛ける。

 

「レオン、この艦の名前の意味知っていますか?」

 

「ああ、アークは色んな意味があるけど、ガーディアンは文字通りの【守護者】、つまり守り神って事だ」

 

「ええ…、ヒュウガがこの艦の名前を決める時に言ったのです。『皆の未来を護る為の守護者…それがアークガーディアン』っと…、まさにその通りですね?」

 

笑みをレオンに見せるサラ、レオンはそれに笑みを浮かばせる。

 

「ありがとうサラ、俺を励ます為に一緒に居てくれて…」

 

「貴方には私達の民を救ってくれた事と、ドレギアスとエンブリヲからアンジュと私達の世界を救う為に戦ってくれているのです。それに…」

 

っとサラは少々頬を赤くしながら言う。

 

「好きな人が困っているのを放ってはおきませんから、当然です」

 

「サラ…、ありがとう」

 

レオンは微笑みを見せながら海を見る。

サラはレオンの方を見ながらある物を渡す。

 

「レオン、どうかこれを…」

 

「サラ?」

 

サラから受け取った物を見るレオン、それは髪飾りの串だった。

 

「サラ、これは」

 

「私からのお守りです、それをどうかずっと持っていて下さい」

 

レオンはサラから受け取った髪飾りを受け取り、頷く。

 

「ああ、ありがとうサラ。共に生きて帰ろう…」

 

「はい」

 

共に生きろうと誓ったレオンとサラは見つめ合った後、互いに抱き付いてキスをした。

 

 

 

そして決戦の時、レオンはヒュウガ達から渡されたパイロットスーツを渡される。

そのパイロットスーツは彼方此方に薄い装甲版が張られていて、レオンはそれを着込むと何やらオートフィットする様な感覚と以上にパワーが湧き出て来るような感じがした。

 

「先生、このスーツなんか…」

 

「異常な物を感じる…ですか? ええそうです、そのスーツはオートフィット機能が備わっているのです。そしてもう一つレオンの潜在な能力を一気に引き出す為の私のマナの力を与えているんです。

もう一つはその装甲版です、見た目は薄い板ですがジェームズ達が作った超チタニウム装甲版を使用しており、軽い上にとても頑丈な物です。近距離での銃弾も目でもありませんよ」

 

「凄いなこれは…ありがとう」

 

そう言ってレオンはヴェルトサーガの元に行き、ヒュウガはフェルヴォルグの方を向く。

 

「そろそろ決着を付けましょうか…エンブリヲ」

 

 

ヴェルトサーガに乗り込んだレオンが準備していた時にタスクから連絡が入る。

 

「レオン、君が皆に宣伝を頼むよ」

 

「何?俺が?」

 

「うん、今のパラメイル部隊の隊長は君になったからね。だからこそするんだよ」

 

っとそう言われたレオンは少々考え込み、そして仕方なく頷くしかなかった。

 

「はぁ…、分かったよ」

 

レオンは皆に通信を入れる。

 

「皆…聞いてくれ、俺達はこれからミスルギに突入しアケノミハシラに向かい、時空融合を停止させる。エンブリヲが創り出すクソ生意気な世界など一体誰が想像する? ただ自分の想像する世界なんて何にもおもしろくもねぇ…。

それに世界は…誰かが導かなきゃ幸福にはなれないって誰が決めた? 誰も決めていない…自分達の未来は自分達で見つけて行かなきゃいけない…、ノーマとアウラの民に古の民、そしてエンブリヲの世界を拒絶し共に戦ってくれているフロンティアの皆、それに何よりエンブリヲから自ら離れ戦ってくれフェメシス。最高にいい感じじゃねぇか。

エンブリヲ…いや、エンブリヲとドレギアスから世界を護る為に今立ち上がる時だ! 作戦名は…『ラスト・リベルタス』!クソッたれの創造主が作った世界は俺達で壊す! 皆!共に戦おい!生きて帰ろう!!!」

 

『『『『『おおお!!!!』』』』』

 

レオンの宣伝に皆は賛同するかのように声をあげて、アンジュは通信回線をレオンに繋ぐ。

 

「結構いい言葉じゃない、上の立場の事。理解してるじゃない」

 

