クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 スカイフロンティア 作:ライダーGX
「次元を越えて侵攻してくる巨大敵性生物、それが『ドラゴン』、そしてこのドラゴンを迎撃、殲滅し人類の繁斗を守るのが此処アルゼナルと私達ノーマの任務です」
一人の指導者がまだ幼い幼児部達に教育し、ドラゴンの知識を教え込んでいる。
「ノーマはドラゴンを殺す兵器としてのみ生きる事を許されます。その事を忘れずにしっかり戦いに励みましょう!」
「「「「イェス・マム!」」」」
幼児たちが元気に挨拶している中でジルとエマは説明を聞いているレオンともう一人の女子に話しかける。
「分かったか?レオン、アンジュ」
「ええ…取り合えず」
「………」
レオンは返事のない女子の方へ目線を向ける。
彼女の名は『アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ』
彼女の家族がノーマである事を隠していた事を通してきたが、戴冠式で彼女の兄に暴露されて、皇女の座から落とされたとレオンはジルに聞かされた。
レオンはこの時に思った、一番恐ろしいのは権力が欲しがる人間の欲ある事を…。
「も、もうすぐミスルギ皇国からの解放命令が届くはずです…」
それでもアンジュは諦めずに希望を見出そうとしている、レオンはそれを細めで見つめていた。
「監察官、この二人を第一中隊へと配属させます、本日付けで」
「だ!第一中隊にですか?!」
エマはジルが言った言葉に驚きを隠せず、ジルはそのまま言う。
「ゾーラには既に通達してある、二人共さっさと付いて来い」
「ちょ!ちょっと! 離してください!」
「了解」
ジルはアンジュを無理やり連れて行き、レオンはその後を付いていく。
そしてその様子を幼児部の窓の外から見ていた人物たち、その内の一人が双眼鏡を覗いて言う。
「ふぅ~ん、あれが噂の皇女殿下と男のノーマか、男の方はいいとして、皇女殿下はやんごとなきお顔に穢れを知らない甘くておいしそうじゃないか」
金髪の女性は赤髪の女性の身体をいじりながら舌を舐め、赤髪の女性は頬を少し赤くしながらつぶやく。
「新しく来た子なら誰でもいいんでしょう?」
「「うんうん」」
同時に薄青と茶髪の女性二人が頷く。
「なんだ? 焼いているのか~?」
「そ、それは…」
「可愛いなぁ~、お前達」
女性同士でじゃれ合う様子に蒼い髪の女性が痺れを切らしたかの様に叫ぶ。
「隊長!スキンシップは程々に。身辺からも揉み方が痛いと苦情が…」
「はいはい、気を付けるよ。副長~」
っと手をワキワキとさせる仕草に女性は咄嗟にガードする。
「年上の新兵さんと男の人もいますが、新兵同志お二人共仲良くね」
「「は!はい!!」」
ピンク色のロングヘヤーをした女性が蒼い髪の女性が持っていた名簿を取って、配属されていた新兵の二人にも声を掛け。新人二人は緊張のあまり答える。
しかしその二人はまだ幼い少女だった。
「ねえねえ!サリア! クイズしよう!誰が最初に死ぬのかな~?」
っと少しオレンジがかった赤髪の少女がとんでもない言葉を発し、新人二人は思わず息を飲み、サリアと言う女性はしかる。
「死なせないようにするのが私達の役目でしょ!?」
「う~!痛い! 死ぬ~!」
そしてじゃれあっている内にジル達がやって来る。
「着いたぞ」
ジルに連れてこられたアンジュは未だに顔を俯かせており、レオンはアンジュの隣に並ぶ。
「ゾーラ、後は任せたぞ」
「イェス・マム!」
ゾーラと呼ばれた金髪女性とそのノーマ部隊の仲間であろう女性達はジルに敬礼する。
ジルが去った後にゾーラは二人に近寄る。
「死の第一中隊にようこそ。私は隊長のゾーラだ。後のメンバーの事は副長、紹介してやれ」
ゾーラはアンジュの尻を叩きながら押して、それにアンジュはゾーラを睨みつける。
レオンはそれに心の中で冷汗を流す。
「(なんだか接しにくい人だな…)」
「イェス!マム、第一中隊副長のサリアよ、こちらから突撃班のヴィヴィアン」
