クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 スカイフロンティア   作:ライダーGX

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第3話 訓練 後編

訓練を始める前にサリアから急遽配給された男性ライダースーツ(パイロットスーツ)を渡されて着替えたレオン、カラーリングは白と黒のツートンでレオンは結構気に入っていた。

 

「へぇ~? 意外に合ってるじゃんか?よし、行くか」

 

レオンは訓練所に向かう途中でとんでもない物を見てしまう。

 

「ん?なっ!!!?」

 

何とアンジュが生まれた姿のまま廊下で立っていて女子更衣室のドアを叩いている様子にレオンは思わず顔を真っ赤にする。

 

「な!何やってんだお前!!?」

 

「キャッ!? み!!見ないでください!!!」

 

アンジュはレオンの姿を見るとすぐにしゃがんでなんとか裸姿を隠す。

 

「わ!悪い!!!」

 

レオンは慌てて後ろを向いて、そのまま女子更衣室のドアを叩く。

 

「サリア!レオンだ!」

 

レオンの返答に答えるかのようにサリアが顔を出してきた。

 

「あら、終わったの?」

 

「終わったの………じゃない! なんでアンジュが素っ裸で出ているんだよ?!」

 

「簡単よ、その子が『そんな服を着るくらいなら、裸になった方がマシです!!』っと言ったから、その要望に応えただけ」

 

っとサリアはレオンにアンジュのライダースーツを見せる、ライダースーツに血痕の後が残っており、恐らく前の持ち主の者であろうとレオンはこの時思ったのだった。

そして結局アンジュは、自分で着替えた事がないためサリアに手伝って貰って着替える事が出来た。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

 

そしてアルゼナルの医務室

 

 

「あ~らこんなに真っ赤に腫れ上がっちゃってぇ~。ジュクジュクになってるじゃない~」

 

医務室の医者が何やら腕の治療を受けているジルのを見て言う。

 

「ぐ…痛っ!?」

 

「あら痛い?痛い?痛いよねえ!」

 

ふざけているのか、人が痛がっている様子を見て危なく興奮しているその医者。

 

「つぅ…酒臭いよ! マギー!」

 

「あたっ!? ゴメンねえ~」

 

ジルの腕を治療しているアルゼナル軍医『マギー』のおふざけにジルは鉄拳を振り下ろす。

 

「たくっ…ジャスミン、そっちはどうなの?」

 

「外側のボルトが全部イカレちまってる。ミスルギ製の奴に替えとくけどちょっと値が張るがね」

 

「指令部にツケとくよ」

 

「毎度あり!」

 

アルゼナルの唯一の市場『ジャスミン・モール』でその経営者であり店主の『ジャスミン』がジルの義手の修理して結果を伝える。

ジルの義手をマギーが取り付けて、ジャスミンは何やら呆れる様子でジルに言う。

 

「だけどもうちょいデリケートに使って欲しいものだねえ、そいつはアンタ程頑丈に出来ちゃいないんだ」

 

「悪いね、じゃじゃ馬が暴れてさ」

 

ジャスミンに申し訳なさそうに言うジルは立ち上がって煙草を吸い始める。

 

「ああ、例の皇女殿下かい?」

 

「いいのかねぇ?皇女殿下と貴重な男性を第一中隊なんかにブチ込んじゃって?」

 

「ふ~…それでも駄目なら死ぬだけだよ」

 

っと不敵に笑いながらそう言うジル。

 

「やれやれ、それにしてもあの男…レオン・マクライトって言ったかね? あのマクライトっと言う名前を聞いた時はアタシは少々驚いたがね…」

 

ジャスミンはレオンの名を思い出しながら頭をかいて、マギーも机にもたれながら腕を組む。

 

「マクライトね…、もしかして“あの夫婦”は彼がここに来ることを予想していた?」

 

それにジルは窓の外を見ながら言う。

 

「恐らく…予想していたんだろうな」

 

っと吸っていた煙草を義手で握りつぶす。

 

───────────────────────────────────────

 

 

アルゼナルの訓練所、既に新人たちが訓練を開始していた。

 

「パラメイルデストロイヤーモード起動!シュミレーター起動!フリーダムチャンバー、チャージ完了!」

 

「フリーダムチャンバーチャージコンプリート!」

 

「アレスティングギアリリース!」

 

「あ…アレスティングギアリリースコンプリート!」

 

その中でレオンとアンジュはサリアからマシンの説明を聞いていた。

 

「へぇ~、これがドラゴンと戦う奴?」

 

「そう、『パラメイル』、私達ノーマの棺桶よ」

 

「ふ~ん(棺桶?、どう考えても機動兵器じゃん?)」

 

「あの、一体何をさせようと言うのですか?この私に・・・」

 

アンジュは頭が混乱している状態でサリアの棺桶発言には耳に入ってなかった。

 

「最初から出来るなんて思ってない。後は飛ぶ感覚を体に叩き込んで」

 

「了解だ」

 

レオンは親指を立てて承知し、サリアは二人のシュミレーターのドアを閉める。

 

「リクエストリフト・オフ!アンジュ機、レオン機、ゴーフォールド!ミッション07スタート!」

 