「言って置くが今考えて言ったんだぞ。中々言えたもんじゃないさ」

 

そう言ってレオンはサラから貰った髪飾りを握りしめる。

 

「(必ず…生きて帰る…必ず!)」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして海面上、ミスルギ艦隊の船がミサイルを発射し、アークガーディアン達へ向かわせるように放つ。

それにアークガーディアンのブリッジで、オペレーターがレーダーにミサイルを確認する。

 

「敵艦隊よりミサイルの発射を確認!数多数!!」

 

艦長席に座るジェームズがすぐさま指示を出す。

 

「迎撃態勢!!IBS機関砲を自動追尾!」

 

するとアークガーディアンの船体から迎撃システムのIBS機関砲が出て来て、同時にアウディオン達も同じように迎撃システムを作動させる。

接近してくるミサイルをIBS機関砲で迎撃して行く。

 

「バスタードミサイル発射!!目標!敵艦隊!!」

 

アークガーディアン達からの船体後部から大型ミサイル『バスタードミサイル』が発射されて、敵艦隊に向かい撃墜して行く。

 

「各艦!!ミスルギ皇国に進軍するぞ!!」

 

アークガーディアンを先頭にアウローラ、アウディオン達が空中へと舞い上がり、ミスルギ皇国へと向かう。

 

その様子をミスルギ皇国に居るエンブリヲとドレギアス、そしてフェメシスとダイヤモンドローズ騎士団、大きな地図の上で自らの艦隊が全滅したの確認してエンブリヲがドレギアスに目線を送る。

 

「よかろう…」

 

するとドレギアスが持っているある人形の駒を彼方此方にばら撒く。

 

それと同時にドレギアスが用意していた機械人形『デペロアーマー』とピレスロイドが無数に動き出して、向かって来るアークガーディアン達の元に向かう。

 

無論アークガーディアンのオペレーターがレーダーでそれを感知する。

 

「ミスルギ皇国より無人兵器を多数確認!!こちらに向かってきます!!」

 

それを聞いたジェームズは厳しい表情をしながら無人兵器を睨む。

 

格納庫内でエクゾディアスに居るタスクがレオンに言う。

 

「レオン!!来たよ!!」

 

それにレオンは頷く。

 

「パラメイル部隊!!全機出撃だ!!!」

 

すると各自発進体制へと入る。

 

まず最初にレオンとタスクが乗るヴェルトサーガとエクゾディアスがカタパルトハッチへと移動される。

 

『ヴェルトサーガ、及びエクゾディアス。カタパルトデッキへ移動。機密シャッター閉鎖。リニアカタパルトに接続。システムオールグリーン。ハッチ解放!ヴェルトサーガ。エクゾディアス。発進準備完了!』

 

ハッチが解放されて、レオンとタスクが叫ぶ。

 

「ヴェルトサーガ!レオン機出る!!」

 

「エクゾディアス!タスク機出ます!」

 

カタパルトからヴェルトサーガとエクゾディアスがスキージャンプする様に飛び立ち、向かって来るデペロアーマーとピレスロイドをハイパービームライフルで撃ち落として行く。

同時にヴィルキス達も出撃して行って、ヴェルトサーガ達と一緒にデペロアーマーとピレスロイドを迎撃して行く。

 

 

ミスルギ皇国では、ヴィルキスの登場にエンブリヲは目を細める。

 

「アンジュ…」

 

「そして…オメガメイル」

 

ドレギアスがヴェルトサーガとエクゾディアスを見て呟き、二人がフェメシスとダイヤモンドローズ騎士団達に言う。

 

「私達も出るとしよう」

 

「出陣だ!」

 

そう言ってサリア以外のカロル達は敬礼して、サリアも少し間を空けて敬礼をし、皆はラグナメイルとローガストメイルの元に向かう。

 

そしてエンブリヲがドレギアスに言う。

 

「ドレギアス、必ず頼むぞ」

 

「分かっている。やるべきことはする」

 

ドレギアスはそう言ってディアブロの元に向かう。その時にドレギアスが僅かに笑みを浮かばせていたのをエンブリヲも愚か、他の者達も知る事はなかった。

 




そろそろドレギアスの真の目的、次回で明らかになりますよ?(マジで)
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