「ヤッホ!」
ヴィヴィアンと呼ばれる少女は二人に対し元気よく挨拶してくる。
「次にヒルダ」
「フン…」
サリアとは裏腹にヒルダはレオンとアンジュを舐めてるかの様に見下す。
「後、救護班のロザリーと――」
茶髪の姉御肌という感じのロザリーの紹介の途中で、アンジュは重たい口を開く。
「これ全部、ノーマなんですか?」
っと言ってはならない爆弾発言を放ってしまった。
「はんっ!私達ノーマは物扱いだ」
「このアマ!」
アンジュの言葉にキレたロザリーは今に殴りかかろうとするも堪えてはいた。
「そうだよ。皆、レオンもアンジュも一緒のノーマ。仲良くしようね」
ヴィヴィアンが友好的にそう言ってくる。
「違います! 私はミスルギ皇国の第一皇女、アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ! 断じてノーマではありません!」
「おい、少しは程々に…!」
レオンが勢いのあるアンジュを止めようとするも、今の彼女を止める事は出来ない。
「でも使えないんでしょう?マナ」
ヴィヴィアンのその言葉にアンジュは戸惑う。
「こ、此処ではマナの光が届かないだけです…此処から帰ればきっと…」
っとまだ必死に否定しようとするアンジュ。
しかし世界中でマナの光が満ち溢れている筈だからそれは決してない。
そう言った直後にゾーラが大笑いする。
「はっはは!ったく指令め、とんでもない者を回してきたか・・状況認識がなっちゃいない不良品じゃないか」
「不良品が上から偉そうにほざいてますわ」
「うわあ…痛い…」
「不良品は貴方方の方でしょう!」
と言った途端にヒルダがアンジュの足を踏んづける。
「痛っ! な…何をするのです!?」
「身の程をわきまえな!イタ姫よ」
ヒルダがアンジュの胸元を掴んで黙らせようとする。
それを見たレオンは止めに入る。
「おい、もうその辺に―」
「まあまあそのくらいで」
レオンより先にピンク色のロングヘヤーの女性が止めに入る。
「エルシャ、こういう勘違い娘は最初でキッチリとしめておいた方がいいんだよ」
「そうそう」
ヒルダとロザリーがエルシャの慰めの事に反するかのように言う。
「あらあら~そうなのぉ?」
「(いや!絶対に違うぞ!それは!?)」
レオンは思わず心の中でそう叫ぶしかなかった、叫んだりしてもすぐに反撃の言葉を貰うからだ。
「サリア、期待の新人教育を任せるぞ、同じノーマ同志として…」
「はい」
その言葉にアンジュは苦しい表情をするのをレオンは見て目を細める。
「これより訓練を開始する!エルシャ、クリス、ロザリー、一緒に来い!遠距離砲撃戦のパターンを試す!」
「「「イェス!マム!」」」
エルシャ、ロザリー、そして三つ編みのクリスが敬礼する。
「サリア、ヴィヴィアン、ヒルダは新人教育を任せる。しっかりやんな!」
「「「はい!」」」
「各自かかれ!!」
「「「イェス!マム!」」」
ゾーラの指示によりアンジュ以外の皆はそれぞれ動き出して行った。
レオンはサリアの後を付いていくようにした時だった。
「何ボサッとしているの? こっちよアンジュ」
「何人たりとも皇女であるこの私に命令するなど!」
相変わらず態度を崩さないアンジュに対し、サリアはナイフホルスターからアーミーナイフを取り出して、アンジュの首に突き付ける。
「ここでは上官の命令は絶対よ、良い?」
サリアの重たい言葉に流石のアンジュも首を縦に振った。
そしてサリアはレオンの方を向いて言う。
「レオン、あなたももし、命令に背いたら―」
「分かってる、さっきのやり取りを見て学んだよ。改めて名乗るよ、俺はレオン、レオン・マクライトだ」
「サリアよ、言っておくけど…此処の訓練は厳しいわよ?」
「了解…(上等…、そうでなくては全く面白みがないからな!)」
っと心の中で言うレオンであった。
一応2話まで投稿しました。
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