サリアの号令で景色が一変する。

 

「ぐおっ?!」

 

「うきゃああー!?」

 

次の瞬間、シュミレーター内部に凄まじいGが二人に襲い掛かってきた。

 

「す!すげぇ!! シュミレーターでこれ程のGが?!」

 

「な、何なのですかコレは!?」

 

シュミレーターの高性能のシステムにレオンは驚きながら踏ん張り。一方のアンジュは悲痛の声を上げ、操縦桿を手離してしまう。

 

「アンジュ、操縦桿から手を離さない!上昇!そして旋回! レオン、ちゃんと集中して前を見て!実戦はこんなもんじゃないわよ!」

 

サリアの更なる号令により機体の動きが変わる。アンジュは必死についていこうと踏ん張る中、レオンは徐々にコツを掴んでいく。

 

「最後に急降下訓練に移る!降下開始!」

 

「急降下? うわっ!?」

 

「ひゃああああー!?」

 

急降下のGにアンジュの身体が思わず浮いてしまう。

 

「急いで!地面に激突してしまうわよ!機器を上げて!」

 

サリアは万が一の時の為に緊急停止ボタンに手を伸ばそうとした、っが――。

 

「…おっしゃ! コツは掴んだ!!!」

 

レオンは操縦桿を握り、アクセルの一気に回し、機体を急激に上昇させて停止する。

 

「(この感覚は…、エアリア!!)」

 

一方のアンジュもスポーツのやり方に似てすぐに機体を立て直し、遥か上空で停止したのを確認した。

 

「な…何なの?この二人…」

 

サリアは初めてのはずの二人のシュミレーション結果に驚愕の意を隠せなかった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして訓練を終えてアルゼナルの浴室でレオンを除くアンジュ達は汗をシャワーで流していた。

 

「いやあー、大したもんだな皇女殿下とレオンは。初めてのシュミレーターで漏らさないなんてなあ!なあ、ロザリー?」

 

「っ!い、いえ私の初めてはそのですね…」

 

ゾーラに言われたロザリーはそれに視線を逸らし目が泳ぐ。

 

「気に入ったみたいねあの子と彼が…」

 

隣でロザリーの代わりに返答するヒルダ。

 

「ああ、悪くない…」

 

そう笑みを浮かべるゾーラ。

 

「ねえねえ!サリア! アンジュとレオンって何? 超面白いんだけど~♪」

 

ヴィヴィアンにそう質問され一番端側でシャワーを浴びているアンジュと今は勿論この場にはいないレオンの評価に思う。

 

「…今はそう、凄いの一言しか言えないわね」

 

そして女子のシャワーが終わり、レオンは一人で浴室のシャワーを使い。汗を流す。

浴室から上がったレオンはご機嫌な様子で言う。

 

「ふぅ~! シャワーなんて8年ぶりだぜ! いつもどこかの水で流してたからな」

 

「レオン」

 

とサリアがやって来て、レオンはサリアの方を向く。

 

「サリアか、どうした?」

 

「今からあなたの部屋に案内するわ」

 

「ああ、ありがとう」

 

レオンはサリアに部屋に案内される、部屋に到着したレオンはサリアから鍵を渡される。

 

「あとこれで最低限必要な物資は揃う筈だから」

 

「ああ、サンキュ」

 

サリアから最低限の金を渡されて、レオンに言う。

 

「それと起床は明朝5時だから、寝坊しないようにね」

 

「分かった」

 

そう言ってサリアはその場を去って行き、レオンは鍵を使って開けて部屋に入る。

レオンは部屋に入るとベットに寝転がり、天井を見ながら思う。

 

「(そういや俺…ベットで寝るのって本当に久しぶりだよな?)」

 

自分がノーマで知らされて、その時に世界を回る旅に出て約8年、レオンは何時も野宿生活をしていた為。ふかふかではないがベットで寝るのは本当に久しぶりなのだ。

レオンはベットから起き上がり、窓の近くまで来て、自分の前から居なくなった両親の事を思う。

 

「父さん、母さん。今何をしている?」

 

───────────────────────────────────────

 

 

数日後、格納庫でエマがジルにレオンとアンジュの適性審査の結果を見せる。

 

「例の新人達ですが基礎体力、反射神経、近接対応能力、更に戦術論のリタイヤ全てにおいて平均値を上回っております。特にレオンは飛んでもない数値を跳ね上げて、皆より上を行っています」

 

「ほ~優秀じゃないか」

 

「『ノーマの中』では、ですね」

 

エマの皮肉にジルは見て、エマは敬礼し別れた。

一方のジルは格納庫の更に奥に足を運んでいた。

 

「パラメイルの操縦敵性…特筆すべきものがある…か。ならば…」

 

そう言うジルはアンジュから取った指輪を取り出して見て、そして彼女の目の前に二機のパラメイルが並んでいた。

 

一機はやや錆びついた白と、もう一機はパラメイルと言うべきか一回り…いや二回り大きい白と赤のツートン大型パラメイルがあった。

 




レオンは旅をしている間、どのような食事を取っていたんでしょかね?
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